200平成16  25 曜日

長時間暴風吹き荒れる/台風17号・

最大瞬間51・3メートル

 宮古島を24時間以上暴風域に巻き込んだ大型で強い台風17号は24日午後6時現在、与那国島の北北東約110キロの海上を毎時10キロで北西に進んでいる。宮古島地方気象台によると多良間村を除く宮古島地方は同日午後5時ごろ暴風域を抜けた。暴風域圏内時の最大瞬間風速は51・3キロ(24日午前零時46分)を観測。降り始めからの雨量は平良市が最も多く272・5ミリを記録した。この台風で4人が軽傷、宮古島地方の交通は完全にまひし、大勢の利用客の足に影響が出た。
 同気象台によると、24日午後6時現在の台風の中心位置は北緯25度25分、東経123度25分の海上にある。中心の気圧は955ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は40メートルで、中心から半径190キロ以内は風速25メートル以上の暴風。
 今後、台風は勢力を弱めながら北西に進むとみられ、25日午前6時には与那国島の北西約170キロを中心とする半径110キロの円内に移動。同日午後6時は台北の西北西約160キロを中心とする半径150キロの円内に進む見通し。
 同気象台によると22日からの雨量(24日午後6時現在)は▽平良市272・5ミリ▽城辺町121ミリ▽伊良部町196ミリ▽多良間村160ミリ―となっている。
 この台風とは別に、沖縄地方に接近中の大型で猛烈な台風16号は24日午後6時現在、沖の鳥島の南東約390キロ(北緯18度10分、東経139度20分)の海上を毎時15キロの速さで北西に進んでいる。中心の気圧は910ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は55メートルに達する猛烈な台風だが、同気象台によると宮古島地方が暴風域に入る可能性は「極めて低い」という。

 写真説明・強い風を受けて倒れた道路標識=24日、城辺町保良

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台風17号、島民生活を直撃/各交通機関まひ

 大型で強い台風17号は23日午後3時から24時間以上にわたり、宮古島地方を風速25メートル以上の暴風域に巻き込んだ。24日は空、海の便ともに全面ストップ。大雨と強風による冠水や倒木など陸路の交通にも支障が出た。また、宿泊先のホテルの窓ガラスが割れ、頭部裂傷を負った観光客など計4人が負傷。6市町村で延べ6600世帯が停電し、生活にも影響を及ぼした。農業関連では、ほ場に水がたまるなど、サトウキビへの被害状況も懸念される。

 24日は宮古発着の空、海の便ともに全面ストップした。空路は23日午後から1日半、海路は2日間にわたり、それぞれ島外への交通機関はまひ状態となった。
 24日は日本トランスオーシャン航空(JTA)で22便3015人、琉球エアーコミューター(RAC)で8便122人、全日空(ANA)で10便684人、3社合わせて40便3821人が影響を受けた。23日の2417人を合わせると2日間で延べ6238人が足止めとなった。 
 宮古空港には朝から観光客らが訪れ、運航状況を確認し、午後の便へのキャンセル待ちの手続きを行っていた。午後2時過ぎに全便欠航が決まると、疲れた表情で宿泊先を探していた。
 きょう25日の宮古―那覇はJTA、ANAとも全便満席でキャンセル待ちも多く混雑が予想される。
 海の便では平良港発の船はすべて欠航。フェリー乗客などでにぎわう平良港マリンターミナルもシャッターが下ろされ人影は見られなかった。
 
 写真説明・
離島航路の発着でいつもは賑わう平良港マリンターミナルでは、玄関のシャッターが下ろされ人影は見られなかった=24日、平良市内

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「命(ぬち)どぅ宝」改めて強調/那覇市で対馬丸記念館が開館

