200平成16  曜日

伊良部男子が2連覇/県高校総体バレーボール

 県高等学校総合体育大会のバレーボール競技は最終日の1日、那覇市民体育館で男女の決勝リーグを行った。男子の伊良部は前日の決勝リーグ第 1試合で美里工業を破った勢いをそのままに、豊見城と優勝候補の西原に連勝。3戦全勝で昨年大会に続き2連覇を果たした。伊良部は18日から沖縄本島で行われる九州大会、8月8日から広島市で行われる全国高校総体に出場する。宮古空港では父母や教職員らが「優勝おめでとう」と拍手で出迎えた。天願誠也主将は「ずっと勝てなかった西原に勝っての優勝。今までで一番うれしい」と笑顔を見せた。

 伊良部は決勝リーグ第2戦の豊見城戦を第1セット25―20、第2セット25―14、セットカウント2―0で危なげなくストレート勝ち。
 最終戦の西原戦は一点を争う大熱戦となった。伊良部は第1セットを25―22で先取するも、第2セットは春の全国大会に出場した西原が意地を見せ、21―25で失った。第3セットは常に西原にリードされる展開だったが終盤22―22の同点に追い付くと、最後は好レシーブから攻撃につないで3ポイントを連取。25―23でこのセットを取り、セットカウント2―1で激戦を制した。昨年果たせなかった全勝優勝に、選手、監督ともうれし涙を流して喜びを爆発させた。天願主将は今大会を振り返り、「準々決勝の宮高戦では慣れた相手ということで気が抜けた場面もあったが、美里工業に勝てて波に乗った。西原戦は今までで一番うれしい勝利。応援してくれた皆さんに感謝したい」と笑顔を見せた。
 城間亮監督は「レシーブでつないで我慢し切れたことが攻撃につながった。最後まで集中できていた」と勝因を分析。「生徒たちは絶対連覇すると誓い、その言葉通りに最後までよく頑張ってくれた」とたたえた。
 会場で声援を送った比屋根充校長は「離島のハンディを乗り越えて連覇を達成したことは、応援していただいた伊良部町の皆さん、ほかの生徒たち、宮古圏域の皆さんみんなの励みになるだろう」と喜びの言葉を述べた。

 写真説明・決勝リーグ3戦全勝で県高校総体2連覇を果たした伊良部の選手ら=1日、宮古空港

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似通った公約、政策論争見えず/県議選

 6日の投票まで間近に迫った県議会議員選挙。計6人が立候補している宮古の2選挙区(平良市区、宮古郡区=ともに定数1)では各陣営が最後の集票に力を入れている。各候補とも地域の抱える課題解決を公約に掲げ、支持浸透を図っている。しかし狭い地域だけに似通った公約が多く、有権者の判断基準は地縁血縁や、各市町村内の当局・反当局の勢力争いの構図に巻き込まれているのが現状だ。
 立候補しているのは市区、郡区で各3人。市区で革新系の支持する新人候補のみが「宮古空港・下地島空港の軍事利用反対」との公約を掲げているが、残る5候補は保守系で掲げる公約は農業や観光などの産業振興、伊良部架橋の早期着工、県立病院の新築移転などで他候補との鮮明な違いが打ち出せていない。革新系の新人候補も「宮古空港・下地島空港の軍事利用反対」以外は、地域の課題解決を掲げており、全体的に見ると6候補とも公約が似通っている。
 市区は稲嶺県政を支える与党の自民党と公明党が分裂。自民公認の現職候補と公明推薦の新人候補が激しく保守陣営内部で勢力争いを展開している。革新系の新人候補も立候補表明が出遅れたため革新勢力の再構築に力を注ぎ、情勢は混とんとしている。
 郡区は自民・公明から支援を受ける現職候補に保守系の新人2人が挑む構図。各町村では当局勢力と反当局勢力の構図で進んでいる。現職候補は上野村を除く4町村の首長の支持を取り付けた。新人候補は反当局勢力や革新勢力、一部の当局勢力などで支持を浸透させている。
 市区、郡区の各候補とも支持を取り付けた首長や議員の支持基盤をまとめる形で浸透を図る選挙戦となっている。

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一律カット案に組合反発/市職員給与削減

 平良市(伊志嶺亮市長)は1日午前、2つの職員労働組合(自治労市職労、自治労連市職労)と給与削減に関する団体交渉を行ったが、両組合とも市当局が提示した一律5%カット案に対して、「一律カットではなく、平均 5%とすべき。まずは管理職の削減や管理職手当のカットが先」などと反発した。組合側は「これまで超勤手当をカットするなど、職員は1億円もの協力をしてきた。そのことに対する執行部の評価が何もない。執行部に誠意が感じられない」と当局側を批判した。当局は給与削減案を今月半ばに開会する6月議会に提案する予定だったが「(組合との)交渉を打ち切っての提案はしない」との言質を取られ、提案は困難な状況だ。
 また組合側は今年度の人事院勧告もマイナスになることが確実として「5%に人事院勧告分を含めるべきだ」と主張した。
 当局側から交渉に当たった下地学助役は「市民にも負担を強いており、職員も応分の負担をしていこうということであり、すぐ職員給与に手を付けるという考えではない」、糸数健総務部長は「いかに歳入を増やし、支出を減らすかということでやってきたが、職員給与に手を付けざるを得ない状況。5%という数字には根拠はない」と述べた。
 市が提案した削減案は7月から12月末までで総額は8605万円。先に提案していた定期昇給凍結は撤回した。市当局は削減案を練り直し、再度、組合側に提示する。

