200平成16  12 曜日

市内各地に産廃の山/不法投棄一斉パト・観光地にも堂々と

 県と関係機関合同の2004年度第1回「産業廃棄物不法投棄等県下一斉パトロール」が11日、平良市内で行われ、宮古福祉保健所と宮古署、平良市、平良海上保安署、県産業廃棄物協会の五機関から合わせて約20人が参加した。一行は平良市久松、池間島、添道の3カ所を回り、建築廃材や廃コンクリート、廃タイヤなどの産廃の山を確認した。宮古福祉保健所では「不法投棄はモラルの問題。1人ひとりに立ち止まってよく考えていただきたい」と、住民のモラル向上の必要性を強く訴えた。

 同パトロールは県を中心に各市町村や警察など関係機関が協力して1998年度から行われているもので、産廃の不法投棄防止や不適正処理の防止を図るのが目的。年に2回設定され、今回は環境月間に当たる6月に県内各地で一斉に実施された。宮古地区のパトロールには安和朝忠県宮古支庁長も同行した。
 午後1時30分から宮古福祉保健所で出発式を行った後、平良市久松の海岸沿いに移動。建築廃材の山を確認した。平良市生活環境課の担当者によると、近くの養豚業者が燃料用に利用するため少量の廃材をもらい受けていたというが、今では一部業者の投棄場所になっている。その量は70トンほどに上るとみられる。
 続いて池間島の灯台近くでは、建築廃材とコンクリート、赤瓦を確認した。道路脇の目立つ場所で、平良市の担当者は「観光地でもあるため早く撤去してもらいたい」と話した。これについては投棄者が判明しており、現在撤去するよう指導している。
 3カ所目は添道で廃タイヤの投棄現場を確認した。道路から少し入ったやぶの中であるため人目につかなく、近くにはさび付いた廃車も横倒しになっていた。
 また久松の現場から100メートルほど離れたところには家庭ごみが捨てられている場所もあった。添道でも比較的新しいと思われる家庭ごみが見つかるなど、一部業者だけでなく住民による不法投棄も改めて確認した。
 不法投棄現場を目の当たりにした安和支庁長は「非常に驚いている。地域環境を著しく損ねており、原状回復に向けた努力が必要だ。行政としても適切かつ厳正に処置することが、住民の意識高揚にもつながるだろう」と感想を述べた。

 写真説明・約70トンに上ると推定される建築廃材の山=11日、平良市久松

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環境保全条例を再提案/平良市議会6月定例会が開幕

 平良市議会(池間青昌議長)の6月定例会が11日、開会した。伊志嶺亮市長が昨年提案しながら否決された環境保全条例案について、文言を改めて練り直し再提案した。提案されたのは環境保全条例案のほか一般会計や特別会計補正など議案10件、専決処分など報告案8件、教育委員の選任同意案1件。議員提案の安全なまちづくりに伴う「ちゅらさん運動」の推進と「5つのかける運動」の励行決議案は同日、全会一致で決議された。6月定例会の会期は25日までの15日間で一般質問は18、22、24の3日間。
 環境保全条例案は昨年6月定例会で提案されたが、継続審議となり結局、12月定例会で否決された。しかしその後、市民から制定を求める意見があったことを受け、伊志嶺市長が学識経験者や市民を交えた検討委員会に、内容を諮問。先月下旬に答申を受けたもので、議会の対応が注目される。
 安全なまちづくりに伴う「ちゅらさん運動」の推進と「5つのかける運動」の励行決議では、「日本国の安全神話が崩壊の危機にあり、治安情勢はますます悪化する傾向にある。県内でも地域における安全・安心が次第に脅かされている」と指摘し、地域防犯リーダーの育成、地域のあいさつ運動の励行、青少年の健全育成―などのために防犯対策を行うことを決議した。
 教育委員の選任同意案は上地洋子委員が来月2日で任期満了を迎えることに伴うもので、花城千枝子氏(56)が提案された。

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ひき踊り取りやめ/城辺町民まつり・高齢化で踊り手不足理由

 城辺町民まつりで第1回以来メーンイベントとして定着してきた「ひき踊り」が、今年は行われないことになった。同町が11日に課長会議を開き、正式に決めた。ほかに「現金つかみどり大会」「3食トライアスロン」「くぎ早打ち選手権」もプログラムから削除した。
 ひき踊りについては前日(10日)の実行委員会総会で、部落会長らが高齢化に伴う踊り手不足を理由に難色を示していたため、結論を持ち越していた。
 これを受けた課長会議は、同意見を受け入れる形となった。
 仲間克町長は「ひき踊りに代わって、芸能祭を盛大に行いたい。合併すれば最後の町民まつりになるので成功させたい」と話している。
 7月3、4の両日行われる同まつりには西原高校のマーチングバンドも参加。クイズ大会やのど自慢大会、青木光一さんの歌謡ショー、綱引き、芸能発表会など、盛りだくさんの内容が盛り込まれている。

