本日のニュース

２００４年（平成１６年）８月２０日金曜日

☆ 売却向け期待感高まる／トゥリバー地区・国内３社が視察

　平良市（伊志嶺亮市長）のトゥリバー地区埋め立て地の売買契約に向けた動きが小康状態から抜け出しそうな状況だ。今年４月からこれまでに国内企業３社が相次いで現地を視察。視察後の具体的な動きはまだ見られないが電話、インターネットでの問い合わせもあり国内景気の回復基調も影響してか興味を示す企業が数社出てきているようだ。また、早期売却に向けたインフラ整備も着々と進んでいる。海浜緑地部分には今後、トイレ等も設置され来年４月ごろには同部分の供用開始となる見込みだ。

　４月以降に企業視察が数件相次いだことについて港湾課では「数社が視察し、市長とも面談した企業もある。視察後の動きはないが海浜地区が供用開始となれば地域がにぎわい今後、視察する企業の印象も良くなると思う」と述べた。
　海浜緑地にはベンチやバスケットリンクなどがすでに整備されており今後、トイレが来年４月までに設置される予定で、当局ではたくさんの市民でにぎわうことを予想している。
　また、トゥリバー地区の売却について平良富男建設部長は「同地区の売却については一括売却とコテージゾーンとホテルゾーンの分割売却についても検討している。企業が視察していることは同地区に関心を持ってもらえているからで良い傾向だと思う」と述べた。
　同地区は、2002年末にコンサルタント会社・太眞（奥間眞治社長）と平良市との間で契約が成立しながら代金の入金遅れが続き結局、昨年10月には契約破棄となった経緯がある。これについて平良建設部長は「今は新たな売却先を模索している」と述べ、これまで太眞社絡みで浮上していた投資家については選択肢に入っていないことを説明した。
　議会でも伊志嶺市長の責任問題にまで発展した同地区の売却をめぐる問題。今後も野党議員から当局、市長の責任追及が予想されているがこれまで伊志嶺市長は「早期に売却することが私の責任」との見解を示していた。
　太眞社との契約破棄後新たな売却先についてほとんどめどが立っていなかった同地区に４月以降、企業視察や問い合わせがあったことで売却に向けた今後の動向が注目されている。

　写真説明・早期の売却に向けてインフラ整備が着々と進んでいる＝19日、平良市のトゥリバー地区

☆ フェンシング 宮古で初開催／国体九州ブロック・

平良市総合体育館であす開幕

　2004年度国民体育大会第24回九州ブロック大会の秋季大会が19日から開幕し、県内18市町村で20競技が行われる。宮古地区ではフェンシング競技が21、22の両日に平良市総合体育館で開催される。同競技は成年女子、少年男子、同女子の３種目に計66人が参加。団体リーグ戦で争われ、上位チームは10月に埼玉県で開催される本国体への出場権を得る。宮古で同競技の大会が開かれるのは初めて。

　同大会に宮古地区から参加する選手はいないが、主催者は「フェンシングを知ってもらう良い機会になる」と来場を呼び掛けている。
　会場となる同体育館では19日までに準備も終了。ピストと呼ばれる長さ１４メートル、幅２メートルの板も設置された。審判機のチェックも順調に進み、大会の準備は万全。
　県フェンシング協会の溝口進理事長は「高いレベルの選手が集まった大会。多くの人に見てもらいたい。フェンシングはやることが一番楽しい競技」と述べた。
　フェンシングは剣の違いによって３種目あるが今大会は首と手足を除く胴体部分を攻撃するフルーレが行われる。競技にはスピード、技術、判断力に高い能力が求められ、豪快でスピードあふれる剣の応酬や駆け引きが見どころ。
　大会は１チーム３人の団体戦。剣道などの団体戦とは異なり、３人が総当たり戦を行い５勝したチームが勝ち。九州代表には成年女子が３チーム、少年男子、同女子がそれぞれ２チーム選出される。
　大会には宮古島合宿で来島している専修大学体育会フェンシング部の部員ら32人も競技審判や運営で協力。同部の山口茂男監督は「選手が気持ちよくプレーできるように、大会を支える縁の下の力持ちになりたい」と話した。

