200平成16  11曜日

議員報酬下げを提案へ/平良市・5%、10%カット案提示へ

 厳しい財政状況を受け平良市の伊志嶺亮市長は議員報酬減案を、6月定例会終了後の今月末に臨時議会を開催して市職員給与減案と一緒に提案する見込みだ。議員報酬減案についてはすでに4月、当局から5%減案と10%減案が議員に示されいるが、同案を協議する全員協議会はこれまで開催されていない。しかし、3月定例会の一般質問、本会議中に野党議員の一部から議員報酬の削減を求めるような発言もあり今後、報酬減案に対する対応が注目されている。
 平良市は今年度予算で実質5億6000万円の不足額が発生し、財政非常事態宣言を発令するなど財政健全化策に取り組んでいる。その中で市職員給与減についても9日に基本給を7月分給与から4%カットすることで職労と妥結している。
 職労との交渉の中で給与減案を議会に提案する場合は議員報酬減案も一緒に提案することがすでに確認されており、必然的に議員報酬カットも7月分からとなることから6月中の解決が急務となっている。
 9日に行われた5市町村での合併法定協設置についての全員協議会の席で、当局側から議員に報酬減案の説明を行おうとしたが議員らは「今回はあくまでも法定協設置を協議するだけ」として、同案に対する当局説明、協議は行われなかった。
 4月に議員報酬減案を当局が示した際には一部議員からは「厳しい財政状況は分かるが報酬削減ありきは問題。当局側のそのほかの自助努力が感じられない」という意見のほか、県内他市の議員報酬に比べても平良市は低い状況などが指摘されるなど、削減案に難色を示す意見が出されている。
 きょう11日から6月定例会がスタートする。期間中もしくは定例会後に報酬減案についての全員協議会を開催して当局とのすり合わせが必要だが今のところ全員協開催の予定はない。

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台風4号、早足で駆け抜ける/被害額(速報)は3億2000万円

 強い台風4号は10日午前零時ごろから午前8時ごろまで宮古島地方を暴風域に巻き込んだ。同日午前3時53分に平良市で最大瞬間風速51・5メートルを観測した台風は毎時30キロという速い速度で駆け抜けた。県宮古支庁が同日午後5時までにまとめた災害速報によると、農作物、農林水産業施設、公共土木施設などを合わせた被害総額は3億2010万1000円。宮古島地方全域では停電が相次ぎ、沖縄電力によるとピーク時には1万600世帯で停電した。

 県宮古支庁の速報によると、農産物と農林水産業施設を合わせた被害額は3億1033万7000円。うちサトウキビが2億4084万7000円。サトウキビは特に多良間村で被害が大きく、被害額は6347万4000円、被害率は14・8%となっている。葉タバコの被害額は現在、葉タバコ耕作組合が調べている。すでに7割のほ場で収穫を終えているが、残り3割のほ場では落葉や潮害などの被害が懸念される。このほか野菜や収穫期を控えたマンゴーの被害も心配されている。
 停電も相次ぎ、ピークとなった午前4時ごろには宮古全域で1万600世帯が停電した。沖縄電力は急ピッチで復旧作業に取りかかり、同日午後5時までには完全に復旧した。
 平良市では住居のプレハブ1棟の屋根が破損、電柱の倒壊も1本が確認されている。

 写真説明・暴風にさらされ、横倒しになったサトウキビ=10日、平良市狩俣

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葉タバコは4年連続被害/台風4号・狩俣ではマンゴー1トン落下も

 強い台風4号は10日、毎時30キロという速いスピードで宮古島地方を通り過ぎた。この影響で、基幹作物のサトウキビをはじめ、まもなくすべての収穫が終了する葉タバコや収穫を控えたマンゴーなど、農作物には大きな被害が懸念される。暴風警報の発令でいったんは休校となった小・中・高校は、警報が解除されたため時間をずらして児童・生徒らが登校した。台風は農作物などに被害をもたらしたが、空、海の便とも大きな混乱はなかった。住民生活にも特に大きな被害はなく、同日は散乱した枝葉を片付ける住民らの姿が各地で見られた。

