200平成16  7曜日

今月末の発足延期へ/5市町村合併法定協

 今月末に各市町村議会議決での発足が予定されている5市町村での市町村合併法定協議会の発足に赤信号がともっている。法定協発足までに協定44項目を再度協議する各議会の全員協議会開催が遅れていることなどだ。8日までに協議を行ったのは上野村と下地町の両議会だけ。伊良部町議会の全員協はきょう9日に行われ、平良市と城辺町議会は13日の予定だ。首長会議は20日に予定されているが、1回の首長会議だけで意見が集約されることは難しい状況であることから今月末の議会議決、法定協発足は困難な状況となっている。
 多良間村の離脱で5市町村での法定協議会発足を検討していた宮古地区の合併協議は、上野村が平良市の財政問題などを理由に「任意協議会発足が前提」との意向を示し一時暗礁に乗り上げたが、先月9日の首長会議で条件付きで法定協設置推進の意向を統一した。
 この首長会議では、6市町村での法定協ですでにまとまった44項目の協定項目修正部分について各議会と市町村長会議がすり合わせを行い、7月末に各議会で臨時議会を開催し法定協発足を議決することとなっていた。
 しかし、これまでにあった各市町村議会の6月定例会期間中も議員全員が集まるにもかかわらず全員協議会が開かれることはなく、先月末に下地町と上野村議会で協議されただけ。その下地町議会は再度全員協を予定しているが日程はまだ決定していない。
 今後13日までに3市町で全員協が予定されているが、5市町村議会の意向を受けて意見をすり合わせる首長会議が1回でまとまることは困難で、数回の首長会議が必要となるとスケジュール的に今月末の法定協発足は不可能となる。
 今の宮古地区の合併協議は住民不在で首長と議員だけで進められているが、両者の合併に対する認識が薄くその役目を果たしていないのが現状だ。
 協議した上野村議会から出た意見は▽合併期日を来年6月2日(首長会議で意思統一)とした場合でも議員任期を同10月までとする(5カ月の在任特例)▽国保赤字について赤字自治体に健全運営を求め合併までに解消されないのであればペナルティーを科すべき―など。
 結局、前回の首長会議からほとんど進ちょくしていない宮古地区の合併協議。この間、平良市議会議員などから聞かれる声の中には他の町村議会の意見に反発した内容も混ざり始めている。
 また、国保赤字などで上野村議会などから厳しい指摘を受けている平良市では、職員の中にも「ここまで言われて合併する意味があるのか」、「港湾など平良市が単独で負担している部分に対する配慮がまったく感じられない。平良市の方から離脱すべき」などの声が聞かれ、長引く混迷が自治体間の溝を広げている感もある。
 今月11日に行われる参議院選挙の投開票が終われば合併論議に再び火がつく見込みだが先行きは混迷かつ不透明な状況だ。

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全議員に合併賛否問う/青年会議所がアンケート実施へ

 宮古青年会議所(伊沢忠憲理事長)は8日、同所で会見を開き6市町村議会議員全員を対象とした市町村合併に関するアンケート調査を実施することを発表した。
 同アンケートは6市町村の全議会議員に対して合併に対する賛否と、合併しない場合に地方財政再建促進特別措置法に基づく「準用財政再建団体」になる可能性が指摘されていることについての見解を、無記名(市町村名は明記)で求めている。
 アンケート調査については、各市長村議会議長や議会事務局にすでに申し入れされ、今週中には各議員に配布される予定。
 アンケート用紙の回収については今月12日までの投函を呼び掛けており、同会議所では結果について来週中にはまとめ、20日以降にマスコミに発表する予定。また、全結果は同会議所のホームページで掲載する。
 会議所ではこのアンケート調査結果をもとに各地の青年会と合併問題について協議することも予定している。
 会見で伊沢理事長は「宮古地区の合併協議は現段階で方向性を見出しづらい状況にあり、一般の住民意識を高揚させるためにも今回のアンケートを計画した。宮古の将来をどうするか考えるきっかけにしてほしい」と述べた。

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「ほしい子供数は2人」/平良市が未婚若年者にアンケート

 平良市(伊志嶺亮市長)が近年減少傾向にある市の出生率の向上や子育てしやすい環境を目指した「市次世代育成支援対策行動計画」策定に向けたアンケート調査結果がこのほどまとまった。それによると、未婚の若年者に対するアンケートで「一生のうちにほしい子供の数」については「2人」が最も多く42・9%となった。「1人」と答えたのは3番目で6・9%。また、少子化に対する社会的支援の必要性については「もっと強化すべき」との回答が42・4%となっている。平良市ではこのアンケート調査内容を踏まえ年内に同計画をまとめる方針。
 今回の調査は、就学前児童(0−5歳)・小学校児童の母親と、中・高生や未婚の若年者を対象に行われた。
 平良市の出生率は1999年が2・01人、2000年が2・06人と2人台で推移していたが01年は1・90人、02年が1・86人と2人を切り、03年は1・80人となるなど近年減少傾向にある。
 この「出生率の低下」について未婚の若年者に対するアンケートでは「とても関心がある」「多少関心がある」の意見が45・5%となったが「あまり関心がない」「まったく関心がない」も3割を超えている。こうした状況について平良市では「全国的な少子化傾向の中で、その解消の一端を担う世代が関心を持ち対応していくことができるような取り組みが必要」との見解を示している。
 一方、就学前児童の母親に対するアンケートでは「子育てに対する不安や負担」については「あまり感じない」が46・6%と最も高かったが「何となく感じる」も26・4%となっている。
 また、「行政に対する子育て支援の充実について」は、「子連れでも出かけやすく楽しめる場所を増やしてほしい」が70・2%と最も高く、次いで「保育所等の費用負担軽減」が50・3%となり、そのほか「親子で安心して参加できるイベントの機会を増やしてほしい」と要望する意見も多かった。
 小学校児童の母親では「子育てに関する悩みや不安感」で「あまり不安を感じない」48・4%、次いで「何となく不安や負担を感じる」が28・0%となっており、就学前児童の母親よりも「不安、負担を感じる」割合が若干増えている。
 「自治体の支援について」は就学前児童の母親同様に「子連れでも出かけやすく楽しめる場所を増やしてほしい」「安心して集まれる身近な場やイベントの機会がほしい」の意見が多く出されれている。
 平良市では今後、このアンケート調査結果を踏まえ、地域ぐるみで子育てしやすい環境の構築や子育ての充実に向けた職場の環境改善などについて盛り込んだ05年度から10年計画の「市次世代育成支援対策行動計画」を年内には策定する予定となっている。

