200平成16  5 11 曜日

合併結論、再度持ち越す上野村議会全員協

 上野村議会(平良隆議長)は10日、 5市町村での市町村合併法定協議会発足に関する全員協議会を同村役場で開いたが、統一見解が出ず、再度結論を持ち越した。前回は「3町村での合併も検討すべき」との理由で先延ばしとなったが、今回はこの問題についてはほとんど議論されず、新たに他自治体の財政問題などを指摘する意見などが出され意思統一が図れなかった。同村議会では20日までに全員協を開き上野村議会としての姿勢を議員の多数決で決定する方針。同村を除く 4市町は5市町村での法定協発足を確認している。

 前回の全員協(4月27日開催)では、「他町村の動向を見極め、可能ならば3町村合併(上野村、城辺町、下地町)を推進したい」という意見が大半を占めたが、城辺町、下地町が 5市町村法定協発足を確認したため今回はほとんど議題に上がらなかった。
 今回の全員協では「合併相手の抱える財政問題など不安な点がある」、「住民が納得した上での合併が前提。村内の有識者などから意見を聞くべき」、「今すぐに法定協を立ち上げるのではなく、多良間村の動向や町長リコールの動きがある伊良部町の情勢を見極めながら各市町村長が任意で話し合うべき」、「2005年1月1日にこだわりすぎ。もう少し時間にゆとりがほしい」などの慎重論が上がった。
 しかし、「これまで6市町村合併を推進してきた。5市町村でも問題はない」、「他市町村はすでに態度を決定している。上野村も早く態度を決めるべき」などの反対意見も上がり、話し合いは平行線をたどった。他の自治体の意向が一致している中、唯一先延ばしの姿勢を取っていたため早急な対応を求められていた上野村だが、議会の方針は 2度の協議でもまとまらなかった。
 5市町村合併案は多良間村を除く、平良市、城辺町、伊良部町、下地町、上野村での合併案で、上野村以外の4市町村は4月27日までに5市町村合併を確認している。

 写真説明・5市町村合併案についての結論が持ち越された上野村議会全員協議会=10日、上野村役場

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4日間で375人が投票/多良間村の議員解職期日前投票

 【多良間】7日から始まった多良間村議会議員の西平幹氏と石原朝英氏の解職請求(リコール)を問う住民投票の期日前投票は、10日までに計375人が投票を行った。8、9日は土日とあっていずれも120人以上が投票。期日前投票期間は25日までの19日間で、投票が始まってから4日間の投票率は37%。村選挙管理委員会では、住民投票日の26日までの期日前投票だけで60%以上の投票率を見込んでいる。今回の住民投票の結果は同村の合併賛否に大きく影響するため村民の関心も高く、合併賛否で割れる村内の情勢はますます激化している。
 10日までの投票者は、7日が95人、8日が129人、9日が121人、10日が30人の計375人。村選管の垣花清次委員長は「思った以上の投票率。村民の関心が高い。投票日までには高い投票率になるのでは」と話している。
 議会議員のリコールを問う住民投票は島内では初。投票者の過半数がリコールに賛成すれば投票率に関係なく成立することから、リコール請求した市町村合併反対派の住民グループ、西平氏、石原氏が所属する合併賛成派の住民グループがそれぞれ投票を呼び掛ける活動を展開。両グループとも投票用紙の見本を作成し、リコール賛成派は賛成の欄に西平、石原両氏の名前を明記した見本を配布、反対派は反対の欄に名前を明記した見本を配布するなどし烈な動きを見せている。
 期日前投票は村役場で25日まで行われ、時間は午前8時半から午後8時まで。住民投票は26日、塩川集落センターで午前8時から午後6時まで行われる。開票は午後7時から。

