200平成16  4 14 曜日

奥平一夫 出馬へ/県議選平良市区・保革3つどもえの選挙に

 6月6日に行われる県議会議員選挙平良市区で革新陣営が候補者選定に向け今月5日に発足させた「候補者選考委員会」は12日夜の会合で候補者を現職市議の奥平一夫氏(54)=写真=とすることでまとまった。13日には委員長の下地学市助役が本人に委員会で決定した事項を報告。奥平氏も出馬に向けて「前向きに検討したい」との意向を示した。今後について下地助役は「平良市長の伊志嶺亮後援会から出馬の要請をすると思う」と述べた。

 委員会で自らが候補者に選定されたことについて奥平氏は「今後、家族や後援会とも協議しないといけない。家族にも迷惑は掛けられないので意向を確認しながら説得していきたい」と出馬に前向きな姿勢を示した。
 選考委員会のメンバーは市三役、市議代表(奥平一夫氏、与那嶺誓雄氏)、伊志嶺市長後援会会長と副会長のほか、宮古地区労代表、沖教組宮古支部代表らで構成。12日夜の会合では奥平氏はメンバーから外して残りの委員で協議、全会一致で候補者を奥平氏に決定した。
 奥平氏に決定したことについて下地助役は「これまで伊志嶺市政の与党議員間には助役案件などをめぐり溝が生まれていたが今回奥平氏が出馬して一致団結した選挙戦を戦うことでこれまでの確執が払しょくできると思う」と述べた。
 これまでの革新系議員内の確執については奥平氏本人も危ぐしており「後援会からもこの問題について不安視している意見もある。しかし、出馬するからには勝たないといけない。一致団結した取り組みが必要」と述べた。
 当初、候補者については現職市議を中心に数名の名前が挙がっていたが結局、前回の市議会議員選挙で約1000票を獲得してトップ当選を果たしている奥平氏に白羽の矢が立った。
 平良市区では現職で2期目を目指す坂井民二氏(54)=自民公認=と、新人で前市議会議員の嵩原弘氏(49)=公明推薦=の2人がすでに出馬を表明している。
 同委員会が候補者を奥平氏で決定したとの情報は保守系にも広がった。市区の動向は保守分裂に加え革新系から候補者が立候補する見込みとなったことで、保革とも選挙戦に向けた動向が一層慌ただしくなってきた。

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国公立大合格者が倍増/宮古高校・進路指導効果じわり

 2004年度の大学入試で、今年3月に宮古高校を卒業して国公立大学に合格した生徒は16人で、前年度の9人から7人増となったことが同校のまとめで分かった。琉球大学合格者も5人から9人に増えた。03年度入試で、国公立大合格者数が1ケタにまで落ち込み、危機感を募らせていた同校では、進路指導を見直した。その結果、私大も含めた合格者数全体も134人(前年比8人増)となるなど、効果がじわりと表れた格好だ。狩俣幸夫校長は「昨年の結果を真摯(しんし)に受け止め、生徒も職員も努力した。手応えは感じている。今年度は国公立大に30―40人の合格者を出したい」と話している。

 同校の過去5年間の国公立大合格者数は、2000年度に20人を割り込み18人となった。以降、減少は続き、昨年度は9人と、1ケタ台に落ち込んでいた。これに呼応するように琉球大学の合格者数も減少の一途をたどり、2000年度の12人から昨年度は5人にまで減少した。
 同校では進路指導部を中心に大学入試対策を練った。昨年度から進路部の教員が監督役を務め、学校図書館を自習室として午後9時まで開放した。生徒には家庭学習記録簿を毎日つけさせ、父母に必ず目を通させた。教員らは理数科のみが必修だった入試の課外講座に、普通科の生徒も参加するよう促した。また、本土の有名進学校の元校長を招き、生徒のやる気を引き出す講話も企画した。その積み重ねが合格者数の増加につながった。
 04年度国公立大合格者の数字を見ると、合格者16人のうち推薦入学は5人。03年度は合格者9人に対し推薦入学が5人、5年前の2000年度では合格者18人中、実に16人が推薦入学で合格していた。私大も一般入試合格者が増えているという。この傾向について、進路指導部の砂川明教諭は「意識して頑張れば少しずつでも成果が得られることを、生徒が分かってきた」と評価。「大学に入ることが目的ではなく、その先、社会に出て何を目指すのか。そのための勉強だということを常に言っている」と話した。
 狩俣校長は「生徒たちが安易に『入れる学校』に流れる傾向もあった」とそれまでの取り組みを反省。「教育の質の向上」を重ねて強調する。「理数科だけでなく、普通科も底上げしたい。進学校にふさわしい雰囲気づくりに努めたい」と意気込みを示した。

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交通ルールを守ってね/春の交通安全運動・園児ら鯉のぼりでPR

