200平成16  5 曜日

漁業補償交渉委員選出へ/3漁協・伊良部架橋着工に向け

 伊良部架橋(県道)の2005年度着工に向け、公有水面の一部消滅に伴う漁業補償金についての交渉が年内にも本格化する。県は伊良部町などの関係機関と協力し、共同漁業権を取得している宮古の3漁業協同組合(平良市、池間、伊良部町)に対し、近く「漁業補償交渉委員」を選出するよう働き掛ける。各組合では6月に開催される定期総会に同委員の選任案を上程し、正式に決定する見通し。

 同架橋は、平良市久貝と伊良部町長山の浜を結ぶ離島架橋で、橋りょう部および海中道路の4キロ間で、公有水面が一部消滅するため、県は、3組合との漁業補償金の妥結と一部消滅を認めた同意が必要。全体の補償額が決まった後に、3組合は配分などについて話し合う。
 各漁協に配分する補償金は、各漁業の臨時総会で組合員への配分金が決められる。正組合員と準組合員とでは配分金に格差があるため、准組合員を正組合員に格上げするケースがあり、今後の各組合の組合員資格審査の対応が注目される。
 これまでの漁業交渉では、補償金を目当てにした准組合員から正組合員への昇格や駆け込み新規組合員加入があり、各組合では組合員資格をめぐって紛糾したことがある。
 国土交通省は今年3月30日、2004年度予算事業個所の伊良部架橋(一般県道平良下地島空港線)に3億5000万円を計上している。

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池間キヨさん、伊良波盛男さんに決定/第8回平良好児賞

 第8回平良好児賞に句集「花甘蔗」を発刊した池間キヨ子さん(71)=写真左=(平良市下里)と、池間島出身の詩人で近年は「池間民俗語彙の世界」、「鬼虎伝説」など池間島にこだわった著述活動を続けている伊良波盛男さん(61)=写真右=(千葉県習志野市)が決まった。池間さんの「花甘蔗(はなきび)」は10年以上にわたった創作活動の集大成。伊良波さんは単一作品ではなく一連の著述活動が受賞の対象となった。表彰式と祝賀会は今月19日午後7時から平良市内のレストランクールで開かれる。

 「平良好児賞」は、生涯を通じて短歌を中心に文芸・ジャーナリスト・郷土史など幅広い分野にわたって精力的な活動を繰り広げ宮古文学の「種蒔く人」と称された故平良好児氏を顕彰していこうと1997年に創設された。対象は宮古出身者の作品、あるいは宮古にかかわる文芸作品で優れた活動をした個人・団体。
 受賞が決まった池間さんは「賞を受賞することは全く考えなかった。自分が今まで作った句を句集として作りたかっただけ。(受賞の)知らせを受けたときは、すぐ返事ができなかった」と驚いた様子。池間さんは80年代の後半から俳句を始め、92年には通信俳句誌「荒妙」に投句。沖縄俳句研究会に入会し、現在も精力的な創作活動を続けている。
 伊良波さんは「選考委員の皆さんに認められたことがうれしい。池間島にこだわった部分が評価されたと聞き、島の人たちと喜びを共にしたい思いだ。この受賞を励みに今後も研さんを積んでいきたい」と話した。伊良波さんは79年に第2回山之口獏賞を受賞し、詩人としての評価は高い。近年は「池間民俗語彙の世界」、「鬼虎伝説」などを立て続けに発刊している。
 平良好児賞の選考委員は次の各氏。(敬称略)
 伊志嶺亮、松原清吉、仲宗根將二、砂川玄徳、友利敏子。

 写真説明(中)・池間さんの句集「花甘蔗」
 写真説明(下)・伊良波さんの「池間民俗語彙の世界」と「鬼虎伝説」

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投票用紙の「見本」で混乱/多良間村・

合併めぐるリコール期日前投票で

 【多良間】多良間村議会議員西平幹氏と石原朝英氏の解職請求(リコール)を問う住民投票の期日前投票が7日から始まったが、正式な投票用紙に似た別の投票用紙を持った有権者が投票に訪れ、会場は一時混乱した。この投票用紙はリコール対象となっている西平氏と石原氏が見本として作成し配布したもので、会場では選挙管理委員によって回収され、その後、通常通り期日前投票が行われた。また、リコール請求を行った市町村合併反対派の住民グループも投票用紙の見本を作成し配布しており、初めて実施されるリコールを問う住民投票に村内は騒然としている。
 西平氏と石原氏は、印刷会社から校正用に送られてきた投票用紙の見本を村選管からもらったほか、告示内容を見て用紙を作成。リコールに反対の欄にそれぞれ「ニシヒラ」「イシハラ」の名前を明記し、約400をコピーして有権者に配布したという。西平氏は「投票で混乱を招かないようにするため、見本を作り配った」と説明している。
 正式な投票用紙は西原氏が水色、石原氏が黄色に色分けされて2種類あり、投票方法が赤色の文字で記載されているが、西平氏らが作成した投票用紙見本はコピーのため文字はすべて黒となっている。村選管(垣花清次委員長)は「午前中は似ている用紙を持った有権者がいたので混乱したが、正式な投票用紙とは文字や線の色の違いがはっきり分かるので、問題ないと判断した。違法という意味合いはない。投票無効ややり直しは考えていない」と話した。
 一方、リコール請求を行った住民グループ「多良間村の自治と自立を推進する会」(高江洲常功会長)はリコール賛成の欄にそれぞれの名前を明記した投票用紙見本を作成し、配布。「正しく書けるように見本を作った。投票を成立させるようにやっている」と話している。

