200平成16  9曜日

署名の縦覧始まる伊良部町長解職請求

 浜川健伊良部町長の解職請求(リコール)の署名簿縦覧が2日、8日までの7日間の日程で同町南区の女性・若者等活動促進施設で始まった。有権者の男女65人が、持参してきた用紙に署名した人の氏名や住所などを書き写すなど異常な雰囲気に包まれた。解職請求は有権者総数5081人の3分の1に当たる1694人以上の有効者総数の場合に成立し、その人数に達しない場合は不成立となる。浜川町長の解職請求の成立を目指して署名簿を提出した合併反対派と不成立に持ち込もうとする合併賛成派は、この日から署名した有権者の説得に激しい攻防を展開した。住民投票は不透明な情勢。

 町選管は1日、2082人の署名総数のうち、有効署名総数を1936人、無効署名総数を146人と決定した。署名簿は24冊。
 この日の午前7時すぎ、同施設入口前では、縦覧で駆け付けた多数の有権者らが列を作った。
 町選管は先着順に整理券を配り、午前8時30分から縦覧を開始した。
 最初に縦覧したのは、合併賛成派の24人で、手分けして全署名者の氏名や生年月日、住所などを用紙に書き写した。
合併賛成派の男性一人は「署名した人の家を回り、署名を取り消す念書をお願いする。その念書をもって異議申立をする。解職請求は絶対に不成立させる」と語った。
 一方、合併反対派らは、町選管が無効署名とした人の名前を中心に用紙に書いた。
 合併反対派の男性一人は「無効署名については、異議申し立てを行い、有効署名に復活させたい」と話した。
縦覧で全署名の名前などが明らかになったことで、両派の対立はさらに激化。署名した人への電話攻防、自宅訪問がひんぱんになりそうだ。
 町選管は、異議申し出を受けた日から14日以内にこれを決定するため、最終の有効署名総数が決まるのもその時となる。
 仮に解職請求が成立した場合には、浜川町長の解職の是非を問う住民投票は60日以内に行われる。

 写真説明・多数の有権者が署名簿を縦覧し署名した人の氏名などを用紙に書き写した=2日、伊良部町南区の女性・若者等活動促進施設

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手取額の現行維持を確認/サトウキビ、要請行動展開へ

 2004年度サトウキビの運動方針についての宮古地区説明会が2日午前、JAおきなわ宮古地区事業本部で開催された。この中で05―06年産サトウキビ価格の最低生産者価格を現行の2万230円(トン当たり)とし、農業経営基盤対策費を含めた農家手取額も現行の2万470円に据え置く要請内容を確認、これの実現に向けて各市町村の農業関係者が結束を強めた。要請行動は今月21日からスタート、第1次、第2次合わせて70人規模で上京し関係省庁を回る。

 宮古地区説明会は午前9時から開かれ、大勢の関係者が参加して県さとうきび対策本部や県農業協同組合中央会の説明に聞き入った。
 対策本部は05―06年産のサトウキビ価格決定を10月1日と想定。それまでに要請行動を展開する。今月の21、22の両日(第1次)は20人規模で同27日―10月1日(第2次)までは50人規模の要請団で関係省庁を訪ねる。
 今年度の運動目標は▽サトウキビ最低生産者価格は現行価格を基本とし、価格関連対策を含め現行農家手取り額の維持▽サトウキビ生産振興総合施策の拡充強化(機械化一貫体系の拡充、病害虫防除対策および試験研究の充実など)▽糖業振興臨時助成金並びに含みつ糖振興対策事業費の継続確保―など。
 ほかに国が示しているサトウキビ価格案についても強く反対していく方針だ。国は07年までに基準糖度帯から0・1度下がるたびに一律130円引くという案を出している。
 21日からスタートする要請行動では農林水産、財務の各省と内閣府を回る。そのほか国会議員を訪ね、最低生産者価格と農家手取額の現行維持を強く求める。