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宮古島で濃霧 池間島消える/注意報発令

 宮古島地方は10日早朝、濃霧に見舞われた。平良市池間大橋(全長1425メートル)は約700メートルと利かない視界となり、狩俣側から見ると、池間大橋の一部と池間島は濃霧の中にすっぽり入って全く見えなくなった。
 南海上の暖かく湿った空気が、冷たい宮古の一部に流れ込んで発生した。
 宮古島地方気象台は同日午前6時53分に濃霧注意報を発令し、同8時50分に解除した。平良港沖合や伊良部町佐良浜地区などでは解除後も発生していた。
 同港から約4メートル先の離島・伊良部町は、この日の午前11時すぎまで濃霧で煙り、視界から消えた。
 同港と同町佐良浜漁港を結ぶ高速旅客船の船員、西里成一さん(65)は「こんな霧は見たことがない」と驚いていた。

 写真説明=池間大橋の一部と池間島は濃霧の影響で全く見えなかった=10日午前7時30分ごろ、平良市池間大橋の狩俣側から 

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「フクギの里」形成へ/城辺町吉野地区

 城辺町吉野地区で10日午後、花木の共同植栽作業が行われ、地域住民ら約50人が集落内にフクギ750本を含んだ計1356本の花木を植え付けた。これは宮古農業改良普及センターが中心となって進めている地域農業振興総合指導事業の一環。他の地域に比べて緑や花類が少ない同地区の緑化を推進し、潤いのある緑豊かな地域の形成を図る。同センターの宮平エミ所長は「フクギの里づくりに向けてのスタートの年」と宣言、集まった住民に末永く花木を見守るよう呼び掛けた。

 今年度、3カ年計画の最終年度に当たる地域農業振興総合指導事業は農家生活の改善などを指導する事業。農業および農村を取り巻く情勢の変化に伴い、農業の担い手の減少など各種問題に対応するために導入された。吉野地区は海岸に面し、台風などの自然災害を受けやすいことなどから事業実施地域に選定。植栽事業で使用された花木は同センターや宮古森林組合、城辺町、県宮古支庁が提供した。
 植栽作業の開始セレモニーが午後1時から行われ、同センターの宮平所長は「防災営農の必要性が問われている中、今回の植栽事業は意義深いことだと思う。『吉野に住んで良かった』と思えるような地域を形成しよう。管理は皆さんの腕にかかっている」と呼び掛けた。
 地域住民を代表して吉野部落会の大浦景寿会長は「気持ちを1つにして、きょう植えた花や木を大切に守り育てていこう」と話した。
 この後、一斉に植栽作業を開始。約50人の参加者は班別にフクギやホウオウボク、ツバキなどを植え付けた。炎天下の中で、汗だくになりながら「フクギの里」を形成するための作業に取り組んでいた。
 同事業で植え付けられた花木はランタナ180本をはじめ、ハイビスカス200本、ミニサンダンカ200本、コバナアリアケカズラ4本、フクギ750本、ホウオウボク12本、ツバキ10本。

 写真説明=緑化推進のため花木を植え付ける吉野地区の住民ら=10日、城辺町吉野地区内本。

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廃車3000台を処理/7月には処理ラインが稼動

 平良市西原で野積みとなっていた約3000台分の廃車が、10日までに処理された。処理された廃車は台湾などの外国へ輸出される予定で、平良港のふ頭で船積みを待っている状況。放置自動車や廃車は処理費用がかさむことがネックとなり、処理が進まない状況が長く続いてきたが、平良市で民間業者が廃車処理ラインを建設中で、これが本格的に稼働すれば島内の廃車処理が格段に進むものとみられる。
 野積み廃車を処理したのは平良市のスクラップ処理会社テッツェ。同社の桜井哲顧問によると、今回処理したのは約2400トン。同社は日量120台の処理能力がある可動式のプレス機を使用。1カ月余で野積み廃車を処理した。
 また同社は廃車処理の処理ラインを下崎埋め立て地に建設中で、今年7月から本格的に稼働させる予定だ。10日は平良港に仮設置された、廃車の油抜きなどを行う施設を公開。適正処理をアピールした。

 写真説明=野積みとなっていた廃車が一掃された=10日、平良市西原

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