本日のニュース

２００４年（平成１６年）７月２９日木曜日

☆ 環境保全条例案で意見聴取へ／平良市議会文教社会委員会

　平良市議会の文教社会委員会（下地秀一委員長）が28日に開かれ、伊志嶺亮平良市長から再提案され６月議会で「継続審議」となっている「市環境保全条例案」について関係３団体の代表と同案検討委員会の委員長を務めた中西康博東京農業大学助教授、大浦自治会の代表を参考人としてそれぞれ招集し、意見を聴取することを決定した。今後、池間青昌議長から対象者に委員会への出席要請が行われ、意見聴取を行う委員会は来月26、27日に開催する予定だ。
　来月の委員会への出席を求めるのは宮古地区生コンクリート協同組合、県建設業協会宮古支部、宮古地区宅地建物取引業会の３団体。いずれの団体も同案に対して慎重審議、撤回、見直しを求める意見書、陳情書を提出している。
　当初、今回の委員会で関係３団体の代表者を招集する予定だったが、市議会委員会条例で参考人を招集する際は委員長が議長に参考人の出席を要請し、議長が参考人に対して出席要請書を送ることが定められており、今回は委員会として参考人の出席を議長に要請することを全会一致で決定。池間議長も同委員会の委員であることから対象となった団体、個人に出席要請書が池間議長名で送付される予定となっている。
　昨年６月議会に提案されるも「継続審議」が続き同12月議会で否決となった同条例案。今年の６月議会に再提案されるも「継続審議」となっている。
　これまでに、同条例による影響が予想される関係団体からは意見書、陳情書など文書ではその意向が示されているが、生の声がほとんど示されていない状況で次回の文教社会委員会でどのような発言があるのか注目される。

☆ 岬をユリ一色に／城辺町東平安名崎・「リリー・フィールド構想」

　「よみがえれ、テッポウユリの岬」―。城辺町（仲間克町長）は24日までに、東平安名崎に自生するテッポウユリの増殖計画「リリー・フィールド構想」を具体化した。宮古各地に自生する在来のテッポウユリを採取して同岬に移植する。５年計画で、植え付けるユリの本数は計10万本に設定した。この岬は同町が誇る観光名所の１つ。町企画振興課では「ユリ一色に染めることで東平安名崎の美しさをさらにアピールできる」とし、事業効果に伴うさらなる観光誘客に期待を寄せている。
　東平安名崎は日本都市公園の100選に選ばれている景勝地。宮古島に訪れる観光客のほとんどが足を運ぶ観光名所だ。岬にはテッポウユリやグラジオラスが自生し、春先に満開して多くの人々の目を楽しませている。
　ただ、近年はこれらの花々が著しく減少。自然環境の変化や道路工事などでテッポウユリ、グラジオラスとも過去の本数とは比べものにならないほど見劣りしている。
　この現状を町が懸念して今回の計画を具体化させた。５カ年の造成計画で、造成場所は企画振興課、産業振興課、建設課で協議して決める。テッポウユリ（球根）の採取は職員が行い、町の苗畑で養成。その後、ある程度まで栽培してから東平安名崎に移植する。全庁体制で取り組む中、ユリの採取などは職員がボランティアで活動するため事業経費はゼロ。宮古各地で採取するユリは最小限に抑え、増殖を繰り返す方針だ。
　計画を具体化させた企画振興課の担当者は「宮古各地のユリを少しずつ採取し、長期的なスパンで増殖させたい」などと話している。
　下地敏彦助役は「人工的なユリ公園も構想に浮かんだが、予算や管理面などを考えると、やはり自生が一番いい。東平安名崎を訪れる観光客や地元住民の目を楽しませるとともに、感動を与えたい」と話し、事業効果に期待している。

　写真説明・リリー・フィールド構想で10万本のテッポウユリが移植される東平安名崎＝城辺町保良

☆ 「シードリームたらま」が落成／多良間村・前泊港旅客待合所

　【多良間】多良間島の北部に位置し、古くから宮古島などとの海上交通の拠点としての役割を果たしていた前泊港に旅客待合所「シードリームたらま」がこのほど完成。28日、落成式と祝賀会が盛大に催された。同港には従来の普天間港と併用する形で多良間海運の「フェリーたらま」も７月から就航しており、欠航解消や乗客増などの利便性向上に期待が寄せられている。多良間村では2003年に開港した新多良間空港と併せて観光振興などにつなげたい考えだ。式には兼濱朝徳村長や県宮古支庁の安和朝忠支庁長ら大勢の関係者が出席し、供用開始を祝った。
　「シードリームたらま」は今年３月に同村立多良間小学校６年生一同が命名。「夢という荷物をいっぱい乗せ、大海を往き来する船をやさしく迎える多良間の館」が愛称の由来だ。
　施設は赤瓦が施され、沖縄らしさを表現。面積は380･6平方メートル。段差などを解消したバリアフリーで、休憩スペースを兼ねた屋外待合室も設けられている。室内は冷房完備で、身体障害者用のトイレも完備されている。
　また、集落に近接していることから「村民の憩いの場」とし、ハーリーなどのイベントの際には交流の場としても活用することができる。総事業費は１億5300万円。
　式で兼濱村長は「前泊港の旅客待合所は村の今後の発展にとって大切な施設で、昨年10月に開港した新多良間空港同様、待ち望んだ施設。前泊港は古くから多良間の港として利用され、住民と深いつながりがある。『シードリーム』という名前のように宝船が往来する素晴らしい港であるよう祈願する」とあいさつした。
　出席した安和支庁長は「前泊港は歴史的にも古くから村民に親しまれている。この港がコミュニティーの場所として利用され、多良間村の一層の発展につながるよう祈念します」と述べた。
　式ではそのほか、兼濱村長、安和支庁長などがテープカットで落成を祝い、愛称名石碑除幕が行われた。引き続いて催された祝賀会で余興も披露され、村を挙げて祝った。

