200平成16  5 29曜日

平良市区・宮古郡区に各3人が立候補/県議選告示

 任期満了に伴う第9回県議会議員選挙が28日告示され、6月6日まで9日間の選挙戦本番に突入した。全県15選挙区の定数48人に対して72人が立候補を届け出た。宮古の2選挙区(平良市区、宮古郡区=ともに定数1)では、それぞれ現職と新人2人が届け出、両選挙区とも3つどもえの構図となった。午前8時半に届け出を済ませた6人は各選対事務所前で出陣式に臨んだ。集まった支持者を前に、選挙に臨む決意などで第一声を放った後、一斉に街頭遊説に繰り出した。27日現在の有権者数は全県で101万3778人、平良市区は2万6143人、宮古郡区は1万6751人となっている。

 平良市区で立候補を届け出たのは自民党公認の現職で2期目を目指す坂井民二候補(54)と、革新系無所属の新人で前市議会議員の奥平一夫候補(54)=民主、共産、社大推薦=、保守系無所属の新人で前市議会議員の嵩原弘候補(49)=公明推薦=の3人。宮古郡区は保守系無所属の新人で前城辺町教育委員、自営業の下地一美候補(52)と、自民党公認の現職で2期目を目指す砂川佳一候補(60)=公明推薦=、保守系無所属の新人で前上野村助役、会社役員の西里秀徳候補(61)の3人。市区に立候補した奥平候補以外の5はいずれも与党保守系で、政策的な違いがほとんど見られず、保守陣営内部の勢力争いの様相だ。
 県議会の現有勢力(欠員2人)は与党系が28人、野党系が18人。稲嶺県政を支える与党系が引き続き安定多数を確保するのか、野党系が勢力を伸ばすのかが最大の焦点。宮古の2選挙区は与党系が2議席を占めており、それがどう変わるかが注目される。7月に参院選が行われるが、宮古では参院選との「セット戦術」はほとんど見られない。
 平良市区は2年前の市長選挙と同様に保守陣営が分裂、革新系1人、保守系2人の選挙構図。宮古郡区は3人とも与党保守系で、革新勢力を巻き込みながらの複雑な争いとなっている。

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平良市区 各候補者第一声

・坂井 民二候補 経験基に花咲かす
 1番くじを引いた。この選挙戦で1番になるため、皆さんの力を貸してほしい。
 農漁業、教育、福祉、公共工事と、多くの課題がある。それを1つ1つ解決していくのが政治家としての仕事だ。4年前、皆さんに県政に送っていただいた。この4年間、県政の場で人脈づくりをし、仕事のあり方やさまざまな圏域の発展のあり方を見てきた。この経験を基に、次の4年間を継続することによって、さまざまな課題をきちっとした形で花を咲かせることができる。「民二を選んで良かった」と、皆さんが誇れるような政治に取り組みたい。
 皆さんの力を最後まで貸していただきたい。6月6日に祝杯を挙げられるように、誠心誠意、頑張っていきたい。
 坂井 民二(さかい・たみじ) 1949(昭和24)年9月24日生まれ。54歳。平良市西里出身。東京写真大学(現東京工芸大学)卒。宮古青年会議所理事長などを経て、89年平良市議初当選、3回連続当選。2000年県議初当選。

・奥平 一夫候補 市民の暮らし守る
 今、届け出を済ませて2番くじを引いた。勝利の「V」だ。出馬の遅れが指摘されていたが訪問活動の中で「一夫頑張れ」との温かい言葉をたくさん受けて強い支援と支持を感じ、先に出馬を表明していた他の候補と今では肩を並べることができた。
 この選挙は、平良市民、宮古の声を県政にストレートに伝えられる人を選ぶ大切な選挙であり、もう一点は国の様子、県の顔色をうかがうだけの政治をするのか、それとも市民の声をじっくり聞く人を県政に送るのかを問う選挙でもある。
 私は市民の暮らしを守るため、市民の目線で地域をとらえ行動してきた。県政に宮古の声を届けるために6月6日の投票箱のふたが閉まるまで全力で頑張りたい。
 奥平 一夫(おくひら・かずお) 1949(昭和24)年7月20日生まれ。54歳。平良市東仲宗根出身。沖縄大学卒。写真館代表。93年平良市議初当選、連続3回当選。同議会副議長歴任。

