200平成16  5 15曜日

復帰後7倍の3万8800台/宮古地区保有車両数

  

 1972年5月15日の本土復帰からきょう15日で32年を迎えた沖縄。本土との「格差是正」を掲げて県内各地ではインフラ整備が進められて宮古地区も大きな発展を遂げた。その中で、宮古地区の自動車保有台数も復帰年度の5637台から2003年度には約7倍の3万8789台となった。増加する車両台数に伴い平良城辺線(県道78号)が片側2車線道路になるなど道路整備も車社会に対応したものとなり、現在は一家に1台から2台の時代に突入している。
 復帰年度に5600台余だった宮古の自動車保有台数は76年度に1万台の大台に突入。85年度には2万台を超え94年度には3万台を超えた。2000年度の3万7000台になってからは微増の状況となっている。
 一方で1978年7月30日に県内で一斉に実施された「7・30交通法変更」では33年間に及ぶ右側通行から左側通行に変わるなど県内の交通事情は大きな転機も乗り越えてきた。
 年々進む車社会は宮古の経済活動にも大きな変化をもたらしている。車社会の到来以前は市内商店街は活気に満ちていたが、現在では多数の駐車場を保有した郊外型の大規模ショッピングセンターに客足は流れ、衰退していく既存商店街の活性化も課題の 1つとなっている。
 車社会が進む中で道路整備も急ピッチで進められた。宮古地区の道路舗装率(02年4月1日現在)は簡易舗装を含めて77・4%(県全体85・2%)で沖縄本島各地区の舗装率に比べて低いものの八重山地区よりも高くなっている。
 舗装状況としては、国道、県道の舗装率が95%を超えているのに対して市町村道の整備率は低くなっている。
 復帰後、本土との「格差是正」が掲げられ宮古を含む県全体が急激な発展を遂げた。しかし現在は、新たな沖縄振興特別措置法に基づき2年前に策定された沖縄振興計画で「格差是正」から「自立経済」への転換を図っている。
 宮古地区も来年1月1日の市町村合併に向けた協議が進められ、復帰後、最も大きな転換期を迎えようとしている。これまで国の方針、支援で島は大きく発展してきたが、これからは「自立」を基本に地方主導の取り組みが求められている。

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多良間村3.14人で日本一/全国市区町村出生率

 厚生労働省は14日、1998年から2002年までの5年間の市区町村別の人口動態統計をまとめた。一人の女性が生涯に産む子供の平均数(合計特殊出生率)は、全国最高が多良間村の3・14人、最低は東京都渋谷区の0・75人だった。
 上位30市町村のうち、九州・沖縄地方の離島地域が27カ所を占めた一方、下位30位のうち東京都の特別区が14カ所に上った。
 調査は2000年の国勢調査を基に、前後2年のデータを平均。02年12月末時点の3355市区町村を対象とした。
 この5年間の全国の平均出生率は1・36人。上位5市町村は、多良間村、鹿児島県天城町(2・81人)、東京都神津島村(2・51人)、鹿児島県伊仙町(2・47人)、下地町(2・45人)の順。多良間村の3・14人は統計を取り始めた1985年以来、過去最高だった。
 一方、渋谷区の0・75人も過去最低。東京都目黒区(0・76人)、同中野区(0・77人)、同杉並区(0・77人)、京都府東山区(0・79人)がこれに続いた。
 全国平均を100とした死亡率の比較では、男性は北海道洞爺村(71・1)、女性は同大滝村(50・0)が最も低かった。死亡率が高いのは、男性が大阪市西成区(172・8)、女性が北海道泊村(152・6)だった。

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「ヤッカヤッカ」の声響く/多良間村のスツウプナカ

 【多良間で福里賢矢記者】豊年の感謝と豊穣を祈願する多良間村の伝統祭祀で無形文化財「スツウプナカ」が14日本番を迎えた。村内の各祭場では、この日のために用意した神酒や魚料理を供え、神に感謝した。男性たちは「ヒーヤ、ヤッカヤッカ」と威勢の良いはやしで神酒を回し飲み、今後の豊穣を願った。
 「スツウプナカ」は「節祭」を意味し、古くから成人男性が中心となって執り行われる。国の重要無形民俗文化財に指定されている「八月踊り」に並ぶ島の一大行事で、ナガシガー、フダヤー、パイジュニ、アレーキの四つの祭場で魚料理や神酒を供えて豊年を祈願する。祭事の中心を担う「ウイピトゥ(老人)座」、供え物の魚を捕る「イム(海)座」、料理を作る「クバン座」、神酒をつくり、祭場の準備をする「ブシャ座」、幹事担当の「カンジン座」などの役割に組織化され、祭事を行う。
 このうち、13日午後10時ごろからパイジュニ(パイドゥニ)と呼ばれる祭場に集まり出した「ウイピトゥ座」などの男性らは「フシャトゥガー」と呼ばれる村指定文化財の井戸に移動し、クバン座の作った料理を供え、スツウプナカの始まりを告げる願いを始めた。
 午前零時ごろになると長老を中心に「ニィリ」(神歌)を歌い、「ツヌジャラ」と呼ばれる木の器に神酒が注がれ「ヤッカヤッカ」のはやしで回し飲み。未明まで島中に「ヤッカヤッカ」のはやしが響き渡った。