 【那覇支局】太平洋戦争真っただ中の1944年8月22日、米潜水艦に学童疎開船「対馬丸」が撃沈されて60年―。1418人の命が失われた悲劇を後世に残そうと建設された「対馬丸記念館」の開館記念式典が22日、那覇市若狭の同記念館で執り行われた。遺族や関係者、行政関係者、県選出国会議員らが出席し、記念館を通して平和の大切さを伝え続けることを誓い合った。式典後、館内を見学した遺族らは、悲劇を伝える数々の展示物に涙ながらに見入っていた。
 開館記念式典で同記念館を運営する対馬丸記念会の高良政勝会長は「遺族は犠牲者の姿が当時のまま脳裏に焼き付き、消えることはない。この悲劇は何年たっても忘れることはできないし、忘れてはならない」と遺族として深い悲しみを述べた上で、「未来の子供たちのために平和な世界にするのが私たちの責任。『命どぅ宝』のメッセージを送り続けたい」と強調した。
 高良会長をはじめ遺族と生存者の代表、同記念館近隣小学校の児童と、沈没海域近くの鹿児島県悪石島の児童らがテープカットして開館した。
 対馬丸撃沈時刻の午後10時23分には、遺族らが沈没した海の方角を向き、黙とうを捧げた。
 記念館は、対馬丸撃沈の全容とその背景を知り、2度と悲しみを繰り返さない学びの場として平和の種をまき、それをはぐくむ場とするのが目的。総事業費は2億300万円(全額国庫補助)。対馬丸犠牲者を追悼する慰霊碑「小桜の塔」がある那覇市若狭の旭ヶ丘公園内に建設された。
 犠牲者の遺影101点(116人分)と14人分の遺品が展示されているほか、犠牲者すべての名前が記されている。また現代の子供たちの平和を願う詩なども並ぶ。

 写真説明・身内の名前を探し指さす遺族=22日、那覇市若狭の対馬丸記念館

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グランプリに与那覇さんIMモードファッションデザインコン

 【那覇支局】「第5回IMモードファッションデザインコンクール&ファッションショー」(主催・県IMモードデザイナーズ協会)が22日、那覇市のパレット市民劇場で開催され、平良市出身の専門学校生、与那覇紗羅さん(20)の作品がグランプリ沖縄県知事賞に輝いた。与那覇さんは「賞のことはまったく考えていなかったのでびっくりした」と笑顔で話した。同協会の会長は伊良部町出身で伊舎堂服装学院長の伊舎堂マサ子さん。宮古関係では県IMモードデザイナーズ協会会長賞に平良市出身の下地未来さんの作品が選ばれた。
 ショーは第一部の「ファッションデザインコンクール出品者」部門で幕開けした。同部門には一次審査を通過した43点が披露された。グランプリとなった与那覇さんは浦添市の専門学校でファッションデザインを学んでおり、授業の一環で出品した。パッチワークの先生をしている母の影響で、パッチワークの布地を大胆に使い、人の温かさを表現。審査員の多くがこの作品を最高賞に推したという。与那覇さんには賞状と、副賞としてフランス・パリへの往復航空券などが贈られた。
 与那覇さんは「自分がどこまでできるか、力試しのつもりで参加した。作品の出来には満足していたが、まさか賞がもらえるなんて」と喜びの声。「これからも服を通して自分の色を表現していきたい」と目標を話した。
 冒頭、伊舎堂会長は「新進デザイナーとプロデザイナーの技の掛け算により、『共育』の場になると考える」とショーの意義を説明した。
 出品者部門のほか、伊舎堂服装学院生の作品、宮古ファッション協会を含むプロデザイナーの新作なども発表された。
 「コンクール出品者」部門の受賞者は次の通り。(敬称略)
 【グランプリ沖縄県知事賞】与那覇紗羅【県IMモードデザイナーズ協会会長賞】下地未来【那覇市長賞】大城奈津希【県商工会議所連合会会長賞】佐喜真雄也【平良市長賞】真壁正枝【オーディエンス賞】大城寿志【審査員特別賞】田中敏江

 写真説明・グランプリ沖縄県知事賞となった与那覇さんの作品=22日、那覇市のパレット市民劇場

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盆踊りで夏の夜を満喫/南県営団地

 平良市内の南県営団地盆踊り(主催・同団地自治会)が22日夕、同団地内の特設会場で行われた。ちょうちんがともる下、多数の子供たちが元気いっぱいの踊りで夏の夜を満喫した。
 やぐらとその周辺にはちょうちんがいくつもともり、祭り気分を演出。子供たちは涼しそうな浴衣姿でやぐらの舞台に上がって輪をつくり、軽快な音楽に合わせて踊った。
 やぐらの周りで陣取っていた父母らは、子供たちに大きな拍手を送った。
踊りに先立って子どもカラオケ大会や民謡ショーが行われ、会場は終始、にぎやかな雰囲気に包まれていた。
 会場には涼しい潮風が吹き渡り、参加者らはさわやかな表情を見せていた。

 写真説明・子供たちはやぐらで元気良く踊った=22日、平良市内の南県営団体

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