200平成16  4 29 曜日

「5市町村」発足延期/合併協議会・上野村が態度保留で先送り

 兼濱朝徳多良間村長の合併協議会からの離脱表明を受けて、同村を除く5市町村での法定協議会発足について各市町村が議会との協議内容を報告する市町村長会議が28日、合併協議会事務局で行われた。平良市、城辺町、伊良部町、下地町が5市町村での発足に推進の立場を示したが、上野村が「結論を出すには時期尚早」との理由で意向決定の先延ばしを要求。結局、5月の中旬ごろまで上野村の動向を見守ることとなった。

 多良間村を除く5市町村は兼濱村長が離脱を表明した今月15日の合併協議会後、5市町村での法定協発足について各議会で全員協議会を開催して協議。上野村を除く4市町村は5市町村での協議会発足に推進の姿勢を固めた。
 川田正一上野村長は「全員協議会を2度開いたが、6市町村の枠組みを変更するのであれば3町村(上野、城辺、下地)の枠組みも検討すべきではないかとの意見があった。村議会としては枠組みを決定するのは『時期尚早』との決断をした」と説明した。
 村議会の意思決定については5月の中旬ごろになるとの見解を示した川田村長だが、その説明については「これからゴールデンウイークに入り、期間中、県外・海外に出る議員がいる。それ以降でないと、議員にきょうの報告ができない。議員からはきょうの協議内容の報告を受けた後に議会で判断したいとの要望があった」と述べた。
 そのほか、同村議会の結論先送りを受けて川田村長から提案された任意協議会発足については、発足はせずに今後の協議についてはこれまでの市町村長会議で協議していいくことでまとまった。
 来年1月1日の合併に向け協議を進めている宮古地区だが協議終盤にきて各市町村の意向がそろわない状況が続いている。

・相手いないのに「3町村」/上野村議会・結論避け あえて先延ばし
 川田正一上野村長が5市町村での枠組みについて同村議会の先送り理由の説明をした後、耳を疑いたくなる答えが返ってきた。他の首長から今後について質問が出されると「これからGWに入り、期間中、県外・海外に出る議員がいるので、来月10日以降に協議に入る」と述べたのだ。同村議会事務局によると期間中に議員の視察・研修はない。これが個人的な旅行だとするとあきれた姿勢といえる。
 他の自治体の意向が一致している中、唯一先延ばし姿勢となった上野村議会には早急な対応が求められていた。しかし、川田村長から説明される内容は理解に苦しむものばかりとなった。
 同村議会で出された議員の意見は▽枠組みが変更可能であれば3町村(上野、城辺、下地)合併の可能性▽住民も3町村合併を望んでおりアンケートをとるべき▽28日の市町村長会議の内容を今後協議する―などだ。
 3町村合併については相手となる2町は5市町村での法定協発足に推進姿勢だ。特に城辺町は上野村の全員協より前に5市町村の枠組みをすでに選択していた。
 住民アンケートだが、相手2町の理解を得ていない段階で実施したところでまったく意味がない。この意見も理解に苦しむ。
 また、市町村長会議の内容を聞いてからの協議だが、28日の会議では川田村長が上野村議会の意向を説明しただけで終了、持ち帰る報告内容は皆無と言っていい。
 明確な理由なく先延ばしする上野村議会の姿勢は合併問題を真剣に考え推進の姿勢を示している他の自治体や住民に対して失礼な態度と言えよう。
  (垣花 尚記者)

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友利恵治さん(下地町)県2位/県さとうきび競作会表彰

 【那覇支局】第28回(2003−04年期)県さとうきび競作会表彰式(主催・県糖業振興協会)が28日午後、那覇市の自治会館で行われ、春植、夏植、株出、特別表彰、多量生産の各部門合わせて13個人・法人が表彰を受けた。このうち宮古地区代表の友利恵治さん(下地町上地)が県2位、春植部門1位となり農林水産省生産局長賞、県知事賞、県糖業振興協会理事長賞を受け、また、下地寛三さん(同)が奨励農家の表彰を受けた。受賞した友利さんは「今回は側枝苗の使用が受賞の一歩になったと思う。新品種の農林15号で甘蔗糖度も新記録となり大変うれしい。さらにキビ作りを勉強していきたい」と喜びと抱負を語った。
 宮古地域では昨年9月の台風14号の被害がサトウキビにも懸念されたが、その後の雨で大幅な回復が見られた。友利さんは3年前に夏植県1位の実績があり、地域の模範農家。今回、春植で、今期収穫面積のうち40アールは自家採取の側枝苗栽培を行い、また新品種の農林15号による初の受賞。反(10アール)当たり収量は12・535トン。甘蔗糖度は16・8度で新記録となった。
 下地さんは夏植で、農林8号を栽培し、反収16・992トン、甘蔗糖度14・8度の成績を上げた。
 県1位は、夏植部門1位となった東風平町の神谷清浩さんで、反収20・658トン、甘蔗糖度15・3度の成績だった。
 県糖業振興協会の大城惟宏副理事長が主催者あいさつに立ち、受賞者をたたえ、「県、市町村、地域関係者と一丸となって糖業振興に取り組んでいく」とし、生産向上に向け農家や関係者の一層の努力を期待した。
 来賓で稲嶺恵一知事(牧野浩隆副知事代読)、前川泰一郎沖縄総合事務局長が祝辞を述べ、競作会の意義を強調したほか、各種事業の推進に協力を求めた。

