200平成16  29 曜日

町営ゴルフ場が運営危機/伊良部町議会・

財政難で借金返済不能に

 伊良部町(浜川健町長)の財政難から、町営ゴルフ場「サシバリンクス伊良部(9ホール、パー36)の運営危機が表面化した。企業債(借金)で投じた総工費は5億6000万円で、元金償還期間は10年間。本年度から始まる年間償還費7000万円を支払う財政力は無く、ゴルフ場はグランドオープンから2年目でピンチを迎えた。28日に開かれた同町議会(友利浩一議長)6月定例会の最終本会議では、ゴルフ場を存続させるため償還期間を25年とする企業債借り換えを賛成多数で可決。浜川町長は「当初から資金運用面に間違いがあった」と明言し、償還期間を10年にした手続きの非を認めた。借り換えを国が認めない場合、ゴルフ場は民間企業などに売却される可能性が高い。伊良部町議会は同日、04年度パブリックゴルフ事業特別会計補正予算のほか新年度の一般会計補正予算などを可決し、閉会した。

 下地島にあるゴルフ場は「下地島土地利用基本計画」に基づき整備された。地域の雇用場の確保や住民の健康増進、青少年の健全育成、世代間交流の場などを目的に、2002年4月12日にグランドオープンした。年間1万3000人の利用者で経営は成り立つと計画。
 オープン以来、天候に左右されるなど、利用者の伸びは今一つ。カートや作業車両などはすべてリース。年間で2000万円のリース支払いは、02年度から06年度までの5年契約では1億円に上る。03年度までの累積赤字は約4200万円。
 この日の質疑応答で、浜川町長は「開業当時から企業債借り換えをした方がいいと思っていた」と述べた。
 川満一助役は「償還期間を25年にした企業債借り換えをしないと支払いは難しい。今年の支払いは、償還10年では7000万円、償還25年では300万円となる」と説明した。その上で「国は4、5、6月の3カ月間の利用状況を見てから、償還借り換えを認めるかどうか決める。利用者は予想以上に多いから国は認めると思う」と語った。
 この日の最終本会議では04年度パブリックゴルフ事業特別会計補正予算の承認のほかに、「ちゅらさん運動」の推進と「5つのかける運動」の励行などを決議した。
  
 写真説明・運営危機が表面化した町営ゴルフ場「サシバリンクス伊良部」=28日、伊良部町下地島

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入賞者14人をたたえる/宮古ペンクラブ 第1回エッセー賞表彰式

 宮古ペンクラブ設立1周年記念事業「第1回エッセー賞」の表彰式および受賞祝賀会が27日、平良市内のホテルで行われ、一般の部最優秀賞の辻恵子さん(34)=大阪府=や中・高校生の部最優秀賞の島尻真帆さん(伊良部中3年)ら入賞者14人に賞状と副賞が贈られた。表彰式には受賞者やその家族、ペンクラブ会員らが出席し、受賞を祝うとともに今後のエッセー賞の発展に期待を寄せた。

 宮古ペンクラブの松原清吉会長は「私たちは言葉の世界で生きている。思考を深め、表現力を高めることは大切な行為。入賞者の皆さんは、これを機にもっと素晴らしい表現活動ができるよう感性を磨いてほしい」と激励。受賞者1人ひとりに賞状を手渡し、快挙を祝った。
 欠席した一般の部最優秀賞の辻さんからは「宮古を愛する一旅人からきずなを持つ人になれたようで光栄」とのメッセージが寄せられ、砂川次郎さんが代理として賞状を受け取った。
 中・高校生の部最優秀賞の島尻さんは「最優秀賞と聞いたときはとてもびっくりした。校長先生やクラスの友達が誘ってくれなければエッセーを書く機会はなかったと思う。みんなに感謝したい」と喜びを話した。
 一般の部を代表してあいさつした伊志嶺節子さんは「受賞を通して宮古に対する思い、愛する心を表現できたと思う。宮古が良くなるにはどうすればいいかという思いをエッセーを通して次世代へ伝えていきたい」と抱負を述べた。
 祝賀会ではペンクラブ会員らが祝いの言葉とともに宮古における文学の発展に期待したほか、新城悦子さんやジョルジュさんが歌などの余興で会を盛り上げた。
 エッセー公募は、テーマ「宮古の未来」と自由選題で応募したところ、一般の部に14点、中・高校生の部に9点の作品が寄せられた。

 写真説明(上)・中・高校生の部で入賞した皆さん。前列中央が最優秀賞の島尻さん=27日、ホテルアトールエメラルド宮古島
 写真説明(下)・一般の部で入賞した皆さん

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モンゴルの歌と踊り披露/サンバイノーありがとうコンサート

 モンゴル芸術学院(子供宮殿)の生徒たちによる「サンバイノーありがとうコンサート」(主催・同コンサート実行委員会)が27日、マティダ市民劇場で行われた。来場した大勢の聴衆は子供たちの織りなす息の合った合唱と踊りにうっとり。モンゴル芸能に酔いしれた。
 同コンサートは貧困に苦しむアジアの子供たちを支援するNGO沖縄アジアチャイルドサポート(池間哲郎代表=上野村出身=)が中心となって行われた。
 出演者は同NGOがモンゴルのダルハン市に建設した貧困に苦しむ子供たちの保護施設「ダルハン沖縄の家」や、「モンゴル芸術学院」の子供たち。コンサートの収益金の一部は保護施設「ダルハン沖縄の家」や、「モンゴル芸術学院」などに寄付される。
 「モンゴルの子供たち」という題で池間代表が講演を行った後、コンサートが幕開け。モンゴルの伝統的な踊りや歌、軽やかな曲芸、楽器演奏などが次々と披露され、観客を魅了した。
 また、下地町立来間小中学校や風の陣太鼓も出演し、コンサートを盛り上げた。
 コンサート終了後には同小中学校の生徒が花束を贈呈すると会場から大きな拍手がわき起こり、アンコールを求めた。出演したモンゴルの子供たちもそれに応じ、同小中学校の生徒たちとの合唱を披露した。