 写真説明・西平氏と石原氏が作成し有権者に配布した投票用紙の見本と同封した手紙

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双方の対立深まる/伊良部漁協とダイビング業者・

宮古観光のイメージダウン必至

 伊良部町漁業協同組合(奥原隆治組合長)がゴールデンウイーク期間中(5月1―5日)に同町白鳥岬沖の海域で行っていた、同組合と海面利用協定を結んでいないダイビング船を対象にした監視の活動が5日、終了した。期間中、奥原組合長らが乗っていた監視船3隻のうち2隻が「軍艦マーチ」を大音響で流し、渡真利将博船長=平良市漁業協同組合正組合員=のダイビング船1隻を排除する異常事態が発生した。双方の歩み寄りの見通しはついていない。来年のGW中も対立が再燃することが予想され、宮古島の観光イメージダウンが懸念されている。
 伊良部漁協と海面利用協定を締結しているダイビング業者は約30社あり、海面利用協力金を支払っている。奥原組合長は「協定を結んでいないダイビング業者の利用を認めるわけにはいかない」と話し海面利用協定への締結を呼び掛ける。
 これ対し渡真利船長は「最初からカネありきでは納得できない。まず海面利用協力金をどのように使うのか、その使い道の目的がはっきり示されれば協力はできる」と反論し、海面利用協力金の目的が明示された場合は締結もあり得るとの考えを示した。
 渡真利船長らのダイビング船を排除したことに関し、奥原組合長は「協力業者は漁協が設置したブイにアンカーロープを結んでからダイビングさせる。それは環境保全のためだ。非協力業者は、アンカーの投げ降ろし・引き揚げの際にサンゴ礁を破壊するから排除した」と正当性を主張。これに対し、渡真利船長は「ダイビングを妨害することは、威力業務妨害、営業妨害だ」と真っ向から反論している。
 ダイビング中のダイバーらの上で監視船が停船した問題について、奥原組合長は「監視船の下に、ダイバーらが泳いで来た」。渡真利船長は「ダイバーの上に監視船が来た」と双方とも譲らない。
奥原組合長らの監視船と渡真利船長との間で異常事態が発生していた時、平良海上保安署の巡視艇の搭載艇(小型ボート)2隻が事故防止の監視に当たっていた。小型ボートは「ダイバーが潜水中なので非常に危険。監視船は安全のために離れてください」と指導した。
 同署の対応について、奥原組合長は「ダイビング船と監視船の間で小型ボートがガードしたから危険な状況になった」と説明する。渡真利船長は「ダイバーらが危険な状況だったので、監視船を取り締まってほしかった」と振り返る。
 同署は「今の法律では取り締まりはできない。取り締まりができるような国の新たな法律か県条例が制定できないものか。早く双方が共存共栄できるようになってほしい」、県宮古支庁農林水産振興課は「早く双方が譲歩してほしい」と成り行きを見守る姿勢だ。
 ダイバーらの間では「八重干瀬で潜れば海面利用協力金を支払わなくて済む」という情報が広がっているという。この件に関し、奥原組合長は「将来、放っておくわけにはいかいない」と語り、監視活動の範囲を広げていくことを示唆した。

 写真説明・ダイビング船に接近した平良海上保安署の搭載艇(左から2隻目)と漁協の監視船3隻=2日、伊良部町白鳥岬沖

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県議選に向け取締本部を設置/宮古署・署長以下52人体制

 来月6日に投開票される県議会議員選挙に向け宮古警察署(伊波盛春署長)は7日、事前運動取締本部を設置した。買収事犯などの選挙違反を重点的に取り締まる。同本部の体制は署長以下52人。
 掲示式では伊波署長と刑事課の金城秀実課長によって看板が同署に掲示された。
 伊波署長は「選挙の公正は民主主義の基本。選挙は自由で、公正を阻害するものは厳正に処罰する。署員一丸となって不偏不党な取り締まりに徹して、それぞれの持ち場で情報収集など選挙の違法行為を監視してほしい」と訓示した。
 宮古管内では市区(定数1)、郡区(同)に対し、それぞれ3人が立候補を予定している。

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