200平成16  4 曜日

「合併に向けた重要な年度」/各市町村長・04年度スタートで訓示

 新年度がスタートした1日、各市町村などの官公庁では一斉に人事異動の辞令交付や訓示が行われた。宮古地域では来年1月1日の市町村合併に向けた協議が進められており、各市町村では最後の人事異動や新年度訓示となった。各市町村長は「市町村合併に向けた重要な年度。しっかり取り組んでほしい」と訓示した。国、県の出先機関や教育事務所でも辞令交付式があり、このうち今年新採用となった教員らは緊張した初々しい表情を見せていた。

 平良市の辞令交付式は午前9時から行われ、伊志嶺亮市長が部長級から一般職の順に辞令を交付した。伊志嶺市長は「新しいポストでしっかり頑張ってほしい」と激励した上で「財政が厳しい中で、今年の人事異動の特徴は職員を399人から390人に減らしたこと。臨時職員も減らしている。負担が大きくなるがしっかりと頑張ってほしい」と強調した。異動は部長級4人、課長級12人、補佐・係長級27人、一般職は32人、新採用6人の81人。異動率は20・8%だった。
引き続き行われた新採用職員に対する辞令交付では市長部局採用の4人に伊志嶺市長が辞令を手渡した。伊志嶺市長は「皆さんは昨年、採用試験に合格し、採用される資格を持っていたが、財政事情で採用できなかった。これからは公僕としての自覚を持って市民のために働いてほしい」と述べた。新職員代表も宣誓書を読み上げ、市民のために職務を行うことを誓った。
 平良市以外の町村でも辞令交付や年度始め式が行われた。各町村長は国の三位一体改革の影響で、地方自治体の財政状況は一層厳しくなっていることなどを指摘しながら、職員の奮起を促すとともに、気の引き締めを呼び掛けた。

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『青潮園』がオープン/身体障害者の通所・授産・デイサービスを備える

 平良市下里(山中地区)に建設を進めていた身体障害者療護施設、身体障害者通所授産施設、身体障害者デイサービスセンターの3つの機能を1つにした「青潮園」(運営・社会福祉法人ユームツ会)が1日、オープンした。通所・授産・デイサービスの3機能を兼ね備えた施設は県内初。段差を少なくするなど身体障害者や高齢者が利用しやすい工夫が施されている。公共施設などのバリアフリー化を推進する県から宮古で初めての「福祉のまちづくり条例に基づく生活関連施設整備基準適合証」も交付されている。総事業費は約10億円。
 同園は介護老人福祉施設「栄寿園」隣に建設された。重度身体障害者用のベッドが50床、ショートステイが5床、通所作業所が40人、デイサービスが15人利用することができ、旧施設の約3倍の規模となっている。
 敷地面積は8388平方メートルで、うち建物面積は3221平方メートル。そのほか、通所授産施設利用者の行う軽作業の充実を図るため、園芸用に約1000平方メートル、施設園芸用に約1300平方メートルの敷地も確保されている。
 施設内は建築基準法の定める段差2センチ以内より、平均で0・5センチ低い約1・5センチ。同じく廊下幅2・8メートルに対し3メートル、トイレの入り口幅1・1メートルに対し1・6メートルと、ゆとりある設計が特徴。そのほか、車いすやリクライニングベッドがUターンできるスペースを確保した大型エレベータや、車いすでも1人で移動できるよう、建物の内外はすべて手すりが設置されている。
 これらの設備が評価され、3月30日には段差の解消や手すりなど約70項目を満たした施設にのみ交付される「福祉のまちづくり条例に基づく生活関連施設整備基準適合証」も認定されている。
 施設では従来の工芸、民芸のみならず、有機肥料を使ったハウス栽培、精米販売などを行いながら自立し、就業機会を得られるよう機能の訓練を図る。施設運営を行うユームツ会では介護士、理学療法士など41人体制でサービス提供に努める方針。
 下地徹施設長は「心機一転、利用者のための施設なので職員一丸となってますますサービスの向上に努めたい」と意欲を見せた。

 写真説明・オープンした青潮園=1日、平良市下里(山中地区)

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臨時職18人再雇用へ/伊良部町・

浜川町長「子を扶養している人優先」

 一般会計で3年連続赤字を出し、今後も財政が逼迫するとして、先月末に全臨時職員44人を解雇した伊良部町(浜川健町長)は1日、18人を再雇用する方針を明らかにした。
 浜川町長は「子供を扶養している人を優先に再雇用したい」と述べ、今週中に採用通知を出し、5日に採用辞令を交付する予定。
 一方、町が補助金を支出している同町公共施設管理公社(理事長・川満一同町助役)では、全臨時職員11人中、6人が再雇用、5人の解雇が決まった。
 町と同公社を合わせた臨時職員は55人で、そのうち再雇用は24人になる見通し。
 町は国の三位一体改革の影響で、2004年度の地方交付税が約2億円減額され、財政が一段と硬直。行財政改革の一環として、44人の解雇に踏み切った一方、同公社へ補助する臨時職員の人件費を減額した。
 町は臨時職員の再雇用については、水道事業や共同調理場、南・北保育所では専門職が不在では行政事務に支障を来すと判断した。また公共事業の導入で補助員が必要として、臨時職員を農業振興課、農村整備課、建設課にそれぞれ配置する考えを示している。
 同公社は、公営のゴルフ場「サシバリンクス伊良部」を管理・運営しており、そこで働く臨時職員6人を解雇した場合、管理業務などに支障を来すとして再雇用した。
 町は04年度の当初一般会計予算に1000万円の臨時職員賃金を盛り込んでいた。6月議会の補正予算にさらに1000万円の増額を計上する予定。
 55人を雇用した場合の賃金総額は約7300万円。24人の再雇用では約2500万円の再支出を見込む。
 浜川町長は「各課で仕事量が増えた場合は、臨時職員を増やして対応していきたい」と、雇用にに向けて前向きな姿勢を示した。

