200平成16  4 曜日

下地町議会 「合併推進」を決定/住民投票不成立受け

 下地町議会(川満廣俊議長)は31日、市町村合併調査特別委員会(川満克佳委員長)を開き、「合併推進」の立場を決定した。合併についての賛否が拮抗したため、推進か否かの採決は議員10人による多数決で行われ、賛成5、反対5で意見が割れたが、最後は川満委員長の採決で合併推進を決した。同町では3月28日に合併の意思を問う住民投票が実施されたが、投票率が低く不成立に終わり、合併に関する方向付けは町議会に委ねられていた。

 合併推進に賛成した議員は古波蔵小夜子、川平洋、池間健榮、村吉順栄、松永恵茂の5氏。推進に反対の姿勢を示したのは仲里誠高、垣花武一、上地優二、嵩原富三、保良榮男の5氏だった。意見は二分したが、最後は川満委員長が推進の立場を示し、結果として賛成6、反対5で決した。
 委員会で議員各氏はそれぞれの見解を主張。反対派議員の多くは「合併は必要」との見解を示しながらも「時期尚早」との考え方で一致していた。仲里氏は「合併すると下地町の場合はデメリットが多い」と強調。嵩原氏は「合併しても財政が苦しくなるのに変わりない」と訴え、国保事業で赤字を抱える平良市などとの合併に不快感を示した。保良氏は「財政が苦しいと言うが今の予算編成が合併を前提としているからではないか」と自立の道を主張。垣花氏は「住民の声を尊重したほうがいい」と述べ、上地氏は合併の時限立法にこだわらない慎重論議を求めた。
 これらの反対意見に対し、賛成派議員は「論議は尽くした」との見解で一致。松永氏は「今の時期に(合併の賛否についての)話をするのはおかしい」と述べ、村吉氏は「特例債、補助金を受けて、合併の準備を進めるべきではないか」と主張した。池間氏は「下地町議会だけが方向付けを決めていない」と早い段階での結論を促し、古波蔵氏は「他の市町村も私たちの結果を待っている。住民投票の結果が出なかった以上、リーダーとしての責任を果たすべきではないか」との考えを示した。川平氏は「子や孫のためにも合併は推進するべきだ」と繰り返した。

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多良間村長、あいまいな態度に終始/合併枠組み協議できず

 宮古地区市町村合併協議会の第21回会合が31日午後、県宮古支庁で開かれた。村内が合併の賛否で揺れる多良間村の兼濱朝徳村長は、村議の解職請求(リコール)問題が決着していないことを説明しながら「村内ではねじれ現象が起こっている。この混乱はまだ続くと思う。(議会で否決され、合併協議会から)離脱するとは言えない状況で、困っているところ」「離脱はしないが、協議会に従う」などと述べるなど、あいまいな態度に終始したため、協議会は具体的な枠組みの話し合いに入ることができなかった。
 明確な態度決定の時期を問われた兼濱村長は「5月中には大丈夫だと思う」と述べた。
 28日に住民投票が行われた下地町の川満省三町長は「成立しなかったのは残念」と述べたが、これまで通り合併を推進していく考えを示した。また下地町議の池間健榮委員が「町議会は合併推進の方向を決定した」と報告した。多良間村の態度が決まらない中で、伊志嶺亮会長から「6月まで協議会を休眠してはどうか」との提案がなされたが、協定項目の協議が残っていることから、4月も協議会を開催することを確認した。
 兼濱村長は多良間村が合併協議会の審議進行を遅らせていることをわびた上で、リコール問題が決着するまで、態度表明を待つよう求めた。協議会では4月中にも合併調印を予定していることから、多良間村の姿勢に対し、「離脱させ、協議を進めるべき」とする意見も出されたが、結局、6月まで保留することになった。
 川満町長は「住民投票が成立せず、判断は議会に委ねられた」とした上で「歳入の確保や住民サービスの継続を考えると合併を推進すべき」と述べた。
 協議会ではその他、新市建設計画に関する小委員会の報告、2004年度予算案が審議された。

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新入学児童 減少の一途/宮古地区小学校・

計613人、ピーク時の1/3

 2004年度宮古地区小学校の新入学児童は613人(3月29日現在)の見込みで、20年前に比べてほぼ半数、ピーク時だった1960年代後半の約3分の1にまで減少していることが宮古教育事務所(本村幸雄所長)のまとめで分かった。町村部では過疎化、少子化などが主な原因と見られているが、市内中心部でも若い世代が郊外の新興住宅街に流出する「ドーナツ化現象」が起きており、児童数が減少している。教育関係者は「学校の再編統合問題も避けて通れない状況では」と指摘している。
  
・平一小、初の100人割れ
 同事務所が1979(昭和54)年度からまとめた新入学児童数の推移では、90(平成2)年度までは1000人台で推移。翌年度に初めて1000人割れとなった以降は、減少の一途をたどっている。3月29日現在でまとめた新年度の新入学児童の市町村別予定数は▽平良市(12校)401人▽城辺町(4校)60人▽伊良部町(2校)54人▽下地町(2校)45人▽上野村(1校)30人▽多良間村(1校)23人―となっている。
 学校別では東小学校が100人と最多で、南小学校が79人、平良第一小学校が78人、北小学校が69人。一方、大神小学校と宮原小学校は新年度の入学予定はゼロとなっている。平良第一小学校は創立以来、初めて100人を下回った。
 宮古地区の入学児童数のピーク時は詳しい数字がまとめられていないが、1960年代後半から70年代始めにかけて2000人余の入学児童がいたと推定されている。

