200平成16  曜日

平良市、給与5%カットを提案/職員反発「納得できない」

 平良市(伊志嶺亮市長)の「財政状況及び給与等の減額措置に係る職員説明会」が31日、市内のレストランで開かれ、当局が市の財政状況や職員給与減額案について説明した。その中で当局側は、定期昇給はそのままで給与を5%カットする案を示した。当局案では給与分、期末手当分を含めて8604万9772円の歳出が抑制される。

 午後5時から行われた説明会では、職員から「赤字だからすぐに職員給与を下げてくれでは納得できない」「行革に対する当局の責任感が感じられない」「なぜ総務課、企画室に課長が2人もいるのか、役職を減らすべき」などの不満の声が当局に向けられた。
 職員側からの指摘に対して伊志嶺市長は「行政のスリム化には取り組みたい。また、これまでの国、県、市町村の行政の進め方がこの状態を招いた。国、県、市町村とも反省しないといけない。市民にも負担を強いているので職員も理解してほしい。また今後、議員にも協力を求めたい」と述べた。
 今回当局側が示した削減案では、7月から12月までの6カ月分の給与の5%カットで、その削減額は4065万2820円となる。期末手当は6月支給分から適用され同月、12月分を含めた削減額は4539万6952円となり、合計8604万9772円の歳出が抑制される。
 当初、当局側は定期昇給の取り止めと給与5%カットを今年4月からの実施で提案していたが職労との交渉が長引いたことなどで譲歩し今回の提案内容となった。
 きょう、1日にも職労と当局との団体交渉が予定されているが当局側は今回示した案を実施する方針となっている。

 写真説明=給与減案を説明する当局に対して職員から不満の声が上がった=31日、レストランクール新館 

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平良市区・保守系のねじれ深刻化/県議選

 6月6日投開票の県議会議員選挙は告示後、各陣営とも支持拡大を目指した激しい選挙戦を展開している。平良市区(定数1)では、保守系が国会議員の応援来島をめぐりねじれの構図がさらに混迷を深め、深刻な状況となっている。また、宮古郡区(定数1)は大票田の伊良部町で 3候補者が活発な遊説活動を展開。伊良部島内で白熱した選挙戦を展開している。

 市区では現職で2期目を目指す坂井民二氏(54)が自民党県連公認を全面に掲げ選挙戦を展開。新人で前市議会議員の奥平一夫氏(54)=民主、共産、社大推薦=は革新系の票固めの選挙戦だ。また、同じ新人で前市議会議員の嵩原弘氏(49)も公明推薦を受けさらに県選出国会議員も巻き込んで「与党候補」をアピールしている。
 市区は、5月21日に応援来島した稲嶺恵一知事もあえて坂井、嵩原両陣営を訪問するなど、自公分裂選挙で苦しい立場を露呈した。こうした状況で自民県連の党紀委員会は同22日に嵩原氏の党除名処分を決定。
 しかし、同30日には衆議院議員の仲村正治氏、西銘恒三郎氏、参議院議員の西銘順志郎氏の3氏が来島し、自民県連の行動自粛を無視する形で嵩原氏陣営のみで応援あいさつを行った。この行動に坂井陣営は対応について現在検討中だが強い不信感を示している。
 現職で自民県連公認候補を素通りして、公明推薦とはいえ自民党県連から除名処分となった候補者のみの応援を行う「理由」が見えない状況だ。
 嵩原氏の陣営で応援あいさつを行った3人の国会議員は「稲嶺県政の自公路線」を強調し嵩原氏支持を訴えるが、現職で自民党公認候補を無視する理由にはならず別の「意向」が見え隠れする。投票日が間近に迫る中、市区保守陣営の状況は泥沼化の様相を呈している。
 一方、郡区は保守系無所属の新人で前城辺町教育委員、自営業の下地一美氏(52)と自民党公認の現職で2期目を目指す砂川佳一氏(60)=公明推薦=、保守系無所属の新人で前上野村助役、会社役員の西里秀徳氏(61)の 3氏が大票田の伊良部町で激しい選挙戦を展開している。
 3陣営とも同町を重点地域ととらえており、先月28日の告示後すぐに選挙カーを投入し、支持拡大に向けた激しい遊説合戦を展開している。選挙期間中は3陣営とも宮古本島内の地盤固めに加え、伊良部町での支持拡大を目指した選挙戦を展開する見込みだ。

