【那覇支局】内閣府沖縄担当部局の2005年度予算の概算要求が27日、自民党の沖縄振興委員会で了承され、概要が公表された。要求総額は04年度予算に比べ16・2%増の3409億2900万円。昨年9月の台風14号の襲来後に特に要望の強かった、平良城辺線の電線共同溝整備事業(電線地中化)が新規事業として盛り込まれ、実現に向け第一歩を踏み出した。離島活性化に向けた重点施策として、「一島一物語」の考え方をもとに島の魅力が最大限に生きるよう取り組む「沖縄離島(美ら島)活性化特別事業」が新たに盛り込まれたのも大きな特徴。厳しい財政事情下で、今後の財務省との折衝が注目される。
平良城辺線(県道78号)は平良市と城辺町を結ぶ幹線道路。事業ではこのうち県立宮古病院付近から宮古空港入口交差点までの2・75キロの両側歩道下、計5・5キロに電線共同溝を設置する。県が事業主体となり、予定される事業期間は08年度までで、総事業費は約17億円が見込まれる。
重点施策にも挙げられている新規事業、沖縄離島(美ら島)活性化特別事業は7億7600万円。内訳は▽各島の具体的なアイデア、取り組みを支援する離島地域資源活用・産業育成事業に3億6800万円▽十分な通信容量情報基盤整備として離島ブロードバンド環境整備事業に3億円▽離島活性化人材育成・専門家派遣事業に6900万円▽災害・緊急時に備えた一定限度の生活基盤整備に向けた基本調査に3900万円―となっている。同部局は、離島活性化に向けた対応策の中に、沖縄振興開発金融公庫の融資制度に、教育資金離島特例と沖縄離島振興貸付(通称・美ら島貸付)を創設する考えも示している。
重点施策には、港湾空港整備事業に新石垣空港整備事業が新規で盛り込まれ、事実上の事業化の運びとなった。沖縄科学技術大学院大学関連経費は05年度予算から大幅増となる80億円を要求し、同大学整備法人設立に向けた取り組みなどを推進する方針。
概算要求総額の内訳は、基本的政策企画立案等経費が04年度予算比23・9%増の352億8800万円、沖縄振興開発事業費等が同15・3%増の356億4100万円。このうち道路や港湾整備を中心とした公共投資は同15・7%増の2964億500万円を、それぞれ要求する。
新規事業は、非公共(ソフト面)で離島活性化特別事業のほか、ベンチャービジネストータルサポート事業、就農支援方策に関する調査事業など5件、公共投資(ハード面)は13件で、合わせて18件。
写真説明・電線の地中化事業が予定されている平良城辺線
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