200平成16  5 曜日

コーラル社に3300万円支払い命じる/那覇地裁平良支部・

アロエベラ商品販売契約損害賠償訴訟

  アロエベラ商品を扱うガルマンインターナショナル(本社・大分県)が、下地町(川満省三町長)と同町が出資する第3セクター、コーラル・ベジタブル社(洲鎌善充社長)を相手取り、アロエベラ商品販売に契約違反があったとしてそれぞれに対し1億1000万円の損害賠償を求めていた訴訟の判決公判が30日、那覇地方裁判所平良支部で開かれ、溝國禎久裁判長は「原告(ガルマン社)の営業権を侵害する被告会社(コーラル社)の行為は故意による違法行為であるといえる」として、コーラル社に3300万円の支払いを命じた。下地町についてはアロエベラ取引契約の無効を認め「契約上の責任を問うことはできない」として原告側の請求を棄却した。コーラル社の洲鎌社長は控訴について「代理人と相談して決めたい」と話している。

 コーラル社の違法行為を認めた判決文によると、コーラル社の洲鎌社長(下地町の担当課長当時)は、コーラル社設立前に下地町、県物産公社、ガルマン社の3者で締結したアロエベラ取引契約で、ガルマン社の承諾なしに第三者に商品を販売しないという特約があることを知っていた上に、ガルマン社の販売会社が会員組織を構築する方法で営業することを知っていた―と指摘。にもかかわらず、コーラル社設立後、同社がガルマン社以外の第三者との間で商品取引を行い、かつガルマン社の販売会社が行っている方法と類似性が高い販売方法でガルマン社の会員組織に営業活動を行うなどの行為は「著しく商道徳に反する方法で顧客獲得を図ろうとしている」と指弾し、コーラル社の違法行為を認めた。
 賠償額については当初ガルマン社が利益率として売上高の約25%を主張していたことを踏まえ3000万円が「相当」と認定。これに弁護士費用の300万円を加え、計3300万円の支払いを命じている。
 一方、1998年12月にガルマン社、県物産公社、下地町の間で締結されたアロエベラ取引契約をめぐり、「下地町はコーラル社の履行補助者である」としてガルマン社に訴えられていた下地町について地裁は「契約は無効」と認定、原告側の訴えを退けた。この件に関してガルマン社は商品取引過程における同契約の有効性を訴え、下地町は無効を主張していた。この争点に関する司法判断は「契約時に町がアロエベラ商品の製造販売事業者であるかのような表示をしながら、実際はその意思がなく、かつ、コーラル社が設立されておらず不一致を意識しつつ契約を締結し、その真意においてガルマン社との合意ができていない。ガルマン社もその意志を真意の不一致と知ることができた」として契約は無効とした。また、契約が無効である以上、コーラル社が町の履行補助者であるということもできないとし、町が契約上の責任を負うことはないと結論づけた。

top.gif (811 バイト)

就職決定率65・2%/3月高卒者・前年比9・7ポイント上昇

 宮古公共職業安定所(平川康宏所長)は30日、2004年3月新規学卒者の就職決定状況を発表した。それによると高校卒業者の就職決定率は65・2%で、前年の55・5%に比べ9・7ポイント上昇した。一方で県全体の就職決定率73・9%とは8・7ポイントの開きがある。平川所長は就職決定率上昇の要因として、生徒・企業を集めた合同面接会が奏功したことを強調。「県全体や本土に比べ状況は依然厳しいが、手応えは感じている」と述べた。

 04年3月に高校を卒業した生徒783人のうち、就職を希望したのは132人。このうち、沖縄本島での就職希望者が25人、宮古が14人、本島と宮古にこだわらないのが20人で、県内希望者は計59人。県外希望者は前年比65・9%増の73人。一方、求人数は宮古管内、県外とも増え、全体では314人と前年比13・8%増となった。
 この結果、県内就職と県外就職を合わせた就職内定者(決定者)は86人で、前年の61人から41・0%増。就職決定率は65・2%で前年を9・7ポイント上回った。
 就職内定者(決定者)の内訳で見ると、県内は26人で前年を10・3%下回ったが、県外は前年比87・5%増の60人と大幅な伸びを見せた。就職決定率では、県内が前年比0・2ポイント上昇の44・1%とほぼ横ばいだったのに対し、県外は同比9・5ポイント上昇の82・2%。就職内定者数、就職決定率とも、県外の求人が増加傾向にあることを数字で示している。
 平川所長は、さらに就職決定率を高めるため▽在学中からの企業における体験学習▽保護者への職業意識啓発に関するセミナーの開催▽労働局と教育行政、学校現場が一体となった職業指導の確立―の3点が不可欠だと指摘した。

top.gif (811 バイト)