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修正し議会に再上程へ/平良市環境保全条例案・

委員11人に委嘱状交付

 平良市(伊志嶺亮市長)は31日、「平良市環境保全条例案」に係る検討委員会を発足し、下地学助役が同市役所で委員11人に委嘱状を交付した。会議では中西康博氏を委員長に選任し、同条例案の条文を確認。次回会合を今月11日に開催し、具体的に論議を進めることを決めた。同条例案は昨年6月の同市議会定例会に上程され、継続審議となっていたが、12月定例会で否決された。しかし、多数の議員や大勢の市民から「修正して再上程してほしい」との要望が上がったことから、修正案を作成するため同委員会を結成。当局では今年6月の定例会に上程したい考え。
 委嘱状交付式で下地助役は「環境保全条例案は一度否決されたが、専門家や市民の意見を広く取り入れ、修正を加え、6月定例会に再上程したい。条例は宮古の自然や生活環境を保証していく大事な条例。委員1人ひとりの立場から意見を提言してください」と述べ、委嘱状を交付した。
 続いて行われた会議では、全条文を読み上げ、確認作業を行った。条文修正は次回会議で問題点を検討後に行うことを決めた。
 同条例案は良好な自然環境を将来にわたって保全することを目的に策定された条例で、昨年6月定例会で初めて上程された。しかし、議員から「条例案そのものには賛成するも、もっと十分な論議が必要」として、同定例会と9月定例会で継続審議となった。
 12月定例会では「市民への周知が図られていない」、「市町村合併を控えており、他町村の意見を聞き、慎重に審議をする必要がある」などという理由で否決されたが、一般質問などで「修正を加えて再上程して欲しい」などの意見が出ていた。
 委員は次の通り。(敬称略)
 ▽委員長・中西康博▽副委員長・山内正夫▽委員・松川勝弘、親泊秀人、砂川泰忠、上地慶彦、来間清典、中村司、仲里タカ子、前里和洋、松本尚

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村の観光発展に期待/多良間村・「夢パティオたらま」落成式典

 【多良間】長期滞在型観光施設「夢パティオたらま」の落成記念式典が3月30日、同施設で行われ、兼濱朝徳村長をはじめ工事関係者らが出席し、施設完成と今後の観光発展に期待を寄せた。同施設は昨年7月に宿泊棟が完成し供用を開始。30日までに観光客など2157人が利用している。
 式典であいさつした兼濱村長は「2003年は観光元年。観光と農業、水産業をリンクした観光収入の増大を図ることで雇用創出を生み出し、他産業への効果を図る。この施設の繁栄は、村の発展につながる。心のこもった個性的な施設として、夢パティオを拠点に力強く発展していくことを願う」と述べ、完成を喜んだ。テープカットで落成を祝ったほか、土地提供者や施工業者などに感謝状を贈呈した。
 同施設は、国が地方公共団体などを積極的に支援し、地域社会のいっそうの発展に資することを目的として設置したリーディング・プロジェクト事業として1999年度から03年度にかけて建設された。敷地面積は9750平方メートル。総事業費は5億4940万8000円。
 施設には▽ビジターセンター(パソコン室、大浴場、食堂、コインランドリーなど)▽宿泊棟5棟(1棟にツインルームを含む3部屋、簡易キッチン、トイレ、シャワー完備。17畳の大部屋2間有)▽体験施設(黒糖、豆腐作り体験の場)▽多目的広場(体験農場)―などを設置している。太陽光発電システムも設置した。

 写真説明・兼濱村長(中央)ら関係者がテープカットを行った=3月30日、多良間村、夢パティオたらま

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「緑の街角賞」受賞者宅紹介B/花と緑に囲まれた安らぎのある庭

伊波 常広さん

【 緑の街角賞(植裁美化賞) 】
 ツタで覆われた低い塀の上のフェンスから、きれいに刈り込まれた黄葉レンギョウやカイズカイブキがいかにも「どうぞ中まで…」と、散歩の途中のぞいてみたくなるようなすてきな庭。入ってみるとクロキ、イヌマキ、バンシロウなど大小さまざまな樹木が程よく植栽され、ベランダから見下ろせる前庭の方には手入れの行き届いたマッコウ、ハマシタンなどの盆栽が整然と並べられていて癒やしを覚える。
 また、ブーゲンビリア、ツツジ、バラ、トックリランなどの鉢物。ハイビスカス、ザクロ、クロトン、台湾モミジの小木がバランスよく配植され、石菊、アラマンダ、ベゴニア、インパチェンスなどの草花が所狭しと咲いていて庭全体を引き立てている。
 第2回(1984年)の「ファミリー賞」受賞の経験もあり、家族で協力しながら庭造りに励んでいる様子がうかがえる。
  (市民運動実践協議会グリーン部会)

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