200平成16  5 12 曜日

県民挙げて功績たたえる/山中貞則 名誉県民顕彰・追悼式

 【那覇支局】沖縄の本土復帰前後から長年にわたり政府の沖縄政策に関与し沖縄振興に尽くした故山中貞則氏の「名誉県民顕彰・追悼式」(主催・同実行委員会)が、11日午後2時から那覇市奥武山の県立武道館で行われた。山中氏の親族を迎えて、県や県議会、県内市町村の首長、議会議長、県民ら約1400人が参列し、山中氏を顕彰しその功績をたたえるとともに、めい福を祈った。

 顕彰・追悼式は、山中氏が平良市、勝連町、嘉手納町、渡嘉敷村、伊平屋村、竹富町それぞれの名誉市町村民であることから、これらの自治体と共同で執り行われた。
 伊志嶺亮平良市長が開式の辞を述べた後、全員で黙とうを捧げた。続いて、稲嶺恵一知事から受賞者親族に名誉県民称号紀と名誉県民章が贈呈された。
 式辞で、稲嶺知事は「山中先生は、半世紀にわたり国政の中枢にあって、沖縄の復帰準備に取り組み、復帰後は初代沖縄開発庁官として本県の振興発展に尽力され、長官退官後も常に沖縄の振興発展に情熱を注がれ、今日の本県の礎を築いてこられた。この多大な功績で昨年12月17日、県議会全会一致の同意を得て本県初の名誉県民に選定された」と述べるとともに、「沖縄県民は先生から実にたくさんのものを頂いた。今度は、私たちが先生のご恩を忘れることなく、たくましく豊かな県づくりにまい進していく」と、感謝と決意を述べた。
 受章者親族代表で夫人の弟の山中健太郎氏があいさつし、「本日は、稲嶺知事をはじめ、沖縄県民挙げて盛大な式典を催していただき誠にありがたい。本人も天国で感謝し喜んでいると思う」と、深く感謝した。
 在りし日の山中氏をしのんでビデオ映写が行われた後、茂木敏充沖縄担当大臣は追悼の辞(佐藤正紀内閣府審議官代読)で、「沖縄政策を担当するものとして、山中先生の『沖縄の心で東京を見なさい』との教え受け止め、沖縄の諸問題に取り組んでいく」と誓った。
 仲村正治衆議院議員、翁長雄志県市長会会長(那覇市長)、仲井真弘多県経済団体会議議長、小渡ハル子県婦人団体連合会長、宮城篤実名誉市町村民関係市町村代表(嘉手納町長)らも追悼の辞に立ち、山中氏への敬意と感謝を伝え、めい福を祈った。
 献楽で、八重山民謡「トゥバラーマ」の歌・三線が披露された後、伊良皆高吉県議会議長が謝辞を述べた。式後、参列者全員で献花した。

 写真説明・1400人が参列して故山中貞則氏の名誉県民顕彰・追悼式が行われた=11日、那覇市奥武山の県立武道館

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道路の擁壁を「NSC工法」/宮古初 景観に配慮

 平良市の臨港道路下崎1号線と同荷川取線の擁壁の整備事業が環境との調和を配慮した「NSC工法」を用いて工事が進められている。擁壁を黄色に染め上げ従来のコンクリートとは違った圧迫感の少ないゆったりとした雰囲気を醸し出している。同工法は宮古で初めて。
 NSC工法は▽強度はコンクリート並で曲げ強度が高い▽色を自由に変えられる▽雑草が生えてこない▽表面温度が上がりにくい▽透水性が変えられる―などの特徴がある。
 擁壁には真砂土、セメント、NSC硬化剤、顔料などを配合したものを約7センチ吹き付けて舗装。NSC硬化剤を利用する以外は従来の吹き付け工法と同じで、さまざまな利用法がある。県外では数多くの公共施設などで利用されているという。
 市建設部港湾課から工事を請け負う腰原工業の友利博明代表とティー・エヌの中澤勤社長は、「自然に近い色が出せ景観に配慮した新しい工法。セメントに比べて圧迫感がない。リゾート地宮古の景観を良くするため、今後も同工法を利用していきたい」と口をそろえた。

