200平成16  4 30 曜日

町税滞納額4200万円/伊良部町・徴収率が年々減少

 伊良部町(浜川健町長)の財政が危機に直面している中、自主財源の1つである町税の滞納が目立ちはじめ財政不足に陥るのではと憂慮されている。2003年度3月末現在の町税収入額は約3億円(徴収率75・9%)で、滞納額が4211万円に上っていたことが28日、分かった。町は「家庭の収入が厳しい場合は、分割方法もある」と町民に呼び掛けた上で「悪質な滞納者には、財産の差し押さえも辞さない」と強い姿勢で臨むことにしている。

 自主財源は、町が独自に調達する町税(町民税、固定資産税、軽自動車税など)や分担金・負担金、使用料・手数料、財産収入など。
 町税の徴収率は、2000年度の82・4%(収入済み額3億400万円)をピークに、01年度80・2%、02年度80・1%と、低下を推移。
町税のうち、法人町民税は00年度と01年度とも徴収率は100%達成していたが、02年度は98・7%。03年度3月末現在は前年度期同比で4・9%減の93・3%。町では4月と5月の2カ月間を税徴収強化期間に設定。全庁体制で徴収率アップのために個別訪問を実施しているが、滞納額はなかなか減らない。
 町税務課(池間藤夫課長)は「生活水準によっては分割方法がある。気軽に相談に訪れてほしい」と呼び掛けている。
 町は04年度当初予算では、地方交付税が前年度比2億円(9・8%)減少することで編成した。その不足額の一部を補うため、町税の過去5年間の未収額の80%を徴収し、6700万円を確保したいとしている。

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「環境モデル都市」形成など柱/県議選平良市区・

奥平一夫氏が基本政策発表

 6月の県議選で平良市区(定数1)に立候補する新人、前平良市議会議員の奥平一夫氏(54)は29日、国の三位一体改革の是正や市町村合併の促進、観光客からの協力金による環境を守る島づくりなどを掲げた基本政策を発表した。奥平氏は「国の三位一体改革によって地方財政は破たんしようとしている。税源移譲がないままの交付税・補助金削減に地方から悲鳴が上がっている。その地方の窮状を訴え、その是正に取り組みたい」と述べた。一方で観光客から協力金を得て基金を創設し環境保全策に活用する新たな財源確保案を提唱した。
 基本政策発表は午後3時から平良市内の後援会事務所で行われ、伊志嶺亮後援会長(平良市長)ら後援会関係者が同席した。
 伊志嶺会長は「奥平氏の政治姿勢は3期11年間の市議会議員活動で十分示されているが、ほかの立候補予定者と最も違うところは、きっちりとした平和問題に取り組むという姿勢だ」と述べた。
 基本政策はキーワードを「未来へ! 宮古力〜育む結いの心と自然〜」とし、▽市町村合併をはじめとする新宮古の創造▽宮古空港・下地島空港の米軍機利用を許さない、平和で安全な島づくり▽西原産廃火災事故の教訓をふまえ、環境モデル都市づくり。100年の大計に立った地下水保全▽農水産業・商工業・観光業の宮古ブランド化による地域経済の活性化▽情報通信・環境・福祉など新しい分野の新産業創出による、若者の雇用確保▽商店街の活性化および農漁村のインフラ整備と電線類地中化による災害に強いまちづくり▽宮古の文化に誇りを持つ教育と人材育成▽福祉と長寿の島づくり▽子育てや就労、各種相談の充実による男女共同参画社会の形成▽伊良部架橋、宮古病院の移転新築など圏域課題の解決―。

 写真説明・県議選に向けて基本政策を発表する奥平氏(中央)=29日、平良市西里の後援会事務所

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観光振興の一翼担う/宮古島東急リゾート・開業20周年で「感謝の夕べ」

 今年で開業20周年を迎える下地町の宮古島東急リゾートは28日、同ホテルで開業20周年記念祝賀会「感謝の夕べ」を開いた。観光関係者ら約100人が集い、同ホテルの20周年を盛大に祝った。
 同ホテルを代表して市原英明取締役総支配人は「このホテルが成人式を迎えることができたのは皆さんや島民のご支援、ご協力のたまものだ。この20年で観光客が10万人から37万人まで増加したが、宮古は私が初めて訪れた18年前と変わらぬ美しさのままだ。これからも30年、40年と皆様と歩んでいきたい。よろしくお願いします」とあいさつした。
 祝辞に立った川満省三下地町長は「20年前に素晴らしいホテルが建設され宮古の観光に一役買った。トライアスロンが20回目を迎えられたのも東急リゾートがあってこそ。今後も前浜を生かしたスポーツイベントを続けたい。宮古の観光産業のさらなる発展のためこれからも頑張りましょう」と激励した。
 また、伊志嶺亮平良市長は「観光客が増えたのは東急リゾートが20年間で果たしてきた効果だ。われわれの美しい島づくりへの気持ちを大事にして、今後も観光客が楽しんでいけるようにしましょう」と呼び掛けた。
 祝賀会では多数のお祝いのメッセージが贈られたほか、参加者らはお楽しみ抽選会などで互いの親ぼくを深めた。

