200平成16  5 28曜日

合併期日を撤回/5市町村合併・上野村の申し入れ受け

 来年1月1日の合併に向け協議を進めてきた宮古地区の市町村合併協議だが、27日に行われた多良間村を除く5市町村長会議で5市町村での法定協を発足させ期日については白紙に戻し、来年4月1日以降で調整することでまとまった。今回の会議は川田正一上野村長が要望していた枠組み変更に伴う合併期日の変更など4項目について協議した。今回の方針決定については今後、各首長が議会に持ち帰って再検討していくが来年1月1日合併は事実上、消滅となった。

 枠組み変更に伴う川田村長の要望事項は▽合併期日の変更▽合併スケジュールの再検討▽財政関係資料の公表▽協議事項の再検討―の4項目。
 合併期日が変更の方針となったことで合併スケジュールも見直しとなった。また、財政関係資料の公表については事務局が資料をまとめることとなり、協議事項の再検討についてはこれまでに協議した44項目に大きな変更がないことから必要な場合に対してのみ行うこととなった。
 合併期日の変更については川田村長が要望文書の中で「市町村合併特例法が改正され2005年3月31日までに合併の議会議決、県に合併の申請をした上で1年以内に合併すれば現行と同じ特例を受けられる措置がある」と指摘し「来年1月1日合併だと現在の地方交付税額が保証される10年間のうち04年度分は3カ月しか優遇期間が保証されず財政面でも不利益」と指摘していた。
 宮古地区の市町村合併協議は多良間村の離脱や5市町村での法定協について上野村議会の態度保留などを受け実質的に休眠状態となり状況的に見ても来年1月1日の合併は厳しい状況となっていた。
 今回の会議で5市町村長の意向はまとまったものの、上野村議会は5市町村での法定協発足案についての全員協で平良市の財政問題などを指摘し「合併ありきの法定協ではなく、まず任意協議会で議論すべき」との理由で同案を「否決」。事実上、法定協からの離脱を決定している。
 同村の議員は「合併の最終的判断は議会にある。首長だけが話し合って決めるのはおかしい。議会の意見も聞くべき」との意向で、あくまでも任意協の設置が大前提との見解を示している。
 これについて会議後、宮古地区市町村合併協議会会長の伊志嶺亮平良市長は「この問題については川田村長が議会を説得できると思う」と述べた。
 財源確保を理由に合併期日が変更となったことで今後、すでに確認事項となっている各議会議員の身分(合併後10カ月の在任特例)などについても再検討が予想されている。

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県議選 きょう告示/宮古は6人が立候補へ

 任期満了に伴う第9回県議会議員選挙は、きょう28日告示される。全県15選挙区(定数48)に72人が立候補を予定している。宮古の2選挙区(平良市区、宮古郡区=ともに定数1)は、ともに自民公認の現職に、それぞれ新人2人が挑む3つどもえ選挙で、激しい戦いを繰り広げてきた。各陣営では6月6日の投票日に向け、最後の票固めに奔走する。県選管がまとめた27日現在の有権者数は平良市区が2万6143人、宮古郡区が1万6751人となっている。

 立候補の届け出は平良市区が平良市選管、宮古郡区が下地町選管で、それぞれ午前8時30分から午後5時まで受け付けられる。各陣営では立候補の届け出を済ませた後、各後援会事務所で支持者を動員して出陣式を行い、気勢を上げる。
 立候補を表明しているのは平良市区で、現職で2期目を目指す坂井民二氏(54)(写真上段左)=自民公認=と、保守系無所属の新人で前市議会議員の嵩原弘氏(49)(写真上段中)=公明推薦=、革新系無所属の新人で前市議会議員の奥平一夫氏(54)(写真上段右)=民主、共産、社大推薦=の3人。
 宮古郡区は現職で2期目を目指す砂川佳一氏(60)(写真下段左)=自民公認、公明推薦=と、保守系無所属の新人で前城辺町教育委員、自営業の下地一美氏(52)(写真下段中)、保守系無所属の新人で前上野村助役、会社役員の西里秀徳氏(61)(写真下段右)の3人。
 平良市区、宮古郡区ともに保守側が分裂。激しい運動を展開している。平良市区は2年前の市長選挙と同様の構図だが、革新側が出遅れたため、情勢は混とんとしている。宮古郡区は3人とも保守系で、候補者を擁立できなかった革新勢力、反当局勢力を巻き込んだ激しい運動が展開されている。
 6月6日の投票は平良市区が午前7時から午後8時(大神島、南静園は時間短縮)まで、宮古郡区が午前7時から午後6時まで行われる。開票は平良市区が午後9時ごろから北小学校体育館、宮古郡区は各町村で午後7時ごろから行われる。期日前投票は29日から始まり投票日前日の6月5日まで、午前8時30分から午後8時まで各市町村選管で受け付ける。

