本日のニュース

２００４年（平成１６年）６月２１日月曜日

☆ 地下水保全で環境グランプリ／

平良市、企業団、事務組合、宮農高

　【東京】自治体環境グランプリ2004（主催・環境省外郭団体、財団法人社会経済生産性本部）の表彰式が19日、東京都千代田区の都市センターホールで行われ、平良市（伊志嶺亮市長）、宮古島上水道企業団（渡真利光俊企業長）、宮古広域圏事務組合（代表理事・伊志嶺亮市長）、県立宮古農林高校（下地恵吉校長）の四団体による「地下水保全への取り組み」がグランプリとして表彰された。「『地下水を守ろう』をキーワードにして自治体、市民が協働し、具体的かつ多面的な環境保全活動へと広がった動きは全国に広く知ってもらう価値がある」と高く評価された。

　同賞は、環境と経済を両立し環境負荷の低減と生活の質向上の取り組みに優れた自治体などを表彰するもので、今回で４回目を迎える。22の応募団体から書類審査、プレゼンテーションの二次にわたる審査を経て、全国では平良市を含む計4つの自治体がグランプリを受賞した。
　1965年に日本初の地下水保護に関する条例「宮古島地下水保護管理条例」や98年の「宮古島水道水源保護条例」を制定し、水道水源地域を島民自ら守るという意志を明確化した経緯や、水源涵養林造成事業、宮古農林高校の有機肥料「バイオ・リン」開発など、地域住民が地下水の汚染防止に長年にわたって取り組んできた熱意、実績が認められた。
　受賞について伊志嶺市長は「40年以上も前から宮古全体で地下水保全に取り組んでおり、地域ぐるみの強い姿勢が評価されたと思う。この受賞を契機に未来を担う子供たちに良い水を残していきたい」と喜びを語った。また、渡真利企業長は「宮古の住民はどこの地域の人と比べても「水」に対する意識が高く、この受賞で改めて内外で注目されていると実感した。若い世代の真剣な取り組みも加えて、これからもさらに先進的な役割を果たせれば」と意欲を語った。下地校長は「日々、遅くまで頑張っている生徒たちの研究成果が地域、自治体とともに評価され、受賞は大変うれしい。これからも一層地域に貢献できるよう本格的なプラント生産工場の設立につなげていきたい」と農業の教育現場への希望を語った。
　　（東京・菊地優子記者）

　写真説明・環境グランプリに輝いた各団体の代表。（左から伊志嶺市長、宮古島上水道企業団の渡真利企業長、宮農高の下地校長）＝19日、東京都千代田区の都市センターホール

　平良市役所の男性職員と女性職員間の平等感は、7年前の1996年より向上していることが、平良市企画室（宮川耕次参事兼室長）が実施・集計した男女共同参画に関するアンケートで分かった。職場内での平等感に関する問いで「全く平等」「ほぼ平等」を合計した回答は、96年が39・1％、03年が56・1％と7年前に比べ全体的に意識向上の傾向となった。一方で「分からない」（03年）は男女全体で18・6％だったのに対し、女性のみでは27・2％と高く、砂川道子同室長補佐は「女性の自覚不足が垣間見られる回答」と、今後の課題を指摘した。

　23日から29日までは「男女共同参画週間」。男女ともに個性と能力を発揮できる男女共同参画社会の実現に向けてさまざまな取り組みが行われる。
　このアンケートは、第2次男女共同参画計画「ゆいプラン」の策定に当たり、同室が平良市職員および臨時職員597人を対象に2003年11月に実施。回答率は61・5％（367人、うち男性154人、女性213人）だった。96年3月にも同様のアンケートを実施しており、当時の結果と比較すると平等感はアップした。しかし「分からない」「女性の自覚が不足している」と答えた女性職員も多かったことから、アンケートを実施した砂川室長補佐は「男女を問わず、公務員としての意識や理念を再認識する資質向上の研修を定期的に実施するなどし、職務における全体の自覚を底上げする必要がある」と指摘した。
　また「あなたに昇任の話がきたらどうしますか」の問いでは、「積極的に受ける」「考えてみる」の前向きな意見は、全体で96年が60・2％、03年は73.％と12・8％増加した。03年の女性のみの回答では、62・9％と半数を上回り、砂川室長補佐は「女性職員は頭から昇任を敬遠しているのではなく、少しの後押しがあれば積極的に受けるのでは」と分析する。
　「女性の地位向上・女性登用を進めるのに必要な条件は」の項目は、96年は選択式、03年は記述式の回答方式。96年は「女性自身の自覚」50・7％、「社会活動への参加」25・6％などの答えがあった。03年には55件の意見が寄せられ、集約すると「女性の自覚」「男性の意識改革、管理者の理解」、「適正な人事の実施」「男女が働きやすい施策、制度の充実」「家族の協力と理解」にまとめられた。
　個人的な声では、男性は「家内には家庭優先にしてほしい」「育児中の女性にはフレックスタイムの導入を」、女性は「女性職員のお茶くみ当番の廃止」「女性の意識改革」「家族の理解・協力が必要」など多岐にわたる記載があった。
　23日からの男女共同参画週間にちなみ、平良市ではきょう21日から平良市ロビーで「きらきらひらら男女共同参画展」を実施する。このアンケートの集計結果を掲示するほか、男女共同参画をテーマに募集していた川柳の展示、また28日にはウチナー芝居と講演会をゆいみなぁ（平良市働く婦人の家）で開催する。

