200平成16  5 26曜日

財政改革に市民の声/平良市・市民委員会が発足

 平良市の財政状況の抜本的改革を目指す財政非常事態克服実践本部(本部長・伊志嶺亮市長)の設置要綱に基づく同実践本部の市民委員会が25日、市民公募3、市長指名7人の合計10人の委員で発足した。委嘱状交付後、第1回の会議が開かれ委員長には市シルバー人材センター理事長の棚原恵照氏が就任した。会議では、同委員会で協議される事項の説明や市の財政状況の報告も行われ、市民の声を市の行財政改革に反映させようと委員たちは真剣な表情で当局の説明に聞き入っていた。

 市民委員会の概要は、市長の諮問に応じて市の財政改革に関する重要事項を審議してその意見を答申するほか、財政改革の進ちょく状況について助言等を行うことができる。委員の任期は12月31日まで。
 棚原委員長は就任のあいさつで「平良市の財政状況を少しでもよくするために慎重審議を行い行財政改革に貢献していきたい」と述べた。
 平良市の財政状況について当局側からは一般会計を含む7会計のうち5会計が赤字で2002年実質収支で38億円の赤字となっていることが説明された。また、不況のあおりを受け、市税の徴収も上がらない厳しい状況が続いていることなども報告された。
 今後委員会では、歳入確保に向けて各課が示した市税や、使用料などの徴収目標値についての協議や各種行革についての提言なども行っていく予定。
 市民委員会の委員は次の各氏。
 ▽委員長=棚原恵照(市シルバー人材センター理事長・市長指名)▽委員=松堂邦彦(マリンターミナル常勤監査役・市民公募)、砂川恵子(常南土建役員・同)、平良是守(市文化協会事務局長・同)、下地一雄(宮古テレビ営業部長・市長指名)、藤原修史(ブックボックス宮古店店長・同)、市川尚(ひまわり法律事務所弁護士・同)、吉井良介(東急ホテル支配人・同)、座喜味淳子(宮古新報記者・同)、玉城篤(沖縄銀行宮古支店長・同)

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異議申し立てせず/多良間村選管・村議解職住民投票見送り

 【多良間】那覇地裁からの執行停止を受け21日午前中で中止した多良間村議会議員の解職請求(リコール)を問う住民投票について村選管(垣花清次委員長)は、25日までに異議申し立てを行う方針はなく、6月2日から始まる裁判の判定を見守っていくことを明らかにした。これにより、きょう26日に投開票が予定されていた住民投票は実施されないことが決まった。7日から21日までに行われた期日前投票、不在者投票の計755票については、投票箱を封印し保管する。
 村選管では「今のところ異議申し立てをする計画はない。裁判の結果を見て今後については決めていきたい」と話している。リコールを求め署名集めを行った住民グループ「多良間村の自治と自立を推進する会」(高江洲常功会長)では「裁判でどのような結果がでるかを見守っていく。村選管の主張が認められなければ有権者の意思統一を図り、再度署名集めから行っていきたい」との姿勢を見せている。

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堆肥化施設が稼働/下地町洲鎌・農家から牛ふん買い取り

 下地町洲鎌に家畜の排せつ物を買い取り堆肥化する「パイピサタ堆肥化施設」がこのほど完成し、稼働を始めた。排せつ物とバガスを混ぜ年間約500キロの堆肥を生産する計画で、9月ごろにはトン当たり1万5000円(散布料込み)で販売を始める予定。昨年10月に発足したパイピサタ堆肥組合(東風平明男組合長)が事業主体となり、畜産農家と契約し資源の有効活用に取り組んでいく。同組合では原料確保のため、町内を中心に契約農家の募集を行っている。

 同施設は、11月から堆肥舎の未整備農家に罰則が適用される家畜排せつ物処理法に備え、資源の有効活用を目的に設置。排せつ物を買い取り堆肥化し畑へ還元することで、地力向上を図り農作物の収量アップ、所得向上を目指す。場所は下地町屋外運動場の北側で、通称パイピサタ(南の平地)と呼ばれている地区。
 「2003年度耕畜連携・資源循環総合対策事業」として国、県、下地町の補助事業で建設。堆肥の散布、トラックとしても兼用できる県内初のマニアスプレッダ、買い取った排せつ物とバガスを混ぜるホイールローダ、堆肥運搬車も導入した。施設の規模は595平方メートルで、85頭分の排せつ物を堆肥化できる。総事業費は3736万3450円。国・県合わせて2802万1000円、町が93万1000円を補助、組合が841万1450円を負担した。
 運営するパイピサタ堆肥組合は、耕種農家、畜産農家の組合員3人で昨年10月に発足した。組合員だけで47頭分の排せつ物を堆肥化する計画で、足りない分は畜産農家と契約しトン当たり500円で買い取る。排せつ物運搬も組合員が行い、買い取った排せつ物はバガスと混ぜ合わせかくはんしながら約100日間発酵させて堆肥化する。
 東風平組合長は「良質な堆肥を作り、畑に還元できれば。宮古の農家に信頼される堆肥作りに頑張っていきたい」と意気込みを見せた。問い合わせ先は同組合(090-8767-4543)東風平さんまで。