・嵩原 弘候補 宮古の発展を実現
 いよいよ決戦の時が来た。3人の候補者が勢ぞろいし、市民の審判を受ける立場となった。政策公約は似かよったものがあるが、宮古島という離島をどのように発展させるか、誰が実現できるかは市民1人ひとりがこれからの選挙戦をしっかりと見て判断してくれると思う。これまで私に寄せていただいた熱い思いをさらに広めていただくよう、よろしくお願いしたい。
 宮古の大きな歴史の転換期であるこの1年を、皆さん1人ひとりで手を取り合って団結してつくり上げ、私を皆さんの代理人として県議会の現場に派遣していただきたい。
 偏らず、公平でしっかりとした仕事をし、きちんと結果を出すよう頑張っていく。
 嵩原 弘(たけはら・ひろし) 1954(昭和29)年8月28日生まれ。49歳。平良市東仲宗根出身。東京読売理工専門学校卒。1級建築士。会社代表。宮古青年会議所理事長などを経て、2001年平良市議初当選。

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宮古郡区 各候補者第一声

・下地 一美候補 政治風土の浄化を
 いよいよ決戦の火ぶたは切って落とされた。6月6日までの10日間でわれわれは正々堂々の旗を打ち立て、「政治風土の浄化」というスローガンと8つの基本政策の実現のために、魂を込めた戦いの時が来た。
 党利党略の政治をこれ以上継続してはならない。また、派閥のしがらみや思惑がむき出しの政治もいけない。一部の特権階級や権力者のための政治もお断りだ。
 1人ひとりがそれぞれの地域でそれぞれの立場で、それぞれの役割を一生懸命取り組んでいただきたい。皆さんの活動は投票日に結果として表れる。
 これから残された投票日まで下地一美初当選に向けて、皆さんの力添えと互いの団結をお願いしたい。
 下地 一美(しもじ・かずみ) 1951(昭和26)年8月9日生まれ。52歳。城辺町比嘉出身。沖縄大学卒。ホテル代表者。元城辺町社会福祉協議会評議委員。前城辺町教育委員。宮古地区合併協議会委員。

・砂川 佳一候補 公約必ず実現する
 潔く、正々堂々、皆さんの力を借りて戦い抜きたい。
 私は県議に当選してから1期4年間、県政与党の立場で宮古郡区の5町村長とともに一生懸命働いてきた。伊良部架橋や宮古病院の新築移転問題など芽出ししている事業もあるが、これから始めなければならないこともある。地下ダムの水を伊良部島へ送水することや観光産業、雇用創出事業なども着実に進めなければならない。まさにこれから大事な局面を迎える。これを実現するためにも県政、国政のパイプ役であり、自公路線を支持する私を勝たせてほしい。掲げている公約は必ず実現してみせる。
 これからも5町村長との連携を密にし、宮古の振興発展のため粉骨砕身取り組んでいきたい。 
 砂川 佳一(すながわ・よしかず) 1943(昭和18)年8月1日生まれ。60歳。城辺町砂川出身。八幡大学卒。酒造会社代表。宮古青年会議所理事長などを経て、2000年県議選初当選。同議会文教厚生委員長。

・西里 秀徳候補 元気な宮古つくる
 県議は宮古をどうするか、経済の自立をどうするか、具体的なビジョンを持っていなければならない。
 私の掲げる7つの政策を県議会の場で実行することで農家が元気になる。宮古へ農業試験場や大学などを誘致することで島は活性化する。活性化すると雇用ができる。雇用ができると若い人が元気になる。若い人の夢を大切にするためにも、どんどん実行していきたい。
 私の政策はこれまでも、これからも変わらない。元気な宮古島をつくるため1分1秒惜しむことなく熱い思いを支持者の皆さんに伝え、地域のために頑張りたい。
 皆さんの支えを受け、この選挙戦、最後まで戦い抜き農家の期待に応えたい。
 西里 秀徳(にしざと・ひでのり) 1943(昭和18)年1月10日生まれ。61歳。上野村新里出身。日本農業実践学園卒。会社役員。上野村経済課長、宮古郡農協営農指導部長、上野村助役、宮古土地改良区初代事務局長を歴任。

