200平成16  7 15 曜日

建設業界が撤廃要求/平良市環境保全条例

 平良市が制定を目指している環境保全条例について県建設業協会宮古支部(松川勝弘支部長)は14日、条例案審議中の池間青昌・市議会議長に対して、撤廃を求める意見書を提出した。松川支部長は事業所が平良市に限らず宮古全域で事業を行っていることや届け出事項の煩雑さ、事業所の負担増などを指摘し、「現在の法令でも十分に環境は守られている」と、条例制定そのものを否定した。一方で「市町村合併後に選出された議会で制定されるならば受け入れる」との考えも示した。

 意見書で松川支部長は「市の条例制定は宮古全域を事業現場とする建設業界にとって業務遂行の支障になる恐れが極めて強い。市の条例案を見ると、あまりにも届け出事項が煩雑であり、すべてが環境保全審議会の審議会を待たないと事業着手できないとなれば、事業停滞を招くのは明らか。モニタリング計画書および報告書作成は、各事業所が専従の職員を置かないと対応できず、零細事業所の多い業界にとっては死活問題にもつながりかねない。事業が複数の市町村にまたがるとき、どのような対応を要求されるのか不安な要素が出てくる」と反対理由を並べた。
 池間議長に意見書を手渡した後、松川支部長は「そもそも環境保全条例制定のきっかけは、大浦の産廃処分場火災。火災は有害物質から引火で発生したものではなく、管理上の問題で発生したと聞いている。処分場がしっかりと管理していれば、起こらなかった」と強調し、「(業務で)ある程度、汚れるのは仕方がない。誰でも汚そうと思っているわけではない。現在も法令に基づいて事業は行っており、現在のままでも環境は十分に保全できる。市の条例は厳しすぎる」と条例制定に強硬に反対した。
 一方で市町村合併後の条例制定については「合併後、新しい議員、議会が条例を制定した場合は受け入れてもよい」とも述べた。関連して松川支部長は「あと何カ月かで、合併するというのに、なぜ市は条例制定をそんなに急ぐのか」と市の姿勢に疑問を呈した。
 環境保全条例は昨年の6月定例会に提案されたが継続審議となり、多数を占める野党が市町村合併を控えていることなどを理由に反対に回り、結局、12月定例会で否決された。しかし条例制定を求める声が強かったことから、市民委員会を発足させ、条例の文言や内容を一部修正した上で今年の6月定例会に再提案された。建設業界代表も市民委員会委員に加わっていたが、途中辞任した。
 再提案された条例案も6月定例会で再び継続審議となっている。

 写真説明・環境保全条例案撤廃を求める松川支部長(中央)=14日、平良市議会議長室

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糸数氏に当選証書/参院選当選で県選管

 【那覇支局】11日に投開票された参院選の沖縄選挙区で当選した社大党の糸数慶子氏(56)への当選証書付与式が14日午前、県庁で行われた。県選挙管理委員会の阿波連本伸委員長から糸数氏に当選証書が手渡された。
 当選証書を受け取った後、糸数氏は報道陣の取材に応じ、「県民の負託を受けたずっしりと重い当選証書を受け取り、本当に当選したんだと実感している。沖縄の平和の1議席を守り、平和という視点からこの沖縄と国の政治の流れを変えたい。(国政では)沖縄が抱える基地の問題を訴え、戦争につながるすべてのものに反対していく。教育基本法の改悪もさせない。また暮らしでも(今回の)年金法を廃案にし、国民のための、国民に分かりやすい、若者が進んで加入できる年金制度に改めていきたい」と決意を示した。
 阿波連委員長は「沖縄を含め日本の将来の制度設計等の立法機能を誤ることがないように、常に国民の福祉と国家の平和という視点を忘れずに、県民の厳粛な負託に応えてほしい」と激励した。会場には島袋宗康社大党委員長ら同党関係者や支持者らが付与式を見守り、花束を贈るなど祝福した。

 写真説明・当選証書を手に喜びの糸数慶子氏(中央)と支持者ら=12日午前、県庁12階会議室

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「署名は無効」 村選管の決定取り消す/那覇地裁・

多良間村議員リコールで

 【那覇支局】宮古6市町村合併に賛成した多良間村議の解職請求(リコール)署名をめぐり、同村議の西平幹、石原朝英の両氏が署名は無効と異議を申し出たのに対し村選管が棄却決定したことの取り消しを求める訴訟の判決が14日午前、那覇地方裁判所(西井和徒裁判長)であった。西井裁判長は村議側の請求を認め、異議申し出に対する村選管の棄却決定処分を取り消した。2週間以内に上訴がなく判決が確定すれば、署名はすべて無効となり、進められた期日前投票などリコール手続きは無効となる。