 写真説明・今年度サトウキビの運動方針についての説明会が行われた
=2日、JAおきなわ宮古地区事業本部

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嶺さん二科展入選/ガジュマル・赤がわら屋根描く

 平良市下里に住む徳嶺正治さん(61)の油絵が二科会の主催する2004年度第89回二科展に入選し、展示されている。16日まで。作品名は「残照」。夕暮れの木漏れ日がスポットライトのように、大きく、力強いガジュマルの木や赤瓦屋根の民家に照らす「光と影の織りなす風景」を描いた作品。受賞した徳嶺さんは「評価されてうれしい。頑張ったかいがあった」と喜んでいる。
 作品は1年掛かりで完成。縦90センチ、横120センチ。ガジュマルは大野山林やカママ嶺公園などに生えているもの、赤瓦屋根の民家は久松地方の民家などを基にし、それぞれ徳嶺さんのイメージを加えて描いた。徳嶺さんは1999年にも風景画を同展示会に出展し、入選している。
 徳嶺さんは「絵は自分の生きがい。今後もいろいろな絵に挑戦していきたい」と話した。同展示会は東京都上野の森美術館、東京都美術館で9月1―16日まで開催。

 写真説明(上)・二科展に入選した徳嶺さんの作品「残照」
 写真説明(下)・徳嶺正治さん


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あすからガソリン値上げ1リットル当たり4円アップ

 ガソリン卸値が1リットル当たり4円前後値上げされたことに伴い、離島を含む宮古地区のほとんどのガソリンスタンドでは、4日から、現在の小売り価格を4円値上げする。状況を見て判断したいとの見解を示すガソリンスタンドもあるが、大半が卸値急騰の影響は免れないと見ている。6月にも5円値上げしたばかりで、今年だけで計9円の値上がり。関係者らは「客からの苦情はあるが、値上げは避けられない」と話している。
 平良市内のあるガソリンスタンドでは、2日に4日からの小売り価格値上げを決定。これまで1リットル当たり115円だったのが119円にアップする。2000円分給油した場合、これまでは約16・5リットル入れていたのが、16リットルちょうどになるという。同店では、4円値上げすることを伝えるチラシを壁に張り、客への周知を図っている。
 店長によると、テレビや新聞などの報道でガソリン値上げを知った客の反応が早く、今月1日からは価格値上げについて聞く客が増えたという。店長は「6月にも5円値上げしたばかり。年に2回も値上げしたのは今回が初めてだと思う。これまでわずかながらの卸値アップはあったが、小売価格はなんとか上げずにいられた。しかし、この値上げ幅ではさすがに上げざるを得ない。理解していただくほかない」と説明。部長は「今後の見通しは分からない」と懸念を示した。
 ある男性客(49)は「4円の値上げは高いが、原油が高くなっているのでやむを得ないのでは」と受け止め、観光で長期滞在している男性は「ガソリン代が高くなると、やはり運転していて気になるもの。あまり車を使わないようにしないといけない。これからは軽自動車が増えるのでは」と話した。
 
 写真説明
・ガソリン卸値の値上がりでほとんどのガソリンスタンドで4日から4円値上げすることになった=2日、平良市内のガソリンスタンド

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観光振興会が発足/城辺町、専門家招き勉強会

 観光事業施設の利用を促進し、城辺町内の観光振興を図る城辺町観光振興会(幸地和夫会長)がこのほど発足した。同会は町内のさまざまな企業・団体の代表で組織されており、観光を多角的に分析して観光誘客に結び付けたい考え。今後は修学旅行生徒や一般の旅行者をターゲットにした体験型の観光プログラムを作り、同町の観光振興に役立てる。 2日には観光地域プランナーを招いて勉強会を開き、今後の観光について積極的に意見交換した。
 同会は先月18日に発足。設立総会の中で会則や事業計画、予算、役員案を承認した。同会は農業をはじめ、郷土料理、郷土陶芸、織物、郷土陶芸、ゴルフ場など民間の企業で構成、それぞれの代表者が連携を密にして各種活動を展開する。
 2日は午後2時から同町農村環境改善センターで勉強会が開かれ、立教大学観光学部観光学科講師で観光地域プランナーの菅原由美子さんとCEER株式会社の小俣寛さんがソフト面重視の観光振興を訴えた。
 菅原さんは「これからの観光はハード面よりソフト面の充実が大切になる。そのソフト面を生かすための組織は絶対に必要。どんなに素晴らしい施設があっても、これを生かす組織がなければうまく活用できない」などと話し、同町観光振興会の発足を喜びながら今後の観光振興に期待した。
 同振興会のメンバーは次の通り。(敬称略)
 ▽幸地和夫、西原利彰、松川正明、野崎達男、宮里久雄、池間隆守、友利隆雄、佐々木祐一、根間克則、友利順子、佐渡山安公、比嘉美恵子、仲間野江子、仲間寛安、狩俣貞子、藤井一郎

 写真説明・観光地域アドバイザーを招いた勉強会で今後の観光のあり方を考えた=2日、城辺町農村環境改善センター

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