200平成16  30曜日

オリックス、2軍キャンプ撤退へ/中村GMが城辺町に伝える

 プロ野球パ・リーグ、オリックス・ブルーウェーブの中村勝広ゼネラル・マネージャー(GM)と球団本部情報・企画グループの金田義倫部長は29日、城辺町役場を訪れ、同町営野球場で行われている2軍(サーパス神戸)のキャンプを撤退すると伝た。中村GMはその理由について「諸般の事情によるが経費の部分が大きい」と説明した。これを受け平良市民球場での1軍キャンプの動向が注目されるが、それについてはきょう30日、平良市役所を訪ね、伊志嶺亮市長と会談する。

 同町でのキャンプは1993年にスタート。近年は平良市で1軍が、城辺町で2軍がというスタイルが定着していた。応対した下地敏彦助役は「長年キャンプを張っていたので非常に寂しい。選手には今後も一生懸命頑張ってもらいたい」と話した。報告を受けた仲間克町長は「会社の事情なので仕方ない。毎年キャンプ地として使っていただき、少年野球の指導などを通して子供たちの励みになっていたこともあり、非常に残念だ」とコメントした。
 球団は現在、近鉄バファローズとの合併問題に揺れているが、中村GMは「(キャンプ地については)以前から議論を重ねてきた」として、合併と今回の撤退との関係は否定した。撤退の理由として、経費のほかに、「2軍選手には暖かすぎて環境が良すぎる。そのために甘えが出て、キャンプを終えて戻ると故障者が多いというのも気掛かりだった。少し寒いところからスタートしたい、ということもある」とも話した。撤退後のキャンプ地は、高知県が候補に挙がっているようだ。
 中村GMらは城辺町役場に続き、宮古島オリックス協力会の中尾英筰会長にも同様の報告をした。中尾会長は「各球団とも苦しい台所事情なので、理解はしているが、撤退は大きな経済効果もあるので痛い。1軍だけでも残ってほしい。協力会としては、島を挙げて体制を立て直し、協力していきたい」と述べた。
 平良市での1軍キャンプに関して中村GMは「心配してもらわなくて結構だと思う。とにかく明日(30日)、発表する」と明言は避けた。しかし、今年2月の春季キャンプでは1軍が神戸でスタートし、宮古でのキャンプインが7日にずれ込んだこともあり、さらなる1軍キャンプの期間短縮も予想される。

 写真説明・下地助役(手前)に2軍キャンプ撤退を伝えた中村GM(左)と金田部長=29日、城辺町役場

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伝統工芸の展望を模索へ/

全国重要無形文化財保持団体協平良市大会・実行委発足へ

 10月28日から11月28日までの1カ月間、平良市で開催される第13回全国重要無形文化財保持団体協議会平良市大会(主催・同協議会、平良市など)に向けて同大会の実行委員会が29日、発足し委員に委嘱状が交付された。会長には伊志嶺亮平良市長が就任し初会合では実施要項などの審議が行われ全会一致で承認された。

 市役所で開かれた第1回の委員会では伊志嶺会長が「大会初日と2日目は総会や記念講演会なども予定している。また、期間中は秀作展の中で13の重要無形保持団体から作品や制作工程に係る写真パネルやビデオ上映もある。全国的な大会なのでぜひ成功させたい」と述べた。
 大会初日は行政および保持団体担当者会議や総会のほか、国立歴史民俗博物館名誉教授で沖縄大学法経学部法経学科教授の比嘉政夫氏の記念講演会などが行われ、2日目には宮古織物事業協同組合、苧麻(ちょま)収穫などの視察研修も実施される。
 付帯事業として行われる秀作展は平良市総合博物館で開催され、製作実演では染織、和紙などの団体会員および後継者による製作工程の一部実演公開が行われる。
 同大会は、全国重要無形文化財保持団体および関係する市町村が協調し、同文化財の保存に関する調査研究および、その具体的方策の推進を図りその技術の継承と保存活動に資することに加え関係者が一堂に集い伝統工芸の将来展望を真摯(しんし)に模索することを目的に開催されている。

