200平成16  26曜日

イルカ11頭死ぬ/伊良部町・

台風17号の荒波で打ち上げられる

 24日から25日未明にかけ、伊良部町伊良部島と下地島の間、入江の砂浜にマダライルカ(マイルカ科)13頭が台風17号の荒波で打ち上げられた。11頭が死に、2頭が救助され海へ無事帰された。
 マダライルカのグループは、荒波にもまれながら渡口の浜側の入り江に迷い込んだらしい。折からの高波にのまれ、砂浜に打ち上げられた。
 25日早朝、本土出身のダイバーらが、砂浜と岩盤の上で痛々しく横たわるマダライルカを発見。成体9頭は既に息絶えていた。残り4頭を波打ち際まで運び、手厚く介護した結果、幼体1頭と成体1頭は海に戻ったが、残りの成体2頭は力尽きて死んだ。
 11頭の死体は同町環境保健課が回収し、伊良部堆肥(たいひ)センターへ運んだ。

■マダライルカ 黒と灰色の体にまだら模様があるのが特徴。若いイルカには模様はない。くちばしの先端は白い。成体の体長1・7−2・4メートル。体重90−105キロ。ジャンプや空中で回転したりする。熱帯・温帯に分布する外洋性のイルカ。

 写真説明・台風の荒波で打ち上げられ死んだマダライルカ=25日、伊良部町

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キビ被害2億円/台風17号被害状況(速報)

 県宮古支庁は25日午後、宮古島地方に襲来した台風17号関連の被害状況(速報)をまとめた。特に被害が大きいのはサトウキビで、6市町村の合計で1億9945万5000円の被害が出た。これに野菜や果樹を含めた全体の農産物被害は2億724万7000円。農業用ビニールハウスの破損や漁業用の無線アンテナ倒壊などを含む農林水産業被害の総額は2億924万9000円となり、その他を合わせた被害の総額は2億3463万7000円となった。この台風で5人が軽傷、停電は6600戸(25日午前に全面復旧)に上った。

 サトウキビ被害額の市町村別の内訳は▽平良市4278万5000円▽城辺町3211万4000円▽下地町2916万9000円▽上野村1869万4000円▽伊良部町3307万6000円▽多良間村4361万7000―。県宮古支庁農林水産振興課では暴風雨の吹き荒れた時間が長時間に及んだことなどから、「葉の裂傷が著しい」と指摘。さらには春植え、株出しほ場を中心に梢頭部折損の被害が大きいことや、今後の雨量次第では「塩害が懸念される」としている。
 野菜関係はパパイアやニガウリ、オクラなどで160万3000円の被害が出た。城辺町の被害が大きくニガウリとオクラの被害額が136万7000円に上った。果樹は515万円の被害額。下地町のパイナップルの新植苗が流出し、500万円の被害、城辺町ではバナナで10万円の被害が出た。
 ビニールハウスなど施設関係の被害は▽平良市77万6000円▽下地町98万円▽上野村19万5000円―だった。
 水産業被害は109万円の被害。漁業用無線アンテナ倒壊などの被害額は100万円、海ブドウ養殖関係で9万円の被害が確認された。ほか漁船1隻が沈没しているものとみられ被害額は現在調査中。
 今回の台風は住民生活も直撃。停電は農村部を中心に一時は6600世帯に上り、1日以上も電気のない生活を強いられる世帯もあった。電話回線の故障も各地で発生した。
 台風17号は23日午後3時ごろから24時間以上も宮古島を暴風域に巻き込んだ。この暴風域圏内時の最大瞬間風速は東南東の風51・3メートル(24日午前零時46分)を観測。雨量は平良市280・5ミリを記録したほか、城辺町、伊良部町、多良間村でも大雨があった。

 写真説明・強風で葉が吹き飛んだり梢頭部が折損するなどの被害が出たサトウキビ=24日、城辺町保良

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職員給与減案のみ再提案へ/平良市・議員報酬減案は見送り

 平良市の伊志嶺亮市長は今月23日までに逼迫(ひっぱく)する市の財政健全化に向けた市職員の給与減案を再提案する臨時会を今月末に開催する方針を固め、きょう26日にはその臨時会の日程を決定する議会運営委員会が開催される。しかし、議員報酬減案については提案を見送り、同時提案を求めていた市職労から反発の声が上がっている。

 職員の給与減案についてはこれまで市職労と当局との協議で議員報酬減案と同時に議会提案が確認されていたが、今回はそれを無視する形での提案となることから25日には市職労幹部らが現状に至った理由について当局に見解を求めた。
 市職労の幹部は「確認事項を無視しているし、労使間の信頼関係が崩れる。今後の労使交渉にも影響が出ると思う。伊志嶺市長が出張から帰る今週金曜日にはしっかりとした見解を求めたい」と今回の判断を批判した。
 職員給与減案のみの提案となる背景には、今月23日に行われた臨時会後に議員報酬減案と市職員給与減案を提案する議運の開催を当局が求めたが野党議員の反発にあって、その日の開催には至らなかった。
 その後に議長、副議長、与野党議員団の会長らで協議し議員報酬減案については「もう少し時間が必要」との見解でまとまり、次回の臨時会では市職員給与減案のみを提案するよう伊志嶺市長に申し入れ、それを市長が受け入れる形での提案となったようだ。
 これについて下地学助役は「議員側から議員報酬減案については提案時期をずらしてほしいとの要望があった。しかし、議員報酬減案についても今後、提案することとなっている」と説明した。
 前回は議員報酬減案同様に否決された市職員の給与減案だが、今回は議員報酬減案の見送りを決めた議員側が市職員の給与減案の提案については認めている形となり、どのような判断が下されるのか注目される。
 職員の給与減案については、先月25日に開かれた平良市議会(池間青昌議長)の2004年度第5回議会(臨時会)で伊志嶺市長が議員報酬の5%減案と市職員給与の4%減案を提案。しかし、賛成少数で否決となり両案とも質疑は行われず否決理由が議会で示されないままで判断が下された。