『知的財産権』で「実験協力校」/発明協が宮農高に委嘱・

活用向けて人材育成

 社団法人発明協会は、特許権や著作権などの知的財産権の教育が実施できる「実験協力校」として県立宮古農林高校(下地恵吉校長)を指定し4月28日、委嘱状を交付した。全国の農業高校からは17校が、県内からは同校のみが選ばれた。学校側では、研究が進められている有機肥料の開発を通して、知的財産権の尊重や活用に向けての人材育成ができる、と喜んでいる。
 実験協力校は工業高校では2000年度から実施されていたが、農業高校では昨年度から始まったという。
 政府は、世界における日本の競争力は低迷しているものの、科学技術の分野では高い水準を保っているとして、知的財産立国に向けた取り組みを強化。中でも、子供たちに対する知的財産教育が大きな柱として位置付けられている。
 今回、実験協力校に委嘱された同校では、課題研究などの活動で産業財産権標準テキストを使った授業・指導活動を行い、その研究成果を全国各地の教育機関に提供していくことになっている。
 同校は30日、実験協力校として委嘱状を交付されたことを報告。下地校長は「バイオリンの研究を進めながら、生徒たちに特許権の浸透と定着を目指した取り組みが指導できれば」と期待。前里和洋教諭は「宮古は環境面での新技術が求められている。宮古から発信できる技術はないか、そういったことを模索しながら、生徒たちにも知的財産の持つ重要性を指導し、実社会の中でも役立たせていきたい」と話した。

top.gif (811 バイト)

平良市出身の國仲博さん(大阪在)がグランプリ/「録王」作詩コンテスト

 平良市鏡原出身で大阪市に住む國仲博さん(59)の作詩作品「魂(マブイ)のエイサー」が2003年度「録王」作詩コンテストでグランプリに輝いた。
 魂のエイサーは、全国応募作品の中から「ベストコレクション」に選ばれ、審査の結果、最高賞となった。9月には副賞としてシングル版の全国発売が予定されている。
 「珊瑚の白砂 サクサクと 跳ねた島々 あの頃が 炎の春とは 気付かずに 夢の他国へ 飛び出した…」。國仲さんは1963年に宮古水産高校(現翔南高校)を卒業し、大阪に就職。「この歌は島を出た時のことなど、青春時代を思い出しながら作った。故郷への恋しい思いが詰まっている」と話す。
 文筆活動を精力的に続ける國仲さんは、93年に自伝小説「大風(うぷかじ)」を出版。そして近く宮古島を舞台にした小説「プカラス島」の全国発売も予定している。

 写真説明・グランプリを受賞した國仲博さん

top.gif (811 バイト)

5月8日は「ゴーヤーの日」/料理試食や特売実施

 宮古地区「ゴーヤーの日」実行委員会は30日の委員会で、今月8日のゴーヤーの日に行う販売促進キャンペーンの内容を確認した。当日はJAおきなわ宮古支店前の駐車場でゴーヤー料理の試食や販売を行うほか、宮古本島内の各Aコープで宮古産ゴーヤーの特売を実施する。
 ゴーヤーの日は1996年に県が定めた。この日に合わせて県内各地ではゴーヤーのPRを兼ねたイベントを実施。宮古地区も昨年からキャンペーンを実施し、ゴーヤーの地産地消と消費拡大に努めている。
 JAおきなわ宮古地区野菜果樹出荷連絡協議会ゴーヤー専門部会を中心に、各市町村などで構成される宮古地区の実行委員会は午後1時30分からJAおきなわ宮古支店で開かれた。はじめに下地恭一委員長が「素晴らしいゴーヤーの日を迎えよう」と力強く委員らに呼び掛けた。
 この後、キャンペーン内容を確認。当日はゴーヤーの販売をはじめ、ゴーヤージュースの試飲、ゴーヤーのチップ、漬け物などの試食および料理レシピの配布も行う。ゴーヤーだけでなく、他の野菜も販売される。
 宮古地区のゴーヤー出荷量は年々増加、2003年度は272トンを出荷し、販売額は1億5000万円(速報値)だった。

top.gif (811 バイト)

 平良市庁舎にこいのぼり/きょうから5月

 きょうから5月。5日の「こどもの日」を前に、各家庭の庭先やベランダ、公共施設の中庭などで、大空を泳ぐこいのぼりが多く見られるようになった。各小学校の新入生たちも新しい環境に慣れ始め、教室は元気な笑顔でいっぱいだ。高々と揚げられたこいのぼりには、子供たちの健やかな成長を願う地域の大人や親たちの思いが込められている。

 30日には平良市役所前広場で市内の公立保育所、法人保育園(所)、認可外保育園の年長児ら約300人が伊志嶺亮平良市長とともにこいのぼりを大空に掲げ、元気に泳ぐこいのぼりに園児たちから大きな拍手と歓声が上がった。

 ゴールデンウイークにも本格的に突入。各地の行楽地は、家族連れや観光客らの姿でにぎわいを見せつつある。宮古の夏本番へ向け始動だ。
 
 写真説明・「こどもの日」を前に大空を泳ぐこいのぼり=30日、平良市役所

top.gif (811 バイト)