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有効求職者数、1204人と過去最高/宮古職安5月雇用

 宮古公共職業安定所(平川康宏所長)は29日、04年5月分の雇用の動き(一般職業紹介)を発表した。それによると、ひと月間における月間有効求職者数が1204人で、単月の過去最高(03年7月・1149人)を更新した。一方新規求人数は125人で前月日27・3%(47人)の減少。平川所長は「雇用の場の増加よりも失業等に伴う求職者の増加の伸びが著しく、慢性的な求職超過の状況が続いている。雇用環境は一段と厳しい状況」との見方を示した。
 月間有効求職者数が増加した要因として、同所では▽各市町村関係の財政事情悪化により、臨時職員などの離職者が集中した▽公共工事などの減少で中堅の建設業が人員整理を行った―ことなどの影響と指摘。前月(04年4月)から引き続いて長期間に及ぶ失業状態に入っているのではないか、と分析している。
 一方、明るい材料として、同所は新規求人への充足率が52・3%と高い値となったことを挙げ、「新規求人に対する飛びつきが早く、需要と供給のミスマッチが極端に少なくなっている」とした。
 5月の新規求職者数は301人で、前年同月比7・7%(25人)、前月比30・2%(130人)の減少となった。
 雇用の先行指標とされる新規求人数は125人で、前年同月比29・4%(52人)、前月比でも27・3%(47人)の減少。月間有効求人数は376人で前年同月比4・6%(18人)、前月比で5・3%(21人)減少。
 有効求人倍率(原数値)は0・31倍で、前年同月比、前月比とも0・04ポイント下回った。
 就職件数は83件で、前年同月比10・8%(10件)減少。うち県内就職は65件で前年同月と同水準。一方県外就職は18件で同比35・7%(10件)減少した。

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「100%宮古島産」と偽る/コーラル社の提携会社販売のアロエジュース

 下地町の第3セクター、コーラル・ベジタブルと提携してアロエベラジュースを販売しているコーラルコミュニケーションズ株式会社(本社・下地町、山下博幸社長)が、販売するアロエジュースの一部に宮古島産以外のアロエベラが使用さ28日までに分かった。同社は、指示を受けた段階でアロエジュースの表示から「100%宮古島産」との表記を省くなど、農水省の指示に従ったとしている。
 農水省によると、今年1月にコーラルコミュニケーションズに任意調査を実施したところ、同社が販売したアロエジュースの一部に、JAS法に基づく加工食品品質表示基準に違反する表示がされていたことが確認された。
 そのため、同社に対して▽原因を徹底的に追究し分析すること▽結果を踏まえて相互チェックが可能な社内管理体制および人事システムを整備すること▽全役員および従業員に対して品質表示制度についての啓発を行いその順守を徹底すること―などを指示。これらに基づいて措置したことを7月23日までに農林水産大臣あてに提出することを指示した。
 同社は「台風14号で宮古島のアロエベラが被害に遭い原料の供給ができなかったため、足りない分を沖縄県内産のアロエベラで対応した。問題はないと思った。農水省から指示を受けた直後に表示から『100%宮古島産』との表記を省いた。すべて農水省の指示に従っている」と説明している。

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「大豆シチュー」で優秀賞/平良市食改協の多良間さん、全国コンへ出品

 県食生活改善推進員連絡協議会(比嘉輝子会長)の主催する2003年度第32回健康日本21わが家の食卓コンクールがこのほど行われ、平良市食生活改善協議会を代表して出品した多良間キヨさん(66)=平良市久貝=の「大豆シチュー」が宮古地区で初めて優秀作品として表彰された。29日、多良間さんは平良市役所に伊志嶺亮市長を訪ね、受賞の喜びを報告した。「大豆シチュー」は県代表作品として全国コンクールに出品される。
 多良間さんは7年間、市の食生活改善推進員を務めており、大豆シチューのほかにも、大豆茶わん蒸し、大豆のお菓子など栄養価の高い「大豆」を使用した料理を数多く作り出している。
 大豆シチューはゆでた大豆、ニンジン、タマネギ、ブロッコリーなどの野菜のほか、生クリーム、マーガリン、スキムミルクなどの乳製品を材料として使用。ミキサーにかけてゆでた大豆に、マーガリンでいためた野菜類、スキムミルクを入れ、軽く煮込んだ後、塩やコショウなどの調味料で味付けする。最後にこの料理の最大の特徴である生クリームを加え、なめらかな食感を出す。
 伊志嶺市長を表敬した多良間さんは「口当たりがなめらかで子供から大人まで食べやすく、離乳食や介護食としても適している」と紹介し、「受賞はうれしい。一緒に活動してきたメンバーのおかげ。今後の励みになる」と話した。
 報告を受けた伊志嶺市長は「おめでとうございます。成人病予防など市民の食生活改善に向け、努力を続けたことが受賞につながったのでは」と活躍をたたえた。
 同コンクールは飽食といわれる今日の食生活の中で、慢性的に不足気味なカルシウム摂取に最も優れている乳製品とスキムミルク、チーズ、植物性マーガリンを取り入れたアイデア豊富なメニューを地域活動、県民の健康づくりに貢献することを目的に開催されている。

 写真説明・多良間さん(右)から伊志嶺市長に受賞の喜びが報告された=29日、平良市役所

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