本日のニュース

２００４年（平成１６年）７月２７日火曜日

☆議員報酬、職員給与減案を否決／市議会臨時会

　平良市議会（池間青昌議長）の2004年度第５回議会（臨時会）が26日、市議会議場で開かれ、逼迫する市の財政健全化を目指して当局が提案した議員報酬の5％減案と市職員給与の4％減案について審議したが、野党議員と一部与党議員が反対姿勢を取り、賛成少数で否決された。両案とも質疑は行われず否決理由が議会で示されないままで判断が下された。市町村合併も控え他町村から平良市の財政問題に注文が多く投げ掛けられている状況で今回の判断に対する反応も注目されている。

　今回の臨時会では、両案は否決されるも市四役の給与減案は可決された。四役の給与減案は今年12月までの15％カットでこれによる歳出抑制額は343万9000円となっている。職員給与、議員報酬減案も可決された場合の歳出抑制額は計5167万6000円だった。
　今回の結果について伊志嶺亮市長は「残念。非常事態宣言を行い財政健全化に努めている。市民にも負担を強いている状況で市の姿勢が問われてしまう。今回の判断は合併問題についても尾を引くと思う。今後再提案したい」と述べた。
　また、反対姿勢を取った野党議員団の下地秀一会長は議会終了後「市議の報酬は8年間もアップ無しで県内の他の市議報酬に比べても一番低く減案を認めた場合は他への影響もある。また、議員報酬は市長の給与の50％に相当すべきで現状はそうではないし、行政の自助努力ももっと必要」との見解を示した。
　また、市職員給与減案を否決したことについては「職員給与については野党議員の中でも賛否は分かれたが地域経済に与える影響からも今回否決の判断をした」と説明した。
　現行の市議報酬は月34万2000円、市長給与は83万円で市長給与の50％に足りていないが市議会事務局調べでは県内11市のうち8市（平良市含む）が50％に届いていない。
　また、市長給与についてはトゥリバー問題に対する責任としてさらに5カ月5％カット案も承認され、年内の市長給与は実質20％カットとなった。これについて下地会長は「これで責任を全うしたとは言えない」との見解を示している。
　市の財政健全化とスムーズな市町村合併を目指す伊志嶺市長だが、今後も厳しい道のりが予想されている。

　写真説明・議員報酬削減案、市職員給与減案が賛成少数で否決された市議会臨時会＝26日、市議会議場

　第46回県中学校バレーボール競技大会は最終日の25日、本部町民体育館で男女の決勝リーグが行われ、男子の佐良浜が3戦全勝で2年ぶりの優勝を果たした。佐良浜は6日から熊本県で行われる九州大会に出場し、上位5位に入れば全国大会への出場権が得られる。選手らは26日帰島し、上地誠次郎主将は「5月の大会で負けたのがバネになった。4つの県大会の最後に優勝できてうれしい。九州大会も優勝して全国大会に行きたい」と笑顔を見せた。
　佐良浜は5月のさわやか杯県中学バレーで西原東に破れ４強止まり。目標としていた「県四冠」を逃していた。今大会でその悔しさを晴らそうと、練習の3分の2を課題のサーブカット練習に費やした。今大会ではこの成果が表れ、サーブで相手に崩されることなく「自分たちの攻撃バレー」（上地主将）に持ち込んだ。大会を通してセットを失ったのは決勝リーグ初戦で対戦したライバル・西原東戦のみで、残りはすべてストレート勝ちだった。
　友利直喜監督は「サーブカットが安定したことで、攻撃に幅が生まれた。選手みんなから『負けたくない』という強い闘志が出ていた」とほっとした様子で振り返った。
　九州大会に向け、上地主将、友利監督とも「サーブカットの練習はもちろん、ブロックをもっと強化したい」と口をそろえ、全国大会出場に向け決意を新たにした。

　写真説明・優勝し、笑顔で帰島した佐良浜中男子バレーボール部のメンバーら＝26日、宮古空港

☆ 渡真利さん意見発表で最優秀／県農業青年技術意見交換

　2004年度県農業青年技術交換大会（主催・県農林水産部、県農業青年クラブ連絡協議会）がこのほど、北谷町の沖縄国民年金健康センターで開かれ、意見発表の部に出場した上野村で畜産業を営む渡真利都さん（27）が最優秀賞に輝いた。渡真利さんは「正直、びっくりした。私よりも周りが喜んでくれた」と笑顔を見せた。宮古地区から最優秀賞は初めて。渡真利さんは10月に開催される九州ブロック大会に県代表として出場する。プロジェクトの部に出場した長浜義信さんも奨励賞を受賞した。

