200平成16  16曜日

下地町離脱で再調整へ/宮古地区市町村合併

 今月12日に下地町議会が事実上の「合併離脱」の判断を下し、先行きに暗雲がたちこめた状態の宮古地区の市町村合併協議。合併推進の立場を示している平良市、城辺町、伊良部町、上野村の4市町村長は今週中にも4市町村での合併法定協発足に向けた市町村長会議を持つ見込みだ。また、5市町村の法定協設置案を否決した下地町に対しても再度の検討を求める動きもあることから今週、来週は合併に向けた各種取り組みがヤマ場を迎えそうだ。

 多良間村の法定協離脱後、協議が暗礁に乗り上げた宮古地区の合併問題。5市町村で法定協議会を発足しようと各議会で全員協議会を開き意向をまとめようとしたが、上野村が難色を示してさらに混迷を深めた。
 こうした状況を打破しようと5市町村長が首長会議を開催して法定協発足に向けた協議をスタート。協議を重ね今月11、12日に5市町村議会で臨時会を開催し法定協設置案を提案するところまではこぎつけた。
 しかし、これまで合併推進の議員が多数を占めていた下地町議会がコーラル・ベジタブル社の運営問題など町内情勢が合併問題と複雑に絡み合い結局法定協設置案を否決、「合併せず」の判断となった。
 また、下地町議会が発足案を否決した背景には川満省三町長と議会との調整不足も議員の一部から指摘されていた。他自治体から「再提案」を求める声も聞こえているが現状で再提案されても状況に変化がないことから難しい状況となっている。
 下地町を除く4市町村は、今週中にも法定協議会設置に向けた取り組みをスタートさせる予定だが、発足には再度各議会で議決が必要であることから臨時会開催に向けた日程の調整を図っていく見込み。
 合併法定協が設置されたあとは数回の協議会を経て調印式、各議会での議決、県への合併申請、県議会議決、官報告示等のスケジュールが控えていることから、宮古地区の合併協議は早めの軌道修正が必至の状況となっている。

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で地域をきれいに/下地町・ブ−ゲンビレア苗木配布

 ちゅら島環境美化を目指し、15日「ゴミゼロ大実践2004」と銘打った県下一斉清掃活動が実施された。宮古地区でも各地で行われ、参加者らが地域の美化活動にさわやかな汗を流した。
 下地町(川満省三町長)では町内一円で清掃活動を実施、各自治会が中心となり、ごみ拾いなど自分たちの住む地域の環境美化に努めた。このうち、入江部落会(洲鎌善廣会長)では、ごみ拾いだけでなく、花で地域をきれいにしようと、地区内の全世帯にブーゲンビレアの苗木が配布された。
 同部落会では「拾う環境美化も大事だが花づくりで地域の美化活動に参加しよう」を合い言葉に清掃。道路脇の無造作に伸びた草木の剪定や投げ捨てられたとみられる空き缶、ペットボトルなどを拾い集め、さわやかな汗を流した。
 活動終了後には役員から、部落内の約80世帯にブーゲンビレアの苗木が配られた。
 洲鎌会長は「花が咲くころに部落内を花で飾ることができればうれしい」と活動の意義を説明した。
 一方、伊良部町(浜川健町長)でも参加者約60人が環境美化に心地よい汗を流した。この日の清掃では、同町南区の国仲自治会(下地昭会長)のみが実施、他の自治会は22日に実施する。
 同会は、公営の新生団地を中心に街路樹の剪定や道路脇に散乱する空き缶やビニール類などを拾った。参加者らは、ごみをポイ捨てした人のマナーの欠如にあきれ返った様子だった。
 参加した50代の男性は「ごみを捨てることは環境の破壊につながる」と話し、ごみは持ち帰るように訴えた。
 今月10日には、町内の建設業者10社余りが粗大ごみや資源ごみなどを回収した。大量のごみはダンプ80台分あった。

