200平成16  12 曜日

最大瞬間風速43.9メートル観測/台風13号

 大型で強い台風13号は11日午後3時現在、宮古島の南南東約100キロの海上にあって、毎時15キロの速さで北西に進んでいる。台風は同日午後1時ごろ宮古島地方を暴風域に巻き込み、今後も勢力を維持しながら宮古島地方と石垣島地方の間を進むものとみられる。平良市では11日午後1時30分に最大風速23・6メートル、午後1時20分に最大瞬間風速43・9メートル観測した。宮古島地方気象台では宮古島地方が暴風域を抜けるのはきょう12日の昼前と予想しており、引き続き厳重な警戒を呼び掛けている。
 台風の中心気圧は960ヘクトパスカル。中心付近の最大風速は40メートルで、中心から半径170キロ以内では風速25メートル以上の暴風、半径560キロ以内では風速15メートル以上の強い風が吹いている。
 台風は11日夜遅くから12日にかけて最も接近すると予想され、12日午後3時には石垣島の北北西約320キロを中心とする半径170キロの円内に達する見込み。
 台風を取り巻く強い雨雲が先島諸島にかかっており、1時間に60―70ミリの激しい雨が予想される。12日正午までの24時間雨量は宮古島地方で400ミリに達する見込み。宮古島地方では12日にかけて波の高さが10メートルを超え、猛烈にしける。暴風、大雨、高波に対し、引き続き厳重な警戒が必要。

 写真説明・暴風で高い波が係留されている船と岸壁を打ち付けた=11日午後3時ごろ、平良市高野漁港

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空、海ともに全面ストップ/台風13号・2000人の足に影響

 大型の台風13号は勢力を維持したまま宮古島地方を暴風域に巻き込み、毎時15キロの速さで進んでいる。宮古島地方には暴風とともに強い雨が降り、農作物の被害が懸念される。台風の影響で空と海の便は全面ストップ。池間大橋と来間大橋は通行止め。一部の道路では雨による冠水や倒れた街路樹によって交通にも支障が出ている。きょう12日の昼ごろまでは台風の暴風域にあるとみられ、宮古島地方気象台では引き続き厳重な警戒を呼び掛けている。

■空・海
 11日は宮古発着の空、海の便とも全便が欠航。島外への交通機関はまひ状態となった。
 空の便は日本トランスオーシャン航空(JTA)で宮古発着の全便で1686人、全日空(ANA)で宮古発着の全便で500人、琉球エアーコミューター(RAC)の多良間発着の全便で52人に影響が生じ、3社合わせて2238人が足止めとなった。
 宮古空港は朝から閑散とした状態。時折、この日、宮古を離れる予定だった観光客らが問い合わせる程度だった。
 福岡から家族4人で観光に訪れていた男性は「自然のことなのでしょうがない」とあきらめ顔。きょう12日の便を予約したとのことで、「もう一晩どこかで泊まるしかないですね」と話していた。
 海の便も平良港発の船はすべて欠航。普段は釣り人やフェリーの乗客などでにぎわう港内には、ほとんど人影はなかった。漁船は陸に揚げられたり、太いロープでしっかりと係留されるなどの台風対策が取られていた。

 写真説明
・宮古発着の全便が欠航し、カウンターで12日の運行状況などを問い合わせる観光客ら=11日、宮古空港
 
■大橋
 宮古本島と平良市の池間島を結ぶ池間大橋、同じく下地町の来間大橋は台風13号の接近に伴い、11日午前中から通行止めとなった。
 両大橋とも平均風速が25キロになると通行が禁止される。通行可能になるのはきょう12日昼ごろから夕方になる見込み。
 午前8時30分ごろ、池間大橋を管理する県宮古支庁土木建築課の職員らは同大橋を閉鎖。大橋の手前(本島側)数100メートルの県道230号(通称・池間大浦線)沿いに設置してある電光掲示板で通行止めを告知している。
 来間大橋は午前10時ごろ、同町職員が吹き荒れる強風と大雨の下でチェーンを張り、通行止め作業に当たった。

 写真説明・
町職員が強風と大雨の中、チェーンを張るなどの通行止め作業に当たった=11日、下地町の来間大橋

■農作物
 台風13号の接近により、各地でサトウキビが強風にあおられ横倒しになる被害が見られた。葉の裂傷による生育阻害や梢頭部折損などの被害も懸念される。
 平良市松原の海沿いのサトウキビ畑では11日午後3時ごろ、北からの強い風にあおられ横倒しになっていた。海沿いの畑では今後塩害の被害も心配される。
 野菜類ではパイプハウスで周年栽培が行われているゴーヤーは壊滅的。路地の野菜や果樹類も被害を受けている。
 マンゴーや葉タバコはすでに収穫を終えているがハウスへの被害も見られた。