 春の全国交通安全運動の一環で、宮古警察署(伊波盛春署長)と宮古地区交通安全協会(黒島正夫会長)は13日、「交通安全こいのぼり作戦」と銘打ち、平良市の西里通り入り口駐車場で市内の保育園児らに交通安全を呼び掛けた。
 このイベントは、人格形成の基盤となる幼児期に基本的な交通ルールを学ばせ、正しく行動できる子供たちを育成しようと開いた。市内の法人および認可外保育園17カ所から約300人の園児が参加し、手作りのこいのぼりを掲揚。伊波署長が「信号の色をよく見て、きまりをしっかり守ってください」と呼び掛けたほか、黒島会長は「みんなの力を合わせて宮古から交通事故をなくそう」と力強く話した。 
 頭上には、交通安全のメッセージが書かれた作品や、色を塗った卵パックでコイのうろこを施したアイディア作品など約100匹のこいのぼりが泳ぎ、交通安全の意識高揚に一役買った。
 園児らは、クイチャーを踊ったり交通安全メッセージを斉唱した後、パトカーの先導で西里通りを元気良くパレードし、趣向を凝らした衣装や小旗などで交通安全をアピールした。

 写真説明・交通安全を呼び掛けるこいのぼりを掲揚し、元気に踊る園児たち=13日、市内西里通りの入り口駐車場

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トライ本番へ救助訓練/宮古島マリンリゾート組合

 第20回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古広域圏事務組合など)を2週間後に控え、大会当日にスイムの監視ボランティアに参加する宮古島マリンリゾート協同組合(清水伸一代表理事)は11日、パイナガマビーチでスイム競技中の事故を想定した救助訓練を行った。同組合では3度目となる合同訓練に参加した約50人のダイバーらは、真剣な表情で基本的な救助の仕方を繰り返し確認した。
 今大会から水中から監視するダイバーのほか、コース沿いのフロートから監視するダイバーの数が増員される。訓練前には、それぞれの担当に分かれてのミーティングも入念に行われた。
 参加者の1人、新村一広さんは基本的な救助法が大事だとしつつ、「トライアスロンのレスキューは、状況に応じた対応が必要になってくる」と話し、さまざまな事態を想定し気を引き締めていた。
 第18回大会(2002年)のスイムで、初めての死亡者が出て以来、大会事務局では特に安全管理の徹底に気を配っている。昨年の第19回大会でスイムコースが変更になってからは2度目の大会で、昨年同様の安全な大会運営が求められている。
 訓練の様子を見に訪れた池村盛良水泳本部長は「大会の成功を支えるのは、特にスイムでは皆さんだ。各事業所ともに連携を取り合って訓練を重ね、大会運営を支えていただきたい」と述べ、協力を求めた。

 写真説明・選手がおぼれたことを想定し、1つ1つの動作を確認しながら救助訓練を行う参加者=11日、平良市のパイナガマビーチ

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インドクジャク繁殖の影響?/大野山林・トカゲなど激減

 平良市の大野山林などに人為的に放たれ野生化したインドクジャクが繁殖期に入っている。宮古野鳥の会の岡徹会長は「最近大野山林ではカエルやトカゲ、ヘビなどがあまり見られなくなった。クジャクの餌食になったと考えられる」と話し、大野山林に激変が起こっている現状を憂慮する。
 1997年以降、大野山林ではインドクジャクの繁殖が繰り返され、これまで30羽余りが確認された。先月から繁殖期に入り、雄が羽を広げた求愛活動が盛ん。個体数は新たに増える可能性があり、大野山林の生態系はさらにかく乱されそうだ。
 大野山林内には、国指定天然記念物のキシノウエトカゲや先島諸島固有亜種のサキシマキノボリトカゲなどが生息。インドクジャクは雑食性で、は虫類などを食べる。
 これから南方に越冬していた渡り鳥のアカショウビンやサンコウチョウなどが大野山林に飛来し、繁殖期を迎える。しかし、林内を飛び回るインドクジャクの振る舞いで、野鳥の生活環境は危機に追い込まれる。
インドクジャクは平良市のほかに、城辺町、上野村、伊良部町の一部区域でも確認されており、生態系への影響は拡大の様相だ。

 写真説明・羽を広げて求愛行動する雄のインドクジャク=13日、平良市大野山林

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 「海のもしもは118番」/海上保安協支部・東平安名崎に看板設置

 平良海上保安署(岡部竹男署長)は13日、海上保安協会沖縄宮古支部(黒島正夫支部長)の協力を得て、城辺町の東平安名崎公園駐車場に緊急通報用電話番号の啓もう用看板を設置した。看板には「海のもしもは118番」と大きく記載されている。同署と同協会沖縄宮古支部が海難事故発生時の通報に加えて「見なれない船や密輸、密航を確認したら緊急用番号まで電話してほしい」と呼び掛けている。
 局番なしの118番の利用を呼び掛ける看板は平良港内の2カ所に設置されており、同公園の設置で3カ所目。海洋レジャーの活発化に伴うプレジャーボードなどの海難事故増加や覚せい剤、けん銃の密輸事犯などに迅速、的確に対応するため新たに設置した。
 看板の設置式は午後2時から同公園の駐車場で行われた。はじめに同署の岡部署長が「このような立派な看板が設置できてうれしく思う」とあいさつ。続いて、同協会沖縄宮古支部の黒島支部長が「東平安名崎には多くの観光客が訪れる。看板が設置されたことで、事故を抑制できるし、海の怖さを再認識することになる」と看板の設置を喜んだ。
 緊急用番号看板の除幕後、城辺町の下地敏彦助役も「地元の人間としてうれしく思う。人命を守ることにつながる」と話した。

 写真説明・緊急通報用電話番号「海のもしもは118番」の看板が設置された=13日、城辺町の東平安名崎公園駐車場

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