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オニヒトデ大量発生/宮古島近海・対策急務、危機感募る

 宮古島近海でオニヒトデが大量発生し、サンゴ礁を食い荒らしている。宮古島マリンリゾート協同組合(清水伸一代表理事)の呼び掛けによりボランティアで集まったダイビング事業者ら15人が27日、八重干瀬の「イフ」と呼ばれるリーフでオニヒトデの駆除作業を実施し、224匹を捕獲した。清水さんは「いくら駆除しても追いつかない」と危機感を募らせる。県や市町村では駆除作業を支援するため、実費を負担できるよう予算の確保を急いでいる。
 同組合の呼び掛けによる駆除作業は今年4月から、原則として毎週水曜日に行われている。26日にも駆除作業は行われ204匹を捕獲。2日間で400匹余りを駆除した。大きな個体は50センチ余りにもなる。清水さんによるとこのような大量発生は25年ぶり。オニヒトデは短期間で劇的に増えており、オニヒトデによるサンゴの「食痕(しょっこん)」はかなりの個所で見られる。オニヒトデは卵を持っている個体が多数で、さらなる増加が懸念されている。捕獲されたオニヒトデは平良市栽培漁業センターによって市内の堆肥(たいひ)生産業者へ運ばれ、処分される。この日、布干堂船溜まりでオニヒトデを引き取った同センターの梶原健次さんは「非常に深刻な状況。数の多さだけでなく、非常に大きな個体が多い」と懸念材料に挙げた。
 船の燃料、ボンベ、弁当などの費用はすべて自己負担の完全なボランティア。県宮古支庁や各市町村では、早急に予算を確保しようと調整を行っている。梶原さんは「年間を通して継続的に安定して予算を確保できるかが重要だ」と話した。
 行政側はまた、サンゴの被害が進めば観光に深刻な影響が予想されることから、県や各市町村で組織する「宮古圏域海洋危険生物対策協議会オニヒトデ部会」では、来月中に「重点保全区域」を選定し、特にサンゴを保護すべきポイントを中心に駆除作業を進める方針。
 駆除作業と並行して今後はサンゴの保護、オニヒトデの駆除に関する広報、啓発も必要だと、清水さん、梶原さんは口をそろえる。清水さんは「観光従事者をはじめ、広く一般にオニヒトデの被害について伝え、サンゴ礁の保護にみんなで取り組むことが必要」と持論を述べた。

 写真説明・捕獲した中で最も大きかった約50センチのオニヒトデを恐る恐る持ち上げる清水さん=27日、平良市の布干堂船溜まり

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宮古に住む外国人218人/ベトナムからの花嫁増

 法務省福岡入国管理局那覇支局平良港出張所(与那嶺行秀所長)のまとめによると、5月27日現在、宮古地区には世界17カ国から来た218人の外国人が住んでいる。性別では男性が44人、女性が174人と女性が圧倒的に多い。8―9割が地元の人と結婚し、1―2割はダンサーなどの目的で渡来した。
 国別の登録者数はフィリピンの115人が最も多く、中国28人、アメリカ22人、韓国11人、ベトナム11人などの順。遠くは東欧のルーマニア、欧州のイギリス、スペイン、南半球のニュージランドの人も住み、国柄に富むようになった。
 最近はベトナムからの花嫁増加が特徴で、城辺町に6人、下地町に1人、多良間村に4人嫁いでいる。アメリカ、イギリス、カナダ人は学校や塾の教師を務め、家族で住む人が多い。
 現在の登録者数(218人)を4年前(192人)と比べると、26人増えている。国別にはフィリピンが8人減少。これに対し、中国やベトナム、イギリス、インドネシア、カナダなどほとんどの国が増えた。
 市町村別の登録者数は多い順に平良市144人、下地町24人、城辺町21人、多良間村17人、上野村9人、伊良部町3人となっている。

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座礁漁船を撤去/八重干瀬・起重機船でつり上げ

 19日から八重干瀬に座礁していた宮崎県船籍のマグロはえ縄漁船「八十八徳慎丸」(19トン、佐藤一徳船長)が、27日午後4時ごろ、業者により撤去された。作業は起重機船を利用して行われ、座礁していた船体をつり上げて撤去した。現場付近に重油の流出や浮流物は確認されていない。
 八十八徳慎丸は19日午前4時20分ごろ、台風2号の接近で平良港へ航行中、八重干瀬に衝突し座礁。船長を含む乗組員5人は第11管区海上保安本部石垣航空基地のヘリコプターで救助された。5人にけがはなかった。

 写真説明・座礁していた八十八徳慎丸の撤去作業の様子=27日、平良市池間島北沖合の八重干瀬(写真は平良海上保安署の提供)

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