 写真説明・県さとうきび競作会表彰を受けて喜ぶ県2位の友利恵治さん(左)と奨励農家の下地寛三さん=28日、那覇市の自治会館

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収納率アップへ全庁体制/平良市・

幹部職員ら国保税未納者から訪問徴収

 国民健康保険税納付に対する意識を高め収納率の改善を目的に、平良市(伊志嶺亮市長)は28日、全庁体制による国保税納付督励出発式を市役所前広場で行った。国の三位一体改革の影響等で市の財政状況はさらに厳しさを増しており、今回の納付督励は例年以上の取り組みが求められている。参加した各部課長、職員らは出発式後、国保税未納者など納付督励対象世帯を訪問し、納付と国保事業への理解を呼び掛けた。平良市では5月末の出納整理期限へ向けて、2003年度国民健康保険税収納率92%以上を目指しているが、4月23日現在の収納率は84・86%となっている。

 出発式で伊志嶺市長は「医療費の高騰や不景気等で国保税の徴収は厳しい状況となっている。全庁体制で督励を実施して収納率を向上させたい」とあいさつした。
 今回の納付督励には三役、部課長など約40人が15班に分かれて訪問し、▽国保事業の周知徹底▽滞納保険税の納付督励および来庁指導▽口座振替の推進▽滞納理由把握(悪質滞納、病気、失業など)▽資格異動の把握(不現住者、社保加入等などの未届)―を行う。
 平良市の国保税収納率はこれまで7年連続で国の交付金確保に必要な92%には至らず、交付金減額のペナルティーが課せられ続けている。02年度の収納率は90・06%で約2500万円の交付金がカットされた。
 平良市の場合、一般被保険者数が1万人以上5万人未満であることから、国保の普通調整交付金を受けるための収納率は92%に設定されており、90%以上92%未満の場合は交付金が5%(2500万円)減額される。平良市の国保税収納率は1995年の93%を境に減少傾向。国保事業の交付金減額となる収納率92%を02年度までに7年連続で下回り、03年度も92%を下回った場合は8年連続となる。

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推進協議会を設立/かぎすま安全なまちづくり

 犯罪のない安全・安心な沖縄県の実現を目指す「ちゅらうちなー安全なまちづくり条例」が今月1日に施行されたことを受け、宮古地区の各種団体を網羅して結成する「宮古かぎすま安全なまちづくり推進協議会」が28日設立し、宮古警察署で設立総会が行われた。会長には、伊志嶺亮宮古市町村会長を承認。今後、安心して暮らせる社会の構築に官民一体で取り組んでいく。
 同協議会は、自治体関係の6団体、事業系が9団体、防犯、交通安全関連の協力団体が4団体、教育、地域関連が8団体の計27団体で構成。
 総会では、同協議会の規約、事業計画を審議、承認した。
 構成団体は「ひとづくり」「まちづくり」「ゆいづくり」の3つの専門部会に分かれ、それぞれの役割に取り組む。重点取り組み事項としては、県や市町村が管理する施設などの安全総点検と条例概要の周知徹底が挙げられた。
 宮古署の伊波盛春署長によると、2002年度の県内刑法犯罪の数は2万5000件で、12年前の約2倍に増えているという。
 伊志嶺会長は「地域住民も観光客も安心できるまちづくりが求められている。宮古をより安全なかぎすまにするよう協力して頑張ろう」とあいさつした。
 今後、地域の防犯リーダーの育成、通学路の非常通報装置などの設置促進、犯罪危険個所のマップ作成など、多岐にわたる「ちゅらさん運動」の推進で、安全な社会の構築を目指す。

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「虫払い」で豊作祈願/下地町 来間島でムスヌン

 下地町来間に伝わる豊作祈願祭「虫払い」が旧暦3月のひのとうしに当たる28日、ムスヌン浜で行われ、住民らが一堂に会し、向こう1年の豊作を祈願した。虫払いは「ムスヌン」とも呼ばれ、火で焼いた農作物の害虫を海へ流し、今後島へ害虫が入ってこないよう祈る行事。住民らは歌や踊りでにぎやかに豊作祈願を行った。
 この日は潮が引き始める午前6時ごろからムスヌンが執り行われ、ツカサやユージャスと呼ばれる女性10人が虫払い御嶽(ウタキ)で豊作を祈願した。酉年、牛年、亥年生まれの男たち3人が焼いた約30匹の害虫をシャコガイに入れ、ムスヌン浜から約300メートル沖へ繰り出し、海中にある岩穴に入れ潮の流れにまかせて沖へ流した。
 午後からはほとんどの島民がムスヌン浜にある広場へ集まり、無事に虫払いが行われたことを祝い、歌や踊りで1年間の豊作を祈願。来間小中学校の生徒や在平良郷友会の会員らも参加し、三線演奏や踊りで祭りを盛り上げた。最後は参加者全員でクイチャーを踊り、にぎやかに祈願祭を締めくくった。
 来間部落長の保良栄成さんは「1年間の住民の健康とともに豊作を願いたい」と述べ、約30年間行事に携わっているという上地茂男さん(70)は「虫払いは昔からの伝統。若い人たちにもつないでいかないといけない」と島の伝統行事への思いを話した。川満省三町長は「この行事が若い児童・生徒にも引き継がれていくことを期待する。地域の皆さんの協力も必要なので協力をお願いしたい」と呼び掛けた。

 写真説明・クイチャーを踊り豊作を願う住民たち=28日、来間島ムスヌン浜

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