200平成16  17曜日

業者交えた委員会開催へ/平良市環境保全条例

 開会中の平良市議会(池間青昌議長)の6月定例会は16日、文教社会委員会(下地秀一委員長)が開かれ伊志嶺亮平良市長から再提案されている市環境保全条例案について審議し、採決の結果「継続審議」となった。しかし委員会終了後、下地委員長が来月中旬ごろに同条例制定で影響を受ける可能性のある業界の意見を聴収する委員会を開催することを明言。委員会参加の呼び掛けに応じなかった業界関係者については「条例に同意したと判断する」と述べるなど、「継続審議」の判断となったが条例制定に向けては一歩前進したといえる。

 今回の委員会では昨年否決された同案についてこれまでに住民、建設業界関係者らで発足した同条例案検討委員会で練り直された内容を当局が委員に説明した。
 また、第2回目の検討委で建設業界関係者の委員2人が理由を明らかにせず辞退した経緯も報告され、これについては「理由なく辞退すると言うことには疑問を感じる」との意見が野党議員からも聞かれた。
 棚原芳樹氏は「悪い条例でないことは誰でも分かる。建設業界が今のような態度なら条例案を通すという姿勢を示した方が良い」と指摘した。
 また、下地委員長も委員会終了後に「来月の委員会で各業界に意見を求める予定だが参加しない業界については同条例案に同意したと判断する」とし、各業界に対して外側からの意見だけでなく直接、委員会の場でそれぞれの意見を示すことを求めた。
 建設業関係者の委員2人の辞退については委嘱状の交付を受けたものの、所属する建設業協会宮古支部内で審議を重ね「辞退」の判断となり、事務局側が具体的な理由を求めたのに対して返答はなく、代わりの委員の紹介についても「協会から委員を送ることはできない」と拒否したという。
 今回の継続審議の理由は「市町村合併も控え、他町村の意見も聞く必要がある」とされ、昨年12月議会で否決した理由とほぼ同じだが、一部野党議員から建設的な意見が出たことは条例制定に向け一歩前進したと言える。
 同案に対する野党議員の多くが現在、反対の姿勢を示していることから、今議会の判断は「継続審議」となる見込みだが、来月の委員会の場で各業界から出される意見や判断が同条例案の今後を大きく左右しそうだ。

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被害総額は7億6500万円/台風4号

 今月9日から10日にかけて宮古島地方に接近した台風4号による被害額は農産被害を中心に7億6518万1000円となっている。県宮古支庁が、16日まとめた台風4号災害速報によると、農林水産業はサトウキビが2億4084万7000円、葉タバコが3億6850万5000円、ニガウリ、スイカ、トウガンなどの野菜が8525万8000円、マンゴーなどの果樹が1933万8000円、ビニールハウスなどの施設が3672万1000円で合計7億4645万円となっている。
 台風4号は時速30キロの早足で宮古島の西側を駆け抜け、10日午前3時53分には平良で最大瞬間風速51・5キロを記録した。この影響で宮古全域で最大1万3600世帯が停電し、電話は233回線が不通、伊良部町では台風通過後、浄水場から配水タンクへの揚水が間に合わず佐良浜区を中心に100世帯で断水した。
 葉タバコは収穫が約八割終えていたが、農産物の中では最も大きな被害となった。
 市町村別では平良市が6551万6000円、城辺町が1億1158万9000円、下地町が9181万3000円、上野村が5904万3000円、伊良部町が1602万1000円、多良間村が2452万3000円だった。

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与謝野晶子短歌文学賞・界歌人ク賞に輝く/宮高2年 青木君

 昨年暮れから今年の3月までに募集していた「第10回与謝野晶子短歌文学賞」(主催・産経新聞社)で、県立宮古高校(狩俣幸夫校長)の青木裕志君(2年)がこのほど、堺歌人クラブ賞に輝いた。受賞作品は「行きさきを風にまかせる雲でなく真っすぐに飛ぶ鳥になりたい」。同校が16日会見を開いて発表した。青木君は「周囲に流されず、自分の意志を持って生きていきたいな、と思って詠んだ。受賞は予想外でびっくり」と感想を話した。さらに同校からは、渡真利匡晃君(2年)も高校生の部に入選した。