 裁判所は、リコールの請求代表者のうち3人が同村クリーンセンターの管理運営全般を担当し、臨時職員として採用された一般職に属する地方公務員と認容。3人は地方自治法と公職選挙法の規定に照らし議会議員の解職請求代表者となることができない者と断定した。西井裁判長は「請求代表者になれない者が代表者に加わっていたのであり、本件署名は、3人が直接署名の収集に従事していたかどうかにかかわらず、すべて無効である」と判断。異議申し出には理由があるとして、村選管の棄却決定は不当と取り消した。
 この訴訟では、署名の効力が争点となった。原告らは解職請求の署名は無効と主張。その理由を▽解職請求は、多良間村役場の職員らを代表者として行われ、また代表者から委任された中にも村職員が多々含まれていた▽しかし、一般職のすべての公務員は署名運動に積極的に関与することが禁じられている(地方公務員法第36条第2項第2号)とし、解職請求代表者の資格のない者が収集した署名は無効とした。これに対し、被告側は▽署名収集に携わった者は村の臨時職で、一般職に属さないから違法はない▽仮に署名収集者が地方公務員の服務規程に違反していたとしても、署名そのものは直ちに無効にはならない▽解職請求は村民の過半数に近い数であり、期日前投票もすでに76%の高投票率となっており、住民意思を尊重するなら原告主張には正当性がない、と主張していた。
 本件は、宮古6市町村合併への同村の参加問題で、住民投票の結果とは逆に、同村議会で合併賛成派が多数を占めたため、反対派が村議の西平、石原両氏のリコール運動を展開。住民投票の期日前投票が進められていたが、那覇地裁が5月20日、村議側の申し立てを認めて本訴確定まで住民投票の執行停止を決定。同月26日の投開票は行われなかった。

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損害賠償金支払いへ/男児水難死亡事故で上野村

 上野村議会(平良隆議長)の臨時議会が14日、同村議場で開かれた。今年3月に村の管理する同村野原の農業用施設(高山貯水池)で根間哲也さんの長男、隆也ちゃん(5つ)=当時=が水死体で発見されたことを受け、「農業用施設(高山貯水池)における水難死亡事故の損害賠償額を定め示談することについて」と、同賠償金を盛り込んだ「2004年度上野村一般会計補正予算」の2議案が村当局から上程され、全会一致で議決した。賠償金額について村当局は「遺族へのプライバシー配慮のため控えてほしい」としている。
 川田正一村長は「再発防止に向け役場職員が一致団結して、今後二度と同様な事故が起きないよう取り組んでいる」と述べた。賠償金は同村が加入する2つの保険会社から支払われた保険金を充てる。一般会計補正予算案では賠償額と、この件に関して相談を持ち掛けた弁護士への委託料も計上された。
 事故は3月1日、前日から行方不明になっていた隆也ちゃんを捜索していたところ、同ダムの底から水死体となって発見された。
 当局では事故後、壊れたフェンスを修繕、立入禁止の看板を設置したほか、同貯水池の水位を下げるなどの対策を講じている。使われなくなっていた貯水池が閉鎖されなかったのは同村が進める「高山一帯の再開発」事業の中心地となっていたためで、当局では同貯水池を「水辺の自然公園」として再開発する計画を進めていた。

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町長解職署名が本格化/伊良部町

 宮古地区市町村合併の推進を表明する浜川健伊良部町長の解職請求(リコール)を目指している
合併反対団体「伊良部町の自治権を守る会」会長の川満昭吉解職請求代表者から、請求署名収集委任を受けた約160人が14日、有権者から署名を集める運動を本格化させた。一方、合併賛成派の運動員らは各家庭を訪問し「署名は絶対にしないように」と協力を求める活動を開始した。島を二分にした解職請求をめぐる賛否は一気に激化した。
有権者から署名を収集する運動員らは署名簿に「解職請求代表者証明書」「請求署名収集委任状」などのコピーを添えて、各家庭を訪問。
 運動員の男性1人は「20人から署名を集めた」と話した。 
 合併賛成派の運動員らは、4、5人単位のグループで行動。各訪問先では「署名を拒否するように」と訴えた。
 運動員の男性1人は「伊良部町の財政は合併しないと破たんする」と説明した。
同町選管は「公務員や町議は、署名を集める運動員にはなれない。解職請求については、署名も拒否もできる」と語った。
 署名運動の期間は、今月13日から8月11日までの30日間。解職請求が成立するには、有権者総数の3分の1に当たる1695人の署名が必要。

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新生児を地域で祝福/伊良部町南区で「ダツマス」

 父母らが新生児の誕生・名前を報告し、新生児の健やかな成長を願う伝統の行事「ダツマス」が14日、伊良部町南区の伊良部部落・仲地部落の合同で行われた。大勢の住民らが両部落近くの御嶽に集まり、新生児の仲間入りを盛大に祝福した。
 父母らは、昨年の「ダツマス」以降に生まれた新生児を報告するのが昔からの習わし。この日の午前10時現在、新生児48人が報告され名簿に登録された。
 沖縄本島から里帰りした久貝勝彦(26、仲地出身)・真理(23、那覇市出身)夫妻は、長男の塁志ちゃん(生後6カ月)を報告した。
 勝彦さんは塁志ちゃんを抱きながら「地域住民が長男の誕生を盛大に祝ってくれて感謝でいっぱい」と語った。
 御嶽内の祝宴では、宮古民謡に合わせて大勢の男女が踊りを奉納した。
全員で新生児の仲間入りの喜びを分かち合い、向こう1年間の無病息災を祈った。

 写真説明・父母が新生児の誕生を報告した=14日、伊良部町南区

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