200平成16  9曜日

「来年4月の合併困難」/県が合併協事務局長会議で報告

 宮古地区市町村合併協議会事務局の総務課長会議が8月31日、同事務局会議室で開かれ、8月20日に行われた「第1回合併協議会事務局長連絡会議」で示された今後の宮古地区合併スケジュールに関する県の見解が報告された。報告では、来年4月の新市設置については宮古の現状と今後の日程的にみても困難との判断が示された。また、県の見解を受けて合併協議会が現状と照らし合わせた今後のスケジュールでは来年3月までに県への申請を済ませ、6月県議会で議決、7月に総務大臣告示となり、新市の誕生は早くとも来年8月ごろをめどとしている。
 県が示している県内の市町村合併スケジュールでは来年4月1日の新市発足は「うるま市」のみを予定。宮古地区の合併については6月から8月をめどとしているが、その条件は現在協議が進んでいることとなっている。
 また、県は合併予定自治体との新市計画事前調整に2―3カ月を見込み、来年3月末の県への合併申請に間に合わせるためには宮古地区の協定項目(新市建設計画)の協議を11月末までには終了することも重要な要素として示している。
 この日の総務課長会議には多良間村を除く5市町村の助役、総務課長らが参加。5市町村法定協発足案を否決した下地町に対して来週中には臨時会開催の日程にめど付けすることなどが呼び掛けられた。
 しかし、下地町側からは議会否決後一度も首長会議が開催されておらず見通しのつかない状況で言われても困るとの意見も出された。
 この日の協議では出席者から5市町村長の認識の薄さと行動力のなさを指摘する意見も多く出された。意見の中には「首長の日程を調整して早く協議すべき。午後5時以降でも首長は集まって積極的に今後について話し合うべき」「出張などを取り止めても合併の問題を最優先して協議すべき」など現状に対する不満が示された。
 8月12日に下地町議会が法定協発足案を否決した後、ほとんど動きが見られない宮古地区の合併協議。今後についてトップの方針を示されていない状況下、事務方の協議も困惑した様子で進められた。

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秋篠宮殿下に受賞を報告/宮農高環境班・石原国交大臣も激励

 【東京で菊池優子記者】スウェーデンのストックホルムで開催された「ストックホルム・ジュニア・ウオーター・プライズ(青少年水大賞)」国際コンテストで最高賞に当たる同大賞を受賞した県立宮古農林高校(下地恵吉校長)環境班は、8月30、31の両日に秋篠宮殿下や在日スウェーデン大使館、環境省など関係省庁5省に受賞報告を行った。同賞は「水のノーベル賞」のジュニア版とも言われ、アジアで初の受賞となる。

 8月31日、国土交通省で石原伸晃国土交通大臣に環境班の川平勉君、砂川大輔君、山口香さん(いずれも環境工学科3年)が同コンテストと同じように英語でのプレゼンテーションを行い、終了後、受賞報告を兼ね懇談した。
 同大臣からの「なぜこの研究に興味を持ったか、受賞後何を感じたか」などの質問に、川平君は「宮古島の水を守らないと将来住めなくなる。今やらなければと思った。今回の受賞で宮古だけではなく、世界にも貢献できるということが分かった」と答えた。
 同大臣は「出来る限り多くの同世代の皆さんに興味を持ってもらえるように、これからは広報活動に頑張ってほしい。それが次の世代に環境を守ることを伝えると思う。沖縄から世界にどんどん発信してほしい」と高校生による8年間に及ぶ地下水保全への研究活動を高く評価した。
 表敬訪問後、砂川君は「英語での発表は何度練習しても本当に緊張する。今回はマスコミの多さにも驚いて、ますます緊張した」と話した。また、マスコミ各社の質問に山口さんは「現在は、少量しか生産できない(有機肥料の)バイオ・リンを、もっと多く生産できるように工場を建設したい」と今後の夢を語った。
 沖縄県教育委員会の山内彰教育長は「県の産業界、教育行政にもご理解をいただいて、受賞をきっかけにこの素晴らしい研究を息の長い取り組みにしていきたい」と抱負を語った。下地校長は「秋篠宮邸で秋篠宮殿下と接見し受賞報告したが、話が思いのほかはずみ、1時間近く時間オーバーしてしまったほど有意義な時間を過ごせた。生徒達のどこに行っても堂々とした態度を誇りに思う」と話した。

