200平成16  28 曜日

新人 下地が出馬表明/県議選宮古郡区・政治風土の浄化訴え

 6月6日に投開票される県議会議員選挙の宮古郡区で、城辺町の前教育委員で自営業の新人、下地一美氏(52)=保守系無所属=が27日午後、同町内にある加治道公民館で正式に出馬表明した。下地氏は「今の政治は党利党略や派閥のしがらみがあり、県政で宮古の生の声が反映されていない」と述べ、政治風土の浄化を強く訴え。併せて農業や観光、教育の振興に全力を尽くす考えを示した。宮古郡区では下地氏のほかに現職の砂川佳一氏(60)が出馬する。上野村前助役の西里秀徳氏(61)も30日に正式に出馬表明するため、同区は3つどもえ選挙に突入する公算が大きい。

 出馬表明は午後5時30分から行われ、会場には下地氏の大勢の支持者が詰め掛けた。議会議員は下地氏の実弟、下地智城辺町議をはじめ、革新系の平良市議数人が顔をそろえた。
 下地氏の後援会の松川光雄会長は「下地氏は保守、革新の垣根や政治のしがらみを取り除き、県議会に新風を吹き込むために立ち上がった。庶民の立場で、庶民の目線で政治を進めるという強い信念を持っている。これから各地域で政策を浸透させながら当選に向けて頑張っていきたい」と述べ、支持を訴えた。
 続いて下地氏が出馬表明を行った。出馬の理由については平良市区、宮古郡区選出の現職県議を批判し「私が立候補することで、住民に選択のチャンスを広げ、問い掛けてみたいという強い思いがあった」と強調。3つどもえ選挙の公算が大きくなっていることについては「どの候補者よりもしがらみのない下地一美を支持していただき、県議会に送ってほしい」と力強く話した。
 その上で基本政策を発表し▽農林水産業の振興▽医療福祉の充実▽観光産業の育成▽伊良部架橋の早期実現▽圏域の経済の活性化、雇用の創出▽離島格差の是正▽自然環境に配慮した生活基盤の整備▽人づくりのための教育振興―を挙げた。
 最後に下地氏は「住民自治や財政問題など残された課題に真剣に取り組み、地域住民の生の声を聞き、よく見て現場主義に徹し、県政に対応策を講じるよう働き掛けていきたい」と述べ、支持を訴えた。
 最後は参加者全員でガンバロー三唱を行い、下地氏の初当選に向けて気勢を上げた。
 下地一美(しもじ・かずみ) 1951年8月9日生まれ。52歳。城辺町比嘉出身。82年沖縄大学卒業。現在は城辺中央クリニック事務長ほか、ホテル・カントリー代表。公職で同町社会福祉協議会評議委員、同町教育委員などを歴任した。現在は宮古地区市町村合併協議会評議委員を務める。妻・揚子さんとの間に1女。

 写真説明(上)・下地氏の初当選に向けガンバロー三唱で気勢を上げる支持者ら=27日、加治道公民館
 写真説明(下)・県議選出馬表明の中で決意を述べる下地一美氏

top.gif (811 バイト)

空港の活用に前向き/宮腰大臣政務官が下地島視察

 宮腰光寛内閣府大臣政務官が27日、視察のため1泊2日の日程で宮古に来島した。伊良部町の下地島空港を視察した宮腰政務官は「伊良部架橋の完成によっていろいろな使い方や智恵が出てくる。県とも協力しながら考えていきたい」と、同空港の利活用に向けて前向きに取り組んでいく姿勢を示した。米軍機の同空港の使用については「日米地位協定が問題。米軍は常時使用しているというわけでもないので、地元の皆さんにご理解を願いたい」と語った。
 同空港の視察に先立ち、町内のてぃだの郷施設で意見交換があった。
 奥原隆治同町漁業協同組合長は「県内外に鮮魚を送っており、国で空輸費を助成してほしい」、奥浜幸雄同町商工会長は「伊良部町が合併しても、伊良部町商工会が存続するように」とそれぞれ要望したという。
 宮腰政務官はこの後、同空港を視察し「現状では新たな需要は難しい」と述べ、同架橋完成後の利活用による需要に期待した。
 この日は同町のほかに、多良間村を視察した。28日は、平良市の大神島や池間島などを視察し、空路で帰任する。

 写真説明・下地島空港などを視察した宮腰光寛内閣府大臣政務官(右)と浜川町長(中央)ら=27日、伊良部町佐良浜港

top.gif (811 バイト)

