200平成16  5 14 曜日

トラックに無数の隆起平良市陸上競技場

 2001年9月に改修された平良市陸上競技場の全天候型舗装材「スーパーX」が隆起し、市や陸上競技の関係者を悩ませている。トラック上の隆起の数、大小合わせて100カ所以上。市保健体育課では施工者の保証を利用し、年に一度は補修を行っているが、陸上競技関係者は「今年は特にひどい。これでは競技に支障を来す」と頭を抱える。練習で同競技場を使用する高校生によれば、ふくれ上がった部分で足をひねった生徒もいるという。競技の運営だけでなく安全性からも、陸上競技関係者は「早急に対応してほしい」と話している。

 「スーパーX」はイタリア製の全天候型舗装材。シドニー五輪のメーン会場にも使用され、県内では同競技場の一カ所しか導入されていない。01年、約2億3000万円をかけて、トラック全体とフィールドの一部を張り替えた。競技力の向上のみならず、「スポーツアイランド宮古」の拠点として有力スポーツ選手の合宿や各種大会を誘致するなど、効果は確実に表れていた。
 しかし昨年11月末ごろ、宮古の陸上シーズンが終了してから、隆起の個所が多く見受けられるようになった。現在は400メートルトラックの至る所に無数の隆起があり、大きいものでは長さ約1・5メートル、幅約20センチほどにもなる。2レーンと7レーンが特に数が多い。
 8日に行われた高体連の陸上競技は参加選手が少なかったため、この2つのレーンは使用せずに大会が実施された。
 宮古陸上競技協会(陸協)の関係者は「高体連は選手数が少ないから良かったが、6月には中体連がある。参加校が多く、レーンが2本も使えなければ、競技に影響しかねない」と嘆息。「施工上の問題もあったのではないか」と首をかしげる。
 練習で日ごろから同競技場を利用しているある高校生は、「出っ張りに足が引っかかって転んだことがある。7レーンは特に多いので、先生から使わないように強く言われている」と言い、「早く直してほしい」と願った。
 管理する市保健体育課は「今年も平良市の陸上競技大会の前には補修をしてもらう」と話すが、専門家以外には手を出せない現状に戸惑いを隠せない様子だ。

 写真説明・でこぼこが見られる舗装材。写真の七レーンは特に隆起が多く、練習、大会とも使用されていない=13日、平良市陸上競技場

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日独観光交流協議が実現/うえのドイツ文化村

 2002年の上野村開催が決定していたもののSARS(新型肺炎)などの影響で延期されていた第4回日独観光交流促進協議が16、17日の両日、うえのドイツ文化村で開催されることになった。川田正一上野村長が13日、村役場で記者会見し、同日国土交通省から開催通知が届いたことを明らかにした。協議には日独双方から政府や観光関係者ら合わせて約30人が出席する。
 会見で川田村長は「日本とドイツ政府間の交流強化と日独関係強化の一環として行われる協議が歴史的にゆかりのある上野村で開催されることは、友好交流の発展を願う意味からも意義深い。延期していただけに、大変喜んでいる。この機会に宮古をPRし、親密な交流促進につないでいきたい」と、歓迎のコメントを述べた。
 同席した上野村国際交流員のアネグレット・ヴィーラントさんは「協議を契機に、宮古とドイツの交流が個人レベルまで発展するよう願う。国際会議は、宮古を世界に発信する良い機会になる」と話した。会議には日本側から岩村敬国土交通審議官、前田隆平同省総合政策局観光部企画課長ら、ドイツ側からディトマール・シュタッフェルト連邦経済労働政務次官、ヘルムート・クリューガー同省観光政策課長らが出席する。
 一行は16日午後、宮古に到着。非公式協議の後、午後6時から岩村審議官主催のレセプションが開かれる。
 17日の協議では▽両国の観光および双方向の観光交流の拡大▽「ビジット・ジャパン(日本に行こう)・キャンペーン」「日本におけるドイツ年2005/2006」について▽愛知万博―などについて話し合う。協議後は午後6時から県と上野村共催のレセプションがホテルブリーズベイマリーナで開催される。
 一行は18日、視察後午後の便で宮古をたつ。
 日独観光交流促進協議の上野村開催については、村の要請が実を結び、当初は2002年2月の開催が決定。しかしその後、米軍のアフガニスタン侵攻やSARSの発生など、国際情勢の変化により延期されていた。

 写真説明・川田村長(中央)が記者会見し日独観光交流促進協議がうえのドイツ文化村で開催されることを発表した=13日、上野村役場
 
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イム座の男性、漁に大忙し/多良間村のスツウプナカ

 【多良間で福里賢矢記者】多良間村の無形文化財「スツウプナカ」は14日、本番を迎える。豊年の感謝と豊穣を祈願する伝統祭祀で「節祭」を意味し、古くから成人男性が中心となって執り行う。村内にある 4つの祭場を中心に神酒や魚料理で神に感謝する。本番前日となった13日には数日前から海岸で泊まり込んでいた漁を担当するイム(海)座の男性たちが料理や供え物として捧げるための漁を行うなど、島内のあちらこちらで祭りの準備で忙しく動く男性たちの姿が見られた。
 「スツウプナカ」は国の重要無形民俗文化財に指定されている「八月踊り」に並ぶ島の一大行事。祭事の中心を担う「ウイピトゥ座」(老人座)、供え物の魚を捕る「イム座」、料理を作る「クバン座」、神酒をつくり祭場の準備をする「ブシャ座」と4つの役割に組織化され、祭事を行う。
 祭り本番はナガシガー、フダヤー、バイジュ、アレーキの4つの祭場で招待客を迎え、神酒や料理でもてなし、「ヤッカヤッカ」とはやし歌で盛り上がり、島は祭り一色に染まる。夜になると「ニリィ」と呼ばれる神歌を唄い、祭場に供え物をして神に豊年の感謝と豊穣祈願を行う。
 このうち、漁を担当するイム座の男性たちは干潮時を見計らって追い込み漁で魚を捕獲。イラブチャー、タマン、カワハギなど色彩豊かな魚を水揚げした。また、クバン座の男性たちは供え物やもてなし用に使う魚料理の準備に大忙し。イム座から運ばれた魚を慣れた手つきでさばき、刺身やかまぼこにするなどの作業に追われていた。