 写真説明・NSC工法で擁壁を黄色に染めている=11日、平良市内の臨港道路下崎1号線

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「トライバナナ」誕生/収穫時期をコントロール

 県農業試験場宮古支場(大城正市支場長)の園芸研究室は、トライアスロン大会に向けた三尺バナナの収穫に成功した。名付けて「トライアスロンバナナ」。同室の比嘉淳研究員は「今回の研究では、バナナは植え付けから約1年で収穫できることが分かった。これにより、トライ大会の時期を含め、台風シーズンを避けた収穫による経済栽培の可能性が示された」と話している。
 宮古におけるバナナの収穫は8、9、10月に集中するが、同時期は台風シーズンのため、実を付けた幹が倒れるなど無駄になることが多い。今回の研究は、こうした課題を克服し経済栽培に結び付ける目的で取り組んだ。
 収穫時期については、来島者の多いトライ大会の時期に収穫できれば、「島の特産を食べてもらえるし、土産品にもなり経済効果が高くなる」と考え4月に設定。苗はバイオ苗を沖縄本島から取り寄せ昨年4月、平張りネット施設に定植した。台風14号が襲来した時(昨年9月)の幹の高さは約1メートル。幹が低いこともあり、台風を乗り越え、今年4月15日収穫にこぎ着けた。
 トライアスロン大会当日の4月25日には、完熟。糖度18―20度、1房の平均重量も約20キロと質・量ともに上々の作柄だった。
 同研究室では「宮古におけるバナナの経済栽培は、台風被害を受けやすいため、難しいとみられていたが、今回の研究では台風を乗り越え収穫することができた。台風の襲来時期を避けた安定生産が確立できれば、バナナは経済作物になり得る」と話している。
 三尺バナナ 原産地は中国南部。草丈の低いのが特徴。収量は中程度。

 写真説明・県農業試験場宮古支場はトライアスロン大会に合わせた三尺バナナの収穫に成功した

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葛西選手ら8人来島/スキージャンプチーム宮古合宿

 2004年ワールドカップソルトレイクシティの金メダリスト葛西紀明選手らが所属するスキージャンプチーム「チーム土屋」と日本空調サービスのスキーチームの宮古島合宿が8日から、下地町与那覇の前浜ビーチなどで本格的に始まっている。参加選手は計8人。トレーニングジムでの体づくりと心身のリフレッシュを兼ねた合宿で、8月にヨーロッパで開催されるサマーワールドカップに備える。宮古島合宿は24日まで行い、6月からはフィンランドでの合宿に取り組む。
 合宿メンバーは、チーム土屋が葛西、高野鉄平、高橋大斗、伊東大貴、千田侑也の5選手とアシスタントコーチのトピ・サラパランタ氏。日本空調サービスのチームが東輝、西下和記、葛西賀子の3選手。
 フィンランド出身のサラパランタ氏は、シーズンへ向けてのキャンプ始めとなるこの時期、体づくりとともに心身のリラックスに重点を置く。今合宿ではトレーニングと息抜きをするフリータイムを半分の割合で行っている。「今の時期は筋肉など体をつくることも重要だが、心の休養も必要。宮古島は心のケアをするには最高の場所。協力してくれる下地町や宮古島の皆さんに感謝したい」と話した。また「チーム土屋は世界でも3位に入るレベル。とてもいいアスリートがそろっている。それぞれの記録更新を目指し、トップを狙いたい」と意気込みを見せた。
 選手たちはジムでのトレーニングなどで体づくに励んでいるほか、ビーチでは海水浴や日光浴などで心身のリラックスを図っている。

 写真説明・合宿のため宮古入りしたスキージャンプチームの選手ら=8日、下地町前浜ビーチ

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気温30度、6月中旬並み/梅雨入り後 雨少なく

 5日に梅雨入りした沖縄地方だが、宮古地区では11日までにまとまった雨は降らず、梅雨入りしてから10日までの雨量は平良市で3・5ミリ。サトウキビ畑や葉タバコ畑では、スプリンクラーやホースでの潅水作業が見られるようになった。
 10日には今年最高気温となる30・2度を記録。11日は最高気温29・9度(午後2時42分)と今年2番目の気温となり、6月中旬並みの暑さとなった。
 梅雨入りしてから10日までの雨量は、平良市が3・5ミリ、伊良部町が15ミリ、城辺町が4ミリ、多良間村が5ミリ。宮古島地方気象台の週間天気予報によると、12、13の両日の天気は「晴れ時々曇り」。14、17の両日は「曇り一時雨」で降水確率はそれぞれ50%となっている。 
 サトウキビや葉タバコ農家にとっては一雨を期待する時期だが、向こう1週間は「晴れのち曇り」「曇り一時雨」の予報となっている。
 下地町内のサトウキビ農家は「雨が降らないと困る。まとまった雨が早く降ってほしい」と夏植えを終えた畑にホースで散水し、芽が出始めた苗に丁寧に水をまいていた。

 写真説明・スプリンクラーで散水する光景が見られ始めた=11日、下地町川満

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黄色鮮やか ヤエザキオオハンゴンソウが満開

 平良市内にある民家の庭で、鮮やかな黄色いヤエザキオオハンゴンソウが満開となり、通行人の目を楽しませている。
 ヤエザキオオハンゴンソウはキク科の植物で北アメリカ原産。別名ハナガサギクと呼ばれている。本土では一重咲きの種類もあり、民家の近くや道端で咲いていることが多い。茎は高さが1メートルから2メートルにも成長する大型の多年草で、草丈が高いため風に弱い。開花の時期を迎えると、直径8センチから12センチの花を分岐した多数の茎に咲かせる。
 この花を育てている女性は「毎年たくさんの花を咲かせてくれる。近所の人や身内らが飾ろうとよくもらっていくこともある。花も長持ちするので、丈夫な花ですよ」と目を細めた。

 写真説明・満開となったヤエザキオオハンゴンソウ=11日、平良市内の民家

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