200平成16  27 曜日

広域葬祭場建設計画暗礁に/地域住民「絶対反対」

 平良市鏡原の袖山墓地公園隣の市有地で進められている宮古広域圏事務組合(代表理事・伊志嶺亮平良市長)の広域葬祭場建設計画で、同組合は25日夜、住民説明会を開いた。同組合の職員が用地選定の経緯や「環境悪化はない」とする施設概要を示しながら当地での建設に理解を求めたが、集まった住民は一斉に反発。「葬祭場の必要性は認識しているが、この場所での建設だけは絶対に許さない」などと訴え、組合側の提案に応じない考えを示した。両者の話し合いは平行線をたどったまま終了。同組合は理事会で協議する方針だが、2535人分の反対署名に加え、説明会における住民の反発を考慮すると当地での建設は困難な状況に。葬祭場建設計画は再び、暗礁に乗り上げた。

 説明会は午後7時からJAおきなわ宮古支店農民研修センターで開かれ、建設予定地周辺に住む住民約60人が参加して組合の説明を受けた。
 はじめに組合が6つの予定候補地の中から当地が選定された経緯と施設概要を説明。この中で下地利幸総務課長は「建設する施設は環境に配慮したもので環境が悪化するような施設ではない。周辺環境とマッチした施設を建設したい」などと理解を求めた。
 だが、意見交換に入ると住民の怒りは噴出。男性住民の1人は「この街のど真ん中に造るのは絶対に反対する。これだけの住民が反対しているのに、何のための行政なんだ」と詰め寄った。別の男性住民は「この場所は宮古の中心地で、これからもっと栄える。そんな場所に建設するのはいかがなものか。近代的な施設だから問題ないというのではなく、この地域に葬祭場を建てることが問題なんだ。建設場所の再考を」と求めた。
 女性住民は「観光を考えた場合、ここに葬祭場を建てるとイメージがダウンする」と強調。併せて「誰も葬祭場の周辺には住みたくない」と声を大にして訴えた。
 この住民の声に対し組合側は「建設される施設はダイオキシンが飛ぶようなことも、煙や悪臭が出るようなこともない施設と認識している。このことは技術的に証明されている」とする回答に終始したが住民の理解は得られなかった。最後は二木哲事務局長が「皆さんの意見を持ち帰って理事会に報告したい。最終的には理事会で決めることになる」と述べた。
 住民側の強い反対を受けて暗礁に乗り上げた葬祭場建設計画。今後は組合理事会の協議が注目されるが、現在の予定候補地で周辺住民の理解を得るのは困難で、別の候補地の検討を余儀なくされるのは必至だ。沖縄本島などの公営火葬場と比較して高額な火葬料金を改善するために動き出した計画だが、用地選定をめぐり2006年供用開始の予定がずれ込む可能性も出てきた。

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累積赤字は6億6300万円/伊良部漁協総会

 伊良部町漁業協同組合(奥原隆治組合長)の通常総会が26日、町内の前里添多目的共同利用施設で開かれた。組合員多数が出席。2003年度貸借対照表など十議案を承認・決議した。同年度は250万円の赤字を出し、累積赤字は6億6300万円に膨らんだ。
 伊良部架橋計画の議案は原案通り可決。同架橋漁業補償交渉委員については23人を選出することで理事会に一任された。
 県宮古支庁土木建築課は「公有水面の一部消滅に伴う漁業補償額は12月までの妥結を計画している」と説明し、円満な妥結に期待した。 
 累積赤字の要因となっている経済事業未収金は1億4700万円。内訳は、購買が5100万円、販売が4800万円、製氷冷凍が1100万円、加工が3700万円。
 昨年9月の台風14号で倒壊した下地島空港の進入灯柱復旧工事に伴う岩礁破壊などの同意について、満場一致で特別決議した。

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沖縄戦描いた60点展示/儀間比呂志さんの版画展始まる

 版画作家儀間比呂志さんの作品展「うちなー(沖縄)のいくさ(戦争)と平和展」(主催・医療法人アカシア会)が26日から、平良市西仲宗根舟立堂公園隣にある同会のうむやす家(やー)で始まった。儀間さんが戦争体験者から聞いた沖縄戦の悲惨さ、汚辱さを版画に表し「いくさは ならんどう」という心の叫びを伝える。7月4日まで。入場料は無料。時間は午前10時から午後7時まで。
 作品展はうむやす家のオープンを記念して開催したもので、儀間さんの宮古での作品展は3度目となる。うむやす家は、医療法人アカシア会(比嘉一雄理事長)が陶芸や織物など作品づくりに取り組んでいる人々の発表の場として提供していこうと、宮古上布の織り工房だった民家を買い取りリフォームした。
 儀間さんの作品展では沖縄戦を描いた版画のほか油絵など初期の作品も含め、「うちなーの生きる美しさ、強さ、優しさ」を表した約60点を展示紹介。沖縄戦の作品には、戦争体験者の言葉に込められた、今も記憶の底で激しく燃え続けている戦争への憎しみの怨念を目に見える形で表現し、後世へ伝えたいと願う儀間さんの思いが込められている。
 初日は儀間さん本人も訪れ、うむやす家のオープンを祝福した。儀間さんは「絵はきれいなものばかりではない。戦争はまがまがしく醜悪だが、その中で人々がどう生きようとしたか、どう生きたかを体験者の身になって表現する中に感動がある。殺される側の立場になり、いかに戦争が恐ろしくて醜いかを表現した」と話した。
 伊志嶺亮平良市長は「儀間さんの作品展が開催されることをうれしく思う。ぜひ平和のために皆で頑張っていきたい。またうむやす家が心やすらぐ場となっていくことを願う」と祝福した。
 医療法人アカシア会の比嘉克子理事は「この環境の施設の中で戦争と平和について考えてもらえれば。宮古で頑張っている人々の作品の発表の場としても活用してもらいたい」と呼び掛けた。