 同文学賞は、一般の部に3488首、中学生から大学生までを対象にした「青春の歌の部」に6325首の応募があった。同校生徒の受賞は、昨年の池村真理野さんに続き2年連続。目覚ましい活躍で関係者を喜ばせている。
 青木君の作品は、1年生の終わり頃に国語の授業で詠んだ短歌。これまでほとんど短歌を詠んだことはなく、コンクールに応募するのも初めてだったという。「深く考え込まずさらっと作ったので受賞に驚いているが、うれしいし自信がついた。今後も機会があれば詠んでみたい」と自身の幅が広がった様子だ。
 狩俣校長は「受賞も素晴らしいが、内容はまさに高校生に望まれる姿であり誇りに思う。これを励みに、これからもどんどん感性を磨いてほしい」と、さらなる活躍に期待を寄せた。
 また応募を担当した長嶺由香利教諭は「感性豊かで素直な表現力が光っている」と手放しで喜んだ。
 さらに同文学賞高校生の部20首に、渡真利君の作品「コップ取り溢れるほどに氷入れカランと鳴らせば夏がまたくる」が入選した。

 写真説明・堺歌人クラブ賞を受賞した青木裕志君=16日、宮古高校

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知念さんら6人を表彰/第11管区・違法操業の台湾船を発見通報

 【多良間】第11管区海上保安本部(小川哲郎本部長)は、多良間村水納島沖の領海内で違法操業していた台湾漁船を発見通報し、巡視船が駆け付けるまで監視を行った同村の知念正勝さんら6人の功績をたたえ感謝状を贈呈した。16日、同村役場で賞状伝達式が行われ、平良海上保安署の岡部竹男署長が賞状を伝達した。
 表彰されたのは、知念さんをはじめ、村吉肇さん、豊見山常弘さん、安里広和さん、安里勝義さん、伊良皆博さんの6人。知念さんらは5月14日午前7時15分ごろ、豊漁祈願祭の供物として使用する魚を釣るため水納島付近の海上で操業していたところ、水納島東北の領海内で違法操業していた台湾漁船「新満幸3號」を発見し、村役場職員を通して平良海上保安署に通報。航空機と巡視船が現場に到着するまでの間、台湾漁船を監視したほか、逃走した漁船の漁具などを揚収した。
 台湾漁船はジグザグ航走しながら逃走。同署が巡視船などで追跡し同日午前11時3分、水納島の東南東約9キロの領海内で、この船の船長を外国人漁業の規制に関する法律違反(無許可操業)で現行犯逮捕した。

 写真説明・違法操業していた台湾漁船を通報、監視するなどの功績で表彰を受けた知念さんら=16日、多良間村役場会議室

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迷鳥 タカサゴクロサギ 平良市内で確認

 国内では非常にまれに飛来するタカサゴクロサギ(サギ科)が16日、平良市内で確認された。高さ3メートル以上もある細い枯れ木の幹の上に止まり、首を長く伸ばして昆虫を直視。朝日を浴びた精悍(せいかん)な表情が、ひときわ輝いていた。飛来したタカサゴクロサギは雄。頭上と体の上面は黒色。のどや下面は黄褐色。胸の黒い縦斑が特徴。全長58センチ。
 小魚やカエルを食べる留鳥のリュウキュウヨシゴイ(全長40センチ)と生態は似ていると言われているが、詳しい生態は不明。
 日本では1981年5月に新潟県で確認されたのが初記録。宮古では97年6月に伊良部町で初めて保護された。近年は与那国島や石垣島にも飛来、昨年6月は本土の愛鳥家らが平良市で確認した。今月上旬は石垣島で観察記録された。6月の飛来が集中しているこから、渡りの時期は6月に確定しそうだ。
 この鳥はベトナムやマレーシア、フィリピンなどに広く分布する。夏季は少数個体が中国南部などへ移動するという。先島諸島などには渡りの途中に迷い込むらしい。
 今月は環境月間。餌が豊富で優しい環境の宮古で、当分滞在しそうだ。

 写真説明・昆虫を狙っていたタカサゴクロサギ=16日、平良市(伊良波彌記者撮影)

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