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海の恵み 実感/伊良部町 佐良浜中生徒・追い込み漁を体験

 伊良部町立佐良浜中学校(平敷善盛校長)の生徒たちを対象にした水産体験教室が8日、同町白鳥岬の海域と佐良浜漁港で行われた。2年生の男子23人が伝統の追い込み漁、女子22人が漁獲物の料理にそれぞれ挑戦し、海の恵みや大切さを実感。1年生42人は磯釣り大会を通して親子のきずなを深めた。
 追い込み漁では、生徒たちの父親や先輩たちも参加。網はサンゴ礁が発達した海域に仕掛けられた。生徒たちは力強い水しぶきを上げながら、魚類を袋網へ追い込んだ。袋網には逃げ場を失った色とりどりの魚類が入り、船内に引き上げる際には暴れて水しぶきを上げた。ずしりと重い大漁に、生徒たちは喜色満面の笑顔を見せた。
 漁獲物は女子生徒たちが待機する佐良浜漁業協同組合の魚卸市場へ運ばれた。一部の女子生徒は、手慣れたさばきを披露し、母親らをうならせた。解体後の魚類は大きな鍋で魚汁、空揚げの料理にされ、母親らはみそや塩などを使った味付けを指導した。
 一方、磯釣り大会では、親子一緒に釣り糸を垂れ、引きの強い魚に歓声を上げていた。最後は全員で海の幸に舌鼓。成長盛りの生徒たちは、おかわりするなどして父母や学校関係者らを喜ばせていた。
 2年生の川満寿史君は「追い込み漁の経験は無かったので、とっても勉強になった。漁師の素晴らしさや苦労が分かりました」、同じく川上翠さんは「魚の解体は難しかったが、友だちと一緒にチャレンジして楽しかった」とそれぞれ感想を話した。磯釣りでアイゴを釣り上げた1年生の川満謙太君は「手応えはあったけど、予想以上に小さいアイゴ」と話し「次は大物を狙うぞ」と張り切っていた。
 今回の体験学習は、伝統ある同町佐良浜の追い込み漁を体験することによって、地域の第一次産業を理解させるとともに、水産業に関する基礎的知識の習得と、地域先輩との世代間交流を図ることが目的。主催は同町教育委員会の社会教育課、共催は同町水産振興課と同中学校。追い込み漁組合(喜久川光司代表)と同町漁協が協力した。

 写真説明(上)・袋網へ魚類を追い込んでいた生徒たち=8日、伊良部町白鳥岬の海域
 写真説明(下)・慣れた手つきで魚を解体した女子生徒ら=8日、伊良部町漁協

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会長に富山裕策さん/宮古ライオンズクラブ

 宮古ライオンズクラブの富山裕策会長ら役員が8日、宮古毎日新聞社を訪れ、新しい役員体制を報告するとともに、青少年健全育成事業の推進などを盛り込んだ今年度重点目標などを説明した。富山会長は「会員の増員を図り、活動をさらに活発にしていきたい」と体制の強化を訴えた。
 沖縄の地区代表(リジョン・チェアパーソン)に同クラブから初めて就任した羽地義禎さんは「宮古をもっと明るい島にしていくためにも、地域の人たちと手を取り合いながらこれから頑張っていきたい」と抱負を語った。
 ライオンズクラブは、地域の人たちと一緒になって地域に根差したさまざまな奉仕活動を展開する団体で、沖縄には27クラブ約750人の会員がいる。
 宮古ライオンズクラブは1961年に設立され、現在の会員数は約30人。
 今年度の重点目標は@青少年健全育成事業の推進A地域の環境整備への協力B会員増強と維持―などを掲げている。また、献血や献腎などの運動推進や青少年の海外へのホームステイ派遣やホームステイの受け入れ事業の推進も図っていく。
 来年6月には、沖縄の会員が一堂に会しての大会が宮古で行われる予定で、会員らは「ぜひ成功させたい」と張り切っている。
 新しく役員に就任したのは次の皆さん。(敬称略)。
 ▽会長=富山裕策(富建)▽幹事=上地茂徳(富士製菓製パン)▽会計=下地博(菊之露酒造)

 写真説明・新会長の富山さん(前列右から2人目)、沖縄の地区代表の羽地さん(同3人目)ら宮古ライオンズクラブの皆さん=8日、本社

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