200平成16  15 曜日

住民に「戸惑い」と「不安」/下地町・

議会の「合併せず」決議で波紋

 今月12日に下地町議会が5市町村の合併法定協議会発足案を賛成少数で否決し、事実上「合併せず」の判断を下した。この判断について町民の反応は「支持」「不支持」よりも「戸惑い」や「不安」を訴える声が多く聞かれた。合併論議が展開されて2年4カ月が経過したが合併に対する住民意識が高揚しているとはいえない状況で方向性が示されていく状況に至っている。最も影響を受ける住民から返ってくる答えの多くは「よく分からない」。判断を下した町議は今後、この町民の不安を少しでも解消していくことが求められている。

 20代女性「合併についてあまり内容が分からない。議会が『合併せず』と判断したところでどうリアクションしていいのかもどうなるのかも分からない。とにかくメリットがある方を選択してほしい」
 20代男性「財政の厳しさは今は目に見えないが、後で気付いてからでは遅い。反対した議員たちは合併に賛成する町民が納得するような未来のシミュレーションを出してほしい。今の下地町を残したいのであれば目先のことではなく孫の代までのことを考え、勇気を出して合併することも必要」
 30代女性「何とも言えない。合併した方が良いかも分からない。ほとんどの町民が戸惑っていると思う。でも、児童手当や各種補助制度などが無くなるのは困る」
 40代男性「あまり関心がない。合併はしても、しなくても良いと思っている。しかし、ずっと単独の自治体として残ることは無理だと思う。いずれは下地も合併するでしょう」
 50代女性「別に合併はしなくても良いと思う。するとしても平良市以外の町村とやった方がいい。でも、下地町だけが合併しないで取り残されることには不安を感じる」
 10代男性「下地町が無くなることは嫌だけど。合併しても下地は下地だと思うし、宮古全体的なことを考えたらやはり合併すべきだと思う」
 2年前の4月に6市町村合併に向けて法定協議会を発足させた宮古地区。しかし、ここに来て自治体間の足並みは乱れ、先行きが見えない状況となった。また、この間も住民の合併に対する意識の高揚は感じられず結局は時間だけが経過している。
 「合併」の主役である住民に「合併せず」の方針を打ち出した代表者たちは、その判断理由について明確に説明することが不安の解消になり、合併に対する住民意識の高揚にもつながるといえよう。

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合併反対派「必要だがまだ早い」/下地町議員・

賛成派「足腰強い自治体に」

 これまで5市町村による合併協議会の立ち上げに賛成していた下地町議会は、12日に開かれた臨時会で賛成少数で宮古市町村合併推進協議会設置案を否決。町民から合併反対の声が多く寄せられていることなどを理由に、これまで合併賛成の姿勢を見せていた議員数人が5市町村による協議会設置に反対した。しかし、具体的な自立策の提示はされておらず、早急に将来のビジョンを描くことが求められている。
 川満克佳、垣花武一の両氏は町民の間で合併反対の声が高まっていることを理由に、これまでの合併賛成から合併反対の立場へ。「将来的なことを考えると合併は必要だが、今はまだ早い。住民サービスの低下は避けられないと思うが、町の基金についてもJA合併後の問題などから町民の反対する声が多い」(川満氏)、「支持者の要望を聞くと合併反対の声が多い。基金がある2、3年のうちに何とかなるだろうという考えがある」(垣花氏)と、JA合併と市町村合併を重ね合わせ不安を感じる町民の声を理由に挙げた。
 一方、池間健榮氏は「合併には賛成」と強調するが、町の第三セクター、コーラル・ベジタブル社の運営問題や、川満省三町長を交えたより深い論議を求め、同案に反対した。
 賛成した川平洋、松永恵茂、村吉順栄、古波蔵小夜子の4氏は財政的な面から合併推進を強調。「組織のスリム化だけでは自立できない。葬祭場やゴミ処理場問題など失うものが大きい」(古波蔵氏)、「集約型の自治体を確立し、足腰の強い自治体に改革していくのが今後の生きる道」(村吉氏)、「合併するなら今。合併しないのであればどういった自立策を出していくのかが重要」(松永氏)と強調する。
 他自治体から「流動的」として注目を集めていた下地町議会。今回、法定協議会設置案を否決したことで5市町村合併の枠組みが崩れ、他市町村も含めさらなる検討が必要となった。合併を推進する川満町長と議会議員の将来を見据えた論議が、今後の重要なカギを握る。

