200平成16  4 27 曜日

フォースターら上位入賞者を表彰/「勝者一堂に」トライ表彰式

 第20回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古広域圏事務組合など)の表彰式とふれあいパーティーがレース本番から一夜明けた26日、平良市総合体育館で開かれた。総合で2連覇を果たしたマルクス・フォースター(29)=ドイツ=、女子で初優勝した岡いずみ(34)=東京都=ら上位入賞者に記念のカップや盾などが贈られた。表彰式には出場選手や大会関係者が多数参加し、熱闘のレースを振り返りながら、来年大会での再会を誓い合った。

 表彰式は午後3時から行われ、総合1位から10位、女子1位から10位までの上位入賞者に盾が贈られた。
 伊志嶺亮・大会長は「20回目のトライアスロン大会を無事終えることができた。参加者、ボランティアに感謝したい、そして心からおめでとうの言葉を贈りたい。2連覇のフォースター選手、初優勝の岡いずみ選手、心からおめでとう」と述べた上で、「皆さんの宮古島を愛する気持ちによって、島は元気になった。これから1年間でさらに島を活性化させ、皆さんに『お帰りなさい』と言えるように磨きをかけたい。来年、皆さんに再会できるよう願っている」と話した。
 表彰式に引き続き、ふれあいパーティーが行われ、参加者たちがレースを振り返りながら、互いの健闘をたたえ合った。
 上位入賞者らは一般のトライアスリートから記念撮影を求められると気軽に応じていた。
 ステージではシンガーソングライターで大会に連続出場している古代真琴さんらがステージに上がり、宮古島大会を表現した歌で会場を盛り上げた。またスクリーンではレースの模様が映し出され、「宮古島の熱い1日」が再現された。
 今大会には最終的に1434人が出場、1314人が完走を果たし、完走率は91・63%だった。総合は3位まで外国勢が独占、逆に女子は日本人選手が独占した。

 写真説明・連覇を果たしたフォースター選手をはじめ上位入賞者が壇上で表彰された=26日、平良市総合体育館

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ミャークフツと演芸で湧く/在沖宮古郷友連合会・

演芸まつり〜ミャークフツ大会〜

 【那覇支局】在沖宮古郷友連合会(宮國義夫会長)主催の「第17回演芸まつり〜ミャークフツ大会〜」が25日午後、那覇市民会館大ホールで行われた。ミャークフツ(宮古方言)での歌や昔話、漫才を織り込みながら、クイチャーなどの宮古の伝統芸能、コーラス、日舞などが多彩に繰り広げられ、満員の会場は笑いと感嘆のどよめきに包まれた。

 舞台は、在沖宮古民謡協会の「トーガニアヤグ」でみやびやかに幕開け。宮古の民謡や踊り、コーラスなどをはさんで5組のミャークフツの漫談、漫才が披露された。
 城辺町郷友会の砂川康一さんと国仲守さんは漫才と「氷雨」の宮古方言替え歌で笑いを誘った。上野村郷友会の久貝愛子さんは、宮古創世の神話伝説を方言で語り、天帝の命で古意角、故意玉の男女神が宮古島を創ったという伝説を紹介しつつ現代知識との隔たりにも触れた。在沖宮古郷友連合会役員の砂川金市さんと与那覇隆さんは漫才で、昔の宮古の人々に付けられた神の名、今に残る屋号の話などを紹介。同郷友連合会女性部の有銘松子さんは、出身地の狩俣方言で自身の昔のころを回想、小学1年生になって、母乳を吸いたいが笑われるからとやめたことや祭り行事のこと、そして祖父が歌ったという歌(トゥバラーマ)を自ら朗々と歌い上げた。久松郷友会の新里恒彦さんは、戦争時に徴兵され、英単語本を持っていて鬼軍曹に見つかり辛い目にあったことなどを想起し、平和を願う思いを伝えた。
 演芸ではコーラス「女童」、平良市郷友会女声合唱団「カリーナ」のコーラス、上野村郷友会の「宮国クイチャー」や宮古クイチャー勇志の会や野崎クイチャー愛好会のクイチャー、宮古竹の会と一条流翠玉会の日舞、「ロケラニ」のハワイアンフラ、伊良部町郷友会女性部や鏡原郷友会の民踊、下地町郷友会のカラオケなどバラエティーに富んだ。
 宮國会長はあいさつで「ふるさと宮古の方言を堂々と使い、民謡やクイチャー、ワイドー(頑張れ)やアララガマ(不撓不屈)精神に誇りを持とう」と大会開催の思いを述べた。