 写真説明=豊年に感謝し、「ヤッカヤッカ」と神酒を酌み交わす男性ら
=14日午前零時ごろ、多良間村塩川

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不審者侵入で対策訓練/城辺小

 城辺町立城辺小学校(仲宗根直子校長)は14日、不審者侵入に対する避難訓練を行った。不審者対策について訓練を行うのは同校では初めて。
 宮古署の署員が不審者にふんし、棒を振り回して学校に入り込むという想定。教諭らは不審者を追い払い、児童らを速やかに運動場に避難させた。一方で、不審者侵入で避難を呼び掛ける放送が流れないなどの反省点もあった。
 午前9時45分ごろ、不審者役の宮古署員が学校に侵入。棒を持って大声を出し暴れた。そこに教職員が駆け付け、いすや掃除用具などを使って犯人を撃退。非常ベルを合図に各学級に不審者侵入が伝えられ、児童らを運動場に誘導した。不審者侵入は校内放送で知らされる予定だったが、非常ベルが鳴り止まなかったため、教頭が各学級を回って直接伝えた。
 訓練を終え、宮古署員は児童らに対し、@知らない人にはついて行かないA1人で遊ばないB誰かに連れて行かれそうになったら助けを呼ぶC遊びに行くときは家の人に言ってから出掛ける―の 4点を特に強く促した。
 一連の動きはスムーズだったものの、訓練に当たった宮古署員からは「訓練ということで避難するのが早すぎた」との指摘もあった。
 訓練を振り返り仲宗根校長は「非常ベルや校内放送のことは、今回の訓練で反省点が見えたので良かった。職員も子供たちも不審者対策の訓練は初めてということで落ち着かなかった。もっと冷静に対処しないといけない」と話していた。

 写真説明=警察官の事情聴取の後、取り押さえられる犯人役の宮古署員=14日、城辺小学校

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「命の重さ感じた」/高校生が看護体験

 5月9-15日の「看護週間」にちなんだ高校生対象の「ふれあい看護体験」が14日、宮古病院で行われ、23人の高校生が白衣に身を包んで「看護師」の仕事にチャレンジした。
 高校生らは、4、5人ずつ5つのグループに分かれ、それぞれ担当看護師の指導を受けながら体験活動を行った。
 このうち産婦人科病棟には4人が振り分けられた。生徒らは始めに、生まれる前のおなかの中の赤ちゃんを超音波で見て、医師から赤ちゃんの様子について説明を受けた。赤ちゃんが元気よく手足を動かすのを見た生徒らは「とても感動した」と口をそろえた。引き続いて新生児室に移動し、生まれたばかりの赤ちゃんをだっこ。「小さい」「かわいい」と満面の笑みをこぼした。
 高江洲友美さん(宮古高校3年)は「抱いてみた赤ちゃんは小さいのにずしりと重くて、命の重さ、すごさを感じた。看護師はあこがれの仕事です」と感激した様子。砂川綾子さん(宮古農林高校 1年)は「とても緊張した。超音波でおなかの中の赤ちゃんが動いているのを見たときはとても感動した」と話した。
 また生徒らは、内科に入院しているお年寄りの世話も体験。お年寄りたちは「孫のようにかわいい」と大喜びで、方言を教えたり昔話をしたりと、生徒らとの会話を楽しんでいた。
 看護週間は、県民1人ひとりの看護についての理解や関心を深めるのが目的。県内では県と県看護協会が主催し、各種行事を行っている。
 きょう15日にはサンエーショッピングタウン宮古の100円ショップ前で、「1日まちの保健室」と題した健康相談会が行われる。

 写真説明=生まれたばかりの赤ちゃんを抱き、優しい笑顔を浮かべる生徒ら=14日、宮古病院

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