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地元の食材、素材を活用/女性起業家が展示即売会

 下地町内で特産品作りに取り組む個人や団体による特産品即売会が14日から、来間島の竜宮城展望台側にある「楽園の果実」で始まった。きょう15日まで。
 下地町女性起業グループなど町内の九企業が参加し、マンゴーやパパイアを使った手作りケーキや地元で採れた果樹類、クース、油みそのほか、オリジナルTシャツ、宮古上布を使用したポーチなど、地元の食材、素材を活用した特産品を一堂に集め展示即売している。
 下地町内の特産品を一堂に集めた即売会は今回が初めて。農家民宿「津嘉山荘」の津嘉山千代さんが発起人となり、町内でさまざまな特産品作りに取り組む個人や企業に呼び掛けて実現した。
 津嘉山さんは「町内で特産品作りに取り組んでいる人は多いが、こうして集めた即売会は初めて。地元を思う多くの人が参加してくれて、実現できたことはすごくうれしい」と喜びを話し、「いずれは定期的に行い、小さな輪から大きな輪へつなげていきたい。今回を機会に、下地町内で特産品作りに取り組んでいる人にはぜひ参加してほしい」と呼び掛けた。
 即売会には初日から観光客や地元客などが訪れ、特産品を買い求めていた。時間は午前10時から午後6時まで行っている。

 写真説明・下地町内で生産された特産品の展示即売会=14日、来間島の「楽園の果実」

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ゴーヤー、インゲン、産地形成へ/城辺町が来年、県に申請

 城辺町内で栽培されるゴーヤーとインゲンの安定栽培が定着し、拠点産地として認定される可能性が高まってきた。13日までに県の担当者も現地を視察、認定を受けるために必要な条件などを指示した。同町のゴーヤー・インゲン産地協議会は今年度中の産地形成を目指し、早ければ年明け早々にも申請を行う。
 同町内で農協を通して出荷しているゴーヤーの農家は24個人・1組合で、インゲンは11個人。ゴーヤーの栽培面積は計3・3ヘクタール、2003年11月から04年6月にかけて約100トン(島内販売を含めると約115トン)を出荷した。一方のインゲンの出荷は03年11月から04年5月までに約8トンになる。
 このように同町内で栽培されるゴーヤーとインゲンは近年、安定栽培・供給を続けており、拠点産地として認定を受けるための条件を整えつつある。拠点産地として認定を受けると、県から産地指導や技術問題の解決ほか、各種事業などで積極的な支援を受けることができる。このため、認定要綱の理念に定められている「定時・定量・定品質」の出荷を行うことが可能だ。
 同町産業振興課の川満広紀課長は「準備は整いつつあり、(認定を受けるために)あとは面積を確保するだけ。産地協議会とともに、しっかりと取り組んでいきたい」と話し、産地化に向けて意欲を示した。
 現在、宮古地区内で拠点産地として認定を受けている品目は下地町のトウガンなどがある。
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初代チャンプに山口さん、友利君/全宮古ジュニアゴルフ選手権

 第1回全宮古ジュニアゴルフ選手権(主催・宮古ゴルフ協会など)が14日、松が原ゴルフコース(中学の部、パー54)とオーシャンリンクス宮古島(高校の部、フロントティー使用、6000ヤード、パー72)で行われ、中学の部は久松中3年の友利昭成君がアウト、インともに30のトータル60で優勝、高校の部は那覇市松島中1年の山口春歌さんがアウト45、イン39のトータル84で優勝した。

 中学、高校の部ともに午前8時にスタート。中学の部には13人、高校の部には8人が出場して熱戦を繰り広げた。生徒たちはゴルフのマナーやルールを学びながら競技に熱中。同伴競技者との交流も楽しんでいた。
 中学の部優勝の友利君は最後までペースを崩さずに落ち着いたゴルフを展開。2位に4打差をつけて逃げ切った。友利君は「3位に入ることが目標だったので、優勝できてとてもうれしい。これからも練習して、沖縄の大会でもいい成績を残したい」と話した。
 一方、中学生でありながら高校の部に出場した山口さんは圧巻。その細身の体からは想像もできないようなティーショットを放ち、インでは正確なアイアンショットを連発して会場の父母やゴルフ関係者を驚かせた。
 母の美由紀さんが城辺町の比嘉出身という山口さんは「宮古の大会で優勝できたことがとてもうれしい」と笑顔。プレーについては「イメージ通りに攻めきれなかったけど、ドライバーが安定していたので良かった。来年の大会ではもっと練習してアンダーで回りたい」と意気込みを語った。
 表彰式で宮古ゴルフ協会の上地安増会長は「大会を機会にして、将来はタイガー・ウッズに負けないようなプロゴルファーになってくれることが私の願い。私たちもこのような大会を年に1度とは言わず、毎月でも開催できるように頑張る」と話し、協会として宮古島のジュニアを全力で支援することを約束した。
 この大会は「青少年の健全育成」を目的とし、ゴルフを通して得られるマナーの大切さを生徒たちに分かってもらうことが狙い。宮古からプロゴルファーを誕生させることも目標に掲げている。

 写真説明・高校の部優勝の山口さん(左)と中学の部優勝の友利君=14日、オーシャンリンクス宮古島

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