本日のニュース

２００４年（平成１６年）４月２４日土曜日

☆ 選手1500人が健闘誓う／トライ宮古島大会・にぎやかに開会式

　第20回全日本トライアスロン宮古島大会（主催・宮古広域圏事務組合など）の開会式とワイドーパーティーが23日午後７時から平良市総合体育館で開催され、エントリーした1500人の選手たちが、２日後に控えたレース本番を前に、互いの健闘を誓い合った。前回大会初出場ながら優勝を果たしたマルクス・フォースター（29）＝ドイツ＝が選手宣誓した。ワイドーパーティーでは節目の20回大会を記念して、連続20回出場の与儀忠文さん（47）＝平良市＝ら７人が「ストロングマン栄光賞」、第１回大会優勝の中山俊行さんら歴代優勝者が「ストロングマン功労賞」として表彰された。

　号砲はあす25日午前７時30分。下地町前浜ビーチでのスイムキロを皮切りに、池間島、来間島を含めた島内を１周するバイク155キロ、フルマラソンのラン42･195キロの計200･195キロのレースが、制限時間の午後９時30分まで繰り広げられる。今大会のテーマは20回の記念大会に合わせて「波に乗れ　風になれ　二十歳のストロングマン」。
　大会には47都道府県すべてと海外14カ国・地域の計56人を含む1500人がエントリー。地元宮古からは女性９人を含む79人が出場。宮古からの初出場は17人。
　開会式で伊志嶺亮・大会長（宮古広域圏事務組合代表理事）は「宮古島大会は今年20回目の節目の大会を迎えた。241人でスタートした大会は、関係者の努力はもとより圏域住民、ボランティアの一丸となった取り組みによって支えられ、回を重ねるごとに充実・発展しスポーツアイランド宮古の名を県内外に広めてきた。記念大会を迎えるにあたり皆さんに感謝したい」と話した上で、「宮古島大会をさらに発展させ、県域住民、ボランティア一体となって選手１人１人を感動のゴールへと後押しする熱気ある大会にするため取り組んでいく。選手の皆さんはそれぞれのペース配分に心掛け、勝利の栄光を手にし心に残る大会となることを願っている」とあいさつした。

　稲嶺恵一知事は「鍛え抜かれた鉄人たちの白熱したレースを県民とともに楽しみにしている。またこの機会に地域の皆さんとの交流と宮古の自然、伝統文化に触れ、心に残る大会になることを願っている」と選手らを激励した。また茂木敏充沖縄担当大臣から祝辞が寄せられた。
　開会式に引き続きワイドーパーティーが開かれた。会場では宮古そばや郷土料理が振る舞われ、参加者たちが島の味を堪能しながら、互いの健闘を誓い合った。ステージの大型スクリーンでは過去19回の大会の模様を映像で振り返った。

　写真説明（上）・連覇を狙うフォースター選手（右端）らが乾杯し互いの健闘を誓い合った23日、平良市総合体育館
　写真説明（中）・マルクス・フォースター選手が選手宣誓を行い、記念大会での選手全員の健闘を誓った＝23日、平良市総合体育館
　写真説明（下）・20回大会のロゴをかたどったケーキは選手の子供たちに好評

　第20回全日本トライアスロン宮古島大会は25日午前７時30分、下地町与那覇前浜ビーチのスイム（３キロ）でスタートし、バイク155キロ、ラン42･195キロの３種目、計200･195キロのコースで競われる。昨年初優勝したマルクス・フォースター（29）＝ドイツ＝の連覇なるか、日本勢が６年ぶりの王座奪回を果たすのか。トップ争いを展望する。

【男子】　フォースター連覇なるか
　優勝争いの中心は第19回大会で初優勝のフォースター。第18回大会まで４連覇していたピーター・クロプコ＝ハンガリー＝に約10分の大差をつけた実力は健在。暑い宮古をイメージできるスペインで合宿し、「（当日は）暑ければ暑いほど良い」と自信を見せる。
　今大会は昨年２位、３位選手がともに出場しないことで日本勢には大きなチャンス。フォースター包囲網を敷く。
　昨年４位で日本人トップの小原工（37）＝兵庫県＝は、苦手のバイク中心の練習で「今まで以上の手応え」を感じながらの宮古入り。得意のスイムで昨年以上に抜け出し、バイクで離されないことが勝利の条件だ。
　昨年５位で４年連続５位以内をキープしている田村嘉規（35）＝名護市＝は、トレーニングの拠点を京都から名護市に移した。「地元勢」としての出場で、第14回大会以来、６年ぶりの優勝を狙う。
　バイクトラブルで昨年は９位と不本意な成績に終わり、雪辱に燃える谷新吾（36）＝愛知県＝は、昨年ただ１人、ランで３時間を切り、トップ10に入る意地を見せた。第13回大会で優勝経験もあり、勝機は十分ある。
　今大会が出場10回目のベテラン藤原裕司（40）＝栃木県＝、昨年は一般参加ながら８位に入る躍進を見せた河原勇人（26）＝東京都＝らも上位をうかがう。
　外国招待選手では、03年アイアンマンアメリカウイスコンシンなど３大会でいずれも４位入賞のピーター・ヴァブロスク（30）＝チェコ＝、同ニュージーランド９位のミッチェル・アンダーソン（28）＝オーストラリア＝、同フロリダ10位のピーター・トレイラー（26）＝アメリカ＝がいずれも初出場。第18回大会を経験しているワーナー・レイトナー（34）＝オーストリア＝とともに、どこまで上位争いをできるかが注目される。

