200平成16  4 17 曜日

「議会無視」と批判/多良間村・

合併賛成派議員が兼濱村長の「離脱」表明に

 【多良間】兼濱朝徳村長が議会議決に反し宮古地区市町村合併協議会からの離脱を表明したことを受け、「協議会脱退案」に反対した合併賛成派の議員は、議員発議による市町村合併推進案提案や村長の不信任案なども視野に入れた協議を行う方針。合併賛成派の5人のうち2人は合併反対派の住民グループによるリコール署名が成立し5月末にも住民投票が実施される見込みがあることから、早急に方針を決めていきたい考えだ。

 3月に開かれた臨時会で村当局が提案した「宮古地区市町村合併協議会からの脱退案」に反対した合併賛成派の議員は「議会を無視した対応は自分勝手。議会がありながらないがしろにしたことは、逆に住民に不信感を抱かせることになる」と村内情勢の複雑化に警告を発し「他の5市町村に迷惑を掛けたことを残念に思う。不信任かリコールも含めて今後の対応を確認したい」との見解を示した。同派の別の議員は「これまでの態度から見ても、この結果はだいたい予想できたが残念に思う」と話し「住民のことを考えると、村の財政では合併なしではやっていけない」と訴えた。
 合併賛成派で財政面を懸念するある議員は「住民投票では合併反対が多かったが、住民がまだ村の財政の状況を把握していないのでは。6市町村で合併しないと多良間は難しい」と危機感を募らせた。
 また、同派の別の議員は「議会議決を無視した態度は許せるものではない」と話した。
 村議会では、村当局が提案した「宮古地区市町村合併協議会からの脱退案」を賛成3、反対5の賛成少数で否決したが、兼濱村長は15日に開かれた宮古地区市町村合併協議会の第23回会合で「住民の意思を尊重した」として、同協議会からの離脱を表明した。

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入場者数7万5900人/03年度 マティダ市民劇場

 宮古広域文化ホール・マティダ市民劇場(池村廣光館長)はこのほど、2003年度入場者数をまとめた。同年の入場者数は7万5918人で、前年度比1万3029人(21%)の増。稼働率は43%で前年度より減少しているものの、開館初年(96年)度の7万9591人に次いで2番目の入場者数となった。同館の洲鎌典政係長は「催しが量から質へ移行している」と分析している。

 同館は、96年に開館。立ち見席を含めて1083人が収容可。昨年度までの年間平均入場者数は約6万5000人で、宮古地区における文化行事の拠点として定着している。
 昨年度の入場者が増加した要因として同館では、全国的にヒットしたメジャー映画の上映や、本格的な能・狂言の開催など、都市部にも引けを取らない良質な文化イベントを打ち出したことを挙げる。中でも映画は、民間の映画館が姿を消した現在、同館が35ミリフィルム対応の映写機を所有していることから上映を望む声が高い。同館では「他地域でもロングラン上映している人気作品を、熱が冷めないうちに上映できたことは画期的だった。今後も支援していきたい」と高いニーズに対応していく構えだ。
 テレビやインターネットなどを通じ、宮古でも多様な情報を即座に入手できる状況の中、同館では「住民の文化イベントに対する目が肥えてきている分、それに見合う催しを行い、都市部との文化格差を縮めていきたい」と、今後もレベルの高い文化行事に積極的に取り組んでいく方針だ。

 写真説明・良質な文化イベントの開催で入場者数が増加しているマティダ市民劇場

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砂川正幸さん 文科大臣賞に輝く/キビ側枝苗移植機を考案

 各職場で創意工夫を行い科学技術振興の基盤づくりに貢献している人々を表彰する文部科学大臣賞の「創意工夫功労者表彰」で、県農業試験場宮古支場作物研究室の砂川正幸さん(41)が選ばれ賞を受けた。砂川さんは小型乗用トラクターに葉タバコ移植機の回転板を改造し取り付けた「サトウキビ側枝苗移植機」を考案。低コストで実用苗や培養苗にも使用でき、移植作業の時間短縮や欠株の減少など作業性能の向上につながるとして表彰された。宮古支場からの同賞受賞者は初めて。

