200平成16  4 16 曜日

兼濱多良間村長『離脱』を表明/市町村合併協・

議会決議に反旗も「住民意思尊重」

 宮古地区市町村合併協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)の第22回会合が15日、県宮古支庁で行われ兼濱朝徳多良間村長が協議会からの「離脱」を表明、兼濱村長は「住民の意思を尊重した。これ以上協議会に迷惑は掛けられない」と離脱の理由を説明した。同村議会は当局提案の「協議会脱退案」を賛成少数で否決しており、今回の村長判断は住民投票結果とは整合性は図られるも合併の最終的な判断を下す議会とは反対の姿勢となった。今後、村長の不信任案や合併推進住民からのリコールなども予想され村内情勢はさらに混迷化を深めそうだ。

 協議会からの「離脱」理由として兼濱村長は▽これ以上協議会に迷惑を掛けられない▽「合併しない」とする住民投票の結果を尊重する―の2項目を説明した。
 協議会後、報道陣から「議会の判断とは反対の姿勢で今後、不信任案や住民からのリコールも予想されるが」との質問には「村内の問題については私の責任で解決したい」と述べた。
 今回の多良間村「離脱」を受け、各市町村議会では多良間村の離脱と5市町村での協議会発足について協議し、まとまれば5市町村の協議会が発足される。
 しかし、多良間村議会で「協議会離脱」が再度否決されれば6市町村の協議会も存続となるが事実上は休眠状態となり、協議は5市町村協議会で進められる。5市町村での協議会発足については各自治体ともその方針を今月28日までに協議会に報告することとなっている。
 前回の協議会で兼濱村長は今後の協議会参加について「協議会から離脱するとは言えない状況で困っている。離脱はしないが、協議会に従う」とあいまいな態度に終始した。結局協議会もこの意向を受け入れて態度を「6月まで保留する」との判断を下していたが一部委員から「やる気が感じられない」などの意見が相次ぎ、マスコミでも協議会の姿勢を指摘され伊志嶺会長は再度、兼濱村長に明確な意志を表明するよう要望していた。

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新市名称は「宮古市」/合併協で決定・「宮古島市」は落選

 来年1月1日の合併に向けて宮古地区市町村合併協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)は15日に県宮古支庁で行われた第22回会合で新市名称を「宮古市」とすることを決定した。委員の中からは「岩手県に宮古市はすでに存在する」などを理由に「宮古島市」が良いとの意見も出されたが挙手による採決では「新市の名称に関する小委員会」(下地一美委員長)の報告通り賛成多数で「宮古市」に決定した。
 新市の名称については同小委員会から協議会に対して▽新市の名称は「宮古市」とする▽新市名称に関して公募は行わない―の報告とともに、▽「宮古島市」を含めて議論してほしい―など3項目の考慮すべき事項が示されていた。
 また、議会議員の定数および任期について「在任特例を10カ月適用し、新市の議員定数は30人とする」との提案は承認されたが、その中で確認事項として示された4項目のうち「新市の議員報酬は平良市議会議員の報酬を適用する」との項目については「財政が厳しい中で最も高い平良市議に準ずる必要はない」との意見が出されこの項目だけは継続審議とした。

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奥平一夫に出馬要請/県議選平良市区 革新

 6月の県議選に向けて候補者選考を進めてきた平良市区の革新陣営は15日午前、市議会議員の奥平一夫氏(54)に対し、出馬を要請した。奥平氏は家族との調整が残っていると説明しつつも「高い評価を受け感謝している。前向きに検討して報告したい」と受諾の意向だ。関係者によると今月21日にも正式に出馬表明を行う見通し。
 出馬要請を行ったのは現職市長の伊志嶺亮後援会(真喜屋浩会長)と与党議員団(9人、友利恵一会長)。真喜屋会長は「今回の県議選で、県政へ送り出すのに最も相応しい候補として、出馬が待望されている。市議3期11年間、市民本位の議員活動を貫き、市民のために力を尽くしてきた実績を生かし、県議会に宮古の声を届け、活躍することは市民の大きな期待、希望である」と立候補の決意を促した。
 友利会長は「この1年間、三役選任問題でいろいろあったが、伊志嶺市政をしっかりと支えるための議論だった。県議選の選考委員会の前に、誰が候補者に選ばれても議員団が一致団結していこうという確認をしている。その中で奥平氏が人格、識見ともに市民代表として相応しいとして決定した。自信と誇りを持ってほしい。市議団九人は奥平氏の圧勝を期して活動していく」と述べた。
 奥平氏は「身に余る高い評価を受け感謝している。この1年間、苦しい思いで過ごし、県議選への対応ができず、別の選択肢がささやかれていたことも事実。しかし現職市政の中での県議誕生を望む市民の熱意があり、選考委員会でも圧倒的な声があった。自分としては県議選に出る気持ちはみじんもなかったが、選考委員長に決定を伝えられてから、本当に現状を見過ごして良いのか、県議席をすんなり渡して良いのかという思いになった。県政に対して、しっかりと批判ができ、宮古の声をしっかりと県議会に伝えなければならない。議員団や後援会、市民の皆さんの熱い思いに感動を覚える。自分としては1歩先へ踏み出したという気持ちだ。家族や親族を説得し、熱い思いに応えたい」と受諾を示唆した。

