200平成16  10曜日

感情的意見目立つ/5市町村合併問題・

平良市・上野村議会全員協

 多良間村を除く5市町村での市町村合併法定協議会設置について平良市議会(池間青昌議長)と上野村議会(平良隆議長)は9日、全員協議会を開きこれまで市町村長会議でまとまった合併期日の変更を受けた法定協設置について協議した。両議会とも法定協設置推進の立場を示したが、協議の中で出る意見は感情的な内容が多く、これまで上野村議会から財政赤字について指摘され続けてきたことについて市議会議員からは「決めたことを簡単に覆すような合併ならしない方がいい」などの意見も聞かれた。

 平良市の財政赤字などを指摘して「任意協の設置なしでは離脱する」との見解を示していた上野村議会の全員協では「やはり任意協は必要」「首長会議で議会の意向は反映されるのか」などの意見が出された。
 しかし、任意協を設置せず首長会議でその役割を担えるとする川田村長の説得を受け入れた。また、条件として議会側の要望は要望書を川田村長に提出し、市町村長会議で協議することなどが示された。
 一方の平良市議会だがこれまでの上野村議会で指摘され続けていた財政赤字の問題について「赤字は自治体の規模でとらえるべき」「港湾特別会計分の赤字については他町村も平良の港湾の恩恵を受けていることを分かっていない」など、上野村議会への反発や感情的な意見も聞かれた。
 また、これまでの市町村長会議で合併期日が変更され来年4月1日以降となったことについては「市長はもっと強い意志を持ってほしい。すでに決定している来年1月1日をもっと強調してほしい」との要望が出され、これに対して伊志嶺亮市長は、「早めの合併期日を呼び掛けたい」と述べた。
 なかなか足並みがそろわない宮古地区の市町村合併。今後は、5市町村での法定協設置に向け首長と議員が44項の協定項目について協議し意見を集約した上で来月末の議会議決を目指している。
 しかし、これまでも5市町村での法定協発足について上野村議会だけが歩み寄りを見せずに結局、先行きの見えない現状に至っている。
 その上野村議会の意向の1つは、平良市などに対する「赤字団体と合併するのは不公平」との見解。今後どう協議しても合併までに赤字が解消されることはない。
 ただ無理難題を押し付けている観も垣間見られ、消極的、感情的意見が多くなった議員の意向、見解がバラバラな状況が続く中、今後の合併協議がスムーズに進むとは考えにくい状況となっている。

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宮古関係5人晴れ晴れ/新県議に当選証書

 【那覇支局】6日に投開票された第9回県議会議員選挙で当選した48人への当選証書付与式が9日午前、県庁講堂で行われ、県選挙管理委員会の阿波連本伸委員長から1人ひとりに当選証書が手渡された。
 宮古関係では平良市区の奥平一夫氏(54)、宮古郡区の砂川佳一氏(60)、那覇市区の糸洲朝則氏(56)=多良間村出身=と狩俣信子氏(62)=両親が宮古出身、浦添市区の池間淳氏(54)=伊良部町出身=の計5人が受けた。任期は今月25日から4年間。
 今選挙で与野党構成は与党が28議席(自民11、公明3、無所属14)、野党が18議席(社民4、社大4、共産3、無所属7)、与野党態度未決定2人となり、与党が改選前に続き安定多数を維持した。
 あいさつした阿波連委員長は「向こう4年間、県民の厳粛な信託に応えるべく、議員としての職責を全うすることを祈念する。議会機能の健全化、活性化に尽力してほしい」と期待した。
 当選証書を受けて奥平氏は「重い責任を感じる。厳しい戦いであったが、支持者が素早く結集した。政策を訴え、平和、環境問題は特に訴えてきた。産廃処分場問題で大浦地区の住民の不安は払しょくされていない。県政に声を届けていく」と力強く述べ、砂川氏は「これまでの1期4年間の実績、取り組んできたことが郡民に評価された。公約に掲げた13項目にしっかり取り組むことが支援者への約束、恩返しと思っているので、全力を尽くしていく」とそれぞれ決意を新たにした。