 写真説明=職員給与削減案に組合側から激しい反発を受け当局側は苦しい説明に終始した=1日、平良市役所

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1リットル5円アップの115円に/ガソリン価格値上げ

 中東情勢の混迷による原油価格の高騰で、大手石油元売り各社が1日から、ガソリン1リットル当たりの価格を約4円値上げした。これに伴い、県内の卸売業者やガソリンスタンド(小売業者)も2―5円の値上げ。宮古地区の小売価格は1リットル当たり5円値上げされ、110円から115円になる。消費者の間では「ただでさえ沖縄本島と格差があるのに値上げは苦しい」と、価格の据え置きを求める声もある。

 宮古給油所の卸元となる新日本石油の沖縄支店では「湾岸危機以来の上げ幅で末端にいる消費者にとっては、かなり大きな数字だと思う。小売価格については各小売店の努力に任せるしかないのが現状」としている。
 宮古地区のガソリン価格はJAおきなわ平良給油所と上野給油所が一日から値上げを開始。宮古給油所は第1、第2、第3給油所ともにきょう2日から値上げする。いずれも1リットル115円。
 今回の値上げについてJAおきなわ平良給油所は「数日前から張り紙で通知しているが(値上げは)仕方がない措置。原油価格が安定すれば元の価格に戻したい」と理解を求める。一方、宮古給油所は「仕入れの価格が上がっている以上、(値上げは)どうしようもない措置。値上げについては新聞やテレビで報道されているので、特に混乱はない」とした。
 消費者の反応はさまざまだ。平良市内に住む会社員男性(41)は「日常の中で購入するものが値上げされるのは1円でも2円でも苦しい」と厳しい表情。同市内の会社員女性(26)は「まだピンとこないが、これからじわりとくると思う。いずれにしても節約に努めるしかない」と話した。

 写真説明・原油価格の高騰に伴い宮古地区ではガソリン1g当たり5円値上げされる=1日、平良市内の給油所

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品質基準表示がスタート/県内泡盛

 県内の泡盛酒造会社で組織される県酒造組合連合会は1日から、古酒の年数表示などを厳格化し、ブレンド酒と区別する新基準による泡盛の出荷をスタートさせた。これまで以上に消費者の信頼を築き、泡盛ブランドの揺るぎない形成を図りたい考えだ。新基準による古酒は順次店頭に並ぶが、しばらくは従来の古酒と同時に販売される見通し。古酒の年数表示厳格化について消費者の間では「いい基準と思う。古酒の信頼につながる」などと好評だ。
 泡盛の古酒は従来、例えば「10年古酒」と表示されていても、8年古酒など貯蔵期間が短い泡盛が混合されている場合もあるなど基準があいまいだった。このため消費者からは「不親切だ」などという指摘があったという。同連合会ではより明確な品質表示が必要との認識で論議を重ねた結果、これまで酒造会社によって決められていた詰口年月日の表示を義務付け。さらに「古酒」で年数を表示する場合、全量を表示年数以上貯蔵したもの、あるいはそれ以上の年数を貯蔵した泡盛を混合したものに限ることも定めた。
 仮に「5年古酒」なら「5年古酒」あるいは「5年古酒100%」などと表示し、5年以上貯蔵の泡盛を混合した場合については「5年古酒90%、8年古酒10%」などとなる。一般酒に古酒を10%以上、50%以下の割合で混合した場合は「混和酒」「ブレンド酒」と表示することになっている。
 基準を満たしているかどうかは「品質管理監査委員会」がチェック。基準に違反した酒造所は公表されるという。
 この取り組みについて大方の消費者は歓迎。平良市内に在住し、こよなく泡盛を愛する会社員男性(53)は「ランク付けを明確にすることで品質の向上につながる」と話した。城辺町に住む農業男性(48)は「何よりもブランドの安定につながるし、地元だけでなくて県外の消費者にも信頼されると思う」と歓迎している。

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ハブクラゲ発生注意報を発令/対策連絡会議

 本格的な海水浴シーズンを迎えことで、宮古地区ハブクラゲ等対策連絡会議(主催・宮古福祉保健所)が 1日、同所健康増進室で開かれた。市町村やダイビング業者の関係者ら多数が出席。今後のハブクラゲなど海洋危険生物による危害を未然に防止すための取り組みを確認した。この日、県は6月1日―9月30日までの4カ月間のハブクラゲ発生注意報を発令した。
 冒頭、主催者を代表して高江洲均所長があいさつ。「残念ながらハブクラゲが何で発生するのか分かっていない。われわれにできることは防止策しかない」と述べ、連携による対策強化に期待した。
 次いで県宮古支庁総務観光振興課の川満勝也主幹が、先月那覇で開かれたハブクラゲ等対策連絡協議会についての内容を報告した。
 この中で、川満主幹は「沖縄本島では例年より約1カ月早い5月ごろからハブクラゲが発生しており、侵入防止ネットの設置を急いでほしい」と協力を求めた。
 ハブクラゲのひと月早い発生を受け、平良市はパイナガマビーチにハブクラゲ侵入防止ネットを7月1日から設置する予定だったが、今月中に設置する考えを示した。他の町村も早急に対策を講じる方針。
 ハブクラゲ刺傷を未然に防ぐ自衛策として▽ハブクラゲ侵入防止ネットの内側で泳ぐ▽遊泳時にはできるだけ肌の露出を避ける▽海に出掛ける際には、酢(食酢)の持参―を挙げている。
 ハブクラゲに刺された場合は▽刺された部分はこすらず、酢(食酢)をたっぷりかけ、ハブクラゲの触手を取り除いた後、水や冷水で冷やす―などの応急措置が重要としている。

 写真説明・ハブクラゲ侵入防止ネットの早期設置を確認した会議=1日、宮古福祉保健所

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