200平成16  曜日

当選の喜び実感/県議選から一夜明け

 6日施行の県議会議員選挙から一夜明けた7日、平良市区で初当選した奥平一夫氏(54)と宮古郡区で再選した砂川佳一氏(60)は早朝から各方面を回り、当選の報告と感謝の意を伝えた。両氏は宮古毎日新聞社のインタビューに対し、それぞれ「一夜明けて当選を実感した」と感想、改めて当選の喜びをかみしめていた。両氏は与党、野党という立場の違いはありながらも協力し合うことを約束。固い握手を交わして宮古圏域発展のために全力を尽くすことを強調した。 9日間の選挙戦を制し、勝利した両氏に、改めて選挙戦を振り返ってもらいながら今後の抱負と決意を聞いた。

 写真説明・固い握手を交わし宮古圏域の発展を誓い合った奥平一夫氏(右)と砂川佳一氏=7日、宮古テレビスタジオで

□初当選した奥平一夫氏・平良市区
 県議会議員に当選して迎えた初めての朝は支持者からの喜びの電話でスタートした。奥平氏は「昨日は深夜3時ごろに寝て、きょうの午前6時半に当選を喜ぶ支持者からの電話で起きた。改めて当選したことを実感できたよ」と笑顔で話した。
 県議会議員となった今の感想については「自分ではまだイメージがわいていなかったが、先輩県議などから会派の立ち上げなどについての電話をもらって、少しずつ実感している」と話した。
 県議としての取り組みについては「非常に責任の重い役割を担っている。圏域の各自治体とも厳しい財政状況で宮古地区の合併協議もすっきりしていない。強制ではない『自立』を目指した合併を県議として推進したいと思う」と合併に意気込みを示した。
 宮古の課題については「最も気になる問題は大浦の産廃問題。住民が不安を抱いている現状を解消すべき。解消できていないのは行政の怠慢。私はしっかりと政治の場でこの問題を取り上げて不安を解消する活動を展開したい」と強い決意を示した。
 そのほか、厳しい財政状況を克服する取り組みの一つとして「これまで訴えてきた環境、観光振興に活用する協力税のようなものを観光客らから数百円程度徴収することを考えている。これは新たな財源となりNPO法人を立ち上げれば雇用の創出につながる。ぜひ、実現させたい」と話した。
 あす9日は県庁で当選証書付与式が行われるが本人は「あれ、知らなかった」と苦笑い。任期期間中は市町村合併など圏域にとっては大切な時期、奥平県議の活躍に注目したい。

 写真説明・当選から一夜開けて喜びと平良市区選出県議としての意気込みを示した奥平一夫氏=平良市東仲宗根の自宅

□再選した砂川佳一氏・宮古郡区
 「喜びと同時に安ど感があり、新たな決意も固めている」―。宮古郡区で再選した砂川氏は開口一番にこう述べた。「朝起きて当選できたんだと実感した。それと同時に次は何をやらなければいけないのかを考えた」と言う。「県立養護学校と宮古病院の新築移転、産業廃棄物の処理場設置など早急に着手しなければならないことがある」と声を強めた。
 当選から一夜明けた7日は、いつもより30分早い午前6時に起床した。すぐに「新聞をじっくり読んだ。やはりいつもとは違う朝の雰囲気だった。当選したことがよほどうれしかったと思うよ」と話した。
 選挙について「あまりすっきりしない選挙だった」と語る。「以前は身内にいた人が相手候補になったことなど政治とはこういうものかと実感した」それでも「複雑な構図の中での争いになったが潔く戦い、勝ち抜くことが私の使命と考えて気を持ち直した」と振り返った。
 2期目は「県議会の役割を原点に戻って考え直すとともに、これまで積み上げてきた経験を生かして頑張りたい。1期目の経験を踏まえ、2期目は具体性を帯びた公約を作り上げることができた。この公約の実現に向けて全力を尽くしたい」と力強く話した。
 そのためにも平良市区で当選した奥平一夫氏(54)と「宮古県域発展のために協同歩調でやっていけることを期待している。県議として目指すものは同じなので、協力し合える」と話した。
 市町村合併問題については、「県議としてリーダーシップを取るべきところにきていると思う。知事と連携しながら離島振興計画、伊良部架橋と重ねて考えていきたい」と意気込みを示した。

 写真説明・当選から一夜明けての心境を語る砂川佳一氏=7日、城辺町砂川の後援会事務所top.gif (811 バイト)
 

合併であす全員協/上野村議会

 上野村の川田正一村長はあす9日、同村議会議員を集め、全員協議会を開催する。今回の全員協では、先月27日に行われた多良間村を除く5市町村での合併法定協議会設置について協議する5市町村長会議で、合併期日が変更となったことや同村議会が求めていた任意協議会の発足について、「スケジュールに余裕があり、任意協なしでも十分な論議が交わせる」との理由で発足せずの判断となった経緯を川田村長が説明する。しかし、同村議会は「任意協の発足がなければ上野村は離脱する」との方針を強く示しており、今回どのような判断を下すかが注目される。
 5市町村長会議で川田村長は合併特例法が改正されたことを挙げ「2005年3月31日までに合併の議会議決、県に合併の申請をした上で1年以内に合併すれば現行と同じ特例を受けられる」と指摘。「来年1月1日の合併だと現在の地方交付税額が保証される10年間のうち04年度分は3カ月しか優遇期間が保証されず、財政面でも不利益」と主張し、合併期日は来年の4月1日以降となった。
 そのほか、川田村長は財政関係資料の公表や44項目の協議事項の再検討などを要望。財政関係資料は合併事務局が資料をまとめることになり、協議事項の再検討は大きな変更がないことから必要な場合に応じて行うこととなった。
 一方、村議会では先月18日に行った全員協で「合併はあくまで平等。赤字を抱える自治体と合併するのは不平等。片方が得をして片方が損をするというのは有り得ない」とし、他町村の財政状況を慎重に論議するため任意協議会の設立を強く要望。任意協発足が実現しなければ離脱する方針を打ち出した。
 しかし、任意協については設置せずこれまでと同様に首長会議で協議していくことがすでに確認されていたため、事実上の離脱となった。
 明日の全員協で川田村長は合併期日の変更などこれまでの経緯を説明した上で、5市町村法定協発足に向けて議会と意見交換し、統一を図る方針。