　宮古本島の6月肉用牛競りが19日、ＪＡおきなわ宮古家畜市場で開かれ、子牛１頭の平均価格は前月比2万8780円高の41万5737円で取引が成立。平均キロ単価は前月比25円高の1538円という高値で競り落とされた。１頭当たりの最高価格は57万8550円。成牛を含めた全体の販売額は1億8384万7050円だった。
　今月競りに上場された子牛は431頭。このうち428頭（取引率99・3％）が競り落とされた。1頭平均価格は去勢が44万4476円、雌が37万3784円。1頭当たりの平均体重は262キロ。子牛のみの販売額は1億77936万5550円。
　成牛を含めた全体の上場頭数は前月比77頭減の466頭。１頭当たりの平均体重は273キロで、平均価格は39万8800円（前月比2万5162円高）、キロ単価は1458円（同比62円高）だった。販売額は上場頭数の関係で1791万7800円安の結果になった。
　市町村別販売（１頭平均価格）の内訳は▽平良市＝去勢44万3672円、雌33万8164円▽城辺町＝去勢43万7626円、雌34万5541円▽上野村＝去勢45万9327円、雌34万5813円▽下地町＝去勢45万9270円、雌37万1215円▽伊良部町＝雌35万4200円▽多良間村＝去勢37万8262円、雌25万740円―。

　関東を中心に教室を展開するクイチャーパラダイス三線教室（仲本光正代表）の第７回宮古島公演が19、20の両日マティダ市民劇場で開催され、本土の三線愛好者らが日ごろの練習の成果を披露した。会場には多数が訪れ、三線の音色が本土出身者や郷友、地元住民を結び、一体感あふれる公演となった。
　「いこうぜ！宮古島」と銘打って発表者やその家族ら約500人が来島した同公演。勇壮な獅子舞で幕を開け「なりやまあやぐ」や「西原のかなしゃがま」「豊年のあやぐ」など各曲目を次々に披露。
　地元からは、平良重信宮古民謡研究所や西原民謡研究クラブなどのメンバーも参加し、ステージに風格を添えた。第７回を迎える同公演は、住民の間でも定着しつつあるとみられ、客席には中高年を中心に大勢のファンが訪れて指笛を鳴らしたり立ち上がって踊り出すなど、思い思いに楽しんでいた。
　最後は、県文化功労者で宮古民謡保存会長の国吉源次さんが登場。「漲水のクイチャー」を演奏すると大勢の観客がステージに上がって踊り乱れ、最高潮のうちに幕を閉じた。
　宮古観光大使も務める仲本代表は、2008年には宮古で毎月公演し、単年で一万人の参加者・関係者の来島につなげたいとしている。

　写真説明・関東などの愛好者が日頃の三線の成果を披露し、観客を楽しませた＝19日、マティダ市民劇場

　宮古民謡保存協会に所属し、現在は名古屋市で宮古民謡の教室「前泊三姉妹」を開いている前泊克枝さん（23）と里奈さん（19）が、このほどチャリティーライブで募った収益金を宮古地区防犯協会（平良恵慈会長）に寄付した。克枝さんと里奈さんは「宮古島のために役立ててくれれば幸い」と話し、寄付金の有効活用を求めた。前泊姉妹による寄付金贈呈は昨年10月に続き2度目。
　前泊三姉妹は克枝さんと里奈さん、その姉の正枝さんの3人で開いている教室。両親は平良市西原の出身で、3人とも宮古島に対する思い入れは強い。
　3人は昨年9月の台風で大きな被害を受けた宮古島のために「何か役立ちたい」と思い、名古屋市内で数回のチャリティーライブを開催。このライブで募った収益金を昨年10月、平良市に贈呈した。今回は宮古地区防犯協会に寄付し故郷宮古島の発展を願った。
　「宮古島のために」を繰り返す克枝さんと里奈さんはチャリティーに協力してくれた名古屋に住む郷友たちに感謝。「皆さんの宮古島に対する熱い思いを感じた。みんなが宮古のために協力してくれた」と振り返り、贈呈した寄付金の有効活用を求めていた。

　写真説明・「前泊三姉妹」で募った収益金を贈呈した克枝さん（右）と里奈さん＝19日、宮古空港