200平成16  4 曜日

兼濱多良間村長に明確姿勢要求へ/伊志嶺合併協会長・

「6月まで保留」を撤回

 宮古地区市町村合併協議会の伊志嶺亮会長(平良市長)は8日、今月15日に開催予定の第22回協議会で兼濱朝徳多良間村長に今後の合併協議会参加について再度、明確な態度を示すよう求めていくことを示唆した。本紙の取材に対して伊志嶺会長は「兼濱村長には次の協議会で改めて、明確な態度を示すよう求めたい」と述べ、前回協議会で決定した「6月まで保留する(多良間村の態度決定を待つ)」との意向を撤回した。次回協議会で兼濱村長が伊志嶺会長の要求に明確な意志を示すことができるか注目される。

 前回協議会で兼濱村長の「あいまいな態度」とそれに対する協議会の「6月まで保留」の判断に一部委員からは会終了後「全くやる気が感じられない」「この協議会はいったん解散した方がいい」などの声が聞かれた。
 次回協議会について伊志嶺会長は「6月まで多良間村の意思決定を待つつもりはない。来週の協議会では兼濱村長に明確な態度を示してもらう」と述べた。
 前回協議会で兼濱村長は、村議会が「合併せず」となった住民投票の結果とは逆の「合併推進」の判断を下したことでねじれ現象が起こり村議の解職請求(リコール)問題が起きていることなど村内事情を説明した上で「協議会から離脱するとは言えない状況で困っている。離脱はしないが、協議会に従う」と述べるなど、あいまいな態度に終始したため、具体的な協議に入れず今後の見通しについても不透明な状況になっていた。
 これに対して伊志嶺会長も「6月まで協議会を休眠させてはどうか」と提案したが、協定項目の協議が残っていることから協議会は引き続き開催することとなった。しかし、多良間村の態度表明については結局、兼濱村長の「5月中には大丈夫だと思う」との意向を聞き入れて「6月まで保留する」こととなっていた。
 こうした状況について協議会の一部委員から、兼濱村長のあいまいな姿勢と会長の伊志嶺市長の議会運営に不満の声が大きくなり始めていたが今回、伊志嶺会長が再度、多良間村に明確な態度を求める方針を打ち出したことで今後、枠組みや一部自治体が離脱した場合の協議についても具体的な話し合いが持たれる見込みで合併協議の進ちょくも期待されている。

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総水揚げ高 4億円超/伊良部町03年度漁獲・

カツオは5年ぶり1億円突破

 昨年は、カツオの大漁続きで沸いた伊良部町。同町水産振興課(池原豊課長)は8日までに、2003年漁種類別陸揚げ量状況をまとめ発表した。それによると、昨年の総水揚げ量は前年比32%(381トン)増の1585トン、金額にして同比24%(8500万円)増の4億4200万円の好実績を上げた。魚介類のうち、カツオが1億2900万円の水揚げ高があり、1億円を突破したのは5年ぶり。
 発表によると、漁業は▽カツオ一本釣り▽追い込み縄▽曳き縄▽刺し網―など10種類に分類。漁種は▽カツオ▽メバチマグロ▽キハダマグロ▽シイラ▽セーイカ▽タカサゴ―など26種に分けて集計した。
 このうち、カツオは、カツオ一本釣り漁船4隻が689トンを水揚げし、1億2400万円の水揚げ高を上げた。小型漁船による曳き縄漁では21トン、400万円を達成した。
 キハダマグロは、前年とほぼ同じ5900万円の水揚げだった。台風などの影響で、予想以上に水揚げ量は伸びなかった。
 シイラは、50トン水揚げし、金額にして800万円。前年より200万円多かった。
 近年注目されているセーイカでは、1100万円の過去最高の水揚げ高を記録した。県内外からの注文も多く、今後とも有望なイカとして注目されている。
 カジキやタカサゴ(グルクン)などは前年より振るわなかった。
 池原課長は「カツオの水揚げ量が伸びたのは、パヤオ(浮き魚礁)の効果」と分析した。

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奨学金制度を休止/城辺町教委・返済滞る90人に督促状

 城辺町教育委員会(伊志嶺勲教育長)は2004年度、経済的な理由で修学困難な町民に学資を貸与する「奨学金貸与制度」における今年度の申請(新規)を受け付けないことを決めた。貸与金の返済が滞っていることが主な要因となり、今年度町当局の一般会計に新規申請分の予算が計上されなかった。同教委は90人以上に督促状を出し返済を求めているが、完納のめどは立っていない。滞納している町民の意識はもとより教委の徴収体制が問われそうだ。
 奨学金貸与制度を活用し、同教委は毎年、高校生と専門学校生は8人以内、大学生と大学院生は4人以内に奨学金を交付してきた。奨学金の額は高校生、専門学校生が月額2万円以内、大学生、大学院生は月額3万円以内。それぞれ4月と9月に6カ月分を交付している。大学生が月額3万円の交付を受けた場合の総額は144万円。返済の方法は「卒業の1年後から、その貸与月額を貸与金額に達するまで毎月」とされているが、90人以上が督促状を受けているのが現状だ。多い人では140万円以上も滞納しているという。
 貸与制度の予算は町当局の一般会計に組み込まれてきたが、今回の予算(新規分)はなかった。町は「回収することが先決。今の状況では(新規分の)予算を計上することができない」(町幹部)という強い姿勢で予算化を見送った。
 同制度の休止について伊志嶺教育長は「非常に残念。借りたときと同じ気持ちで返済してくれれば問題はなかった」と話す。「今後はどのように徴収していくのかを考えたい」と強調した。友利悦裕教育総務課長は「まずは(滞納者の)実態把握に努めたい」との見解を示した。