「目標持たせ、周囲は支援を」/教育シンポ・教師の熱意不足指摘も

 2003年度教育シンポジウム(主催・宮古教育事務所)が27日、宮古支庁で行われ、4人のパネリストが「21世紀を拓く優れた人材の育成を目指して」をテーマに提言し、それぞれの立場から教育環境のあり方や課題などを述べた。パネリストからは「子供たちに早いうちから目標を持たせる」「周囲はそれを支援する」などの意見が挙がった。また記念講演として、木材住宅の普及に取り組んでいるT&Tの比嘉武社長が「教育は全ての業務に優先する」との演題で講演した。
 パネリストは県立宮古高等学校の狩俣幸夫校長、進学塾「未来」の仲地邦博塾長、宮古観光協会の藤村明憲会長、宮古地区PTA連合会の上地善久会長の4人。
 狩俣校長は同校の04年度受験者総合得点が県平均を下回ったことや、生徒の学習時間が減少している実態を報告し「週五日制のゆとりがスポーツなど部活動に流されている。学習の習慣化がされていない」と指摘。「早いうちから家庭学習の習慣が身に付くよう、学校や家庭、地域が雰囲気をつくることが必要。その環境や体制をつくることが学校と行政の課題」と述べた。
 仲地塾長は「進学指導が高校入試中心になっている。受験勉強のスタートが遅い」ことを挙げ、「高校受験は将来の大きな夢へつなげていくための第1歩にすぎない」と強調した。「将来の夢、高い目標を持たせ、それを実現するために家庭が中心となり周囲が応援して学習、進学指導すべき」と話した。
 藤村会長はこの日のシンポジウムに参加した学校関係者の数が少ないことを挙げ「人を教える立場の教師の熱意が足りない」と教師自身のあり方を指摘した。「教育の目標は高校受験、大学受験だけではない。どう目標を立て、社会人となって地域社会にどう貢献するか。生徒が目標を持つことを助けるのが教師や周囲の役目。目標やそれを実現させる手段は生徒自身が選ぶ」と述べた。
 上地会長は子供たちが自ら考えて行動する自立心が弱いことを強調。「大人は指示するのではなく、本人が何をしたいのか考えを引き出すことが必要。早いうちから夢を与え、行動する動機付けが大切」と話した。
 記念講演を行った比嘉社長は、自身の生い立ちや娘たちへの教育、会社設立までの経緯などさまざまな体験を通して学んだことを紹介し、「本人の決意があればやり遂げることができる」と強調した。
 会場には教師など学校関係者が訪れ、さまざまな分野からの意見に耳を傾けた。参加者たちからは子供にやる気をどう起こさせるのか、地域・家庭の在り方や親のかかわり方などさまざまな質疑や意見が出された。

top.gif (811 バイト)

『ミャークフツ』で熱弁/しまぬくとぅば語やびら大会・

洌鎌、砂川さんが観客沸かす

 【那覇支局】県文化協会が主催する「第9回しまぬくとぅば 語やびら大会」が27日、沖縄市の沖縄市民小劇場あしびなーで行われ、県内各地域からの出演者が熱弁をふるった。ほかの出演者全員と観客のほとんどが沖縄本島出身者という中、宮古から出場の洌鎌敏光君(伊良部小4年)と砂川朝賢さん(49)=平良市=は、個性豊かな「ミャークフツ」をアピールした。
 昨年11月の伊良部町教育文化祭でのお話大会に出場し、小学校高学年の部で最優秀賞に輝いた洌鎌君は、小・中・高校生の部で昔話「めばるとたこのゆがたい」を披露。ユーモラスな表情と身振り手振りを交え、観客を沸かせた。「(方言は)お父さん、お母さんや先生、周りのいろんな人から習った」という洌鎌君。「ちょっと緊張したけど楽しかった。もっと方言を練習して、おじい、おばあとも話せるようになりたい」と笑顔を見せた。
 一般の部に出場の砂川さんは、「少子化時代と大学そして方言」と題し、ミャークフツで持論を展開。宮古の出生率が県内でも高い水準にあることを強調し、「これからの時代は、行政は教育に費やすべき。宮古に大学か、せめて大学の分校でもつくってほしい」と話した。また、オリジナルの歌も歌い、「もっと多くの子供たちに方言の素晴らしさを伝えたい」と意気込みも語った。舞台を終え砂川さんは「観客の皆さんはミャークフツを知らないが、共通語を交えながら少しでも自分の気持ちを伝えようと思った」と振り返った。
 大会は地域文化の継承・発展に言葉の果たす役割は大きいとして、同協会が毎年開催している。今年は、役者の八木政夫さんが司会を務め、出場者との軽妙な掛け合いで盛り上げた。

 写真説明(上)・体全体を使ってユーモラスに表現した洌鎌君=27日、沖縄市の沖縄市民小劇場あしびなー
 写真説明(下)・ミャークフツで日ごろからの思いを語った砂川さん

top.gif (811 バイト)

美しい前浜アピールしたい/観光協会・海開き控え清掃活動

 来月4日の「第26回宮古島の海開き」を1週間後に控え、宮古観光協会(藤村明憲会長)は27日、下地町前浜ビーチクリーンアップ活動を行った。各種団体の関係者や親子連れなど約130人が参加し清掃活動に汗を流した。昨年の台風で散乱した流木の破片やビニールなどのごみを拾い集めた。
 この清掃活動は、海開きに訪れる島内外の参加者に、美しい砂浜をアピールすることが目的。
 清掃に先立ち、同協会の足利敏夫副会長は「1週間後の海開きに向けて、砂浜をきれいにしましょう」とあいさつした。
 砂浜は昨年の台風で流木の細かい破片が多く散乱。砂をふるいに掛け除去する作業も行われた。また、作業中には約2メートルの流木も砂の中から表れ、参加者を驚かせた。
 26日から合宿中のビーチバレーのアテネオリンピック女子日本代表の徳野涼子選手、楠原ちあき選手らも清掃活動に参加した。
 友達同士で参加した奥平彩芽さん(平良第一小5年)、砂川奈巳乃さん(久松小5年)は「シャンプーの容器とかお菓子のビニール袋が落ちていた。ごみを捨てないでほしいと思った」と声をそろえた。

 写真説明・130人が参加しビーチのクリーンアップに汗を流した=27日、下地町与那覇の前浜ビーチ

top.gif (811 バイト)



top.gif (811 バイト)