200平成1 6  25 曜日

国保値上げを可決/平良市議会最終本会議・

文教委審議結果を覆す

 平良市議会(池間青昌議長)の3月定例会は24日、最終本会議を開き、総額157億6000万円の2004年度一般会計予算案をはじめ特別会計予算案、国民健康保険事業の保険税率を引き上げる条例改正案、助役収入役の選任同意案などの議案を可決し、閉会した。国保税率の引き上げについては、文教社会委員会(下地秀一委員長)で賛成少数で否決されていたが、最終本会議では賛成13、反対9となり委員会採決を覆した。市町村合併協議で他町村から赤字解消への取り組みを求められている中での委員会否決だったため、合併論議への影響が懸念されていたが、可決されたことで混乱が回避された。

 最終本会議は午前10時開会の予定だったが議員間の調整が手間取り、約1時間遅れて開会した。国保税率の改正については下地委員長が「2年連続の値上げで、市民の理解が得られていない」と、否決した委員会審議結果を報告。本会議採決では委員会と同様、嵩原弘氏、棚原芳樹氏、宮城英文氏、与党の上里樹氏は反対したが、残る与党の8人と公明2人、与那覇昭雄氏、池間豊氏、垣花健志氏が賛成し、過半数を確保して可決した。
 平良市の国保事業は累積赤字が9億8000万円余に上っており、市町村合併協議の中で、他町村から批判が相次ぎ、「現行の赤字額を増やさない。赤字縮小に努力する」との条件付きで協議が進められている。
 市は単年度黒字に転換するためには税率改正が必要として、1人当たり3296円(8・06%)引き上げて年4万4187円とすることを提案。委員会審議で否決された後、伊志嶺亮市長は議会に対し「本会議では可決してほしい」と異例の要請を行っていた。
 また伊志嶺市長が売買契約を結びながら破棄となったトゥリバー地区埋立地問題の責任を取る意味で提案した給与の3カ月5%減額は、財政事情から従来減額してきたことと併せて提案されたため、「性質が異なる」として条例改正案から削除されたため、否決された。
 そのほか「米軍機の下地島空港への飛来に抗議する決議」、「旧軍飛行場用地問題解決に関する陳情」、「年金課税強化の撤回を求める陳情・意見書」などが可決された。また青少年健全育成都市宣言も行われた。
 宣言は「家庭・学校・行政・地域社会・青少年関係団体等は、相互の協調と連携の輪を広げて、市民総ぐるみで青少年健全育成に取り組まなければならない」などとうたっている。

top.gif (811 バイト)

1年ぶりに三役そろう/平良市・助役に下地氏、収入役に松原氏

 1以上も助役が不在となっていた平良市は24日、市議会3月定例会で伊志嶺亮市長から提案された前県議の下地学氏(66)とする選任同意案が与野党の賛成多数で可決された。また収入役には前市福祉部長の松原正郎氏(63)が同じく与野党の賛成多数で可決された。採決の際には市の厳しい財政事情から、「人件費を増やすより不在のままでよい」との強い反対意見も出されたが、結局、提案通りに可決され、市では1年ぶりに三役がそろった。
 助役案採決に際して反対意見を述べた下地秀一氏は「現在、市は厳しい財政運営を強いられている。新年度の予算でも職員給与の削減や行政サービスの低下をまねく恐れがある。三役が就任すれば約2000万円の人件費がかかる。来年1月1日には市町村合併が決まっており、今、本当に財政負担をしてまでも助役が必要とは考えられない。今のままでも合併までは乗り切れると思う。もし助役案が可決されるならば、条例を改正して議員の報酬をカットして、その分を助役の人件費に充てるなどしなければ市民は納得しない。可決するならば議員も責任を持つべきだ」と強調した。
 逆に賛成意見で下里茂博氏は「市町村合併を目前に控え、平良市がリーダーシップを取るためにも助役は必要。国や県への要請活動にも頑張ってもらいたい」と述べた。
採決では下地氏と真栄城徳彦氏の2人が反対、残る20人が賛成し可決された。
 収入役案の採決では下地氏と同様の意見で垣花健志氏が採決に加わらず退席。与党9人と嵩原弘氏、与那覇昭雄氏、池間豊氏が賛成し可決された。
 本会議終了後、2氏に伊志嶺市長から辞令が交付された。下地学氏は「市町村合併という歴史的な時期に直面している。市長が仕事がやりやすいように補佐役として頑張りたい」と述べた。

 写真説明・伊志嶺市長から辞令を受ける下地学氏(中)。左は収入役の松原正郎氏=24日、平良市役所

top.gif (811 バイト)

