200平成16  曜日

稲嶺知事「満塁ホームランだ」/宮農高環境班が日本水大賞報告

 【那覇支局】宮古島の地下水を硝酸態窒素の汚染から守る保全活動で「第6回日本水大賞」と「青少年研究活動賞」の初のダブル受賞を達成した県立宮古農林高校環境工学科環境班の生徒たちが4日午後、県庁を訪れ、稲嶺恵一知事、山内彰県教育長に受賞を報告した。稲嶺知事は「満塁ホームランだ」と今回の快挙を喜び、「正に『継続は力なり』で、7年にわたって皆さんが先輩方から引き継ぎ、重要な課題で成果を上げた。先生方の指導も大変評価される。宮古は地下ダムはできた。今後、水質を維持し環境を守ることはソフトの大事な問題。皆さんの研究を普及させることは、宮古の発展にも大きく寄与すると思う」と述べ、生徒たちを激励した。

 報告には同校の下地恵吉校長、環境班を指導する前里和洋教諭を伴い、同班代表の川平勉君、副代表の山口香さん、津嘉山貴希君、砂川大輔君(以上、3年)と垣花勝彦君(2年)の5人が代表で出席。前日に東京の科学技術館で行われた表彰式で受賞したことを報告した。
 川平君が「この名誉ある賞は多くの先輩方から引き継がれ、先生方、地域の方々の指導や協力のおかげと思っている。表彰式では秋篠宮殿下からも激励を頂いた。これからも研究に頑張りたい」と、率直に喜びを話すと、稲嶺知事は拍手を送って喜び、快挙をたたえた。
 知事より先に報告を受けた山内教育長は「県内の生徒が教育界の大きな夢を実現してくれた。世界の学会レベルのことが高校生でもできるんだと、皆さんの研究活動から思った」と驚きと感激を示し、「世界大会でも頑張ってほしい」と期待を寄せた。
 青少年研究活動賞を受けた同班は、8月にスウェーデンのストックホルムで開催される世界水コンテストに日本代表として派遣される。

 写真説明・宮農高環境班が稲嶺知事(中央)に日本水大賞と青少年研究活動賞のダブル受賞を報告した。右は山内教育長=4日、県庁知事応接室

top.gif (811 バイト)

ハンセン病患者111人を追加刻銘/平和の礎(いしじ)

宮古6市町村は53人

 【那覇支局】稲嶺恵一知事は4日、沖縄戦戦没者の氏名を刻む平和の礎の2004年度の追加刻銘者が672人で、昨年度(164人)の4倍に増えたと発表した。内訳は県内165人、県外492人、外国(韓国)15人。この中には県内のハンセン病療養所で死去した111人が含まれる。韓国出身者は調査報告により日本名の名簿から本名が判明した14人と遺族から申請のあった1人が加わった。宮古市町村の追加刻銘数は平良市21、城辺町13、下地町2、上野村2、伊良部町12、多良間村3の計53人。追加刻銘工事は18日までに終える予定で、来る23日現在で刻銘者総数は23万9092人になる。
 稲嶺知事は「戦没者遺族の心情に配慮し、今後とも刻銘の基本方針や申告方法等についてより一層の周知を図り、沖縄県などで尊い命を失った戦没者の追加刻銘に積極的に取り組む」と決意を示した。
 礎については昨年6月に刻銘対象を広げ、申請要件も緩和したため、ハンセン病療養所・沖縄愛楽園と宮古南静園からの団体申請なども可能になった。稲嶺知事は「ハンセン病元患者などの刻銘については、今後も個人のプライバシーに配慮しつつ推進していく」との考えを示した。

top.gif (811 バイト)