 写真説明・伝統のクイチャーも繰り広げられた(写真は宮古クイチャー勇志の会)=25日、那覇市民会館

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日焼け顔で健闘たたえ合う/トライふれあいパーティー・

レース振り返り交流

 第20回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古広域圏事務組合など)から一夜明けた26日午後、平良市総合体育館で選手の労をねぎらう「ふれあいパーティー」が開催された。会場には選手らが晴れやかな表情で集い、長く過酷なレースを互いに振り返り、健闘をたたえ合った。

 「来年もまた宮古島で会いましょう」と大会を通して知り合った選手同士が交流を深める場面も見られ、大会の余韻に浸っていた。
 大会関係者は記念大会が無事終了したことで一様に胸をなで下ろすとともに、同大会のさらなる発展を目指し気持ちを引き締めている様子だった。
 パーティーに出席した選手らは終始リラックスムード。「お疲れさま」と声を掛け合い交流。大会を通して知り合った仲間、チーム同士の交流も盛んに行われていた。また、パーティーの様子や気の合う仲間たち、あこがれの選手とデジタルカメラやカメラ付き携帯電話で記念撮影する姿も見られた。
 序盤こそ涼しい気温の中で行われたレースだったが、天候の回復につれどんどん気温が上昇。加えて海岸部では強風が選手を襲い、過酷なレースとなった今大会。真っ赤に日焼けしたトライアスリートらは競技を振り返り、互いのレース経過を報告し合い、話に花を咲かせた。
 パーティーに先だって行われた閉会式、表彰式では劇的な逆転により連覇を達成したマルクス・フォースター選手(ドイツ)や女子の部で初優勝に輝いた岡いずみ選手(東京都)ら上位入賞者が表彰され、大会関係者らから盛大な拍手が送られた。

 写真説明・互いの健闘をたたえ合い、来年の再会を誓う選手ら=26日、平良市総合体育館

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第20回全日本トライアスロン宮古島大会総括

 第20回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古広域圏事務組合など)は25日、国内外から1434人が出場し、スイム3キロ、バイク155キロ、ラン42・195キロの合わせて200・195キロのコースで競われ、男子は昨年優勝のマルクス・フォースター(29)=ドイツ=が連覇。女子は岡いずみ(34)=東京都=が初優勝を飾って幕を閉じた。20回目の記念大会としても注目された今大会。島内各地では住民がボランティアとして大会を支え、沿道からは選手を鼓舞する声が絶えなかった。大きな事故もなく無事終了した記念大会を振り返る。

 序盤レースを引っ張ったのはスイムの大会記録34分24秒を持つ疋田浩気(31)=静岡県=。2年前の第18回大会は地元・宮古からの出場で大会を盛り上げた疋田は、記録更新には及ばなかったものの2年ぶりの出場で存在感を示した。
 バイクは中盤に入り、ミッチェル・アンダーソン(28)=オーストラリア=がトップに立ち、フォースター、河原勇人(26)=東京都=らがこれに続いた。アンダーソンは2位に約8分差でバイクを終えた。
 ランに入りアンダーソンが独走するかに見えたが、フォースターがスパートをかけた。折り返しで約4分差に縮め、30キロ手前で逆転。王者の実力を十分に見せつけた。3位には初出場のピーター・ヴァブロスク(30)=チェコ=が入り、昨年大会に続き、外国勢が表彰台を独占した。
 6年ぶりの王座奪還を狙った日本勢は、京都から沖縄に活動拠点を移した田村嘉規(35)=名護市=の4位が最高。谷新吾(36)=愛知県=が5位。河原が7位。外国勢との力の差を埋められるか、来年大会の奮起を期待したい。
 女子は岡いずみが初めての栄冠を勝ち取った。スイムは名取仁美(20)=山梨県=が2位に3分半差でトップ。バイクは外国招待選手のヘザー・ジョリス(35)=アメリカ=、ジュリー・カーウイン(39)=カナダ=が前に出た。
 岡は得意のラン勝負。午後、気温が上がりスピードの落ちた外国勢をはじめ、前を行く選手をとらえて逆転した。2位は三度の優勝経験を持つ山倉紀子(40)=東京都=、3位は昨年8位の塩野絵美(24)=東京都。楽しみな若手選手の躍進が目立った。連覇を狙った千葉ちはる(32)=那覇市=は11位と実力を発揮しきれなかった。
 「二十歳」の記念大会となった今大会。第1回から大会を支え、今では総勢約4800人に上る。ボランティアがいなければ大会は成立しない。今年も、スイムレスキュー、エイドステーション、マッサージ、通訳、食料運搬などあらゆる面でボランティアが活躍し、選手の期待、要望に応えた。
 連覇のフォースターは関係者、ボランティアに感謝し、「宮古島では特別な雰囲気を味わいながらレースができる」と絶賛した。
 選手からは「大会運営が組織化されている」「事務局の対応が洗練されている」など、好評価を得た。
 沿道では多くの住民が踊りや歌、「ワイドー」の声援で選手の背中を押した。20年で国内外に知れ渡るスポーツイベントに成長した大会は、住民にとっても年に1度のなくてはならない「祭り」となっている。
 20回の節目を迎え伊志嶺亮大会長(平良市長)は、大会の成功だけでなく、地域がまとまりを持てたという点で大会開催の意義を強調。「1つになれば地域発展につながるという気持ちが生まれた。ぜひ30回、40回と続けたい」と決意を新たにした。
 来年以降も大会は続く。高い評価を維持し続けることは極めて難しい。初心に帰り、安全で、選手に「また来年も」と思わせ続ける、島を挙げた大会が望まれる。
   (砂川拓也記者)