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復帰後最高の431件/4月新規求職申し込み件数

 宮古公共職業安定所(平川康宏所長)は28日、2004年4月分の雇用の動き(一般職業紹介)を発表した。それによると、1カ月における新規求職申し込み件数が431件で、沖縄が復帰した1972年以降の月別件数では最高記録となった。これまで90年4月の413件が最高記録だったが、14年ぶりにその記録を更新した。
 新規求職者が増えた大きな要因について、▽各市町村関係の財政事情により臨時職員等の離職者が集中した▽公共工事等の減少により中堅の建設業が人員整理を行った―の2点を挙げた。同所では「雇用の増加よりも、求職者の増加の伸びが著しいことから、管内労働市場は慢性的に求職超過が続き、最近は一段と厳しい雇用環境となっている」とした上で「仕事を申し込んでいる有効求職者のおよそ半数が35歳未満の年齢層」であると説明し、失業保険を受給しながら仕事を探す人が多いと分析する。
 4月の新規求職者数は前年同月比20・4%(73人)増の431人で、前月比では39・9%(123人)の増加となった。
 有効求人倍率(原数値)は0・35倍で、前年同月を0・05ポイント、前月比を0・04ポイントそれぞれ下回った。
 雇用の先行指標とされる新規求人数は172人で、前年同月比4・4%(8人)減少となり、前月比では3・6%(6人)増えた。
 月間有効求職者数は1137人で、前年同月比4・6%(50人)増加し、前月比でも15・1%(149人)の増加となった。
 月間有効求人数は397人で、前年同月比8・9%(39人)減少となり、前月比では2・8%(11人)の増加となった。
県外就職は30件で、前年同月比では1360%(17件)増加となった。同所では「本土の製造業の景気回復に後押しされて、就職者が増えた」と話す。

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「トータル的に検討」/平良市西原産廃処分場問題・

稲嶺知事が解決姿勢示す

 【那覇支局】稲嶺恵一知事は28日の定例記者懇談会で、平良市西原の産業廃棄物最終処分場問題に関し、処分場の埋め立て廃棄物に対し住民が不安を抱いていることに、「モニタリング調査でカバーしていきたいと思っているが、環境問題は大変重要な問題であり、県としてはトータル的な問題として、何がよいか検討していきたい」と、解決策を探っていく姿勢を示した。
 稲嶺知事はこの廃棄物問題について、「県としては業者に対して、処分場閉鎖後の適正な管理により埋め立て廃棄物の安定化を図るよう指導するとともに、処分場と周辺の海域や陸域を含めモニタリング調査をしっかり継続していく」との考えを示した。
 県公害審査会が進めた住民と県、業者間の公害紛争調停が打ち切られたことに関し、城間精善・文化環境部環境整備課長は「公害紛争に対し県は真摯に対応してきた。調停に至らなかったことは残念に思う」と述べた。その上で、県が実施した環境・健康・地質・海生生物の調査結果に関して、「学識専門家で構成する宮古産廃処分場調査の検討評価専門委員会において報告書がでた。それによると、地下水への処分場からの影響はない。埋め立て廃棄物や火災残さによるダイオキシンは環境汚染の原因となる濃度ではないこと、周辺海域の汚染度は極めて低く、魚介類は食しても安全であることが判断された。特に生活環境への影響はない」と説明し、住民の理解を求めた。

 写真説明・平良市西原の産廃最終処分場問題で解決策を検討する姿勢を示した稲嶺知事=28日、県庁

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充実したサービス提供へ/青潮(あおしお)園・

関係者集い、盛大に落成式

 社会福祉法人ユームツ会(宮里不二雄理事長)の身体障害者更生援護施設「青潮園」の落成式が28日、平良市下里の同施設で行われた。式には宮古地区の福祉関係者らが出席し、充実した質の高い福祉サービス提供に期待を寄せた。また、宮里理事長、下地徹施設長ら関係者によるテープカットも行われ出席者、利用者らとともに施設の落成を祝った。
 落成式で宮里理事長は「旧青潮園は施設の老朽化が進み障害者の多様なニーズに応えられない状況だった。新施設はより充実したサービスの提供が可能となることから宮古地区における障害者福祉サービスの拠点として活動していきたい」と述べた。また、稲福恭雄県福祉保健部長(代読)からも施設落成を祝うメッセージが寄せられたほか、宮古市町村会長の伊志嶺亮平良市長からも圏域における障害者福祉向上に期待を寄せるメッセージが届けられた。
 そのほか、施工会社への感謝状贈呈、関係者による記念植樹などが行われたほか、落成式後には祝賀会も催され利用者、職員らが各種余興を披露し落成を祝った。
 同施設はすべての人に対してやさしく快適なユニバーサルデザインを導入し、民間の福祉サービスのセンター的機能も担えるよう、敷地、面積ともゆとりを持った県の「福祉のまちづくり条例」適合施設として適合認定も受けている。
 事業内容は療護施設(定員50人)、通所授産施設(同40人)、デイサービス(同15人)、ショートステイ(同5人)のサービスを提供する。28日現在で療護施設の利用者は30人前後、通所授産利用者は24人などとなっている。
 施設の敷地面積は9347平方メートル、建物総面積は3800平方メートルで総事業費は9億7977万5000円(国県補助金・6億4259万3000円、市町村助成金・1000万円、自己負担金・3億2718万2000円)。

 写真説明・宮里理事長(右から2人目)ら関係者らがテープカットで施設の落成を祝った=28日、青潮園

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