 16日、砂川さんらは県宮古支庁を訪れ、安和朝忠支庁長へ受賞を報告。安和支庁長は「宮古にとって画期的な効率の良い移植機。側枝苗とともに活用すれば通常よりもかなり効率が上がることが証明されている。6市町村でも導入されると確信する」と述べ、砂川さんの開発をたたえた。
 砂川さんは「受賞をうれしく思う。今後はサトウキビだけでなく別の作物にも活用し、低コストで農家も利用できるようアイデアを出し、改良していきたい」と意気込みを見せた。
 「サトウキビ側枝苗移植機」は15馬力前後の小型乗用トラクターに、葉タバコ移植機の回転台を利用し取り付けたもので、回転台のカップに8本までの苗をセットできる。回転しながら移植できるので速度が早いほか、欠株が少ないのが特徴となっている。
 側枝苗は、サトウキビの梢頭部を切り取り、その後に生えてくる芽を苗として活用するもの。通常、10アールの畑にサトウキビを植え付ける場合1アール分のサトウキビが必要だったのに対し、側枝苗では0・1アール分だけで済むことから、苗として利用するサトウキビの量を軽減することができるのが特徴。現在は、平良市や下地町の農家で指導が行われており、今後は上野村でも実施していく計画。砂川さんが考案した移植機では、側枝苗だけでなく一節苗での活用も可能となっている。現在は4台が導入され、同支場や生産法人で利用されている。

 写真説明(上)・文部科学大臣賞の創意工夫功労者表彰を受けた砂川正幸さん(中央)=16日、県宮古支庁
 写真説明(下)・砂川さんが考案したサトウキビ側枝苗移植機のデモンストレーションの様子=昨年10月、下地町内のほ場

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「戦争の悲惨さ伝えたい」/城辺町の新城盛長さん・

大戦中に着用した軍服を寄贈

 城辺町新城地区に住む新城盛長さん(80)が16日、同町の教育委員会(伊志嶺勲教育長)に第二次大戦中に自らが着用した軍服などを寄贈した。新城さんは「子や孫たちに戦争の悲惨さを伝えたい」と強調。伊志嶺教育長は「新城さんの平和に対する思いを大切にして、子供たちの平和学習に役立てたい」と感謝した。同教委は寄贈された軍服を公共の施設に展示する方針。
 新城さんは、終戦間際の1943年12月から48年12月まで中国にいた。宮古島に戻ってから、約60年間にわたり軍服を保管し、子や孫たちに見せながら戦争の悲惨さを訴えてきたという。
 新城さんが寄贈したのは軍服上下のほか、足首を巻くゲートル、貴重品入れ、戦時に必要としたものを入れる袋、ご飯を炊く飯盒。伊志嶺教育長に手渡しながら新城さんは「戦争はいけない。2度とあってはならないものだ。私も子や孫に伝えてきた」と話し、戦争のない平和な世界を訴えた。
 これに対し伊志嶺教育長は「数々の苦しみを体験してこられた新城さんだからこそ戦争の悲惨さが分かる。その悲惨さを後世に伝えたいという新城さんの強い気持ちを感じる。新城さんの思いを子供たちに伝え、平和な町づくり、平和な国づくりに努めていきたい」と話していた。

 写真説明(上)・伊志嶺教育長(右)に軍服を手渡す新城盛長さん=16日、城辺町教育委員会
 写真説明(下)・新城さんが寄贈した軍服

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「うらら」と呼んで/宮古馬の子馬

 平良市西平安名崎(狩俣)の宮古馬牧場で3月20日に誕生した子馬の名前が「うらら」に決まった。宮古馬保存協会(会長・伊志嶺亮平良市長)は16日、平良市役所市長室で命名発表会を行い、名付け親の平良愛子さん(北小6年)と小禄愛美さん(池間小4年)に認定証を交付した。
 平良さんと小禄さんは、それぞれ競馬で人気の競走馬「ハルウララ」からもらって名付けたという。平良さんは「テレビで見たハルウララのように、人気者になってほしくて名付けた」と説明。小禄さんは「お母さんと一緒に考えた」と話した。
 認定証を手渡した伊志嶺会長は「素敵な名前をありがとう。宮古馬は世界中に23頭しかいない中、この赤ちゃんは宝物です。名前のように明るく育つと思う」と命名を喜んだ。
 子馬の名前は、3月26日から4月9日までの期間、同協会が公募し、35通の応募があった。現在、宮古馬の総数は23頭。「うらら」を出産した「雛子」は、今月14日に死んだ。飼養者は、島尻博之さん・美智枝さんだった。
 また、平良市鏡原の荷川取明弘さんの牧場と伊良部町の玉元富彦さんの牧場でも、今後3カ月以内に子馬が生まれる予定で、誕生した際には、同協会が名前を公募する方針。

 写真説明・誕生したばかりの宮古馬に「うらら」と名付けた平良さん(左)と小禄さん(右)=16日、平良市役所市長室

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