 写真説明・逆転で連覇を果たし、王者の貫禄を示したフォースター=25日、平良市のJAおきなわ宮古支店前

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運営費の減少など課題/トライの将来像でフォーラム

 第20回全日本トライアスロン宮古島大会を記念した「トライアスロンフォーラム」(主催・宮古島トライアスロン実行委員会)が26日午前、平良市総合体育館で行われ、国内各地で開催されるトライアスロン大会関係者らが、各地域のトライアスロン競技の将来像などについて意見を交わした。
 出席したのは、北海道留萌市の「日本海オロロンライントライアスロン国際大会」実行委員会の伊勢田正義運営委員会委員長(留萌市役所経済交流部長)、新潟県佐渡市(佐渡島)の「佐渡国際トライアスロン大会」の村上賢如事務局長、福島県会津市などで行われる「うつくしまトライアスロン」実行委員会の三瓶忠雄福島民友新聞社事業局長、日本トライアスロン連合(JTU)の荒井憲二理事長。宮古トライアスロン実行委員会からは翁長靖夫前実行委員長と、伊志嶺亮大会長(平良市長)、二木哲実行委員長が参加した。
 各出席者からは▽参加選手数の減少▽厳しい経済情勢の中での運営費の減少▽ボランティアを含めた人的な体制が取りづらい│などの課題が挙がった。具体的には佐渡大会の村上さんが「財政的な部分で、パーティーなどができなくなっている」、福島大会の三瓶さんは「宮古島のように地域全体で応援という雰囲気ではない」などと報告した。
 これに宮古島大会の翁長さんは「レースはもちろん重要だが、選手が地元と交流するパーティーは必要。いろいろな大会を見ると、マスコミの扱いが小さい。地元マスコミに協力してもらうことも大事だ」など、自らの経験を踏まえて出席者らに提言した。
 フォーラムの締めくくりで、宮古島大会の伊志嶺大会長は「トライアスロンを開催したことで、宮古には地域がまとまって何でもやれるという雰囲気が生まれた」と、大会そのものによる地域活性化だけでなく、目に見えない部分の効果を強調した。

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 池間、宮里 両6段が宮古代表/朝日アマ囲碁十傑戦2次予選

 第44回朝日アマ囲碁十傑戦の宮古地区2次予選が25五日、平良市内のこすみ囲碁教室で行われ、池間博美6段=左写真=と宮里光雄6段=右写真=の2人が勝ち抜き県大会進出を決めた。県大会は5月2日、那覇市の伊波棋友会で行われる。
 2次予選には5段以上と1次予選の勝者・豊見山徹4段の合わせて19人が参加。対局は互先のトーナメント方式で行われた。
 Aブロックでは池間6段と知念一将6段が勝ち上がり、決勝は両者の対戦。黒番の池間6段は立ち上がり早々、白の無理気味な手をとがめて形勢をリード。中盤でもさらに差を広げ押し切った。
 Bブロックは宮里6段と平良博彦6段の対戦となった。序盤は宮里6段(白番)の実利に、黒は模様で対抗。中盤に入り、黒模様の中での攻防が勝負所となったが、白はうまく立ち回り中押し勝ちした。
 県大会には県内8地区の代表16人が参加し県内囲碁十傑を決める。池間6段は同大会で、過去9回県代表に輝いている。

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