200平成16  15 曜日

 販売目標は4億7千万円/04年度事業計画
 

 宮古地区野菜・果樹生産出荷連絡協議会の第2回定期総会が14日、JAおきなわ宮古支店大ホールで開かれ、2004年度の事業計画や予算を決めた。今年度事業計画では生産履歴を開示するトレーサビリティ体制を推進し、より安全で安心な野菜の供給に努めることを確認した。04年度販売計画の販売目標額は4億6878万2000円(前年度比11・7%増)。出荷数量は1536・6トンに設定した。役員改選もあり、新会長に下地支部の国仲和男さんが選任された。

 総会は午後3時から開かれた。はじめに協議会の砂川玄光会長があいさつに立ち、昨年9月の台風14号による被害の深刻さを示しながら「厳しい結果だった」と前年度を振り返った。それでもJAおきなわが導入したトレーサビリティ導入支援事業を活用して消費者に「安心」を届けられたことの利点を強調。その上で「今後、会員の皆さまが安心、安全、高品質をモットーに、市場、消費者のニーズに沿った農産物の生産拡大に奮闘されることを期待する」と呼び掛けた。
 この後、議事進行に入り、03年度の事業報告および収支決算の承認案件と04年度事業計画および収支予算案の承認案件を審議。04年度事業計画の事業方針にはトレーサビリティ体制の確立を前面に打ち出し、併せて営農指導の徹底や計画生産による経営指導の拡充強化を定めた。同年度予算は678万6772円。
 新会長に就任した国仲さんは「昨年のような台風が襲来しないことを願いながら、役員一同で頑張っていきたい」と抱負を話していた。
 宮古地区の野菜・果樹は前年度、台風14号で大きな被害を受け、生産量が大幅に減少した。いずれの品目でも被害があり、販売額は目標を下回る4億2294万8000円だった。
 この日の総会では優績な農家も表彰し、今後のさらなる精進に期待を込めた。

 写真説明・トレーサビリティ体制の推進などを確認した野菜・果樹生産出荷連絡協の定期総会=14日、JAおきなわ宮古支店大ホール

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「夢と希望」かいに込め/伊架橋早期実現爬龍舟大レース

 「あと一歩、夢と希望の伊良部大橋」をキャッチフレーズに第10回伊良部架橋早期実現爬龍舟大レース(主催・同架橋促進青年会議)が13日午後、伊良部町佐良浜漁港フェリーバース東側発着とする平良市パイナガマビーチ折り返し15キロで行われた。17チームが熱闘を展開。総合シークレットが1時間21分34秒のタイムで劇的な逆転2連覇、通算6勝目を飾った。同大会で逆転優勝するのは今回が初めて。

 この日の午後2時すぎ、爬龍舟は2回に分けてスタートした。気温は27・6度、北東の風5・6メートル。各爬龍舟のこぎ手は「ゴーヘイ、ゴーヘイ」の掛け声を合わせ、力強いかいさばきで水しぶきを上げた。伴走船からは大きな応援が送られ、各爬龍舟はパイナガマビーチへ一路快漕した。往路のトップは池間添自治会で、2位の総合シークレットに10秒の差をつけた。復路の中間距離まで池間添自治会がトップ。総合シークレットはパワーをさく裂、一気に追い抜いてゴールイン。総合シークレットのこぎ手らはガッツポーズを繰り返し歓喜に満ちた。
 総合シークレットの久高正廣監督は「波が高い海域でパワーを上げろと支持した。それが逆転優勝につながった」と感動していた。
 17チームのうち、14チームがゴール、3チームがリタイアした。
 開会式で、主催者を代表して島尻健二会長は「国の三位一体推進により、経済情勢は厳しい。架橋の早期実現の原点に返り新たな取り組みが必要」とあいさつ。次いで、安和朝忠宮古支庁長、伊良部架橋促進協議会長の伊志嶺亮平良市長、浜川健伊良部町長らが祝辞を述べ、各チームの健闘を期待した。
レース展開中は、同漁港特設会場の舞台では、地元の女性たちによる踊りや民謡ショーなど多彩な演目が披露された。
 同レースは、宮古圏域の夢である伊良部架橋実現のため県内最長の爬龍舟レースを実施し、宮古の若者の心意気を広く県内外にアピールするとともに、架橋実現への情熱と団結を一層高め架橋の早期実現を図ることが目的。結果は次の通り。
 ▽優勝=総合シークレット(1時間21分34秒)▽2位=池間添自治会(1時間22分12秒)▽3位=翔南運送(1時間25分17秒)

 写真説明・逆転優勝で歓喜に満ちていた総合シークレット=13日、伊良部町佐良浜漁港

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当局、5%減前後で提案へ/平良市議員報酬

 厳しい財政状況を受け平良市の伊志嶺亮市長が提案している議員報酬減案について当局は14日、池間青昌議長に対して同案を議員に説明するための全員協議会開催を申し入れた。
 当局側は今年4月に報酬の5―10%カット案を議員に示していたが、これまでに市職労との団体交渉で職員給与減を7月から基本給の4%減で妥結している経緯もあることから、当局側は議員に対して具体的な数値として5%前後の報酬減案を示す見込みだ。
 また、職労との交渉の中で給与減案を議会に提案する場合は議員報酬減案も一緒に提案することがすでに確認されており、必然的に議員報酬削減の実施も7月分からとなることから当局側は議員報酬減案についても今月中にはめどをつけたいとしている。
 しかし、報酬減案について市議会の全員協議会はいまだに開催されておらず、6月定例会への上程は難しい状況となっていたが、議長が全員協議会の日程を今定例会中に設定すれば会期中に職員給与減案と一緒に追加提案される可能性も残されている。