 写真説明・県選出の自民党国会議員が嵩原氏の応援に駆けつけたが、自民党公認の坂井陣営はその行動に不快感を示している 

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きょうから環境月間/不法投棄に目光らす

 「広げよう地球に優しい暮らし方! 思いやりは沖縄から!」をテーマにきょう1日から、2004年度「環境月間」がスタートする。30日までで実施主体は県と各市町村。宮古では宮古福祉保健所や各市町村などによるごみの不法投棄の一斉パトロールをはじめ、各市町村では自治会単位での美化活動などが予定されている。
 宮古では各地の道路が整備され沿道の緑化・美化も進むなど、生活環境、観光客を受け入れる環境は整えられつつある。しかし一方で林の中や海岸沿いなど、人目のつかない場所ではごみの不法投棄が後を絶たない現状は解消されていない。
 宮古福祉保健所では月間中に各市町村、宮古警察署などと共に、不法投棄現場の一斉パトロールを行う予定。
 各市町村でもさまざまな事業を計画している。特に昨年から不法投棄が相次いで確認されている城辺町では活動を強化する方針。通常、清掃車は回収を知らせるために音楽を流しているが、月間中は不法投棄防止を訴えるテープを流し、環境問題への町民意識を高めたい考えだ。このほか町内に放置されている自動車の所有者割り出し作業も進める。
 同月間は行政、企業、民間団体、県民が参加し、持続可能な社会の構築に向けた県民1人ひとりの意識高揚と実践を促進するのが目的。おきなわアジェンダ21県民会議と県地球温暖化防止活動推進センターが共催している。
 「環境月間」の制定は、1972年にスウェーデンで開催された国連人間環境会議で6月5日を「世界環境デー」としたことがきっかけ。以降、日本では6月5日から一週間を「環境週間」とし、91年、活動強化を図ろうと「環境月間」に拡大された。

 写真説明=不法投棄を呼びかける看板の下にごみが散乱している場所もある=平良市

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「ごみゼロの日」で清掃活動/市民や子どもたちが汗だく

・池間中生徒・島民
 2004池間中学校・池間島民530(ごみゼロ)運動でごみの無い美しい島にしようと、第1回池間島クリーンアップ作戦(主催・池間中生徒会)が5月30日午前、平良市池間島南海岸で実施された。大勢の子供や住民らがボランティアで参加。海岸に不法投棄された廃自転車などの鉄類を一∴ネ上回収し、足元から地球環境の保全に貢献した。
 同作戦は、環境教育推進中学校としての目標である「身近な環境に目を向け、その保全・創造に自ら学び行動できる生徒」の実践行動の一環で行われたもの。同島の清掃美化活動を行うことで、島のごみ問題の現状などを把握し、ごみ問題を地域一丸となって考える機会とすることなどが目的。
 開始式で、主催者を代表して浜元優美生徒会長があいさつ。「今回のごみ回収は、総合学習の環境教育の一環で行われる。Think globally Act locally、考えは地球規模で行動は足元から。ごみゼロの島を目指して頑張ろう」と述べた。
 次いで全員で気合いを入れるため、ガンバロー三唱を行い、軍手をはめそれぞれの場所へ移動した。
 コンクリート護岸の下の海岸や磯には住民の一部が不法投棄したテレビや炊飯器などの不燃ごみが大量に散乱。現場は危険な状況だったので、大人が用意されたプラスチック箱に鉄類のごみを入れ、その箱を同護岸の上に待機している中学生へ手渡した。ごみはたちまちトラックいっぱいに。
 小学生らは半透明のビニール袋を片手に小さいごみを拾った。その袋も見る見るうちに満杯になった。
 子供たちから離れた現場では、住民らが岩場から大量のごみを撤去した。
参加した70代の男性1人は「池間の大人は平気で海に向かってごみを捨てている。大人の意識を改革しない限り、不法投棄は続く」とあきれた表情で話した。