 写真説明・出馬要請を受け握手を交わす奥平氏(中央)。左は友利氏、右は真喜屋氏=15日、宮古教育会館

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相談件数は延べ79件/県女性相談宮古駐在03年度まとめ・

9割がDV関連

 県女性相談所宮古駐在に寄せられた2003年度の相談受付件数がこのほどまとまった。それによると、延べ相談受付件数は79件で、前年度の32件に比べ約2・5倍に増えていることが分かった。相談の中身は、配偶者などからの暴力、DV(ドメスティックバイオレンス)に絡む内容が全体の9割を占め、宮古でも解決の糸口を探る女性の増加が明らかになった。同駐在の相談員は「数字は氷山の一角。実態は家庭の中でくすぶっている場合が多い」と話している。

 県女性相談所の宮古駐在は、県宮古支庁1階の福祉保健所福祉課内で、女性の駐在員が個室で対応している。03年度は、電話、来所のほか、駐在員が関係機関などに出向く出張相談を含め延べ79件の相談があった。
 市町村別には、平良市57件、下地町5件、城辺町5件、伊良部町8件、多良間村2件、その他2件だった。
 01年に「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(DV法)が施行され、宮古でもDVを訴える相談者が増えている。この中では、相手は夫である場合が多く、子育て中の場合はさらに深刻の様相を極める。
 03年度は、同駐在を通じ、2人の女性が同法の保護命令を那覇地裁平良支部に申し立てた。保護命令は、被害者の申し立てが裁判所に認められた場合、暴力を振るう配偶者(事実婚を含む)に対して6カ月間の「接近禁止命令」または2週間の「退去命令」を発し被害者を保護するもの。
 宮古でもDVに関する相談が増加していることについて同駐在員は「法律が少しずつ浸透していることと、当該者に対し、周囲の人が女性相談所を紹介しているケースが増えているようだ」と分析する。しかし、宮古に在住していても宮古以外の相談所に電話で相談したり、所在地を明かさないケースも多く、実態を数字で見て取るのは困難だ。同駐在では「1人で悩まず、小さなことでも相談を」と呼び掛けている。県女性相談所宮古駐在(電話0980-72-3771)まで。

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野犬、違法犬4匹を捕獲/トライ大会控え、行政が合同実施

 野犬・違法犬合同捕獲作業が15日午後、城辺町、下地町、上野村内で行われた。宮古福祉保健所生活環境課や3町村担当課、宮古警察署生活安全課の職員ら約15人で捕獲作業を実施し、4匹の野犬・違法犬(放し飼い含む)を捕獲した。保健所では「捕獲された犬はおそらく飼われていた犬。犬を飼うのであれば最後まで責任を持ってほしい」と飼い主のモラル向上を求めた。
 この日は主に3町村のトライアスロンコース周辺で捕獲作業を実施。今月25日開催の同大会に出場する選手に危害を加えないよう対策を講じ、下地町、上野村、城辺町の順で回った。
 下地町、上野村内では野犬や違法犬は見られなかったが、城辺町内では7頭を確認。このうち中型犬の4匹は捕獲に成功したが、残りの3匹については取り逃がした。
 捕獲した犬は引き取り手がなければ処分される。
 同保健所生活環境課の小田英治主任は「放し飼いをやめてほしい」と繰り返す。「放し飼いは交通事故や咬傷事故を招いてしまう。犬を外で遊ばせたい気持ちも分かるが、家の中か敷地内で飼う以外は、しっかりとつないで飼ってほしい」と話していた。

 写真説明・捕獲された4匹の中型犬。引き取り手がなければ処分される=15日、宮古福祉保健所

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 夏間近、ミヤコニイニイ鳴き出す

 初夏を告げるミヤコニイニイ(セミ科)が15日、宮古の各地で一斉に鳴き出した。半袖姿の道行く人の中には「これから暑くなりそうだ」と話す人もいた。
 宮古諸島の固有種で体長25ミリ。
 ミヤコニイニイが最も好む植物は在来種のモクタチバナ。伊良部町佐良浜地区では、モクタチバナ群落で雄数10匹が「ジージー」と合唱していた。
 宮古島地方気象台によると、この日の最高気温は夏日(25度以上)の25・8度を観測した。平年より0・8度高かった。同気象台では「向こう1週間晴れ間が続く」と予想している。

 写真説明・モクタチバナの幹で鳴く雄のミヤコニイニイ=15日、伊良部町佐良浜

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