200平成16  7曜日

県産品 愛用すると雇用生まれる/7月は「奨励月間」

 「県産品 未来を広げる 道しるべ」をテーマにした県産品奨励月間(主催・同月間実行委員会)が1日から始まっている。その街頭キャンペーン活動が5日夕、平良市内のショッピングセンターで行われ、県と沖縄宮古商工会議所の職員、ミス宮古らがミニ泡盛などのセットを配布し、県産品の愛用を呼び掛けた。県内の工業自給率が6%伸びると約1万2000人の雇用が生まれるとの試算もあり、同月間中は実行委員会をつくる19団体が県産品愛用を広くPRする。

 セレモニーで県宮古支庁の安和朝忠支庁長が「『地産地消』の言葉の通り、地元で生産したものの良さを理解し、それを消費する、あるいは内外に売り込むことで産業振興、雇用促進、経済発展につながる。自信と誇りを持って県産品を使い、その良さをアピールしていこう」とあいさつ。沖縄宮古商工会議所の中尾英筰会頭は「この月間を通して、より多くの人に県産品を愛用していただけることを期待したい」と呼び掛けた。
 キャンペーンではオリオンビールと泡盛のミニボトル、パラダイスプランの「雪塩」のセットを配ってPR。買い物客らは笑顔で受け取っていた。
 飲食店をしているという女性は「お客さんに提供する品はもちろんだが、自分で買い物するときも県産品、宮古産品を選んで買うようにしている」と話していた。
 同月間は復帰前の島産品愛用運動が始まりとされる。1984年に実行委員会が設置され、7月が同月間として設定された。実行委員会は県や県工業連合会、県経済農業協同組合連合会など19団体で構成される。
 県工業連合会は、食品、繊維、木製品、印刷、鉄工、金属の6業種で自給率が3%伸びると、生産誘発額は約375億円で雇用者誘発数は5918人、6%伸びると生産誘発額は約804億円で雇用者誘発数は1万1851人になると試算している。
 月間中は、同実行委員会に加盟する各団体が、県や各市町村に対し県産品の優先使用を要請する。宮古への要請は7月20日の予定。

 写真説明・ミス宮古や県の職員らが泡盛ミニボトルなどのセットを配布して県産品愛用を呼び掛けた=5日、平良市のサンエーショッピングタウン宮古

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戸籍総合システムが稼働/上野村

 上野村(川田正一村長)は5日、戸籍謄・抄本の発行などをコンピューターで処理する「戸籍総合システム」を稼働させた。これにより申請から発行までの時間が短縮される。川田村長は「これを機にさらに正確で迅速な住民サービスの向上に努力します」と述べた。同システムは宮古地区5市町村ですでに稼働しており、今回で地区すべての戸籍が電算化された。
 同日午前8時30分から行われた稼働式では、川田村長に同村議会の平良隆議長、那覇地方法務局平良支局の古田豊隆支局長補佐、オーシーシーの与那嶺義明常務ら関係者と職員が参加し、テープカットでシステム化を祝った。
 来賓を代表して那覇地方法務局平良支局の小嶺良信支局長(代読・古田支局長補佐)は「システム化は県内では20番目。戸籍行政の新たな基盤になる。今後、県全体のシステム化へのはずみになる」と期待した。
 稼働式後には、川田村長がコンピューターの出力ボタンを押し、戸籍証明書の第一号を発行した。
 電算化された戸籍数は約1200戸、人口は約3200人。システム化は今年度事業で事業費は約1500万円。
 戸籍事務が電算化されたことで「戸籍謄本」が「全部事項証明書」に、「戸籍抄本」が「個人事項証明書」に呼び名が変わる。用紙には複写すると「複写」の文字が浮かぶような偽造防止対策も図られている。

 写真説明・関係者が集いシステム稼働を祝った。左から古田支局長補佐、川田村長、与那嶺常務、平良議長=5日、上野村役場

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「大きく育ってね」/子供たちが稚ガニ放流

 平良市栽培漁業センターは5日、同市狩俣の海岸でタイワンガザミ(方言名・ツヌガン)の稚ガニ約5000匹の放流を行った。放流には狩俣小学校の高学年児童約30人が参加し「大きく育ってね」など願いを込めて放っていた。同センターでは宮古各地で放流を行い、今年度は約20万匹を放流する予定。同センターの梶原健治さんは児童らにタイワンガザミの生態について説明。「今は3センチ程度だが1年たつと15センチまで育つ。今は『かわいい』けど1年後は『おいしそう』になる」とユーモアを交えて話した。
 放流には伊志嶺亮市長も参加した。「宮古の自然を守るためにみなさん協力してください」と呼び掛け、児童らとともに放流した。
 参加した根間武希君(5年)は「みんなが海を汚しているからガザミも減っている。海をきれいにしようと思った」と話した。
 放流には県立翔南高校の生徒らも協力した。タイワンガザミをバケツに入れ、児童らに手渡していた。