【 農 作 物 】
 農作物では葉タバコや出荷中のゴーヤーなどで被害が目立った。
 葉タバコは、強風の影響で茎が傾き、葉が落ちたり、ちぎれたりする被害が出ている。10日午前の時点では、葉は収穫できる状況だが、今後、黄変して枯れるのか、持ちこたえるのか2、3日様子を見ないと分からないという。
 葉タバコは4月上旬から収穫が始まり、約7割の収穫が済んでいた。先植えの収穫は終わっていたが、後植えが残っている。葉タバコは4年連続、台風の被害を受けている。
 強風をもろに受けたハウスのゴーヤーは、葉がちぎれ飛び、実だけが残るという無惨な姿を見せている。下地町では約15アールのハウスがぺしゃんこになり中のゴーヤーがむき出しになっている所もある。
 マンゴー関係は、平良市狩俣で、約1トンの実が落下した所があった。しかし、ほとんどのハウスではビニールがはがれているものの、中の実にさほど被害は見られない。今後、炭疸病の発生が懸念されるが、ある農家は「農薬を散布して、袋掛けをすれば持ちこたえられるだろう」と、話していた。

 写真説明・葉タバコには葉が落ちたり、ちぎれたりする被害が出ている=10日、上野村

【 学 校 】
 10日午前8時すぎ、暴風警報が解除されると、各小・中・高校では休校の解除を決定。電話連絡や防災無線などで児童・生徒や保護者に登校を呼び掛け、学校には普段と変わらない子供たちの元気な姿が見られた。
 平良市教育委員会では「窓ガラスが割れたり、掲揚台のポールが倒れたり、屋根瓦の一部がはがれるなどの被害を受けた学校もあったが、特に大規模な被害の報告はない」と話していた。
 子供たちへの連絡状況により、それぞれの登校時間は午前9時から10時ごろまでとばらつきが見られたが、各校とも午前中は時間割りを変更し、校内外の清掃活動を実施。散乱した木の枝や葉を片付けたり、校庭を洗い流したりする子供たちの様子が見られた。また、あらかじめ屋内に避難させてあったプランターなどを元の位置に戻し、午後にはいつも通りの学校風景を取り戻していた。
 平良市立北小学校の砂川アヤさん(5年)は「友達から電話があって休みにならないことを知った。でも学校は楽しいからよかった」と笑顔。また下地町立下地小学校の池間栄作君(5年)は「校庭が思ったより汚れなかったので掃除も楽だった」と話していた。

 写真説明・台風一過、校庭を清掃する子供たち=10日、平良市立北小学校

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最優秀賞に辻さんと島尻さん/

宮古ペンクラブ1周年記念エッセー公募

 宮古ペンクラブ設立1周年記念事業「第1回エッセー公募」(主催・同クラブ、宮古毎日新聞社)の審査結果が10日、発表された。一般の部最優秀賞には大阪府在住の公務員、辻恵子さん(34)=写真左=の「宮古の未来」が、中・高校生の部では伊良部中3年の島尻真帆さん=写真右=「自分を包んでくれるもの」が選ばれた。表彰式は19日午後6時からホテルアトールエメラルド宮古島で行われる。主催者では多数の参加を呼び掛けている。入賞作品は16日から紙面(文化欄・毎週水曜掲載)で紹介する。