 写真説明・石原国土交通大臣(左から3人目)に受賞報告を行う宮農高環境班のメンバー=8月31日、東京都・国土交通省

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B767お疲れさま/JTA・今夏ピーク期の就航終了

 日本トランスオーシャン航空(JTA)の宮古―羽田、宮古―那覇を結ぶ路線で、夏の繁忙期に合わせて就航していた日本航空(JAL)のボーイング767―300型機が8月31日の東京行き022便で今夏の就航を終えた。同機の就航は夏期の旅客、貨物・郵便物の輸送に大幅に貢献。最終便の出発を前にJTA宮古支社の小浜勝弘支社長らが最終便の機長・柴田知樹さんと客室乗務員・佐々木八重子さんに花束を贈り、同機とその乗務員らの活躍に感謝した。
 夏期のピーク期(7月16日―8月末)に合わせた大型機の就航は今年で10年目。同機の就航で、今年7月の貨物・郵便輸送実績はそれまでの月間輸送記録を大幅に更新する3131トンと初めて3000トンを突破した。輸送旅客数は宮古―那覇と宮古―羽田で合わせて延べ4万3965人に上った。
 乗務員に花束を手渡した小浜支社長は「素晴らしい安全運航ができた上、多くのお客さまと貨物を運ぶことができ、感謝にたえない」と謝辞を述べた。

 写真説明・B767の今夏最終便出発を前に写真に収まる乗務員とJTA宮古支社の職員ら=8月31日、宮古空港

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中学生運転の車が転落/同乗の小学生ともに大けが

 8月31日午前6時10分ごろ、平良市西仲宗根の市道で中学生の男子生徒(14)が運転する乗用車が、左カーブを曲がりきれずフェンスをなぎ倒し、約7メートル下の添道公民館グラウンドに転落する事故が発生した。男子生徒は内臓損傷、助手席に同乗していた友人の小学生の男子児童(12)はろっ骨骨折のそれぞれ重傷を負ったが、2人とも命に別条はない。
 宮古署によると2人は友人同士。男子生徒の母親が所有する自動車を運転し、北県営団地方面から福山集落方面へ向け進行中に左カーブを曲がりきれず、進路右側フェンスを押し倒し、約7メートル下の同グラウンドに転落した。この事故で車は大破した。同署では2人の回復を待ってから事故原因を調べる方針。

 写真説明・写真上のフェンスをなぎ倒し転落、大破した車=8月31日、添道公民館グラウンド

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モデル防風林を造成/農業試験場宮古支場

 県農業試験場宮古支場(大城正市支場長)が、事務所東側の農場でモデル防風林の造成に取り組んでいる。長さ600メートル、幅2メートル。中心となるフクギのほかに花木や果樹を植え景観を美しくする。
 フクギの苗は数年前から育苗。20センチほどだった苗は現在、約1メートルに成長し、8月30日から移植が始まった。
 花木はサクラ(開花時期2月)やイッペー(同3月)、キョウチクトウ(同4―9月)を植え、年中花を咲かせる。果樹はスモモやカキ、レイシなどを順次植えていく。
 花木は4、5年後に花を咲かせ、サクラの開花時期には「桜祭り」を予定。果物が実るころには「収穫祭」を考えている。
 宮古では土地改良区などでモクマオウの防風林が造成されているが、管理が行き届かず雑草が生え、景観を損ねている。モデル防風林は、「桜祭り」や「収穫祭」などのイベントを通して、市民参加型の管理に持っていけるよう取り組む。
 大城支場長は「宮古は観光に支えられている島。防風林造成の際は、景観美化にも配慮する必要がある」と話す。

 写真説明・フクギの移植が始まった=8月30日、県農業試験場宮古支場

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きょうから9月/野鳥は秋の渡り

 ○…北国で過ごしていた野鳥が東南アジアなどへ南下する「秋の渡り」が、8月下旬から始まった。宮古では南下中に立ち寄ったダイシャクシギ(シギ科)やセイタカシギ(セイタカシギ科)などが次々と飛来し、自然界を彩っている。旅鳥や冬鳥の一部は宮古で越冬する。今月から秋の渡りは本格化し、多種類の野鳥たちが渡来する。
 ○…各学校ではきょうから2学期が始まり、教室や校庭に児童・生徒の笑顔が戻ってくる。今月から来月にかけては、小・中学校の運動会シーズン。本番に向けての練習も本格化し、父母や祖父母らは、一段と成長したわが子の姿を見ることができそうだ。
 ○…21日から23日までの3日間は、多良間島の伝統芸能「八月踊り」が開催される。期間中、島は祭り一色に染まり、島外からの見物客であふれる。20日は「敬老の日」。お年寄りを敬い、長年の労をねぎらう敬老会などが各地域で催される。

 写真説明(上)・長く下に曲がったくちばしを持つダイシャクシギ=8月31日、下地町(伊良波彌記者撮影)
 写真説明(下)・水辺のバレリーナの愛称で親しまれるセイタカシギ=8月31日、平良市(伊良波彌記者撮影)

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