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危険感じたら「ピー」/マクドナルドが寄贈・

新1年生全員に『防犯笛』

 「身の危険を感じたらこの笛を鳴らしてね」―。子どもに対する不審者の声掛けや拉致未遂事件が多発傾向にある中、ファーストフード最大手の日本マクドナルド社が被害防止の一環として県警察本部に寄贈した「防犯笛」が8日までに、宮古警察署を通じて地区内の新入学児童623人全員に贈られた。首に掛けるタイプの防犯笛は、息を吹き込むと「ピー」という高い音が響いて周囲の大人に助けを求めることができる。笛を身に付けることで、子どもたち自身の防犯意識を高めるのも狙いだ。

 8日に入学式の行われた小学校のうち、平良市立平良第一小学校(下地邦雄校長)には、宮古地区太陽の家(子供110番の家)連絡協議会の前川尚誼会長が訪れ、新入生代表の砂川しずき君、山里まなさんに防犯笛を手渡した。
 同校の入学式には宮古警察署から生活安全課の下里正雄課長と同課少年係の宮城信弘係長、平良美由紀さんも出席し、子どもたちに防犯笛についての指導をした。
 宮城係長は@知らない人にはついていかないA1人で遊ばないB誰かに連れて行かれそうになったら助けを呼ぶC遊びに行くときは家の人に話してから出かける―の4つを子どもたちと約束。砂川君と山里さんが代表で実際に防犯笛を鳴らしてみせた。
 宮城係長によると宮古地区では上野村で1件、声かけの通報が確認された。「何かあったらすぐに警察に連絡してほしい」と訴える。
 入学式に出席した新入生の母親は「(笛を)買って持たせようかと思っていたので良かった。防犯笛を持っているだけで安心感は違う」と話した。
 贈呈を行った前川会長は「(笛を)使わないことが一番だが、万一に備えるのは大事。大人も、笛の音が聞こえたら、『何かあったのでは』と認識してほしい」と強調した。
 下地校長は「本当にありがたい。笛を持つことによって、子どもたちが自ら防犯への意識を持つことができる」と感謝。学校としての不審者対策に決意を新たにした。

 写真説明・太陽の家連絡協議会の前川会長(左)から新入生代表の山里さん(中央)と砂川君(右)に防犯笛が手渡された=8日、平良第一小学校体育館

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保良川で安全祈願/城辺町・利用者の無事故祈る

 城辺町保良の保良川ビーチの安全を願う祈願祭が8日午前、同ビーチ近くの拝所で行われた。町内の神女や仲間克町長ら関係者らが出席し、向こう1年間の無事故を祈願した。
 拝所は海宝館近くにあり、神女たちは朝早くから祈願祭の準備に取りかかった。この中で、米や塩、果物、もちなどの供え物も置いた。
 準備が整うと神女たちが線香をたいて声高らかに祈願。年々多くの利用者が訪れる保良川ビーチの安全を祈った。
 午前9時ごろには同町の仲間町長をはじめとする町役場の職員も訪れて祈願し、観光名所でもある保良川ビーチの発展を願うとともに、無事故を祈った。
 仲間町長は「保良川ビーチは利用客も多く、観光名所として定着している。向こう1年間、無事故であるよう願った」と話した。
 保良川ビーチ開きは17日に行われる。

 写真説明・仲間町長や町役場職員が訪れ保良川ビーチの安全を祈願した=8日、城辺町保良

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 「役場食堂」が閉鎖/伊良部町・オープン22年目、職員惜しむ

 伊良部町役場1階にある「役場食堂」が、町の逼迫する財政事情から今月1日付で閉鎖された。職員から日替わりメニューのランチが人気を呼んでいた。職員に惜しまれながらオープンから22年目にして幕を引いた。
町は、民間業者に役場内の清掃を委託し、清掃する女性3人が同食堂も切り盛りしていた。電気、水道、ガスは町が負担し、家賃は無料。職員厚生会が月5万円を援助していた。3人は、5万円と昼食の売り上げからの純利益を手間賃として配分していた。
 町は、財政改革の一環で、民間会社への清掃委託費を全額カットした。前年度当初予算ベースで450万円。民間会社の撤退に伴い、同食堂への女性派遣も取り止めとなった。
同食堂は、役場庁舎の完成に伴って1982年にオープンした。当時は大勢の職員が利用し、活気にあふれていた。近年の常連客は職員10人程度。常連客は佐良浜出身の職員が多かった。
 職員の仲間勝行さんは「いつも日替わりメニューが楽しみだった。町の厳しい財政事情もあり、閉鎖も止むを得ないかも…。誰か経営してほしい」と言葉を詰まらせながら話した。
 清掃費全額カットに伴い、役場内の清掃は、各課の当番制で実施している。

 写真説明・職員に惜しまれながら閉鎖した役場食堂=8日、伊良部町

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