 写真説明・パイピサタ堆肥化施設を管理・運営する組合長の東風平さん(右)と組合員の仲地昭仁さん=25日、下地町洲鎌のパイピサタ堆肥化施設

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旧平良市民会館 跡地利用検討委が発足/

宮古神社の移転向け協議

 社殿の老朽化や敷地の手狭さを理由に、宮古神社(代表役員・末安大孝宮司)が平良市(伊志嶺亮市長)に対し、宮古神社敷地などの社有地と市民会館敷地の等価交換を求める陳情書が出されていることを受け、市は25日、「旧平良市民会館用地跡地利用検討委員会」を地域代表と各部長で発足させ、委員長には下地学助役が就任した。市側は陳情内容に応じる方針であることから同委員会も数回の会議でまとまる見込みだ。

 陳情書では、「社殿の傷みが日増しに進み、再造営の時期にきている。狭い境内地からの移転を求める声が多い。植物園内にも土地があるが、重要な水源涵養林」と説明し、市民会館敷地との等価交換を求めている。
 この件についてはすでに議会にも説明を行い了承を得ている。宮古神社は平良市熱帯植物園内にも社殿用地が確保されているが、同地が水源涵養林であることから、実際の社殿建設は困難な状況となっている。
 第1回の会議では陳情書の趣旨説明と経過報告などが行われ、第2回の協議から具体的な中身について話し合う予定。
 等価交換されるのは、植物園内の土地を含む宮古神社社有地7918平方メートル(約2400坪)と、市民会館敷地の市有地3143平方メートル(約952坪)。
 宮古神社は1943(昭和18)年に現在の市民会館敷地に建てられた。しかし戦災に見舞われ、戦後は帰還者の仮住まいとして使用され、混乱の中で社殿敷地とその他6筆の社有地が、市有地として登記された。その後、宮古神社と市の間で裁判が行われ、68年に調停が成立し現在地や植物園内の土地が社有地として登記され、80年には現在の社殿が建設された。
 市民会館は96年にマティダ市民劇場がオープンしてから大ホールは使用されず、現在は宮古地区PTA連合会、小規模作業所若葉など7団体が入居し、事務所として使用している。市では今後、入居者や周辺住民との調整を図りながら条件を整えていく。
 しかし、市民会館の取り壊し費用が3000万円を超すと見込まれており、市の財政状況が厳しく、その捻出方法がネックだ。担当する市財政課では「取り壊しについては神社側とも調整したい」としている。
 検討委員会メンバーは次の各氏。
 ▽委員長=下地学(市助役)▽委員=砂川幸夫(宮古郷土史研究会副会長)、安谷屋昭(文化財保護審議会委員)比嘉米三(周辺住民代表)、根間加代子(仲屋自治会事務担当者)、照屋スミ子(漲水自治会事務担当者)、糸数健(市総務部長)、狩俣公一(市福祉部長)、宮国泰男(市経済部長)、平良富男(市建設部長)、長浜幸男(市教育次長)、宮川耕次(市総務部参事兼企画室長)

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実が鈴なり/伊良部町・重量感があるタコノキ

 伊良部町のカントリーパーク内で、タコノキの実が鈴なり―。訪れた親子連れらは重量感がある壮観な光景に思わず「大きい実だね」と感嘆の声を上げていた。
 同町役場が1995年に環境美化の一環で、数10本の成木を植樹した。タコノキの幹から数本の太い支柱根があり、その支柱根がタコの足に似ているのが名前の由来。
 実の直径は57センチ、重さは1キロ前後。1本の木には緑色の実が10個付いた。沖縄本島から同町佐良浜地区に里帰りしていた喜久川郁美さんと娘の未来ちゃん(4つ)の親子は、初めて見る実を観賞して感激。郁美さんは「果物の王様と言われるドリアンに似ている」と表情を緩めた。
 同町役場の職員によると、タコノキは昨年から実るようになり、今年は実の数が多いと話し「食べることはできない」と注意を促していた。

 写真説明(上)・実が鈴なりとなったタコノキ=25日、伊良部町のカントリーパーク内
 写真説明(下)・タコノキの幹の部分

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泳ぎ初めで歓声/多良間中・村内初のプール完成

 【多良間】多良間中学校屋内水泳プール開きが24日、同プールで行われ、兼濱朝徳村長をはじめ学校関係者らが施設完成を祝った。多良間中の生徒たちが泳ぎ初めを行い、同村初となるプールの完成を喜んだ。県内公立学校では、名護市の羽地中学校に次いで2番目の屋内水泳プールとなる。多良間中学校屋内水泳プールは、同中学校向かいに建設。地上1階建てで敷地面積は2750平方メートル、水泳プール建物面積は836平方メートル。プール面積は400平方メートルで、水深は70センチから120センチとなっている。31台収容可能の駐車場も完備しており、通路にはスロープを設置したほか、視覚障害者用の床タイルを張るなどバリアフリーにも配慮している。総事業費は2億3304万7500円。中学校だけでなく、村民にも開放し、健康増進のための施設として活用していく。
 プール開きでは兼濱村長、本村恵真教育長らがテープカットを行い、施設完成を祝った。

 写真説明・完成したばかりの屋内プールで初泳ぎを楽しむ生徒たち=24日、多良間中学校屋内水泳プール

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