 写真説明・部落会役員から各世帯にブーゲンビレアの苗木が配られた=15日、下地町入江

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川満清子さんがグランプリ/宮古民謡協会主催

 第6回民謡コンクール(主催・宮古民謡協会)が15日、JAおきなわ宮古地区事業本部大ホールで開かれた。厳正な審査の結果、新人賞などの 4部門に56人が合格。川満清子さん(曲目伊良部とぅがに)がグランプリ賞に合格した。
 同コンクールは、宮古民謡の正しい継承と伝統芸能の発展を図るとともに公正厳格な審査によって優れた芸能家を見いだし、登場を促して郷土発展に寄与することが目的で実施されている。
 今回は新人賞部門に29人が出場し全員が合格、優秀賞部門には26人が出場し18人合格、最高賞部門が15人出場し8人合格、グランプリ賞部門が5人出場し1人が合格した。出場者のうち最年少が9歳、最高齢が75歳だった。
 各部門の合格者は次の通り。(敬称略)
 【新人賞部門】▽上地大▽諸見里勝美▽上地英里香▽西筋博子▽愛澤直樹▽下地能子▽下地正吉▽多良間弘宣▽大嶺明正▽新里さつき▽新里都夏沙▽下地美沙▽嘉手苅知華▽仲間元春▽下地瀬理香▽山口七重▽大口美和▽勝連美咲▽佐久本孟▽浜川笑子▽根間陽子▽下里光男▽古波蔵夏菜▽中曽根紫都▽砂川美穂▽宮国由貴乃▽新城なな子▽新城佑治▽下地宏
 【優秀賞部門】▽池内祐貴▽池内麻紀▽上地真希▽石嶺安子▽尾崎直子▽下地シヅエ▽板橋智恵子▽新里奈月▽小禄愛美▽与那原千秋▽山口綾香▽砂川有以▽吉村総司▽中曽根美星▽渡久山吉彦▽堺屋ヨシ子▽愛沢優▽川満勝佳
 【最高賞部門】▽砂川恵盛▽高田勝吉▽砂川毅▽渡久山まさ子▽通事千利▽上地さおり▽比嘉美枝子▽中曽根雅子
 【グランプリ賞部門】▽川満清子

 写真説明・
出場者らは得意の歌を熱唱した=15日、JAおきなわ宮古地区事業本部大ホール

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戦争と憲法考える/仲宗根將二さんが講演

 「8・15平和への集い」(主催・ピース・アクション実行委員会、後援・平良市・同市教育委員会)が15日午後、平良市中央公民館で開かれた。講師に仲宗根將二さんが招かれ「戦争と憲法を考える」と題して講演した。講演の中で、仲宗根さんは、教育基本法の第10条の教育行政に触れ、「国は国民の立場の条文を、行政立場に変えようとする動きがある」と糾弾し、過去の教育が戦争へつながったことを振り返り危機感を募らせた。会場には多数の市民らが出席し熱心に聴き入っていた。
 同集いは、戦後59年を迎え太平洋戦争、沖縄戦などを振り返り、憲法9条と平和の問題や教育基本法の改変をめぐる問題について考えようと開かれたもの。またこの日は、中国侵略から太平洋戦争(日米戦争)での沖縄戦、広島、長崎の原爆投下、ポツダム宣言受諾までの「15年戦争」が敗戦で終戦を迎えた日。
 仲宗根さんは、明治政府は▽殖産興業▽富国強兵―を進める上で北海道から沖縄までに共通する皇民化教育を優先させたことを述べた上で、その教育が戦争へつながっていく歴史過程などを説明した。
 教育基本法の第10条(教育行政)@教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである―について、仲宗根さんは「この 1項では、教育に対しては国や行政権は関与してはならないと明記している」と指摘。その上で「教育行政は、『教育は』の間に2文字を入れ、『教育行政は』とし立場を逆転させようとしている」と強調し、条文の改変と、戦争との関係を憂慮した。また国がイラクへの自衛隊派遣などで憲法 9条の改憲の動きについては、強い懸念を示した。
 講演に先立って映画「教えられなかった戦争」が上演され、参加者らは平和の大切さを改めて実感した。
 写真説明・講演に熱心に聴き入っていた参加者ら=15日、平良市中央公民館(円内は講師の仲宗根將二さん)

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海・山交流事業で親ぼく/下地町と岐阜県白川町の児童

 下地町と岐阜県白川町による海・山交流事業(主催・下地町教育委員会、白川町商工会青年部)が14日から2泊3日の日程で始まった。白川町から児童20人を含む計27人が来島。下地小学校児童19人とともに県立少年自然の家で宿泊し、島内観光や海水浴、特産品加工所などを見学し交流を深める。初日はレクリエーションで親ぼくを深めたほか、下地町内視察やコーラル・ベジタブル社見学などを行った。
 同事業は昨年に続き2度目の実施。「後継ひとづくり交流体験プロジェクト」として次代を担う青少年の育成を図ろうと事業を展開する白川町商工会青年部側が、下地町に交流を呼び掛けたのがきっかけとなった。
 宿泊先の県立少年自然の家で行われた入所式で、下地町の幸地昇良教育長は「私たちが住む宮古島には山がなく、皆さんが住む町とはまったく違う環境。空、海、砂浜がある。短い期間だが仲良くし心ゆくまで楽しんでほしい」とあいさつ。下地小学校を代表して仲里元希君(6年)は一行を歓迎し、「僕たちにも白川町のことを教えてほしい」と述べた。
 今回の交流委員長を務める白川町商工会青年部の今井昭彦さんは「子供たちに白川町にない宮古島の自然を感じてもらい、視野を広げることで将来への夢や希望をもってもらいたい。いずれは子どもたちだけでなく商工会など大人たちの交流にもつながっていけばうれしい」と話した。
 白川町から初めて参加した山中壮馬君(佐見小学校6年)は「思っていたよりすごく暑い。海で泳ぐのが楽しみ」と笑顔を見せた。

 写真説明・レクリエーションで打ち解け合う下地町の児童と岐阜県白川町の児童たち=14日、県立少年自然の家 

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