　写真説明・完成した旅客待合所「シードリームたらま」全景＝28日、多良間村の前泊港

☆ 前里（狩俣中）が１年800メートルで大会新／県中学夏期陸上

　今月24、25の両日、沖縄市の県総合運動公園陸上競技場で開催された第24回県中学校夏季陸上競技大会で、１年女子800メートルに出場した平良市立狩俣中学校１年の前里知春さんがこれまでの大会記録を約４秒も上回る新記録２分30秒81を樹立して優勝に輝いた。伊良部町立佐良浜中学校３年の池村良君は、男子共通走り高跳びに出場し、自己ベストの１メートル65を大きく更新する１メートル80の好記録で優勝した。
　前里さんは、あこがれの選手に挙げる姉の美樹さん（宮高２年）が中学２年生の時に出した同競技の宮古記録２分30秒５を８月５日から行われる九州大会で更新することを目標に掲げ日々の練習に励んでいる。
　県大会予選では、スパートをかける位置が遅れ、苦戦。２分38秒０と今ひとつの成績だったが、決勝ではすぐに修整し、残り100メートルでかけていたラストスパートを200メートルでかけ、２位に約３秒差をつける快走で優勝を飾った。「調子が良かった上、適度な緊張感があったことが結果につながったと思う」と自己新記録に加え、大会新記録を樹立した会心のレースを振り返る。
　「走るのが好き」という前里さんが目下の目標に掲げているのが美樹さんの記録を更新すること。「九州大会でお姉ちゃんの記録を超えたい」と意気込む。最終的には美樹さんが中学３年の時に樹立している２分21秒98という宮古記録を超えるのが夢という。

　一方、池村君は、元々はハンドボール部の選手。そのジャンプ力を生かそうと昨年の秋季陸上前から走り高跳びの練習にも並行して取り組むようになった。
　県大会には今回が２度目の出場。１メートル65の自己記録を更新し、１メートル75が出せればとの思いで出場したため、「まさか優勝できるとは思わなかった」と驚いた様子。１メートル80には２人が挑戦したが、２位の選手が３度とも失敗したのに対し、池村君は２度目で成功した。
　県中体連で優勝した男子バレーボール部のメンバーと共に浜川健町長に優勝を報告した池村君は「九州大会ではもっと強い選手がたくさんいる。自分の実力を尽くして頑張ってきたい」と意気込んだ。

　写真説明（上）・県大会で大会記録を更新した前里さん＝28日、狩俣中学校
　写真説明（下）・県中学夏季陸上・男子共通走り高跳びで優勝した池村君＝28日、伊良部町役場

☆ 県制覇を町長に報告／伊良部町・佐良浜中男子バレー

　25日まで本部町民体育館で行われた第46回県中学校バレーボール競技大会で優勝した佐良浜中学校男子バレーボール部の選手らが28日、伊良部町役場に浜川健町長を訪ね、喜びの報告をした。
　上地誠次郎主将が「（５月の）さわやか杯での負けから学び、優勝できて本当にうれしい。今大会でもまた課題が見つかったのでそれを克服し、九州大会を１位通過で全国大会に出場したい」と優勝の喜びと、今後の抱負を語った。
　迎えた浜川町長は「さわやか杯では力がありながら優勝できなかったが、今回は本来の姿に戻ったのではないか。みんなの力なら九州大会も大丈夫。ぜひ優勝して全国大会に進んでほしい」と、町の子供たちの快挙をたたえながら、今後の試合に向けてエールを送った。
　同行した平敷善盛校長は「前回の敗戦から今回までに大きな心の成長があった。バレー以外でも模範的に頑張っており、県代表として誇れる子供たち。九州でも自分たちのプレーをしてほしい」と話した。
　友利直喜監督は「県代表の名に恥じないプレーをしていけるよう、再び練習を重ねたい」と決意を新たにしていた。

　写真説明・浜川町長（前列左から４人目）と優勝を喜ぶ佐良浜中男子バレー部のメンバーら＝28日、伊良部町役場