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沖縄の建築技術学ぶ/JICA研修生・人づくり国際協力研修発表会

 国際協力機構(JICA)の研修生、ロデル・メルカド・アンダヤさん(フィリピン公共事業省)とゲレルサイハン・トゥレクさん(モンゴル建設庁)が11日、県宮古支庁で行われた「人づくり国際協力研修発表会」に参加し、それぞれの研究内容を発表するとともに、沖縄の建築技術を学んだ。2人は指導を受けている国土技術政策総合研究所主任研究官の後藤哲郎さんと共に、日本でも特に鉄筋コンクリート建築が一般的な沖縄でその技術を習得するため来沖している。
 発表会では宮古支庁の担当者が昨年九月の台風14号による住宅や公共施設の被害について説明。柱など建物の構造部分だけでなく、雨戸など「非構造部材」への配慮の必要性を強調した。一方、2人は自ら研究を進めているそれぞれの国の建築法についてスライドを使いながら説明。出席者らがその話に聞き入っていた。
 フィリピンは数多くの島々からなり、過去には台風や地震、火山など日本と似た災害で大きな被害が出ている。一方、モンゴルでは近年鉄筋コンクリート造りが一般的になりつつある。このため2人は、日本の低コストで安全な建築方法を学ぼうと、国土交通省の独立行政法人で研修を積んでいる。

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インクルシャー、沖縄市長賞に輝く/KOZA音楽祭・

伊志嶺平良市長に受賞を報告

 沖縄市で開催された第6回KOZA音楽祭に宮古地区代表として出場し、沖縄市長賞とベストパフォーマンス賞をダブル受賞したロックバンド「インクルシャー」のメンバーらは11日、平良市役所に伊志嶺亮市長を表敬訪問し受賞の喜びを語った。リーダーの翁長賢一さんは「音楽祭に参加するのは初めてでいつもとは違った緊張感があった。受賞できてうれしい」と報告。伊志嶺市長は「新聞などで活躍を拝見している。2つも賞が取れて喜んでいる。いつか演奏を聞きに行きます」と受賞をたたえた。
 個人賞のベストパフォーマンス賞に輝いたボーカルの下地慎治さんは「観客も多く反応も良かった。気持ちよく演奏できた」と振り返った。
 インクルシャーはハードコアパンク系バンドで結成2年目。下地さん(Vo)、砂川一さん(G)、友利浩二さん(G)、照屋正さん(B)、翁長さん(Dr)の5人組。
 KOZA音楽祭は9日、沖縄市民小劇場あしびなーで行われ、13バンドが出場。同バンドは「イングリアン」を演奏し、会場を大いに盛り上げたという。

 写真説明・メンバーらは伊志嶺市長に受賞の喜びを報告した=11日、平良市役所

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美しい色柄にため息/「もどってきた上布の彩(いろどり)」展始まる

 宮古上布の展示・販売会「もどってきた上布の彩(いろどり)―よみがえった宮古上布―」が11日、平良市の花ギャラリーTOMOEで始まった。17日まで。時間は午前11時から午後7時まで。
 同展は、宮古上布を収集する吉浜有子さんが、上布の魅力を多くの人に伝え、島内での関心を高めたいと開いた。着物約100点、バッグ類30点を展示。糸を手で巻き付けて模様を作り上げる手くくりの古布を中心に、藍染めのほか化学染料を使って彩り豊かに仕上げられた芸術性の高い着物などが展示されている。作品は、上納品として島外に流出した上布を、吉浜さんが関東・関西などから買い戻したものが多いという。「昔、たくさんの宮古上布を織った人たちも、手元に残している人は少ない。地元で展示することで多くの人に布の素晴らしさを知ってもらい、また洋服など現代風にアレンジして使える新たな魅力も楽しんでほしい」と、話していた。
 会場には、女性を中心に多数の宮古上布ファンが足を運び、そのデザイン性の高い美しさにため息をついて見ほれていた。

 写真説明・多くの人が訪れ、宮古上布の美しさを堪能=11日、花ギャラリーTOMOE

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