 写真説明・不法投棄のごみ回収に汗を流していた子供ら=5月30日、平良市池間島南海岸

・平良市民運動実践協
 「ごみゼロの日(530)」にちなみ平良市民運動実践協議会(前川尚誼会長)のクリーン部会(砂川恵美子部会長)は5月30日、宮古空港入り口周辺のボランティア清掃を実施した。同部会をはじめ、市、観光協会、宮古支庁などから約40人の職員が参加。伊志嶺亮市長も駆け付け、ごみゼロの日のPRと美ぎ島宮古を目指し清掃活動に汗を流した。
 クリーン部会は、市民に清掃活動など市民運動を普及推進することを目的に、各地で定期的にボランティア清掃を行っている。ごみゼロの日にちなみ活動するのは今回が初めて。
 前川会長は「クリーン部会が中心となり大勢集まってくれた。宮古の表玄関となる空港前を清掃し、観光客らを迎えましょう。いい汗をかいて頑張りましょう」とあいさつした。
 この後砂川部会長が清掃の際の諸注意と、清掃範囲の説明を行った後、伊志嶺市長は「空港は宮古の顔。観光客が気持ちよく滞在できるよう、頑張りましょう」と激励した。
 参加者らはほうきやかまを手に枯れ葉などを拾い集めたり、生い茂った雑草を刈り取り環境美化に努めた。

 写真説明・ごみゼロの日にちなみ大勢の参加者が清掃活動した
=5月30日、宮古空港前 

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2500人の署名活動/広域葬祭場・住民ら「建設場所に反対」

 宮古広域圏事務組合が平良市袖山で進めている広域葬祭場建設計画について、建設場所に反対する住民らが31日、伊志嶺亮代表理事(平良市長)に対し、2500人分の反対署名を提出した。伊志嶺代表理事は「平良市だけでなく他町村の人も利用する施設なので、島の中心が良いという考え方で、当地に決めた」と説明した上で、「反対署名が提出されたことを報告し、理事会で話し合ってみたい」と答えた。
 署名活動を行ってきたのは、広域葬祭場建設予定地に反対する地域住民の会(下地隆義代表)で、近隣の鏡原地区だけでなく宮古全域から集めた。下地代表は「建設予定地決定を新聞報道で知って以来、一貫して断固反対の意志を表明し、再考をお願いしてきた。しかし場所変更の考えはないとの議会答弁があり、その説明を求めたが説明会も開催されていない。5月1日から署名活動を始め、25日間で2535人の署名が集まり、意を強くしている」と話した。
 広域圏事務組合によると、建設予定地は墓地公園に隣接していることや近隣に住宅がなく、加えて市有地となっていることから用地交渉等も省かれる。保安林となっているが敷地分の面積を新たに造林することでクリアできるという。今年度は実施設計を行い、来年度で着工し、2006年に供用開始する計画。宮古本島で唯一稼働している民間の火葬場が老朽化していることや、火葬料金が沖縄本島などの公営火葬場と比較して高額なことから、住民から改善を求める声が強まり、葬祭場建設が急務となっている。反対署名を提出した住民らは「葬祭場建設に反対するものではない。建設場所に反対」としている。

 写真説明・伊志嶺市長に反対署名を提出する下地代表(右)=31日、平良市役所

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八重干瀬での座礁相次ぐ今年4隻、海保「異常事態」

 平良市池間島北方の八重干瀬で、今年に入ってから船舶の座礁が相次いでいる。5月30日までに外国船籍3隻、日本国籍1隻の計4隻が座礁した。平良海上保安署では「異常事態だ。第11管区海上保安本部と安全運航について検討したい」と話し、 4隻とも電子海図を適切に活用していたのか疑問視する。
 最初は2月21日にインドネシア船籍のタンカー船が座礁、自力で離礁した。
 2隻目は3月12日に台湾船籍の漁船が座礁・水船となった。台湾から来航した作業船が撤去作業を行い、台湾へえい航した。
 3隻目は5月19日に宮崎県船籍の漁船が座礁。漁船は撤去された後、現在池間漁港で解体されている。
 4隻目は5月30日にオーストラリア船籍の船舶で、座礁しタグボートによって離礁。現在は平良港で修繕作業を行っており、最終目的地のシンガポールに向け出港するにはあと数日間かかるという。4隻の各乗組員らにけがはなかった。油流出による大きな海洋汚染もなかった。 

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