200平成16  4 15 曜日

2選挙区とも3つどもえ確定的/県議選・

宮古郡区は保守3人の争い

 6月の県議選で宮古の2選挙区(平良市区、宮古郡区=ともに定数1)は、動きのなかった平良市区の革新陣営が候補者擁立を決めたことで、両区とも1議席を3人が争う3つどもえの選挙戦となることが確定的だ。前回(2000年)は、ともに保革一騎打ちの選挙だったが、今回は02年の平良市長選挙での保守分裂や城辺町長選挙での保革相乗りがそのまま尾を引いた形となって、構図が複雑化。宮古郡区では保守陣営から3人が立候補を表明するなど、選挙戦の行方は混迷を深めている。

 立候補を表明しているのは、平良市区では現職で2期目を目指す坂井民二氏(54)(写真左)=自民公認=と、保守系の新人で前市議会議員の嵩原弘氏(49)(写真中央)=公明推薦=の2人。これまで動きがなかった革新陣営が市議会議員の奥平一夫氏(54)(写真右)の擁立を決めた。奥平氏は立候補に前向きで、きょう15日午前には平良市長の伊志嶺亮後援会と市議会の与党議員団から正式に出馬要請を受ける。奥平氏の要請受諾はほぼ確実で、3つどもえの選挙戦が確定的。
 宮古郡区では現職で2期目を目指す砂川佳一氏(60)(写真左)=自民公認、公明推薦=と、保守系の新人で前城辺町教育委員、自営業の下地一美氏(52)(写真中央)、同じく保守系の新人で前上野村助役、会社役員の西里秀徳氏(61)(写真右)の3人。ほかに動きがないことから、宮古郡区も3つどもえが確定している。
 平良市区では県政与党の「自公体制」が崩壊。自民が坂井氏を公認、公明が嵩原氏を推薦した。2氏の後援会事務所には、共に県三役や自民党代議士からの「必勝為書」が張られており、複雑な構図だ。一方、革新陣営は現職市長を支える市議団が、昨年から助役選任をめぐり分裂。保守系からの揺さぶりもあり、選挙態勢の構築は困難と見る向きもあった。革新陣営が動き出したのは投票日まで残り2カ月となった今月になってから。選考委員会を発足させ、急ピッチで候補者擁立を目指した。今月12日の会合で、奥平氏擁立でまとまり、本人に打診。本人から前向きな感触を得たため、出馬要請、出馬表明、事務所開きなどの選挙戦に向けたスケジュール調整に入った。保守陣営は02年の平良市長選挙で分裂選挙を余儀なくされ、厳しい結果となっただけに、革新陣営からの候補者擁立が確定的となり緊張感が漂う。
 宮古郡区は保守系の現職に、保守系新人2人がぶつかる3つどもえの保守分裂選挙。3人とも支持拡大に奔走している。前回選挙では砂川氏が5町村すべてで相手の現職候補を圧倒し、大差で初当選した。今回は地元の城辺町から下地氏、前回立候補を目指したが保守内部の調整で断念した西里氏が立候補することから、選挙構図が大きく塗り替えられた。
 城辺町は革新系町議らが下地氏支持に傾いているが、西里氏支持を唱える関係者もおり複雑。上野村は村議が西里氏支持と砂川氏支持で割れ、自由投票の形となった。下地町では町長支持勢力が砂川氏支援に回り、反勢力が下地氏、西里氏のいずれかの支援に回る見込み。伊良部町は反町長勢力が下地氏支持に傾き、町長らは砂川氏支援の方向だ。選挙区が5町村にまたがる郡区は2人の立候補予定者がいる城辺町を除くと、大票田の伊良部町の票の行方が大きく左右するとみられる。各陣営とも伊良部票の取り込みに力を注いでいる。

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宮古のヌマエビとミミズ共生/宮古島の歴史再考か?