 写真説明・観光関係者ら大勢が集い開業20周年を盛大に祝った=28日、宮古島東急リゾート

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あすから監視活動/伊良部町漁協・GWのダイビング船を

 伊良部町漁業協同組合(奧原隆治組合長)はこのほど理事会を開き、同町周辺海域を利用するダイビング船の監視を実施することを決めた。期間はゴールデン・ウイーク中の5月1―5日まで。同漁協は、同漁協と海面利用協定を締結していない非協定業者に対してはダイビングを認めない方針だ。
 同町の沿岸海域はダイビングスポットとして人気が高い。同協定を締結している業者のダイビング船は、すでに固定されているブイにアンカーロープを結ぶ。このやり方はサンゴ礁を保護する対策の1つ。同漁協では「非協定業者のダイビング船は、アンカーを放り投げて引き揚げるので、そのアンカーがテーブルサンゴや枝サンゴなどを破壊する。ダイビング船を監視することは、サンゴ礁の保護管理につながる」と話し、監視・管理活動の強化に取り組んでいく考えを示した。

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荷馬車でゴトゴト/伊良部町 シャーク牧場・宮古馬と触れ合い体験

 伊良部町で在来馬の宮古馬が引く小屋形の荷馬車に乗った触れ合い体験観光が29日、宮古で初めて本格的にスタートした。観光客らは乗り心地に大満足の様子で、雄大な自然を心ゆくまで満喫した。

 同観光に着手したのは、町内のシャーク牧場(玉元富彦代表)。宮古馬保存会(会長・伊志嶺亮平良市長)から飼育委託された宮古馬を活用した。
 現在3頭を飼育。このうち1頭が妊娠中のため、2頭で対応している。
荷馬車2台は、玉元代表らの手作り。
 同体験の発着場所は、下地島にある総合交流ターミナル施設「てぃだの郷」前の広場。奇岩・珍岩が150余り点在する佐和田の浜や下地島空港の離着陸訓練の光景などを見学する往復約2キロのコース。所要時間は30分。
 東京から一緒に訪れて体験した武良裕司さん(30)と黒田悠起子さん(21)は「荷馬車に揺られながらの体験観光は初めて。心身ともにリフレッシュした。佐和田の浜の景色が素晴らしかった」と口をそろえて話した。
 洌鎌敏一・いらぶ観光協会長は「荷馬車に乗ったことのある体験者は少ない。親子で触れ合い体験を行い、昔の人々が宮古馬とかかわった歴史を学んでみては」とPRした。
 玉元代表は「荷馬車に乗ると異国情緒的な気分になる。宮古馬と触れ合い体験した観光客らが喜んでくれたので大変うれしい」と語った。
詳しい問い合わせは、同てぃだの郷(電話78・5252)まで。

 写真説明・出発前の玉元代表(手前)と観光客ら=29日、伊良部町の「てぃだの郷」前の広場

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 「野鳥見つけた」/宮古少年自然の家・大野山林で自然教室開講

 大野山林の自然を学んでもらおうと、県立宮古少年自然の家(下里進所長)は29日、自然教室を開催した。同自然の家の職員らが講師となり、「野鳥を通して大野山林のことを学ぼう」をテーマに、参加者に大野山林の野鳥の生体について詳しく説明した。同教室は全6回の日程で行われ、次回は5月8日、「移入動物・ペット」をテーマに実施される。
 この日の参加者は約50人で野鳥の活動時間に合わせ午前7時に同自然の家に集合。同職員のガイドの下、山林内で野鳥の鳴き声から姿を捜した。確認されると、「やった。見つけた」と歓声を上げた。
 家族で参加した玉城貞洋さん(40)=平良市=は「自然に触れ子供の目も輝いている。残り5つの教室にも参加したい」と感想を話した。
 下里所長は「大野山林に生息する動物や植物などを勉強してほしい」と開催の意義を説明した。
 同教室は▽自然観察や調査を通し、宮古の自然や環境に関心を持つ子を育てる▽大野山林の現状を知り、人間と自然のかかわり方について考えるきっかけにする―ことを目的に開催された。
 今後の日程は▽5月8日=移入動物・ペット▽同22日=昆虫▽6月12日=山林のしくみ▽同26日=生態系▽7月10=発表会―となっており、主催者側では大勢の参加を呼び掛けている。詳しくは県立宮古少年自然の家(電話0980-72-8883)

 写真説明・野鳥を見つけ喜ぶ親子連れら=29日、大野山林

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