アワ たわわに実る/平良市西原・大濱さんの畑

 大濱義弘さん(67)=平良市西原=が営むマンゴー園の一角で、アワがたわわに実っている。草丈は約2メートルと高く、重い実を持ちかねているよう。大濱さんは「こんな大きなアワを見たことはない」と、驚きの表情を見せている。
 このアワの種は4年前に、池間島に住む知人からもらった。最初の年は、1アール植え、今年は4アールに増えた。収穫は6月中旬ごろになる。昨年の草丈は1メートルほどだったが、今年はその2倍の2メートル。実も昨年の2倍は取れそうだという。大濱さんは「昨年は台風14号が来て大変な被害を受けた。今年は台風もなく、このアワのように豊作の年であってほしい」と願う。
 アワは人頭税制のころ、宮古の人々が税金の代わりに納めていた歴史的作物。人頭税廃止後も栽培されていたが、現在はほとんど見られなくなった。
 大濱さんの話によると、アワは昔おむすびにして食べ、神行事の際は神酒をこしらえ御嶽の神に供えていた。妻のシゲ子さんは「アワは米と混ぜて炊くと、粘り気が出てうま味が増す」と今風の食べ方を紹介する。
 「昔から伝わる穀物は、大事に受け継いでいく必要がある」と話す大濱さん。アワのほかにヒエやダイズも大事に育てている。

 写真説明・たわわに実ったアワの前で大濱義弘さん=宮古島太陽農園

top.gif (811 バイト)

犯罪の未然防止に地域一丸/平良市立南小・

安全マップ作製で出発式

 宮古警察署(伊波盛春署長)と宮古地区の各行政機関が中心となって取り組んでいる「宮古かぎすま安全なまちづくり推進協議会」(会長・伊志嶺亮宮古市町村会長)の一環で、事件や事故から児童らの安全を守ることを目的とした地域安全マップ作製の出発式が3日、モデル校に指定されている平良市立南小学校の体育館で行われた。児童らを中心に各関係機関が一堂に会し、犯罪のない安心、安全な地域をつくるため決意を新たにし、協力を誓い合った。

 あいさつに立った伊志嶺会長は「犯罪の起こらない地域づくりのため、この計画は非常に有意義なもの。協力、連携して良い地図を作りましょう」と述べた。
 同署の伊波署長は「犯罪はいつ、どこで発生するかわからない。犯罪を未然に防ぐためには地域の協力も大きい」と協力を呼び掛けた。
 同校の長濱哲雄校長は「地域の様子を知るために、有効な活動。危険個所の改良、改善を各機関と連携し実現に向けて頑張りたい」と話した。
 式では「安全マップ用具交付式」も行われ、宮古教育事務所の本村幸雄所長から同校児童に地図作製に必要な画板、色鉛筆、定規などが贈られた。
 同校5年の与那覇力斗君、砂川健矢君、亀山拓人君、島尻貴君が「自分たちの地域を誰からも愛される安全・安心な街にします」などと決意を表明した。
 同協議会は犯罪のない地域づくりを目指し、行政機関や警察機関などが協力して県下一斉に展開している「ちゅらさん運動」の一環。同協議会の地域安全マップ作製事業は同校をモデル校とし、児童の目線から学区内の危険個所をリストアップすることが目的で、夏休み前の7月上旬の完成を目指している。それにより、行政機関は危険個所の修繕や修理を、警察機関はパトロールを強化する。

 写真説明・本村所長(右)から「安全マップ用具」を受け取る児童ら=3日、南小学校体育館

top.gif (811 バイト)

不審者侵入で対策講習会/下地小・教員ら応戦技など学ぶ

 不審者から子供たちを守れ―。下地町立下地小学校(砂川和子校長)は4日、同校で不審者侵入防止対策実技講習会を実施した。講習会は教員を対象に行われ、不審者への応戦や児童の誘導などを通して防犯意識を高めた。
 この講習会は学校側の要望に宮古署が協力して開かれた。教室内に突然不審者が侵入するのを想定して行われた。
 1回目の訓練は不審者に扮した署員の迫力に驚き、的確な対応ができなかったが、署員らの説明を受けた後、再度訓練を実施。犯人をいすなどで侵入阻止し、非常ベルや校内放送で注意を呼び掛け、警察へ連絡するなどスムーズに対応した。
 指導に当たった宮城信弘少年係長は「1回目はまったく対応できなかったが2回目は良かった。いすで犯人に応戦するなど良い対応だった。犯人の特徴もベルトの色まで覚えていた」と講評した。
 古堅直子教諭は「訓練と分かっていても、不審者が侵入するとパニックになり、対応できなかった。きょうは対応手順が分かった。何かあった場合は、パニックにならずに児童を安全に誘導したい」と話した。

 写真説明・不審者の侵入を阻止する教員=4日、下地小学校

top.gif (811 バイト)



top.gif (811 バイト)