 平良市の大和井など数カ所に生息しているヌマエビの体内に、共生しているとみられる淡水性のヒルミミズが発見された。県内では初めて。ヒルミミズは在来種の可能性が高く、宮古島が今から120万年ほど前に一度海中に没したという説は、この歴史の証人の発見により再考が迫られそうだ。
 ヒルミミズを見つけた琉球大学理学部非常勤講師の藤田喜久さんは「宮古のヒルミミズと中国のシナヌマエビの体内にすむヒルミミズとは同一種。まだ世界的にヒルミミズの生態は分かっていない。共生か寄生なのか、今後解き明かしていきたい」と話し、5月に開かれる予定の沖縄生物学会で発表する。
 ヌマエビの全長は3−4センチで、ヒルミミズの全長は3ミリ程度。ヒルミミズは体内から表に出たりして生活している。
 宮古島では、これまで城辺町の湧水からミヤコサワガニ(新種)とチスジノリが発見された。ヒルミミズ、ミヤコサワガニ、チスジノリの3種ともに淡水性であるため、海中では生きられない。

 写真説明(上)・ヌマエビの腹の黄色い部分がヒルミミズ =琉球大学研究室(藤田喜久さん提供)
 写真説明(下)・下はヌマエビの体内から出てきたヒルミミズ=琉球大学研究室(藤田喜久さん提供)

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野犬被害、前年度比4件増の17件/福祉保健所まとめ・

子牛3頭も被害に

 宮古福祉保健所生活環境課は13日までに、2003年度の野犬による家畜・農作物の被害状況をまとめた。被害件数は17件(家畜13件、農作物4件)で前年度に比べて4件増えた。家畜ではアヒルやニワトリがかみ殺されているほか、子牛3頭も被害に遭っているという。同課は「自衛することが大切。家畜を飼養している場所に野犬を入れないような対策を取ることが被害の防止になる」と各農家に呼び掛けている。今月15、16の両日には各市町村との合同による野犬捕獲作業を実施する。
 同課のまとめによると市町村別の被害状況は▽平良市9件(家畜6、農作物・花壇3)▽下地町2件(家畜2)▽城辺町3件(家畜3)▽上野村3件(家畜2、農作物1)―。被害頭数はアヒル46羽、ニワトリ約50羽、ウコッケイ31羽、牛3頭、ヤギ4頭(3頭は生存)などとなっている。この数字は同課で把握しているものだけで、実数はさらに多いとみられる。
 被害は各市町村ともに同様で、ただ家畜をかみ殺す野犬もいれば一部を食べている野犬もいるという。子牛がかみ殺されるという被害は平良市内で発生した。1月から3月にかけて3頭が被害に遭っている。どの被害現場においても、野犬は飼養施設の小さなすき間から侵入しているものとみられる。被害の傾向として1度襲われた現場は数回被害に遭っていることが分かった。
 同課主任の小田英治さんは「野犬はどんな小さなすき間でも入ってくるという認識を持ち、対策を取ってほしい」と呼び掛ける。その上で「犬は穴を掘るので、できれば下はコンクリートにして、上からも入れないよう高いところを囲うことがベスト」と話した。さらに小田さんは「被害を加えている犬の中には放し飼いの犬もいるものとみられる。被害をなくすためにも放し飼いはやめてほしい」と強く訴えていた。

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子育て支援、着々 会員も100人超える/

平良市ファミリーサポートセンター03年度実績

 昨年4月に平良市が設置した育児などの援助を受けたい人と行いたい人が会員となり育児と介護の相互活動を行う「ファミリー・サポート・センター」の2003年度活動実績がこのほどまとまった。それによると、活動件数は69件で特に同センターの活動が浸透し始めた今年に入ってから件数が増加傾向になっている。同センターの拠点として会員間の仲立ちを行っている市働く婦人の家(ゆいみなぁ)の砂川道子館長は「会員も現在は百人を超えて着実に件数が伸び始めている」と子育て支援の一助として活用され始めたことを喜んでいる。
 同センターの昨年度実績では年度当初の4、5、6月は講習会などの開催と同センターが周知されていなかったことなどからゼロ件となり、実質的に件数として出てきたのは7月からとなった。
 7月の件数は、16件だったがその後、1ケタ台で推移した。しかし、今年に入り2月からは14件、3月は17件と着実に増加傾向で、今月もすでにサービス件数は6件となっている。
 会員数はサービス依頼会員が47人、サービス提供会員が44人。また、両方の会員となっているのは6人で合計で97人。また、今月に入り依頼会員が3人増加して現在はトータル100人となっている。
 サービスを依頼する理由としては▽休日出勤▽残業(夜勤)▽母親が通院の間▽母親の学習(講習会出席など)の間▽塾への送迎―などとなっており、内訳としては「保育所・幼稚園等の送り迎え」20件、「お迎えと一時預かり」13件、「一時預かり」36件となっている。
 また、サービスを利用する母親の子供の年齢別では、最も多いのが2歳(22件)、次いで4歳(15件)、6歳(11件)、10歳(8件)などとなっている。
 少子高齢化が急速に進む中、働く女性が仕事と家事の両立を図りながら働き続けることが大きな社会的課題となっていることから、その支援事業の1つとして厚生労働省がファミリー・サポート・センター事業を推進している。平良市では県からの設立支援補助を受けて立ち上げられた。県内では平良市のほかに沖縄市と那覇市で設置されている。
 センターに関する問い合わせは平良市働く婦人の家(電話0980-73-5245)まで。