 写真説明・当選証書を受けた宮古関係の5人。右から奥平氏、糸洲氏、砂川氏、狩俣氏、池間氏=9日、県庁講堂

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活性化へ要望相次ぐ/内閣府美ら島会議・

大神島で島づくり意見交換会

 財政基盤が脆弱な県内離島の活性化策を協議する内閣府の「離島活性化調査検討会議」(通称・美ら島会議、議長・佐藤正紀内閣府審議官)で、平良市を担当する中川誠司参事官補佐は9日、大神島に渡り、住民らの意見・要望を聴取した。地元参加者らからは「若者が生活できるよう雇用の場創出を」などの声が相次いだ。
 現在、大神島には19世帯41人が居住。大神島離島振興コミュニティセンターで行われた「島づくりのための意見交換会」には、住民の大半を占める高齢者ら約20人が集まり、道路の未整備など日ごろ感じている不便や、観光客の呼び込みと雇用促進が連動する企業誘致など、島全体の活性化に向けた要望などを投げ掛けた。
 冒頭、中川補佐は「島を元気にするために生の声を聞かせていただき、地域の実状を把握して今後の会議に役立てたい。皆さんの意見をざっくばらんに話してほしい」と呼び掛けた。
 住民らは「現在運航している定期船を車や工事用の機械、資材なども運べるカーフェリーに変更できないか」「若者が定住できるよう住宅や職場の創出はできないか」「観光客に魅力を感じてもらえる長期滞在型の民宿などはつくれないか」などの声が挙げられた。
 中川補佐は「大神は神の島として有名で、外部の人間は歓迎されにくいというイメージで来たため、観光客誘致などについての要望には正直驚いた。担当部局に実状を伝える」と話していた。
 意見交換会には平良市の関係職員らも同席。活発な声もあった一方で、高齢者らからは「何を知りたいのか、何を訴えれば受け入れられるのか分からない」という戸惑いの声も挙がり、会に向けての住民に対する周知が不十分だった様子もうかがわれた。
 同日、中川補佐らは島に泊まり込み、住民らと交流を深めた。

 写真説明・住民らの意見・要望を聴取した内閣府の中川参事官佐(手前左)=9日、大神島離島振興コミュニティセンター

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改革へ見直し事項審議/平良市・財政非常事態克服市民委

 平良市の財政状況の抜本的改革を目指す財政非常事態克服実践本部(本部長・伊志嶺亮市長)の設置要綱に基づく市民委員会(棚原恵照委員長)の第2回会議が9日、平良市役所で行われ、事務局(総務部企画室・財政課)が04年度予算書の解説、財政用語の説明を行った。また負担金や補助金の交付明細書も示され、歳出カットのため市民の立場から見直しが必要な事項についての審議を求めた。同委員会では今回の説明を踏まえ、次回の会議で審議していく。第3回会議は25日に開催する予定。
 04年度予算では、1次内示した約5億6000万円の赤字額を国・県の指導を受け調整した最終内示額の内訳や経緯を説明。03年度の一般会計は実質収支約3800万円を計上する見込みであることを説明した。
 棚原委員長は「国の指導を受け無理な予算の作り方をしているのが分かる。負担金でカットできるものがあるのか皆さんの検討をお願いしたい」と呼び掛けた。委員からは「行政の義務や法的に決められて参加しなければならない事業などに分けて示してほしい。また過去に参加したことで実績のあるものなども教えてほしい」などの意見が挙がった。
 同委員会では市の財政改革に関する重要事項を審議してその意見を伊志嶺市長に答申するほか、財政改革の進ちょく状況について助言を行うことができる。委員の任期は12月31日まで。

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イモ料理に挑戦/平良市 西辺中・生徒とお年寄りが一緒に

 平良市立西辺中学校(神里清春校長)は9日、第4回サツマイモ大収穫祭を行った。地域の老人クラブ「西原みどり会」の会員らを校内に招いてサツマイモを収穫、調理し昔の食生活を体験した。生徒たちは、各グループに分かれて大学イモやかりんとうなど各種イモ料理にも挑戦。戦前・戦後はイモを主食としていた当時の食事情などについて、参加したお年寄りに話を聞きながら交流を深めた。
 この収穫祭は、昨年の12月に植えたサツマイモを全校生徒60人で収穫。学区内にあるひよどり保育園の園児らも駆け付け、地域ぐるみで収穫の喜びを味わった。収穫したサツマイモは軽トラック1台分。
 生徒たちは、校庭でまきを燃やし、思い思いのイモ料理に挑戦。また、地域のお年寄りたちが昔はイモの副食となった油みそやイモの葉のあえ物などを持参し、当時の食生活を伝えた。
 参加した本村キミ子さん(79)は「戦前、戦後、イモは宮古の人にとって命の源だった。生徒たちには昔のご飯を知って、現代の豊かな食生活のありがたさを実感してもらいたい」と話し、炊いたイモをおにぎり状に丸めながらしきりに生徒たちに話し掛けていた。
 また3年生の砂川由美さんは「おばあたちと料理をするのは楽しい」と積極的に挑戦していた。

 写真説明・地域のお年寄りを招き、昔ながらのイモ料理に挑戦=9日、平良市立西辺中学校

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