【女子】　千葉のＶ２に注目
　前回、県勢初の優勝を飾った千葉ちはる（32）＝那覇市＝が連覇に挑む。昨年10月に右太ももを痛めたが、その後のトレーニングで回復。筋力アップに力を注ぎ、今月11日の石垣島トライアスロン（51・５キロ）一般部門で優勝するなど、今大会に照準を合わせて仕上げてきた。
　対抗するのは03年カナディアンロングコースで優勝しているジュリー・カーウイン（39）＝カナダ＝、ハワイやブラジルのアイアンマンレースに何度も出場しているヘザー・ジョリス（35）＝アメリカ＝の外国招待選手。
　日本勢では、昨年４位だった01年の学生チャンピオン、野中美佐（26）＝愛知県＝が、リベンジを誓っての出場。一般参加ながら、女子では最多となる３度の優勝経験を持つ山倉紀子（40）＝東京都＝も要注意だ。

　写真説明・共同記者会見を終え、ガッツポーズで互いの健闘を誓い合う招待選手ら＝23日、平良市の宮古広域情報センター

　　　※ トライアスロン招待選手・共同記者会見コメントへ

☆ 城辺は確認、下地は持ち越し／議会全員協・合併５市町村枠組み

　多良間村の兼濱朝徳村長が市町村合併協議会からの離脱を表明したことを受け、城辺町議会（伊志嶺幹夫議長）と下地町議会（川満廣俊議長）はそれぞれ23日、全員協議会を開き、多良間村を除く宮古５市町村による合併協議会の立ち上げについて協議した。城辺町議会は大筋で合意したが、下地町議会は結論を持ち越した。同町議会は町当局から正式な提案がないことや議員１人が欠席したことを理由に結論を先延ばしした。

　城辺町議会は同日午前10時から、町役場で仲間克町長らを交えて協議した。はじめに仲間町長が６市町村の枠組みによる合併協議会の現状を報告した上で、残る５市町村による合併協立ち上げについて「方向性を示してほしい」と求めた。
　これに対し、意見する議員の大半が「５市町村で進めるべきだ」との考えで一致。「多良間村を待っていられない。これまで進めてきた協議はどうなる」などの意見が相次ぎ、５市町村による枠組みを支持した。
　ただ、一部議員の間では結論の先延ばしを求める声もあった。22日の上野村議会全員協議会の内容に触れ「城辺、下地、上野による３町村の合併を過去の話にしてはいけない」と述べる議員もいた。
　その後も活発な意見が交わされたが、最終的には大筋で５市町村の枠組みによる合併協の立ち上げを了承した。
　一方、下地町議会の全員協議会は午後７時すぎから開かれたが、欠席した議員が過去の協議会において「合併反対」の意思を示していることなどを理由に結論を持ち越し。さらに町当局から正式な提案がないことを理由に散会した。
　同町議会は27日に再度、協議会を開く。

☆ 行幸啓記念し句碑建立／南静園・作者は入所者の湧川さん

　今年１月に来島された天皇皇后両陛下の宮古南静園（比嘉賀雄園長）来園を記念し、入所者の湧川新一さん（76）が詠んだ俳句の句碑が23日、園内に建立された。句碑の前には入所者や職員が集まり、除幕式が行われた。
　句碑に刻まれた俳句は「行幸啓待つ磯香の地年始湧く」「皇后歌碑かしこみて園春を待つ」の２つで、園内２カ所に句碑が建てられた。湧川さんは「両陛下がいらっしゃると聞いたとき、何かできないかと考えて俳句を詠んだ。天皇陛下には『俳句を作って長くなりますか』と尋ねられ『30年になります』と答えた。びっくりした」と、当時の様子を振り返り「感激でいっぱい」と句碑の建立を喜んだ。
　同園自治会の宮里光雄さんは「両陛下のご来園は、園の歴史に輝く１ページを刻んだ。その足跡を形に残せたことは素晴らしいこと」と話した。また、比嘉園長は「ご来園の感動を呼び起こす句碑ができ、とてもうれしい」（新城日出郎副園長代読）とあいさつした。

　写真説明・天皇皇后両陛下ご来園記念の句碑が建てられた。作者は湧川さん（中央）＝23日、国立療養所宮古南静園