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交通少年団を結成/平良市 北小・県内初の連名モデル校に指定

 平良市立北小学校(新崎治校長)の交通少年団結成式が14日午前、同校体育館で行われた。6年生の杉山渉団長ら61人が「私たちは、道路や危険な場所では遊びません」「私たちは、小さな子供やお年寄りに、親切に安全通行指導をします」など7つの誓いを高らかに唱和し、交通事故のない日本一の交通安全学校の実現に向け決意を新たにした。席上、宮古警察署の伊波盛春署長と宮古地区交通安全協会の黒島正夫会長が連名で、交通安全指導モデル校指定書を交付した。県内で連名の指定は今回が初めて。

 冒頭、新崎校長は「私たちの北小学校は、平良市の中心地の市街地に位置し、学校周辺の通学路を含めて交通量が多い。今後とも交通ルールやマナーを守って安心・安全な学校にしましょう。地域の方々にも交通安全の大切さをしっかり伝えてください。全員が真心を込めて頑張ることを期待する」と激励した。
 次いで同市助役の下地学市交通安全推進協議会長が黄色の交通少年団旗、宮古地区交通安全協会の黒島会長が黄色のジャケットを新崎校長に贈呈した。新崎校長が団長に杉山君、副団長に長浜彩也音さんと金田智子さんを指名した後、杉山団長に団旗を授与した。団員は、全6年生61人。
 杉山団長は「僕たち交通少年団がみなさんの安全を守るとともにみなさんも守らなければいけないことが3つあります。それは『信号が点滅していても走って渡らない』『道路を横断するときは、左右をよく確認して必ず横断歩道を渡る』『自転車に乗るときは、安全に気を付けて絶対に2人乗りをしない』と強調し、事故が起こらない活動に向けて気持ちを引き締めた。同団は、きょう午前8時から、同校校門前でセレモニー的な交通安全啓発のビラ配布活動を実施する。また、毎月の一斉地域活動日(毎月20日)の1週間を活動日と設定。時間は午前7時50分―同8時10分(夏季)まで。活動場所は▽市立図書館前交差点▽元宮古郵便局前交差点―など。朝のあいさつも含めて、ドライバーや道行く人に交通安全の大切さをアピールする。
 同モデル校指定は、学校現場における交通安全指導を同署と同協会が支援し、児童・幼児の交通安全指導支援態勢をより充実させ、交通安全指導態勢のモデルケースとしてその実効性を明確にし各学校現場への波及効果を期するのが目的。

 写真説明・団旗を手にする杉山団長(左)らは日本一の安全学校を目指して気持ちを引き締めていた=14日、北小学校体育館

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 守りますルールとマナー/城辺町 城辺小・

伝統の「交通少年団」結成式

 城辺町立城辺小学校(仲宗根直子校長)は14日、児童の交通安全意識向上を図るため新5、6年生50人で交通少年団を発足し、同日、同校体育館で結成式を行った。同校では約26年間、交通少年団活動を行っている。式では宮古警察署(伊波盛春署長)など関係団体が出席し、事故防止のため少年団の活躍に期待を寄せた。
 交通少年団は児童に交通ルールやマナーを身に付けさせ、交通事故から身を守るとともに、命の尊さを教え、思いやりの心を育てる目的で結成された。
 団員は毎月、第1月曜日から金曜日まで同校付近交差点の横断歩道などで横断案内など歩行者の交通安全のため活動を行う。4月の活動は19日から5日間行う予定。
 結成式で仲宗根校長は「上級生としての自覚を持ち、下級生や地域に住む皆さんのため、頑張ってください」とあいさつした。
 また、同署の東江善平交通課長は「伝統ある城辺小学校の交通少年団が今年も結成されてうれしい。少年団の活躍が地域の事故防止につながるよう期待しています」と激励した。
 式終了後、団員らは同署の指導の下、同校前の県道78号(平良城辺線)で、横断歩道での横断案内などの練習も行い、決意を新たにした。

 写真説明・宮古署員の説明の下、横断案内を学ぶ団員ら=14日、城辺小学校前

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