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戦争、風化させない/沖縄戦写真展が開幕

 戦争の悲惨さを訴える沖縄戦写真展(主催・平良市)が14日から平良市役所庁舎ロビーで開催されている。県内全域の戦争の様子や戦中、戦後の宮古の様子を写したものなど約60点が展示されている。18日まで。市では戦争を考え直す機会として大勢の来場を呼び掛けている。
 写真展は同市が203年度から実施している「平和週間」(6月17―23日)の一環。戦後59年が過ぎ、戦争体験者が少なくなっていく中、沖縄戦の悲惨さを市民に見てもらうことで平和の尊さを改めて考える機会として、過酷な沖縄戦の実相や教訓を風化させることなく伝えていくことを目的に開催している。
 展示されているのは米軍の上陸・進行状況、日本軍の守備軍の配置状況などのパネルのほか、砲撃か集団自決とみられる死亡した一般人の写真など。
 また、宮古島に進駐する米海兵隊や、爆撃により廃墟と化した平良市街の様子など、当時の宮古の様子も展示されている。
 初日となった14日、庁舎を訪れた市民らは足を止め、展示されている写真に見入っていた。
 担当者は「戦争の様子を知り、その悲惨さを風化させないためにも、足を運んで今一度戦争について考えてほしい」と呼び掛けている。

 写真説明・開催されている沖縄戦写真展=14日、平良市役所

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伝統漁を体験/西辺中生徒が「バラジャン漁」

 平良市西原地域に伝わる伝統漁「バラジャン漁」を学ぼうと、平良市立西辺中学校(神里清春校長)の生徒60人は13日、真謝漁港沖合の「フカビジ」と呼ばれるリーフで体験学習を行った。漁師の指導の下、生徒たちは漁に挑戦。約150キロの魚を水揚げし、大漁を喜んだ。また、帰港後には自分たちで料理にも挑戦し、刺し身や焼き魚など新鮮な海の幸を満喫した。
 生徒たちに指導した漁師の赤嶺直さんによると、「バラジャン漁」は通常の「追い込み漁」とほぼ同じという。生徒たちは体育の時間などを利用して泳ぎの練習を重ねただけあって見事な泳ぎで、漁場に設置した袋網に魚を追い込んだ。
 水揚げした魚はイラブチャーやベラなど色彩豊か。生徒たちは「やったー」と大漁に胸を張った。漁の後は料理に挑戦。慣れない手つきながらも懸命に、丁寧に魚を解体。塩煮や空揚げ、焼き魚、刺し身などに調理し全員で舌鼓を打った。
 前泊孝徳君(1年)は「たくさんの魚も見れたし、貴重な体験だった」、奥平翔子さん(3年)は「なかなか家では料理しないので良い勉強になった」とそれぞれ感想を話した。漁師の赤嶺さんは「初めての漁にしては大漁。上出来」と生徒たちをたたえ、「子供たちが地域の伝統を学ぼうとする姿勢が良い。良い試みだと思う」と話した。
 同校では▽漁を通して自然の豊かさを知る▽現在の自然(海の環境)を知り、それを大切にしていこうとする心を育てる▽計画したことをやり遂げようとする姿勢を養う―などを目的に毎年この体験学習を行っているが、昨年、一昨年は天候不良により中止となっており、 4年ぶりの実施となった。

 写真説明・魚の料理に挑戦する生徒ら=13日、平良市の真謝漁港

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宮古の関係者にも衝撃/オリックス・近鉄合併問題

 プロ野球のオリックス・ブルーウェーブと大阪近鉄バファローズが球団合併を前提とした話し合いを進めていることが13日、明らかになり、オリックスのキャンプ地・宮古でも関係者に衝撃が走った。宮古市町村会の伊志嶺亮会長(平良市長)は「まだ状況が分からないが、宮古島キャンプだけは継続させてほしい」とコメント。宮古島オリックス協力会の中尾英筰会長(沖縄宮古商工会議所会頭)は「宮古島キャンプを存続させなければならない。行政と共に早い時期に存続運動を展開したい」と述べ、署名活動などキャンプ存続に向けた活動に早急に取り組む考えを示した。
 1993年に始まったオリックスの宮古島キャンプは今年で12年目を迎えた。この間、現在米大リーグでプレーするイチロー外野手(マリナーズ)、長谷川滋利投手(同)、田口壮外野手(カージナルス)らの活躍で95、96年とパ・リーグを連覇。96年には日本シリーズで読売ジャイアンツを下して日本一に輝いた。宮古島への経済効果や子供たちに夢を与えた教育面への貢献など、キャンプによる相乗効果は非常に高い。
 同協力会の中尾会長は「経済面でも教育面でも宮古島キャンプの効果は非常に大きい。(合併話には)非常に驚いているし、心配している」と率直な感想を述べた。その上で「もし合併するにしても、できればオリックスが主導権、イニシアチブを取ってほしい。ただ、オリックスが主導権を取ってもキャンプ地としては安閑としていられない。早い時期に存続運動をしたい」と語気を強めた。 

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