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世界一」の栄誉を報告宮農高環境班が平良市に

 スウェーデンのストックホルムで開催された「ストックホルム・ジュニア・ウオーター・プライズ(青少年水大賞)」国際コンテストで、最高賞にあたる同大賞を受賞した県立宮古農林高校(下地恵吉校長)環境班のメンバーは25日、平良市役所を表敬訪問し受賞報告を行った。伊志嶺亮市長が県外出張中のため下地学助役が対応した。生徒らは「先輩から引き継いだ研究と地域や関係団体の協力のおかげ」と感謝の言葉を述べた。
 表敬したのは環境班の川平勉君、砂川大輔君、山口香さんと前里和洋教諭、下地校長の5人。生徒らは賞状やトロフィーも持参し、喜びの報告を行った。
 下地助役は「日ごろの研究の成果が、世界の場で高く評価された。宮古だけでなく日本の誇りだ」と生徒らをたたえ、「これからも社会に大きく貢献できるよう頑張ってほしい」と激励した。
 報告の中で川平君は「先輩から引き継いだ研究に自分は手を貸しただけ」、砂川君は「名誉ある賞に驚いている。これからも頑張りたい」、山口さんは「受賞式では実感できず不思議な気持ちだった。今はとてもうれしい」とそれぞれ感想を述べた。
 同大賞の日本およびアジアでの受賞は初。「水のノーベル賞」と呼ばれるストックホルム水大賞のジュニア版にあたる。
 また、下地校長らはウクライナとの技術提携の話が持ち上がっていることや30日に東京都で秋篠宮殿下に受賞報告を行うことも明らかにした。

 写真説明・平良市に大賞受賞を報告した環境班のメンバーら=25日、平良市役所

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鉄柱15本が倒壊/上野村 千代田カントリー・

台風17号の影響で

 宮古島各地に大きな被害をもたらした台風17号は、上野村野原の千代田カントリークラブ(下地藤康社長)の鉄柱15本も倒壊させるなど、甚大な被害をもたらした。
 今回の被害について下地社長は「昨年の台風14号の際に倒壊した鉄柱は13本だったので、それよりも被害が大きい。プレーに影響がないよう調整して26日の午後から営業を再開する」と述べた。
 今回被害に遭った鉄柱がある場所は同カントリークラブの5番ホール。同クラブではティーの位置を調整するなどして営業を再開させる方針だ。
 また、折れた鉄柱を撤去し新たに鉄柱を設置して完全復旧に至るには下地社長によると約1カ月はかかる見込み。また、ナイターについては各種整備を行い1週間後に再開する見通しとなっている。
 下地社長によると23日の午後9時ごろに確認したところ鉄柱に問題はなく、翌24日の午前2時ごろに鉄柱が倒壊しているのを確認した。その間の24日午前零時46分には平良市で最大瞬間風速51・3メートル記録していた。

 写真説明・5番ホールの鉄柱15本が倒壊し、無残な状況となっている=25日、上野村野原の千代田カントリークラブ

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一足早く授業開始/伊良部町 小中学校・

2学期制導入で前期後半開始

 宮古で初めて2学期制を導入している伊良部町立小学校2校、中学校2校の計4校で25日、前期後半が始まった。全児童・生徒599人が元気よく登校し、各教室には約1カ月ぶりに子供たちの笑顔が戻った。
 各学校の児童・生徒数は、佐良浜小学校(小禄恒栄校長)が195人、佐良浜中学校(平敷善盛校長)が128人、伊良部小学校(国仲富美男校長)が182人、伊良部中学校(下地玄幸校長)が94人の計599人。
 4校ではこの日の午前、全校朝会が開かれた。このうち、佐良浜小学校では小禄校長が、夏休みに入る前に約束した▽毎日ラジオ体操をする▽1日30分―1時間読書する▽毎日日記を付ける―の3つについて児童たちに確認した。
 子供たちは「約束は守りました」と、大きな声で答え、先生たちを喜ばせた。小禄校長は「これからは運動会や競技大会に向かって頑張りましょう」と励ました。
 各教室に戻った児童たちは、久しぶりの再会に会話を弾ませていた。
 4校の秋休みは、10月9日から17日までの9日間で、秋休み明けから後期前半がスタートする。

 写真説明・元気いっぱいに登校した1年生=25日、佐良浜小学校

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