200平成16  24曜日

恒久平和の願い強く/慰霊の日・強い日差しの下 慰霊祭

 戦後59年。今年も沖縄は全戦没者を追悼する「慰霊の日」を迎えた。夏の強い日差しが照りつけ沖縄地方の梅雨明けとなった23日、県内各地で慰霊祭がしめやかに行われ、戦後求め続けてきた恒久平和の思いをあらためて心に深く刻み込むとともに戦争で亡くなった多くの人たちのみ霊を慰めた。平良市では下里(馬場)にある平良市慰霊之塔で同市遺族会(川満俊夫会長)による慰霊祭「第50回平良市戦没者追悼式」が行われ、祭られている608柱のみ霊を追悼した。

 正午前から行われた平良市の慰霊祭には遺族会をはじめ、伊志嶺亮市長、池間青昌市議会議長らが参列。正午の時報に合わせて全員で黙とうをささげた。
 あいさつで川満会長は「59年前の廃墟から日本も立ち直った。私たちが住む平良市も経済、文化など各方面で発展して住み良いまちになった。戦争で亡くなられたたくさんの人の犠牲を無駄にしないためにも平和な社会がこれからも続くよう頑張っていきたい」と述べた。
 追悼の言葉では伊志嶺市長が「時代が移り変わってもあの忌まわしい戦争の記憶は深く残っている。今の世界情勢は紛争や戦争で罪のない多くの一般の人たちが犠牲になっている。悲惨な戦争が二度と起こらないよう21世紀は世界の恒久平和を願いたい」とあいさつした。
 続いて、池間市議会議長らがあいさつに立ち、戦争という悲惨な歴史を経験しながらも強い意志と勇気を持って郷土の発展に尽力してきた遺族らに敬意を表した。
 そのほか、式では一般参加者が焼香を行い、平和な世界を願うとともに悲惨な戦争を繰り返してはいけないとの思いを胸に、み霊に祈りをささげた。
 太平洋戦争・沖縄戦が終結して59年。沖縄戦では、80日もの地上戦で一般住民を巻き込み約20万人の犠牲者を出した。戦争を知らない世代が増えるとともに遺族の高齢化が進む中、来年は戦後60年目の節目となる。背中を丸めながら焼香する遺族の姿は時の流れを感じさせ悲惨さも時間とともに風化しつつある。

 写真説明・終戦から59年目の「慰霊の日」。参列者の数も年々減少しているが遺族の悲しみは今も変わらない=23日正午過ぎ、平良市慰霊之塔

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テロ防止でフェンス設置/平良港で対策強化

 7月1日から「国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律」が施行されるのを控え、平良港湾工事事務所(前原弘海所長)は23日までに、平良港の第1、第2ふ頭にフェンスを設置し、テロ防止対策強化に乗り出した。
 イラクの暫定政府への主権移譲が今月30日に実施されことから、全国の国際港湾施設などではフェンスを設け、水際でテロを防ぐ体制を敷いている。
 平良港は、国際港湾施設で、国内外の大型貨客船などが利用する。今回制定された同法律では、岸壁でのフェンスや監視カメラなどの保安設備の設置が義務付けられた。監視カメラは港湾管理者の平良市が設置する。
 フェンスはタンカーや砂・砂利船が接岸する第1ふ頭の一部、大型貨物船が接岸する第2ふ頭の一部に設置された。フェンスの高さは1・8−2・4メートルで、各フェンスの長さを合わせると全長600メートルになる。各フェンスにはゲート(出入り口)が設けられ、外国人は今後厳重なチェックを受ける。フェンス設置事業費は2500万円。
 同港で仕事をする50代の男性は「フェンスが設置されると、物々しい雰囲気が伝わってくるため緊張する」と強ばった表情で話した。
イラクの首都バグダッドでは主権移譲を目前に、武装勢力が軍を含む当局を標的としたテロを活発化させている。

 写真説明・テロ防止などのために設置されたフェンス=23日、平良港

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追悼式「大変意義がある」/南静園の宮里自治会長

沖縄全戦没者追悼式に参列

 【那覇支局】第2次世界大戦・沖縄戦で亡くなったハンセン病患者111人(宮古南静園56人、沖縄愛楽園55人)の名前が今年、全戦没者の名前を刻む「平和の礎(いしじ)」(糸満市摩文仁)に追加刻銘された。宮古南静園入園者自治会長の宮里光雄さんと同園の比嘉賀雄園長は23日、平和の礎を参拝し、沖縄全戦没者追悼式に参列、犠牲者のめい福を祈って焼香も行った。
 宮里自治会長は「入園者も当然、戦争の犠牲者であるのに、刻銘の要件がなかなかクリアできなかった。ようやく要件が緩和され、自治会が身内の代わりに申告できるようになり、追加刻銘を実現した」と大きな喜びをかみしめた。追悼式には以前から参加しているが、「亡くなった入園者も戦争でつらい思いをし、命を失うことになった。10代の若者たちもいた。終戦直後の1年間には110人もが亡くなった。平和の礎の刻銘には『戦争を二度と起こさないでくれ』との叫びもある。その意味で追悼式は大変意義がある」と話し、非戦への思いを強くしていた。

 写真説明・戦争犠牲者のめい福を祈って焼香する宮古南静園の宮里自治会長(前列右から2人目)ら=23日、糸満市摩文仁の平和祈念公園

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マンゴー 収穫始まる/来週には本格化

 宮古地区における2004年産マンゴーの収穫が始まった。現在収穫に入っている園は一部だが、来週ごろには一斉に始まり本格化する。
 平良市狩俣の根間平行さん(70)のマンゴー園では1日に約30キロを収穫し、JAや土産品店に出荷している。品質は上々で、消費者から「今年のマンゴーは特においしい」との声があるという。収穫は7月中旬ごろピークになり、同月末ごろ終わる。
 同園(40アール)の今年の収穫量は、過去最高の3トンを見込んでいたが、今月10日に襲来した台風4号で約1トンの実が落下した。
 宮古全体でみると、今年のマンゴーは、台風14号によるハウス倒壊や木の衰弱に伴う着果不良、台風4号による実の落下などの被害があり、減産が見込まれている。

 写真説明・赤く熟したマンゴーを収穫する根間さん=23日、平良市狩俣

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沖縄地方 梅雨明け

 沖縄気象台は23日、「沖縄地方は梅雨明けしたとみられる」と発表した。今年の梅雨明けは昨年と比べ3日遅く、平年並み。梅雨入りした5月5日から6月23日までの宮古島の降水量は277ミリで、平年値(335ミリ)の83%にとどまった。那覇(495ミリ)、南大東島(588ミリ)、石垣島(383ミリ)、与那国島(420ミリ)は台風の影響で平年値を上回る雨量となった。31・5度(午後2時53分)を記録した。下地町の前浜ビーチでは、好天の下、海水浴や水上バイクを楽しむ親子連れやカップルなどでにぎわいを見せた。慰霊の日にも当たり、各地では慰霊祭が行われ、遺族たちが沖縄戦で失った家族のめい福を祈った。
 宮古島地方気象台によるときょう24日の最高気温は31度を予測している。

 写真説明・梅雨が明け好天の下、海水浴を楽しむ観光客ら=23日、下地町前浜ビーチ

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