 一般の部で最優秀に選ばれた辻さんの「宮古の未来」は、宮古での旅行で出会った人々との触れ合いを通して見つけた「宮古島の未来」を辻さんの視点でつづった。旅行で求めていた「めまぐるしい世の中で失ってしまった『心』」「懐かしい『過去』」とは違い、今ある宮古島の姿が「理想の未来」であることに気づき、「いつまでもこのままでいてほしい」と願っている。
 審査講評では「『失った過去』ではなく『理想の未来』である、と受け止める微妙な心の動きが伝わってくる達意の作品」と評価。辻さんは「青い海も、広々とした風景も素晴らしいけれど、出会った島の人々の屈託のない笑顔に心引かれた」と感想を述べている。
 中・高校生の部最優秀の島尻さんの作品「自分を包んでくれるもの」は、いずれは故郷の伊良部島を離れることから、これまでの家族と過ごした15年間を振り返った思いを描いた。「絶対権力」の祖父、両親や兄弟たちなど「うるさくても仲の良い家族」との日々を描き、家族という殻に包まれた日々から未来へ旅立つ思いを描いた。
 審査講評では「心情描写や家族の状況描写は秀逸。短文体を基調にした文章構成によって生み出された軽快で小気味の良いリズム感は作品にさわやかな清涼感を与えている」としている。今回の受賞に島尻さんは「新聞を見て、家族がどんな顔をするのか楽しみ。祖父は『すごい』とは口に出さないだろうけど、私はとてもうれしいです」と喜びを語っている。
 審査委員長の松原清吉・宮古ペンクラブ会長は「第1回の公募にしては関心が高く、作品の質も良い。これから回を重ねるごとに関心が高まっていくのでは。特に中・高校生には文章による表現活動に力を入れ、たくさん応募してくれることを願う」と期待を寄せた。
 エッセー公募は、テーマ「宮古の未来」と自由選題で5月5日から31日にかけて応募を呼び掛けたところ、一般の部に14点、中・高校生の部に9点の作品が寄せられた。7日に審査が行われ、松原審査委員長ら八人が審査した。
 入賞作品と審査員は次の通り。(敬称略)
 【一般の部】▽最優秀賞=辻恵子(大阪府)「宮古の未来」▽優秀賞=伊志嶺幸代(伊良部町役場)「メガンサおばあぬユシグトゥ」、伊志嶺節子(那覇市小禄)「自転車に乗って」▽佳作=高田美幸(平良市西仲宗根)「宮古の未来」、仲宗根一枝(平良市西里)「港が見える丘」
 【中・高校生の部】▽最優秀賞=島尻真帆(伊良部中3年)「私を包んでくれるもの」▽優秀賞=砂川綾子(宮農高1年)「お年寄りと共に」、友利陽香(佐良浜中2年)「いつまでもこのままで」▽佳作=譜久島梓(伊良部中3年)「大切な時間」、ジェームズ・ジョンソン(狩俣中2年)「新聞配達人」▽奨励賞=津嘉山未央(伊良部中3年)「伊良部は自然の宝島」、佐和田唯(同)「宮古の未来」、長堂久美子(同)「伊良部の自然と私の夢」、洲鎌美穂(宮農高3年)「美しい島にすることが」
 ▽審査委員長=松原清吉▽審査委員=仲宗根將二、下地康嗣、友利吉博、仲地清成、下地昭五郎、花城千枝子、佐渡山政子

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西原マーチング来島へ/城辺町民まつり・

多彩な行事日程決まる

 7月3、4の両日に開催される「第28回城辺町民まつり」の実行委員会(委員長・仲間克城辺町長)総会が10日、同町農村環境改善センターで開かれ、祭りの行事日程や予算を確認した。2日間ともユニークな催しを準備。世界大会で優勝経験を持つ西原高校マーチングバンドの演奏をはじめ、恒例ののど自慢大会など多彩な催しが行われる。10日午後には祭りの関連行事として「町民まつり写真展」がスタート。大小300点余の写真が役場1階ロビーに展示されている。
 同委員会は同町役場職員や各部落会長、各種関係団体の代表で構成されており、この日の総会では開催要綱と予算を審議。要綱の一部を除いて原案通り承認した。
 開催要綱では「町民の融和と農家の生産高揚を図るとともに、町の活性化を目指す」を目的に定めた。同町陸上競技場をメーン会場に改善センターなど周辺の施設で各種催しを行う。
 目玉の西原高校マーチングバンドは3、4の両日に演奏を披露。ほかにクイズ大会やのど自慢大会、青木光一さんによる歌謡ショー、綱引き、芸能発表会など盛りだくさんの内容。ユニークな催しとしては食パン、宮古そば、ビールの早食いを競う「3食トライアスロン」や俵担ぎ競争、竹馬競争、現金つかみ取り大会、くぎの早打ち選手権などがある。子供向けのステージも準備する。祭り最終日はレーザー&花火ショーで締めくくる。
 予算は1917万9957円。一般会計から900万700円を支出し、残りは寄付金や前回繰越金で対応する。
 仲間委員長は「合併すれば最後の町民まつりになる。皆さんの協力を得て記念に残る祭りを成功させたい」と話した。

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