給与削減を労組に提案/平良市・定期昇給なしの5%カット

 新年度予算で実質上の歳入欠陥となっている平良市の伊志嶺亮市長は24日、2つの職員労働組合に対し、▽給与5%減額▽定期昇給凍結▽特別昇給凍結―などの給与減額案を提示した。案通り実施されれば年1億5560万円の人件費が抑制されるとしている。伊志嶺市長は「できることは何でもやりたい。聖域をなくし財政再建に取り組みたい」と述べ、すでに5%減額を続けている教育長を含む四役についても、さらに5%減らし10%減額とする方針だ。
 この提案に対し労組は「予想以上に厳しい提案。受け入れられるものではない。交渉に向け、内部で議論したい」と話している。
 提案は「本年度の市の予算は約5億6000万円の歳入不足が見込まれており、このままだと赤字再建団体への転落は免れない状況」と説明した上で、定期昇給・特別昇給の凍結、給与の5%減額を提案した。
 執行部の試算によると、定期昇給分で1982万2320円、職員の15%に当たる62人に対して行われている定数内特別昇給分で308万160円、期末手当分で1017万5298円、給与5%減額とそれに伴う期末手当分で1億2251万2950円の合わせて1億5559万728円の人件費が抑制できる。
 また議員報酬については具体的になっていないが四役と同等程度の減額で調整するという。
 国の三位一体改革の直撃を受けた地方自治体では軒並み財源不足に陥っており、これまで聖域だった職員給与にメスを入れる自治体が相次いでいる。

top.gif (811 バイト)

たった1人の卒業式/平良市 大神小中・4月から中学校再開

 平良市立大神小中学校(亀浜勇助校長)の2003年度卒業式が24日、同校で開かれ、唯一の卒業生、根間紗弥花さんが小学校を巣立った。式には島中の人たちが出席し門出を盛大に祝った。根間さんの進学により1年間休校していた中学校は再び開校する。
 亀浜校長は「人生の中で中学生という難しい時期になる。楽しい反面、大変なことも多い。中学校でも一生懸命頑張ってください」と式辞を述べた。
 卒業式を終えた根間さんは「小学校はとても楽しかった。中学ではバドミントンを頑張りたい」と抱負を語った。また、在校生へ「校舎もまた一緒なので、これからもたくさんお世話します」と笑顔で言葉を送った。
 新年度の同小学校への入学者はなく、児童・生徒数は小学2年生1人、4年生2人、中学1年生1人の計4人となる。

 写真説明・祝福を受ける根間さん(前列右から2人目)=24日、平良市立大神小中学校

top.gif (811 バイト)

原料11万5012トンを搬入/沖糖宮古工場・キビ搬入を終了

 沖縄製糖(川満恵次社長)宮古工場の2003−04年期産サトウキビ原料搬入が24日、終了した。搬入量は11万5012トンで、当初(台風通過後の調査)の見込み搬入量を2012トン上回った。前期と比べても3231トンの増収。平年の13万トンよりは下回っている。平均糖度は14・47度で基準糖度帯の下限13・1度を1・37度上回った。反収は6・9トンで前期より0・2トン増えた。平均農家手取り額はトン当たり2万895円。同工場管内のサトウキビは台風被害を受けながらも順調に生育、厳しい成績が予測されていたが、当初見込みの搬入量を上回る結果となった。
 今期サトウキビは8月の干ばつと9月に襲来した台風14号の影響で生育が阻害された。特に台風被害が大きく、宮古全域で葉の裂傷や茎折損など甚大な被害が見られた。ただ、台風襲来後に適度な雨が降り、収穫シーズンの冷え込みなど気象条件に恵まれて品質が向上した。同工場では台風前の当初見込み搬入量を11万8000トンとしていたが、9月の台風通過後には11万3000トン修正していた。
 同工場のまとめによると、搬入された原料の糖度内訳は13・0度以下が11・49%、基準糖度帯(13・1−14・3度)内が32・45%で、14・4度以上は全体の56・05%を占める高品質となった。最高糖度は18/50度(松原地区の農林8号)。
 キビ収穫体系は手刈りが78・2%で、機械刈りは平年並みの約20%だった。
 同工場は干ばつ、台風の影響を受けながらも好成績を残した要因として▽台風後の気象条件に恵まれた▽災害に強く、品質も良い沖糖15号の普及▽害虫被害が少なかった▽製糖期をずらしたこと―などを挙げた。
 その上で「あれだけの台風被害を受けた中では、素晴らしい成績になった。搬入量、品質面ともに良い」と今期を振り返った。
 同工場は1月21日から操業を開始し、64日間原料を受け入れた。製糖操業はきょう25日に終了する。

top.gif (811 バイト)

トライ20回大会まで後1カ月

 第20回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古広域圏事務組合など)まであと1カ月―。大会コースなどでは最終調整に汗を流す選手を目にする機会が増えた。宮古トライアスロン実行委員会(大会長・伊志嶺亮平良市長)でも20回目の記念大会に向けて各班が作業に追われ、準備に余念がない。
 同委員会の下地利幸事務局長は「全体会議を行い30日前の確認を行い、各班の取り組み状況を把握した。住民の盛り上がりが少し低いように感じるので、各種イベントなどで宮古全体を盛り上げていきたい」と意欲を見せていた。
 「波に乗れ 風になれ 20歳のトライアスロン」をスローガンに今年も国内外から選手らが集う。
 28日には宮古出身ミュージシャンらによる「ふれあいライブフェスティバル」も開催。地域住民やボランティア、地元アスリートの交流を図る。
 そのほか、トライアスロン祭り(主催・西里通り会)やストロングマン写真展(主催・宮古写真愛好家協会)、記念植樹などを開催する。開会式には第1回大会優勝の中山俊行さんら歴代優勝者らを招待する予定。

top.gif (811 バイト)