　渡真利さんは26日、宮古農業改良普及センターの仲本光則次長らと上野村役場に川田正一村長を表敬し、受賞の報告を行った。
　川田村長は「最優秀賞は村としても快挙だ。母の努力を見て育った渡真利さんは母を超える努力家。若者の先頭に立って農畜産業の発展に貢献してほしい」と受賞をたたえた。
　渡真利さんは「私のブランド牛生産をめざして」をテーマに意見発表を行い、「宮古島の特産物をブレンドした飼料を与え、オリジナルの宮古和牛を生産し、農業人口の増加や商品開発して観光でもアピールできる」と訴え、「自家生産した牛を肥育・加工し、レストラン経営するまでの一貫経営を家族で行うことが目標」と発表した。
　今年４月に母親の経営する渡真利畜産に就農し、規模拡大を目指して技術や経営を学んでいる。宮古地区就農青年クラブの唯一の女性会員で会計を務めている。
　大会は、農業経営や農家生活の改善について研究、実践している県下の青年農業者や認定就農者が、日ごろ体験した知識や技術を相互に交換することなどが目的。

　写真説明・意見発表の部で最優秀賞に輝いた渡真利さん（左から２人目）が川田村長（左）に受賞を報告した。右から與儀允技師、仲本次長＝26日、上野村役場

☆ 趣向凝らした踊りばかり／市婦人連合会「大園芸会」

　平良市婦人連合会（下地勝子会長）主催の恒例の「大演芸会」25日、平良市のマティダ市民劇場で開かれた。総勢190人の出演者らは洗練された琉球舞踊を披露し、大勢の観客を魅了した。同会は、1964年5月に結成され、今年で41年目を迎えた。同会は社会教育団体として、地域に根差した活動を展開し、県内外から高い評価を受けている。舞台は2部で構成。役員12人が「かぎやで風」で幕開けを飾った。格調高い踊りに、観客らはくぎ付けとなり、演じた後には、拍手がわき起こった。次いで各学区の婦人会らがそれぞれそろいの衣装を身にまとい、息の合った力強い琉舞や優雅な日舞を繰り広げた。観客らは大きな拍手を送り、酔いしれていた。
　今回の大演芸会には、琉舞３教室、日舞５教室から賛助出演。出演者らは舞踊の神髄を演じ盛り上げた。
　舞踊の合間には、来賓で出席した伊志嶺亮平良市長があいさつ。「平良市婦人連合会の女性たちは元気いっぱい。最高の踊りばかりで感動しています」などと述べ、同連合会のさらなる発展を祈念した。

　写真説明・格調高い踊りを披露する役員ら＝25日、平良市のマティダ市民劇場

☆ きょうから「不思議な種子の世界展」／市総合博物館

　第48回平良市総合博物館特別企画展「不思議な種子の世界展～タネから見る植物の世界～」が、きょう27日から同館でスタートする。会場には種子約250点が展示され、植物が子孫を残すために行う巧妙な種子散布のメカニズムを学ぶことができる。入館料は小・中学生が100円、高・大学生が200円、大人が300円。開館時間は午前９時から午後4時30分（入館は同４時まで）。休館は毎週月曜日。来月29日まで。
　企画展前の26日、職員らは展示の最終作業に追われていた。主催者側では「花を見ることはよくあるが種子に注目することは少ない。子孫をつなぐ植物の生命力を感じる良い機会」と来場を呼び掛けている。企画展には長さ30センチ、厚さ15センチにおよぶ世界最大の種子「フタゴヤシ」や宮古島内で採集した種子約150種も展示されている。
　来月8日の午後2時からは同館研修室で熱帯・亜熱帯都市緑化植物園の花城良廣園長が「種のおもしろい話」と題して講話する予定。

　写真説明・さまざまな種子の展示作業に追われる職員＝26日、平良市総合博物館

　2004年度児童・生徒の平和メッセージ展（主催・県平和祈念資料館）が26日から平良市役所一階ロビーで始まった。30日まで。同館が県内の小、中、高校を対象に絵画、作文、詩の各部門で作品を募集した中から、入賞作品94点を展示し子どもたちの目を通し平和の大切さを伝える。宮古関係では、絵画部門で優良賞に選ばれた洌鎌成子さん（久松中3年）ら4人の入賞作品も展示されている。
　同館の島袋記美子館長は「児童・生徒のたくましさ、みずみずしさにあふれた作品は大人にも感銘を与える。作品を通して多くの県民に平和の心、命の尊さを考える機会にしていただきたい」と多くの来場を呼び掛けている。
　作品展には、県内の小、中、高校102校から1459点の絵画、作文、詩が寄せられ、このうち94点が入賞した。メッセージ展ではこの94点を展示。宮古関係では絵画部門で入賞した洌鎌さんをはじめ、作文部門では友利智美さん（平良中3年）、詩部門ではこじゃまいさん（北小1年）、友利智美さん、根間裕子さん（北中3年）の作品も展示している。
　メッセージ展は、より多くの県民に平和のメッセージを伝えるため、八重山平和祈念館、県庁県民ホールなどの４会場で実施する。

　写真説明・入賞作品94点を展示し子供たちのメッセージを伝える＝26日、平良市役所１階ロビー