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つるに鈴なり/スジグロカバマダラ

 スジグロカバマダラ(マダラチョウ科)の群れが4日、平良市の大野山林で確認された。昼間の群れの乱舞は壮観で、夕暮れはつるにしがみついて鈴なりに。林内でウオーキングを楽しんでいた人らは「不思議」と感動の表情で観察していた。
宮古でよく見られるチョウ。集団でみつを吸ったり移動したりする性質があるが、その生態は謎に包まれている。
数年ぶりに大野山林で確認されたスジグロカバマダラの群れは、明るい日差しの中では低飛翔と休息を不定期的に繰り返していた。薄暗くなると、樹木の幹の高いところをひらひら舞った後、つるや葉っぱなどをねぐらにして休んだ。 
 スジグロカバマダラは、その名の通り黒い筋があるチョウ。出現時期は1年中。前羽の長さ約40ミリ。宮古諸島、八重山諸島、東南アジアなどに分布する。
 
写真説明・集団で休息するスジグロカバマダラ=4日、平良市の大野山林(伊良波彌記者撮影)

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地下水保全の取り組みを紹介/「水道週間」にちなみ講演会

  第46回水道週間(1―7日)にちなんだ講演会(主催・宮古島上水道企業団)が7日、平良市内のホテルで行われた。財団法人造水促進センターの小池壯一郎氏、荏原製作所の竹内良一氏、元沖縄テレビニュースキャスターの寺田麗子氏、県立宮古農林高校環境班の生徒たちが講師を務め、宮古島の地下水保全へ向けたそれぞれの活動や研究成果を紹介。今後の課題や環境に配慮した取り組みなどについて述べ、地下水保全への理解と意識高揚を促した。
 このうち「環境問題と有機農業」との演題で講演した寺田氏は、自らがこれまで取材したビデオを用いて、県内や宮古島内における開発や環境問題の現状を紹介。過去の映像と現在の映像を照らし合わせ、大きく変化した海や山の様子を訴えた。
 また、野菜受給率100%だというキューバの首都ハバナで展開されている都市農場について紹介。無農薬・有機栽培が義務づけられているハバナで、害虫よけの効果がある植物や、害虫同士が天敵の作物を組み合わせた栽培などで害虫対策に取り組んでいる様子や、家畜の排せつ物や生ごみを肥料として利用した土づくりについて説明した。寺田氏は「ハバナでは土づくりに命を懸けている。化学肥料を使うと畑が死んでしまうので、有機栽培でゆっくりと時間をかけて土を生き返らせるのだという。私たちは島の土、水、海の恵みを受けて生きている。有機栽培をすることは島を守り命を循環させることになる」と述べ、いっそうの地下水保全への取り組みを呼び掛けた。
 小池氏と竹内氏は「宮古島における水再生利用と課題」との演題で宮古の地質や水質汚染の要因などを説明し、「汚してから処理するより汚さない工夫」に意識を高めることを呼び掛けた。宮農環境班は「地下水保全」と題し、これまで取り組んできた「Bio―P」(バイオ・リン)の研究成果や今後の課題について講演した。
 水道週間は「安心の 笑顔ひろがる 水道水」をスローガンに全国一斉に実施されているもので、宮古島上水道企業団では水道に対する理解を深めてもらうため、水道相談所や給水点検などに取り組んでいる。

 写真説明・
講師それぞれが宮古の地下水保全に向け取り組みや現状を紹介した=7日、ホテルアトールエメラルド宮古島

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洲鎌栄一、来月世界初挑戦/「最後のチャンス」

 世界ボクシング評議会(WBC)フェザー級12位の洲鎌栄一(28)=尼崎=の世界初挑戦が7日、兵庫県尼崎市の同ジムで正式に発表された。来月24日にソウルで、同級王者の池仁珍(チ・インジン)(30)=韓国=からのベルト獲得に挑む。記者会見で洲鎌は「まだ夢みたいな話。地元でやるより敵地のほうがやりがいがある。人生で最後のチャンス。絶対勝てるように死ぬ気で練習する」と抱負を語った。
 同選手の宮古島後援会の仲間克会長(城辺町長)は「待ち望んでいた世界戦の決定に心から喜んでいる。後援会を挙げて応援したい。最初で最後のチャンスと思って頑張ってほしい」と期待を込めた。
 洲鎌は5月9日、世界前哨戦としてWBC世界同級12位のエクトール・ベラスケス(29)=メキシコ=と対戦。判定で引き分けに終わった。試合後、洲鎌は自ら完敗を認め引退をほのめかす発言をしたが、その後撤回。現在は世界戦に向け本格的なトレーニングを開始していた。
 対戦相手の池は初防衛戦。戦績は31戦28勝(17KO)2敗1分け。

 洲鎌 栄一(すがま・えいいち) 1975(昭和50)年生まれ。96年にプロデビュー。97年には全日本新人王獲得。01年に日本フェザー級王座を獲得。3度防衛後、02年に王座陥落。通算戦績は30戦26勝(19KO)3敗1分け。WBC世界同級12位。両親は城辺町出身。

 写真説明・02年1月、宮古合宿で汗を流す洲鎌選手

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