 写真説明・
強風であおられるサトウキビ=11日、平良市松原

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伊良部、8強ならず/全国高校総体男子バレー

 全国高等学校総合体育大会男子バレーボール競技は大会第3日の11日、広島県立総合体育館で準々決勝までを行った。県代表の伊良部は3回戦で丸子実業(長野)と対戦。地区予選で全国大会常連の岡谷工業を破って勝ち進んだ強豪を相手に伊良部は第1セットを先取。しかし第2、第3ットを連取され、セットカウント1―2で惜敗した。ベスト8進出は成らなかった。
 第1セットはサーブレシーブが好調で立ち上がりから流れをつかんだ。持ち味の速いコンビバレーで得点を重ね、25―20で先取した。
 勢いで連取したかった第2セットだったが、サーブミスなど勝負所で波に乗れず、20―25で落とした。勝負の第3セット、終盤まで競り合いの展開が続いたが、あと一歩届かず、25―21で奪われた。
 天願誠也主将は「『絶対に流れが来るから我慢しよう』とみんなで話したが、できなかった」と言葉を詰まらせた。城間亮監督は「終盤の詰めができなかった。勝てる試合だった」と悔しさをにじませた。
 天願はチーム唯一の3年生で今大会が最後の試合となった。「試合を重ねるごとにチームが良くなった。後輩たちにありがとうと言いたい。レシーブをしっかりして、速いコンビネーションにつなげば、どんなに高さのあるチームにも通用することが分かった」と話し、今後のチームの躍進に期待を込めた。
 城間監督は「レシーブを鍛え直して、一からチームをつくり上げたい」と決意を新たにしていた。

 写真説明=3回戦・丸子実業戦、スパイクを打つH天願誠也=11日、広島県立総合体育館

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3議会が設置案可決/5市町村合併法定協

 多良間村を除く5市町村での合併法定協議会設置について平良市、城辺町、伊良部町の3議会は11日、それぞれ臨時会を開催し「同協議会設置案」を3議会も賛成多数で可決した。市議会、伊良部町議会とも設置案に反対の意志を示したのは1人、そのほかは賛成だった。また、城辺町議会では今後の展開が流動的な他町村の状況を懸念する意見も出されたが設置案については賛成多数で可決した。きょう12日には下地町、上野村の両議会で同案が審議されるが、賛否が拮抗しているとの情報もありその判断が注目されている。
 市議会臨時会では唯一反対の姿勢を示した共産党の上里樹氏が反対討論を行い、伊志嶺亮市長に対して「いま一度住民の意思を問うための住民投票を実施すべき」と要望したが伊志嶺市長は「住民の大半は賛成であり、実施する必要はない」との姿勢を強調した。
 また、眞榮城徳彦氏が新たに設けられる市町村長会議の設置理由について説明を求め、伊志嶺市長は「協議を進める上で最高機関は法定協議会であるが、事前に調整すべき項目などもあり市町村長会議を設けた」と説明した。
 きょう12日は、下地町と上野村議会で臨時会が予定されているが、両議会ともすでに法定協設置案を可決した3市町の議会とは微妙に温度差があり、下地町では合併とは別の自治体内部の問題なども絡み合って複雑化している。5市町村合併の法定協の名称には「推進」の文言が盛り込まれ、発足後は合併を前提に協議が進められることから、参加後の離脱は2年以上の論議を重ねて合併推進を掲げてきた他自治体に多大な迷惑を掛けることとなる。
 きょうの下地町、上野村両議会の判断は宮古全体の未来に大きな影響をもたらす分岐点となりそうだ。

 写真説明=5市町村での合併法定協設置案を賛成多数で可決した市議会=11日、平良市議会議場

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快適職場推進計画に認定/東洋建設・りんかい日産建設JV

 仕事によるストレスや疲れを少なくし、働きやすい職場づくりを計画、実践する「快適職場推進計画」に、東洋建設・りんかい日産建設特定建設工事共同企業体(平良市下里、木志英樹作業所長)が認定された。10日、宮古労働基準監督署(松野豊署長)で認定証の伝達授与式が行われ、受け取った木志所長は「これからも作業所員が一丸となって快適な職場づくりに取り組んでいきたい」と決意を新たにした。
 同企業体は平良港沖の防波堤を160メートル延長する「平良港(本港地区)防波堤(下崎西)1―DEF工区築造工事」を協力して実施している。
 同計画に認定されるには工期が6カ月以上残っていることが前提で、加えて▽作業環境(不快感を感じることがないよう、空気の汚れや臭気、温度、湿度などの作業環境を適切に維持管理すること)▽作業方法(心身の負担を軽減するため、相当の筋力を必要とする作業などについて作業方法の改善を図ること)▽疲労回復支援施設(疲労やストレスを効果的に癒やすことのできる休憩室などを設置、整備すること)▽職場生活支援施設(洗面所、トイレなど職場生活で必要となる施設を清潔で使いやすい状態にしておくこと)―などが条件。
 同企業体は海上という特殊な作業現場であることから、熱中症対策として簡易テントの設置、冷たいスポーツドリンクを常備することや、エアコンを装備した重機を工事に使用するなど快適な職場づくりのために計画した全29項目のうち、約 6割を実践しており、2005年3月までの工期中で遂行していく方針だ。
 伝達授与式で松野署長は「残りの工期期間中に計画を実践し、これまで以上の快適な職場づくりに励んでください」と激励した。
 木志所長は「快適な作業所であれば労働災害ゼロにもつながると思う。一丸となって取り組んでいきたい」と述べた。

 写真説明・松野署長(右)から認定証を伝達された木志所長(中央)。左は同監督署の佐喜真芳弘厚生労働技官=10日、宮古労働基準監督署

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