　写真説明・大会を間近に控え、本番形式で会場をチェックする関係者＝19日、平良市総合体育館

　宮古本島の８月肉用牛競りが19日、ＪＡおきなわ宮古家畜市場で開かれ、子牛１平均価格は43万4973円（前月比２万8672円高）で取引が成立。1993年５月の同市場運用開始以来、過去最高の高値を記録した。平均キロ単価は1656円。成牛を含めた総販売額は１億4792万2950円だった。ただ、この高値は米国のＢＳＥ（牛海綿状脳症、狂牛病）問題の影響とする見方が強い。このため、米国産牛の国内輸入停止措置が解除された場合の価格変動を懸念する畜産関係者もある。
　今月競りに上場された子牛は329頭（去勢199頭、雌130頭）。このうち、326頭が競り落とされた。１頭平均価格は去勢が45万4936円と高い。雌も40万4094円と高値で取引された。１頭当たりの平均体重は262キロで、１頭当たりの最高価格は61万8450円。子牛のみの販売額は１億4180万1450円だった。
　成牛を含めた全体の上場頭数は376頭で、うち370頭の取引が成立した。１頭当たりの平均体重は283キロで、平均の価格は前月比１万1463円高の39万9791円。キロ単価は1410円だった。
　６月から高値取引を連発しているだけに市場内は終始活気付き、40万円以上の子牛が販売されるたびに拍手と歓声が上がっていた。

　写真説明・子牛１頭平均43万5000円の高値取引が成立した８月肉用牛競り＝19日、ＪＡおきなわ宮古家畜市場

☆ 子供の視点で当局追求／平良市・児童生徒が「１日議員」

　「環境重視の街づくりを」「学校の雨漏りを直して」―。平良市の2004年度第７回「まてぃだ子ども議会」が19日午後、同市議会議場で開かれ、市内小・中学校の生徒たちから環境や教育、行政についての身近な質問が相次いだ。市当局は本番さながらの答弁で生徒たちの切実な思いに応えていた。最後は参加子ども議員全員の総意で「平和で希望あふれる都市（まち）」が実現できるよう願った宣言文を採択した。

　この子ども議会は人間性豊かで、表現力あふれる「まてぃだっ子」の育成が狙い。市内小・中学校の児童・生徒24人を議員として招き、行政や政治に関心を持ってもらうことも目的の１つ。
　議会は午後２時に開会。はじめに主催者を代表して同市教委の久貝勝盛教育長が「きょうの議会が、戦争のない明るくて素晴らしい社会をつくることを考えるきっかけになれば幸い」、伊志嶺亮市長は「平良市、宮古、沖縄県のためにいい質問をしてください」とそれぞれ呼び掛けた。
　この後、子ども議会の議長に平良中学校の国仲優希江さんを選挙で選任。その国仲議長の進行で一般質問を行った。
　池間中の浜元優美さんは「ドイツでは缶やペットボトルを使わず瓶で飲み物を販売している制度があります。お祭りでも紙コップや割りばしを使わないような取り組みはできないですか」などと質問。これに対し伊志嶺市長は「そのような制度の可能性については現在、県が調査をしています。この調査で可能と判断すれば県で実現できるはず」と答えた。
　東小の名嘉真道明君も環境問題で質問。平良市が不法投棄ごみの処理で使う費用を聞きながら不法投棄のない清潔な島の実現を訴えた。
　平良第一小の大城叶子さんは「学校の水道水が茶色がかっていて味も良くない。健康にかかわることなので、１日も早く改善してください」と強く求めた。これに久貝教育長は「現在、調査している。場合によっては飲料水用の新たなパイプを使うなどして早急に対応したい」と早期改善を約束していた。
　ほかの子ども議員も次々と質問。学校の雨漏りを指摘したり、街灯設置を求める声もあった。中には問題となっている市町村合併や広域葬祭場について質問する子ども議員もいた。

　写真説明・24人の子ども議員が身近な問題を質問し改善を求めた＝19日、平良市議会議場

☆ オレオレ詐欺を未然防止／宮古署が郵便局員に感謝状贈呈

　オレオレ詐欺による被害を未然に防いだとして、宮古警察署の伊波盛春署長は19日、宮古郵便局（黒島弘充局長）と窓口業務に当たっている同局貯金保険課職員の高原正任さんに感謝状を贈った。
　７月28日午後３時30分ごろ、何者かからの電話で消費者金融からの借金を一括で返済するように言われた29歳の女性が、指定された東京都内の住所に50万円の送金手続きを申し込んだという。
　高原さんは送金先の名義やあて先に不審を抱いたため、女性に「詐欺の可能性があるのでは」と助言したが、女性は聞き入れずに送金した。
　約１時間後、送信相手との連絡が取れなくなった女性は同局と同署に相談。高原さんは東京都内の郵便局に連絡し、送金を止めさせ被害を未然に防いだ。
　同署で行われた感謝状贈呈式で伊波署長は「日ごろからの指導が功を奏した。高原さんの一瞬の機転も防止につながった」とたたえた。
　受け取った高原さんは「女性はどこか慌てている感じで、手続きをしている段階からおかしかった。時間はかかったが、本人が詐欺に気付いてくれて、本当に良かった」と話した。
　黒島局長は「郵政公社から各郵便局に警戒するよう通知されている。お客様の大切な財産を守ることができて良かった」と述べた。

　写真説明・（右から）伊波署長から黒島局長、高原さんに感謝状が贈られた＝19日、宮古警察署