 写真説明・3度目となる宮古での作品展を行った儀間比呂志さん=26日、舟立堂公園隣のうむやす家

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マティダ東FCが準優勝/少年サッカー県大会・

全国逃すも九州大会出場権獲得

 第28回全日本少年サッカー県大会(主催・県サッカー協会など)は26日、西原町民陸上競技場で決勝まで行われた。宮古地区代表のマティダ東FCは準決勝で2対0と神原SCを下したが、決勝では1対2で安謝SCに敗れ、目標としていた優勝(全国大会出場)には届かなかった。
 決勝は終始マティダ東ペースで進んだが、前半11分に先制ゴールを許し苦しい状況に。後半17分には砂川昇士が同点ゴールを挙げ、追い上げムードが高まったが最後のつめが甘く追加点が奪えなかった。終了2分前、フリーになった相手選手にロングシュートを決められ、涙をのんだ。
 長濱慶監督は「全国大会出場は逃したが7月に九州大会がある。どこまで戦えるか分からないが、課題を克服してこれまで練習したことを出し切りたい」と気持ちを切り替えていた。

 写真説明・惜しくも優勝は逃したが健闘が光ったマティダ東FC=26日、西原町民陸上競技場

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【ご案内投稿】「なりとぅゆん(鳴り響く)みゃーく(宮古)方言大会」に寄せて

 (6月30日(水)夜7時〜 まてぃだ市民劇場)

 昨年度、第10回目の大会で応募1人、それでも大人の出場者を向こうにまわして堂々の2位「優秀賞」に輝きました島尻真由美さん(現沖国大1年生)の母校宮古高校から、今回、「私のふるさとの言葉の素晴らしさを多くの方に紹介したい」など思い入れ深いメッセージを添えて一挙に3人(1年生2名・3年生1名)もの生徒の皆さんが応募してくれましたことに大会実行委員会では「快挙!快挙!」と大喜びしています。

 もともと、本大会誕生のきっかけは、「方言」が、殊に若年層から使用困難な言葉として敬遠され、使用頻度が限りなくゼロに近いという状況に陥っていることに対する危機感そのものにあったからです。今日、社会の情報発進源の多くは大都市中央に集積されているといっても過言ではないと思います。かくて中央情報への依存度を高めてしまっている若年層にあっては、食べること、着ること、行動すること、さらには考えることまでいわば生活形態のもろもろは否応なく中央に一元化され、地方の都市化傾向が強まるにつれて親から子、子から孫へと日常的に継承されてきたはずの地方固有の言語「方言」に対する思いや関心は目にみえて低くなり方言は急速に衰退しつつあります。

 話せない、理解できない、ということは行きつくところ「方言」そのものに対する真摯な認識の欠如を増幅させてしまい、無意識ながらも結果として「方言」はいわゆる共通語より価値の乏しい下位なるもの、したがって衆人の中では堂々とは使えないものとのいわれなき偏見にいたる風潮まで生み出してきました。かつて県内にはびこったという「方言札」が証言する方言追放運動は紛れもなくその悪しき風潮の最たるものでした。

 地域共同体における真の意思疎通の根幹をなしてきた「方言」に対するこのような不条理な背景を知るがゆえに、本協会は「なりとぅゆん(鳴り響く)みゃーく(宮古)方言大会」を発案企画し強力に推進しているのです。本協会のこの目的に大いに賛同し、一般の部で町民から出場を促すため先頭にたってあちらこちらと案内くださった町教育委員会教育課長補佐の砂川克佳さんのご厚意や、宮古島の次代を担う生徒たちだからこの大会の意義は広く深く浸透させなければならないと積極的に生徒の出場を呼びかけてくださった宮古高等学校狩俣幸夫校長や砂川敏行教頭、そして出場生徒への助言に直接かかわってきました長嶺先生のご苦労には大会実行委員会一同は心底感謝申し上げています。本紙の紙面を拝借し厚く御礼申し上げます。今大会も、別項に紹介しましたすばらしい出場者を迎えることができました。「宮古方言で弁論大会はできない!」と冷ややかに断言された本大会も、今や、本島の皆さん、そして本土の郷友会仲間の皆さんからも広く認知され着実に成長しています。

 ところで、今大会では「当日券の発売は取りやめる」ことにしました。昨年度の大会時、会場木戸において予想もしなかった問題に直面し、来場くださいました皆さんに多大なご迷惑をかけてしまった苦い経験があるからです。
 そのため、入場整理券はお手数でも本協会事務局(市民会館4F)か、マティダ市民劇場・宮古テレビ梶Eグリーンセンター・次郎工業・レストラン「しきしま」・喫茶「レリアン」・ファミリーレストラン「福八」・平良市社会福祉協議会・宮古警察署・響和楽器・友利薬局・スーパー「はまもと」・喫茶「リピート」・下地町役場・上野村役場・城辺町役場・大会実行委員会委員から、それぞれ入手してください。
 大会の開場時間は「6時」です。市民並びに郡民の皆さんのご協力よろしくお願いいたします。

    平良市文化協会大会実行委員長 友利吉博

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