 写真説明・児童らは願いを込めてタイワンガザミを放流した=5日、平良市狩俣の海岸

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次は台湾で会いましょう/下地中と漢口國民中がお別れ会

 2日から始まった下地町立下地中学校(川上哲也校長)と台湾の台中市立漢口國民中学校の交流は最終日の5日、お別れ給食会が行われ、漢口國民中の15人の生徒と下地中の生徒たちが最後のひとときを過ごし、再会を誓い合った。8月5日には下地中の生徒15人が台湾へホームステイに出発する。
 この日、漢口國民中の生徒たちは下地中の生徒に混じって授業に参加。1校時から3校時まで共に授業を受け、日本の教育を学んだ。その後、お別れ会を兼ねた給食交流を実施。初日は緊張していた面持ちの生徒たちも4日間の交流を通し緊張もほぐれ、台湾語や英語を交えて会話に花を咲かせるなど打ち解けた雰囲気で給食交流を楽しんでいた。
 漢口國民中の任逸 さんらは「初めは不安だったが、皆さんが親切にしてくれて感謝している」「会えて良かった」「ぜひ台湾にも遊びに来てほしい」など感想を話し、ホームステイを受け入れた家族や下地中の生徒、関係者たちに感謝した。
 川上校長は「お互いの友好がいつまでも続くことを祈念する」、漢口國民中の呂春風教諭は「いろいろ活動し、体験させてくれて深く感謝している。下地中の生徒は明るく皆いい笑顔をしている。漢口國民中も学びたい。機会があれば台湾に遊びに来てほしい」と述べた。
 下地中の下地恭平君は「緊張したけど楽しかった。台湾へ行ったら伝統的な食べ物や買い物が楽しみ」と話し笑顔を見せた。
 交流会では初日に皆で作った折り鶴が漢口國民中の生徒へプレゼントされたほか、全員で歌を歌い別れを惜しんだ。

 写真説明・今回の交流を記念し漢口國民中の生徒(右列)に折り鶴を贈る下地中の生徒たち=5日、下地中学校

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来場者、延べ5万人/第28回城辺町民まつり総括

 「第28回城辺町民まつり」が3、4の両日、同町営陸上競技場と同町農村環境改善センターを主会場に開催された。祭り期間中の延べ来場者は4万5000―5万人(主催者発表)。これほどの来場者を集めた祭りは「過去に例がない」(町企画振興課)という。市町村合併を視野に入れ、今回の祭りを「最後の町民まつり」と位置付けて準備を進めてきた城辺町。内容、充実度ともに歴史に残る祭りを演出した。
 振り返って見ると今回の祭りは企画内容に優れていた。同町は数カ月前から準備に取り掛かり、特にイベント内容については知恵を振り絞ってきた。その結果、西原高校マーチングバンドという目玉イベントに加え、ユニークなプロレス、俵運び競争、婦人会による綱引き大会、子供たちを夢中にさせたキャラクターショーなど、各イベント会場はいずれも大盛況だった。
 祭り初日となった3日は「世界一」と称される西原高校マーチングバンドを一目見ようと、陸上競技場のスタンドはすし詰め状態に。マーチングバンドの周囲も人で埋め尽くされた。
 4日は子供たちに人気の「デカレンジャーショー」を皮切りに会場内は午前中の部からごった返し、午後には再び西原高校マーチングバンドの公演で盛況。さらに住民参加型の俵運び競争や小・中学生による竹馬や一輪車などを使ったリレー、各部落対抗のレディース綱引きなどで会場は終始歓声に包まれていた。夕方からは各部落の伝統芸能などが披露された芸能祭、歌手・青木光一さんの歌謡ショーと続き、締めくくりのレーザー&花火ショーまで人垣は絶えなかった。
 2日間を通して見ると、西原高校マーチングバンドなどの「集客型」と子供から大人まで参加できる「参加型」のイベントがバランスよくプログラムに取り込まれていた。「とにかく多くの人に来てほしい」という城辺町の意図と、それに即した企画を組んだことが大盛況につながった。
 ただ一つ、「ひき踊り」の中止については町外の来場者を中心に残念がる声が聞こえた。城辺町民まつりと言えばひき踊りが代名詞だったが、このメーンイベントが消えたことで城辺町の色が薄くなった感はある。今回の祭りでは結局、期間中開催された物産ふれあい市と4日夜の芸能祭が城辺の色を演出したが、その他のイベントを見る限り「城辺らしさ」はなかったように思える。「部落に若い人がいない」「人集めが大変だ」という各部落の声を受けて取りやめとなったひき踊りだが、やはり各部落の代表が一堂に会し町営陸上競技場を周回する姿は圧巻そのもの。長い町民まつりの歴史の中であの勇姿が消えたことは「残念」の一言に尽きる。
  (山下誠・砂川拓也記者)

 写真説明・2日間で延べ5万人が町民まつりを楽しんだ=4日、城辺町陸上競技場

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