2001年9月に改修された平良市陸上競技場の全天候型舗装材「スーパーX」が隆起し、市や陸上競技の関係者を悩ませている。トラック上の隆起の数、大小合わせて100カ所以上。市保健体育課では施工者の保証を利用し、年に一度は補修を行っているが、陸上競技関係者は「今年は特にひどい。これでは競技に支障を来す」と頭を抱える。練習で同競技場を使用する高校生によれば、ふくれ上がった部分で足をひねった生徒もいるという。競技の運営だけでなく安全性からも、陸上競技関係者は「早急に対応してほしい」と話している。
「スーパーX」はイタリア製の全天候型舗装材。シドニー五輪のメーン会場にも使用され、県内では同競技場の一カ所しか導入されていない。01年、約2億3000万円をかけて、トラック全体とフィールドの一部を張り替えた。競技力の向上のみならず、「スポーツアイランド宮古」の拠点として有力スポーツ選手の合宿や各種大会を誘致するなど、効果は確実に表れていた。
しかし昨年11月末ごろ、宮古の陸上シーズンが終了してから、隆起の個所が多く見受けられるようになった。現在は400メートルトラックの至る所に無数の隆起があり、大きいものでは長さ約1・5メートル、幅約20センチほどにもなる。2レーンと7レーンが特に数が多い。
8日に行われた高体連の陸上競技は参加選手が少なかったため、この2つのレーンは使用せずに大会が実施された。
宮古陸上競技協会(陸協)の関係者は「高体連は選手数が少ないから良かったが、6月には中体連がある。参加校が多く、レーンが2本も使えなければ、競技に影響しかねない」と嘆息。「施工上の問題もあったのではないか」と首をかしげる。
練習で日ごろから同競技場を利用しているある高校生は、「出っ張りに足が引っかかって転んだことがある。7レーンは特に多いので、先生から使わないように強く言われている」と言い、「早く直してほしい」と願った。
管理する市保健体育課は「今年も平良市の陸上競技大会の前には補修をしてもらう」と話すが、専門家以外には手を出せない現状に戸惑いを隠せない様子だ。
写真説明・でこぼこが見られる舗装材。写真の七レーンは特に隆起が多く、練習、大会とも使用されていない=13日、平良市陸上競技場
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