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「宮古休日・夜間救急診療所」に名称変更/元宮古救急医療センター

 宮古広域事務組合(代表理事・伊志嶺亮平良市長)が管理運営する宮古救急医療センター(同市東仲宗根)の名称が1日、「宮古休日・夜間救急診療所」の新名称に変更された。平日や日曜・祝祭日の診療時間は従来と同じ。同診療所長の藤川栄吉医師らは、新たな名称で出発となる救急診療体制の充実強化に決意を新たにしていた。
 旧名称の同センターは、総合病院に設置されている救急医療センターと勘違いされることから、新名称への変更が検討されていた。昨年8月、宮古救急医療センターあり方検討委員会(中村貢委員長)が同組合に「宮古休日・夜間救急診療所」に変更した方が望ましいと答申。この答申を受け、今年3月に開かれた同組合3月定例会で新名称が上程され、全会一致で承認された。
 同所は、藤川医師のほかに、女性の看護師4人、事務員2人の計7人態勢。藤川医師は「軽傷患者の1次医療はこちらの診療所で行うが、重症患者の2次医療以上は県立宮古病院で行う」と語った。今後とも同病院と宮古地区医師会との連携が展開される。

 写真説明・今後の救急診療体制に決意を新たにしていた関係者ら=1日、平良市の宮古休日・夜間救急診療所

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多良間営業所を開設/中央ツーリスト・

村民待望、観光振興に期待

 【多良間】県内の大手旅行代理店・中央ツーリスト(宮平良一社長)は1日、村中央公民館隣に同村初の旅行代理店となる多良間営業所をオープンさせた。待望の旅行代理店の開設により、これまで航空券の発券のために空港まで足を運ばなければならなかった村民の利便性は大きく向上する。また観光振興にも力を入れる同村にとって、旅行代理店開設は県内外への情報発信、観光需要の喚起にも追い風になりそうだ。
 中央ツーリストは沖縄本島をはじめ、宮古支店、やいま支店、与那国、久米島、南大東の各営業所など、離島にも積極的に営業所を展開し、離島の観光産業発展にも努める。同日、多良間営業所と名護ジャスコ店を同時に開設した。
 同営業所前で行われた開所式で宮平社長は「中央ツーリストは主要な島すべてに出店し、県内の島々に一番近い旅行社だと自負している。『なぜもっと早く開店しなかったのか』と言われるくらい、自信を持って村民の皆さまのお手伝いができると思っている」と意気込みを示した。
 兼濱朝徳村長は「便利な営業所ができ、村民の不便は解消される。大型機の就航で輸送力が上がり、夢パティオたらまの完成で宿泊施設も整った。観光産業振興の3つの条件がそろった。村が自立する上で欠かせない観光産業にとって、大きな柱となる営業所開設は大変意義深い」と喜んだ。
先島地区をまとめる宮良久志統括取締役は、村民の利便性向上だけでなく、情報発信ができるメリットを強調。「県内外に広く情報を伝え、島の発展に貢献したい。まずは県内の人に多良間を訪れてもらえるよう取り組みたい」と話した。
 同営業所には同村出身の嘉味田夏江さんが駐在する。嘉味田さんは「島の皆さんに喜んでもらえるよう、精いっぱい頑張りたい」と笑顔で抱負を語った。

 写真説明・開所式で村民を前にあいさつする宮平社長=1日、中央ツーリスト多良間営業所前

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「緑の街角賞」受賞者宅紹介C/箱庭のような見事な庭

福嶺 雅春さん

【 緑の街角賞(アイデア庭園賞) 】
 文教通りのカンガルー保育園向かいに、1階理容店2階住宅の築5年の新しい建物がある。
 道路沿いの階段を上がると、30坪前後の庭に高木は2メートルくらいのクロキ・イヌマキ・サガリバナ他の樹木はすべて30センチから50センチ程のミニ盆栽風に箱庭を思わせる見事な庭が目に飛び込んでくる。玉砂利の園路には緩やかな曲線を描き石で縁取られた花壇、石積みのミニ造り橋や池などが配置され、側には緑のじゅうたんのような手入れされた芝生が広がり、変化とアイデアに優れている。花壇の縁取りは、10日に1回の割合で高さ20センチくらいに刈り込みレンギョウが波のうねりのように曲線を描いて鮮やかな黄金色の新葉が目を引き付ける。

  (市民運動実践協議会グリーン部会)

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