 写真説明・運ばれてきた魚をさばくのに大忙しの男性ら=13日、多良間村仲筋、フダヤーのクバン座
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大漁水揚げで安値傾向/平良市漁協競り

 毎年5月の梅雨入りから水揚げされるミミジャー(ヒメフエダイ)とフツナズ(タテシマフエフキ)が、平良市漁業協同組合(上原正行組合長)の早朝競り市に上場され始めている。2種の魚とも消費者に人気があることから大量に水揚げした場合は、他の魚類の競り値を暴落させる要因となる。今後、2種の水揚げ量が高級魚の競り値にじわじわと影響を与え安値へ拍車を掛けそうだ。これからほとんどの魚類は安値の時期に入り、消費者はお買い得で大歓迎、漁師にとっては採算が取れない苦渋の日々が続く。
 2種の体色は、ミミジャーが赤色で、フツナズは白っぽい。2種の体長は20センチ以上。いずれの魚も梅雨入りのころから産卵期に入り、平良市池間島北方の沖合に広がる八重干瀬が最大の産卵エリア。
 同組合の競り市では、今月5日の梅雨入り以降、2種とも水揚げ量が増加を推移している。
 12日の競り市では、1キロ当たりの価格はミミジャーが850円―1100円、フツナズが320円―730円でそれぞれ落札された。2種の影響で、これまで1キロ当たり2200円の競り値が付いていた高級魚のアカジンミーバイは1800円までに下落。1キロ当たり2000円だったアカマチは1960円まで値を下げた。
 例年2種が大量に水揚げされると、競り値の1キロ当たり価格は、ミミジャーとフツナズとも500円以下、アカジンミーバイとアカマチは1200円前後まで落ち込む。
 仲買人の男性一人は「昔から宮古ではミミジャーとフツナズは売れやすい魚。この2つの魚が大漁になると、他の高級魚は安くしないと売れない」と語る。
 一方、アカジンミーバイなどの高級魚を漁獲する池間島の漁師の一人は「ミミジャーとフツナズがたくさん上場されると、高級魚の入札価格は暴落する。収入は激減し、生活は苦しくなる」と話し「よその漁師たちがミミジャーなどを大漁した場合には、出漁を見合わせる」と厳しい表情で語った。

 写真説明・ミミジャーとフツナズの上場が増えてきた競り市=12日、平良市漁協 

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9月4、5日に開催/5年ぶり下地町民まつり

 第6回下地町民まつり(主催・同実行委員会)が、9月4、5日の両日、下地町池原公園で開催される。同実行委員会(会長・川満省三下地町長)の設立総会が13日、同町役場で開かれ、開催日程や内容などを含む実施要項、歳入歳出予算など計三議案を原案通り承認した。ゲストは検討中。
 4年に1度行われる同まつりは、本来は昨年が開催年に当たっていたが、9月に襲来した台風14号の影響で1年延期していた。あいさつに立った川満会長は「台風の後、町民の生活環境も復旧した。地域の連携を深めるためにも準備体制をしっかり整えてまつりを成功させよう」と呼び掛けた。
 同まつりの実行予算は1718万6000円を計上。各部落・自治会を中心に各地域団体が総出で参加する。協賛行事は▽ゴルフ大会▽ゲートボール大会▽町民ふれあい市―の3種目。その他の種目としては▽子供相撲▽宮古角力▽綱引き▽丸太切り競争▽職場対抗千差万別リレー▽スマフツ大会▽カラオケのど自慢▽10人11脚競争▽演技及び遊技▽町民パレード▽大綱引き▽グラウンドゴルフ大会▽囲碁・将棋大会―の13種目を行う。
 参加申し込みの締め切りは8月中旬を予定。申し込み先は、同実行委員会(下地町役場企画課内、電話:0980-76-6001)まで。

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ラジオで発信、交通安全/放送局と県警が連携

 ラジオ放送局と連携して日常的に交通安全情報を提供してもらおうと宮古警察署(伊波盛春署長)は13日、ラジオ交通安全アドバイザー(RTA)委嘱状交付式を行った。エフエムみやこのパーソナリティーを務める平良信長さんら4人に委嘱状が手渡された。番組内で交通安全情報や交通マナーについて呼び掛けを行い、交通事故防止を図る。
 委嘱状を交付されたのは平良信長さん、与那覇光秀さん、仲里淳さん、友利龍也さんの4人。県内では56人がRTAとして活動する。RTAは県民の交通安全知識・意識を高め、交通ルールを守り交通マナーの実践を習慣付けることが目的。
 委嘱状を交付した伊波署長は「交通安全アドバイスなど伝えて、マナー向上につなげてほしい。1件でも事故が減るように皆さんの活躍を期待している」と激励した。
 エフエムみやこの吉岡美樹社長は「放送局として新鮮情報を住民に伝えるのは一番の目標。4人はそれぞれ生番組のパーソナリティー。番組の中で情報を伝え、交通安全の啓発活動に今後も協力していきたい」と話した。

 写真説明・エフエムみやこのパーソナリティーに委嘱状が交付された=13日、宮古警察署

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