 写真説明・モンゴルの歌や踊りなどが次々と披露され、聴衆を魅了した=27日、マティダ市民劇場

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心に潜む差別見つめ直して/ハンセン病写真展始まる

 フォトグラファー、八重樫信之さんが、らい予防法が廃止された一九九六年からハンセン病回復者の姿を撮影し続けた写真の展示会「八重樫信之写真展それぞれのカミングアウト」(主催・同実行委員会)が28日、平良市役所ロビーで始まった。7月2日まで。八重樫さんの妻でフリーライターの村上絢子さんの著書「証言・ハンセン病もう、うつむかない」も併せて紹介されている。

 この写真展は、96年から昨年まで全国の国立療養所13施設のうち11施設を取材し、社会に向けて自己の存在を表現し始めた元患者らの姿を撮影したもの。昨年12月に東京都で開催された展示会を皮切りに平良市は10カ所目。国立療養所の所在地はすべて巡回する予定だ。生活の中のひとこまを写した47点(うちポートレートは34点)の写真に、村上さんの著書から抜粋したコメントが添えられている。
 宮古南静園からは、故・親里廣さんと下地玄麓さんの写真2枚を紹介。八重樫さんは「療養所のある街ではハンセン病問題は身近な問題だが、実際に元患者の方々と触れ合う機会は少ないと思う。元患者も一般の人も一緒に写真を観に来てほしい」と呼び掛けた。
 また村上さんは「ハンセン病だけでなくさまざまな問題に対して、1人ひとりが自らの心に潜む差別や偏見の気持ちを見つめ直すきっかけになれば。ハンセン病の歴史を風化させず、平等の意識が広がることを願う」と話した。
 さらに、過去に南静園の園長を務めたことのある伊志嶺亮市長は「宮古では早くから一般の社会との交流があり差別感は薄いが皆無ではなく、その中でも敢然と1人の人間として主張している人々がいる。写真展を通して多くの人が共に生きる喜びを味わってほしい」と願った。
 「証言・ハンセン病もう、うつむかない」(筑摩書房刊)はブックボックス宮古店で販売中。定価1600円(税込み)。

 写真説明・ハンセン病回復者の写真展を開いた八重樫さん(右)と証言集を出版した妻の村上さん
=28日、平良市役所ロビー

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新しい出来事見つけよう/平良市 東小4年生・新聞のつくり方学ぶ

 平良市立東小学校(仲間克枝校長)は28日、「新聞記者になろう」との教材で新聞記者を招いた学習会を行い、4年生約110人が新聞の作り方について学んだ。宮古毎日新聞社の恩川順治編集局次長が講師を務め、記事の見つけ方、書き方などを説明し新聞の作り方を指導した。児童たちは今後、校内で取材を行い、学校の様子を家族へ伝える新聞を作る予定。
 恩川次長は記事の見つけ方として「普段と違う出来事」「新しい出来事」「珍しい出来事」の3つを挙げ、「いつ、どこで、誰が何をしたのか。またその結果がどうなったかをしっかり取材することが大事。取材で見たり聞いたりしたことをメモに書いて正確に伝えることが大切」と強調。「新聞を読んだ人が記事を読んでその出来事を詳しく分かるように書いてほしい」と話し、取材したことを正確に伝える重要さを説明した。
 児童たちはメモを取りながら説明を聞き、自分たちの新聞作りに備えた。代表して礼を述べた砂川晋太郎君は「新聞に興味を持つ良い機会になった。学んだことを忘れずいろいろなことにチャレンジし頑張りたい」と意気込みを見せた。学習会は国語科の単元「伝えたいことをはっきりさせて書こう」として実施したもので、新聞の役割を理解するとともに話題を選んで取材し組み立てを考えながら記事を書くことが目標。

 写真説明・宮古毎日新聞社の恩川順治編集局次長が新聞の作り方について説明した=28日、東小学校多目的ホール

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「幻の花」サガリバナ、平良市内民家で咲く

 平良市下里の砂川弘さん(65)宅の庭先で27日夜、サガリバナ(サガリバナ科)が開花。ほのかな芳香と薄いピンク色の花が夜空を彩った。サガリバナは夜に咲き、朝には散るため「幻の花」と呼ばれている。平良市では希少種として1999年7月に保全種に指定している。
 砂川さんは3年前に那覇市で苗木を購入し、庭に移植。湿度を好むことから水やりを毎日絶やさず手入れしたほか、水持ちを良くするため、土に大量の腐葉土を混ぜて栽培した。
 「まさか3年で花を咲かせるとは夢にも思わなかった」と砂川さん。夜空をバックに優雅に咲き誇るサガリバナを見て感動の笑みを浮かべた。

 写真説明・優雅に咲き誇るサガリバナ=27日午後9時30分ごろ、平良市下里(福里賢矢記者撮影)

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